注目選挙区 1 世田谷区
都議選最大の有権者をかかえ、都心で働く人の居住地になっている典型的な郊外型都市。かつて左派社会党委員長の鈴木茂三郎が地盤とし、80年代にかけて社会党が都心の支持を失う中で唯一残った地盤とも言える世田谷区には、連合東京の推薦候補だった山口拓都議の不出馬で、立憲民主党は 風間穣都議に一本化されました。風間都議は前回は社会民主党の支援を受けています。前回国民民主党はゼンセン同盟組織内として元職の関口太一元都議を擁立しましたが落選。今回は、新顔2人を擁立しました。東京清掃労働組合などどちらかと言えば、立憲民主党支持労組の方が勢力の大きい同区において今回は推薦候補を現状擁立しません。立憲民主党都連において、今回は世田谷区は1人に絞るという方針もあり情勢は常に流動的です。都民ファーストでは現職、 福島理恵子都議が立候補予定で衆院選で密かに囁かれていた衆院選を都民ファーストが支援する代わりに、都議選では棲み分けを行い国民民主党は都民ファースト現職の支援を行うという話がまことしやかに流れていましたが、今となっては真偽は不明で選挙後に何か形となって現れるかもしれません。日本共産党や公明党も硬い地盤を持つため、混戦模様です。なお地域政党「減税日本」の候補も立候補を予定しています。かつて私達、労働組合に非常に嫌われていたし、今でも嫌いな人が多く、私も嫌いな「世田谷のパン屋」を輩出した土地柄です。つい最近まで東京都議でした。
注目選挙区 2 練馬区
練馬区は代議士時代の小池百合子都知事の地元であり、都民ファーストの現職2人は小池百合子事務所出身者です。前回連合東京は都民ファースト現職、村松一希都議、立憲民主党現職、 藤井智教都議に「支援」を行いました。支援というものは地域差でその方法は違いますが、人員を派遣しないが「連合が支援している」と公の場で表明しても良いという、かなり軽いもので基本的に組織票を当てにして立候補する人はいません。ただ今回は国民民主党も党職員を擁立。この党職員は玉木雄一郎元秘書であり、重点支援候補の1人です。参政党や維新の会、石丸新党なども擁立しているために都民ファーストの現職は、一定の国民民主党に対する不満があるでしょう。国民民主党都連は現在、電力総連がかなり強い影響力がありますが都連幹事長も練馬区議会議員で電力総連出身です。
練馬区はかつて社会主義協会のプリンス、社会党の寅さんと呼ばれた高沢寅男の地盤であり、社会民主党の活動も世田谷区同様、23区の割には活発な方でこうした票の行方は接戦で左右されそうです。
注目選挙区 3 杉並区
杉並区は社会党、民社党があまり勢力があると言えない土地柄で公明党、日本共産党はその組織力を活かし安定的な地盤を築いています。有力な野党勢力は保守系であることが多く、旧民主党時代では代表的な都議は田中良元杉並区長であり、彼は新自由クラブから別れた進歩党から日本新党に参加した保守系でした。連合東京が組織外推薦を行うのは立憲民主党現職の関口健太郎都議、都民ファースト現職である茜ヶ久保嘉代子都議はかつて社会党代議士だった茜ヶ久保重光の孫の妻に当たります。群馬社会党のリーダーであった重光は妙義基地反対運動の中心であり、地元では「アカネさん」として慕われていました。彼の後継は後に参院民主党のドンと呼ばれた角田義一になります。その話はおいておきますが、茜ヶ久保都議にも連合東京は「支援」を行っており、いわば2人の関連議員を抱えていましたが、国民民主党が自民党の杉並区議を引き抜いて擁立。世田谷区同様、石丸新党や維新の会、新撰組など似た傾向を持つ勢力が次々と立候補を予定し情勢はかなり流動的です。特に近年、杉並区では自民党の退潮ははっきりとしており、今回の都議選では面子をかけた戦いになりますが、司令塔不在の選挙では難しくなると予想されます。
注目選挙区 4 江東区
江東区に限らず下町の選挙区はかつて日本社会党も一定の地盤を築いていましたが、都心の退潮が著しくなると下町の社会党はむしろ非自民保守系に批判票が集まるようになりました。民主党時代においても、大沢昇元都議がゼンセン同盟の支援を得て議席を得ていましたが、彼は日本新党出身です。大沢元都議は比較的、日本新党の長老格になった円より子代議士に近い人で現在でも日本新党系列の人脈にまとまった党員が立憲民主党、国民民主党にまたがって存在しますが、今回は別の話です。江東区は都民ファースト現職の白戸太朗都議を擁立しています。連合東京は白戸都議を「支援」する見込みです。白戸都議は家族が教員一家であり、教職員組合から一定の人脈がありました。国民民主党はルーツが自民党にある、新人を擁立。立憲民主党は元生活者ネットワーク所属の元江東区議を擁立しました。江東区は連合東京と立憲民主党東京都連がいまいち仲が悪く見える象徴的な選挙区であり、かつての全電通、現在のNTT労組組織内江東区議が立憲民主党に所属していましたが、現在は離党しています。自民党も江東区では内紛をし、報道になっていますが連合やその他の支援団体と旧民主党地方県連のいざこざは記事になる事がありません。記事になるような権力闘争ではなく、非常に小さい出来事からエスカレートしてしまうという事例が多いですが、本題ではないので割愛します。またその時期になったら、発信するかと思います。江東区にはもう一つ、隠れた旧民主党勢力「自由を守る会」から 三戸安弥都議も立候補予定です。民主党ではかつて「リベラルの会」に所属し、小さな政党があるから政治が分かりにくくなり、無駄遣いが増えると主張した元代議士、井上和雄が主導権を握っています。井上の地元には直系都議の上田令子が控えています。
注目選挙区 5 町田市
町田市には都民ファースト現職、 藤井晃都議を連合東京は「支援」する方針である町田市は立憲民主党は市議会議員を、国民民主党はNPO法人の代表を擁立しました。町田市は長く革新市政を経験し、東京都内では珍しく自治労の町田市職労が活発であり、そうした面をうまく活用できれば立憲民主党新人も当選圏内に入る事は可能だと思われますが、そう簡単にうまくいかないのが選挙というものです。維新と違って、都民ファーストは自治労を攻撃するようなことはしていないです。もっとも東京都庁では自治労でもなく、全労連でもなくどちらにも所属しない労働組合も大きな勢力ですが。町田市も江東区と同様、保守系の野党が政権批判票を集める傾向があり、石丸新党の出方も重要なポイントになりそうです。都議選は地方選であり、地方選において風頼みよりも選挙期間中にどれだけ支持層を増やせたかで決着が決まります。少なくとも基礎票は、もう固めておかないと出遅れています。