2025/11/28(金)
ベッドでしばらくうずくまってからやっと服を着て靴下を履いて、出掛ける姿になってからまたうずくまっている時間の長いこと。ずっと雨の音がしている。台風が来ているらしい。空腹だけど食べるものがない。さびしすぎる、と言語化したら、あまりにもそれが当てまはまってしまって、涙が止まらなくなる。たったそれだけのことなのだが、ああもう帰ろう、と決心がついた。帰る前にマレーシアでゆっくりしようかとか、長い旅行をしようかとか、考えていたけど、一旦帰って、近くに人がいることをしんどく思うまで実家にいさせてもらおう。
やっと出勤してまた会社で上司と話して泣く。わたしは何度この人の前で泣けば気が済むんだろうと思う。申し訳ない。でも泣いてしまう。「大丈夫なのか心配で、それこそ、、」と相手の言葉がつまったときに、「部屋の窓から飛び降りたいなとか思います」と合いの手を入れて恐怖に陥れてしまう。脅すつもりじゃないんですけどすいません、でもそんなやる気も元気もないので、あと窓があんまり大きく開きませんから、とフォローにならないフォローをすると、あそこの部屋は洗濯機の置いてあるとこがちょっと出やすくなってるやん、とアドバイスにならないアドバイスが返ってくる。こういうところが好きだな、この人の。ついでに今日第1回お別れ会をしようと言ってもらえたのでありがたくその通りにする。
退職の手続きのために役所に行くが書類が足りないと言われて1マス戻る。
お別れ会は特にお別れらしい要素はなく、せっかくこの辺に住んでるならここに行くべし、というトピックになって、ペナンやコタキナバルから始まり、ジョグジャカルタやらコモド島やら、いろいろとお勧めをいただいた。スラバヤ動物園に行くとその辺を歩いているオラウータンと握手ができるらしい。日本から絶対行かない場所なんだからこっちにいるうちに行きなよ!と、みんなで8時間前くらいにやっと固まった決心を揺らがせてくる。この場にいる人たちはみんな単身赴任のプロで、どうやらプロたちはこういうところに連れ立って行っているようなのだ。なるほどな、と思う。この人たちは孤独に強いだけでなく、こうやって仲間同士で飲んだり休みには出かけたりしているから単身赴任していられるんだな、とわかる。こういう輪に最初から入っていくように頑張ればよかったのかな。そうかもしれない。どうしたら入れたのかな。わからない。
久しぶりに黒霧島を飲んだ。美味しいね。
2025/11/29(土)
昨晩は食べ過ぎと飲酒のせいか寝付けず、朝方まで韓国アイドルを見ていた。女の子のグループはみんなかわいくて最高なのだけど、Heart2Heartがいま旬。
Nと電話して転職活動の話を聞く。内定が出たと聞いていたからウキウキかと思いきや、ホワイトで健康的に働けそうだがチャレンジは低めなA社か、キャリアと人脈の広がりは確実だがたくさん働かないといけないB社、どちらに身を振るかという苦しみの話だった。後者に行くなら年齢的には今がラストチャンスだがそんなエネルギーがないかも、という共感しかない話で「わかる〜!」を連発した。友人として、優秀な彼女が後者で輝く姿を見たい気持ちはあるが、それで心身壊れては困るから、やはり前者を薦める。でも守りに入ってしまう自分が悲しい気持ちも痛いほどわかる、できるならもっと頑張りたいもんね、わたしたち。納得して選べるといい。
夕方から本を寄贈しに、初めてクアラルンプール日本人会に行った。日本人会はへんてこな場所にあるへんてこな建物だった。継ぎ足し継ぎ足しでこうなったのかなという趣きで、幼稚園があったり、飲食店があったり、売店があったり、掲示板に日本語でいろんなことが書いてあったり、すごい叫び声が聞こえてくると思ったら剣道のお稽古をしていたり。図書室は区民センター並みの広さで、新しい雑誌があったり学習まんががたくさんあったり、ゆっくりは見られなかったけど充実していそうだった。私の本がどうなるかはわからないが、とりあえず受け取ってくれたので有り難い。12冊。
すごく疲れた。が、推し友達Iさんに会いに行く。この前日本に行ったときに頼まれたおつかいものを渡しながら近況報告し、せっかく3月に彼らがクアラルンプールで単独公演をするのに、一緒に行こうねと言っていたのに、とお互い残念がる。「じゃぁ、4月のバンコク公演で会おう」と言われる。いいかも。
2025/11/30(日)
朝からなにかが振り切れたようにあれこれと移動のチケットを取りまくる。そこからさらに過去の日記のサルベージを始めたら止まらなくなり、出かけるべき時間を越えてしまった。やばい、とGrabを開くと待ち合わせ場所まで25リンギ。電車でもギリギリ間に合うか、と走って駅に着くと、今日会う方に渡すものを忘れてたことに気付いて家に一旦戻る。もう電車は無理かと再度Grabを見ると45リンギに値段が上がっていた。足元を見られている!!完全にやらかしたと思いながら仕方なく乗る。本が一冊買えなくなった。
クアラルンプールアートブックフェアへ。大変な混雑だったが、やっぱり楽しかった。去年はこんな場があることへの衝撃と興奮とでブースを1つずつじっくり見ていたから息が切れるくらいに疲れたけど、今年はもう少し落ち着いて見られてよかった。いろいろなブースでコインサイズから手のひらサイズくらいの小さい本を売っていて、とてもかわいい。すっかり作りたくなる。日本で買うより少しオトクという特別価格のNEUTRAL COLORS 第6号*1を買った。
クールダウンにお茶をしながら、ブックフェアをご一緒したPさんの駐妻という不安定な立場と今後についての話を聞く。次いつどこに行くか不明なまま、主婦業だけをしていることへの不安。Pさんは聴く力がすごいので、わたしはぜひコーチやキャリアカウンセラーをやってほしいと伝える。場所にとらわれず仕事ができるし。逆にPさんは私にコミュニティスペースのある古本屋兼雑貨屋をやってほしいと言ってくれた。具体的。
帰宅して、今日体調不良でブックフェアに来られなかったМさんへ荷物を送る。Grabでバイク便ができるの、初めて知った。
2025/12/01(月)
起きられた。出勤できた。昨日から胃がもたれている。昼ごはんを食べてまだ胃がもたれている。
午後休で病院へ。あれこれ話し、退職と帰国の話をすると、先生から「仕事続けるならもう少し強い薬に変えようかと思ったけど、帰るならもう薬飲まなくてよくなるかもね」と言われる。が、念の為で3ヶ月分出してもらうことにした。先生が「外で買う?」と聞くので何かと思ったら、なんと院内処方は市販の倍額していたとのことで…無職になるなら節約しなきゃ、内緒よ、と処方箋を書いてくれた。
ありがたくそのまま指定の薬局へ行って薬を買い、ついでに近くのカフェに入って読書。『静かに分断する職場』*2を読み終わり、昨日買いたての『NEUTRAL COLORS』を読む。こんなにも自由な本作りがあっていいということにひどく感動する。内容ももちろん面白い。急にエネルギーがわいてなんだかいろいろ書こう、作ろう、という気持ちになる。
ここ数日ごまさんがインターネットにいない気がして、元気ないのかな?と思っていたら、夜サラリとメッセージが来た。そのあとツイッターを見たらやっぱり元気がなかったみたいだった。ちょっと気にしてたのに「てか大丈夫?元気?」の一言を自分から言えなかったことを悔やむ。
2025/12/02(火)
朝起きて、悔やんでも言わないよりマシと思い直し「大丈夫?」とごまさんにメッセージした。助けてもらうばかりではいけない、互助しなくては。
出勤。休み時間に彬子女王『飼い犬に腹を噛まれる』*3を読む。話の内容も挿絵も、すっごくかわいい。この連載、ほしよりこに絵を描かせようと言った人に拍手を送りたい。彬子女王との相性が最高。これから皇室を全部ほしよりこの絵に脳内変換して見たい。
人事部にお願いしていた役所に出す書類を受け取る。しばらく眺めていると、とても細かいところが間違っていることに気付く。が、一旦このまま出せるか明日チャレンジする。いまこの瞬間、間違いを指摘して揉めたくない…こういうところが心が弱い。
働いていると首が痛くなる。思い切って夕方予約して19時半からピラティスに行った。ビギナークラスにしたのにしんどすぎて筋肉の衰えを痛感。身体がぽかぽかビリビリ。胃もたれが治った。よく考えたら7月末以来の運動だ。さすがに太ったのでなんとかしたいが、道は長そう。
2025/12/03(水)
朝から役所。昨日の書類はスルーで受け取られ、両手の親指の指紋をあらゆる紙に押しまくって終わった。想定より早く終わったからkoppikuでラテとポロバンを買って一息ついた。安くて美味しくてありがたい。しかし再び胃がもたれている。
オフィスに戻ってミーティング。盛り上がるので切ない。わたしは元気ならこの人たちのお役に多少は立ててたんだよな、と思う。辞めると決めたけど、どうしてこんなに自分の決断を認めるのが難しいのだろうか。辞めてから「正解だった」と言えるだろうか。
昨日のピラティスのおかげで全身筋肉痛、そこから更に頭痛までしてきてフラフラと帰宅。インスタント粥を食べて19時半に布団に入った。明日の出勤が不安。
2025/12/04(木)
名古屋に住んでいたとき、スパゲティが焼きそば麺みたいな袋に入って売っていたことを急に思い出す。チャレンジしたんだっけしなかったんだっけ。当地のスーパーにもいろんな生麺があるが、一度くらい試したほうがいいだろうか。すべての興味関心にチェックマークをつけるには、2年はちょっと短い。
朝起きたらまぁまぁ持ち直していたので出勤。全身筋肉痛ではある。
仕事は引継ぎ資料をがりごり作っているが、13時半でもう集中力が切れた。人それぞれの苦しさがあるだけなのに、勝手にそれに序列をつけて強く出たり遠慮したりしてしまうのをやめたい。でもそれはどうやったら叶うのだろうか?などと全然関係ないことを考える。
退勤後、先週金曜のミニお別れ会で「行きましょう」となった中華へ。よって金曜と同じメンバーである。このお店の名物にペーパーチキンというメニューがある。マレーシア名物らしいが先週まで存在すら知らなかったため「帰る前に食べないと」となったのだった。紙に包まれてる鶏。美味しかった。しかしそれよりも他のメニューがもっと美味しかった。中華料理の店なのにカレーが美味しいとか、あんかけ焼きそばの麺が極細であんかけが粘度弱めのとろとろで美味しいとか、こういうのはもしかしたら旅行では辿り着けない食事かもしれない。この地にいる先人に連れてきてもらえるからこそ知る味。そう思うとやっぱりずいぶん贅沢をしている。
なんだかすごくさみしくなってしまった。



