2025/11/14(金)
過去最軽量の荷物で帰省している。紅茶と上着だけ。上着を着て飛行機に乗るとしばらく暑くて、脱ごうかどうしようか迷うのだけど、飛び立ってしばらくすると冷え冷えして、念の為で持ってきていたウルトラライトダウンも重ねて着て寝ることになった。朝5時に目覚めると窓の外は雲の上で朝焼けが強烈な光を放っていた。雲の上は晴れているんだな。常に。『ユーモアの鎖国』を読んで文体に早速影響を受けている。
わたしは、自分のことを子どもだと思っているのが諸悪の根源かもしれない。しかもそれでいいと思っているのがよくない。ブログを読んだ姉から連絡が来て、ちょっと話そうかと言われ、お願いしますと返信しながら、そうやって気にしてもらえることを当たり前だと思っているところがある。常に誰かに庇護されているのが普通だと思っている。大人になるきっかけは今までもいくつもあったのに、その瞬間が来るたびに、責任が怖くて逃げ飛んで逃げ飛んで、今の苦しみがあるような気がする。
降下中、飛行機が過去最高に揺れて身体が椅子から飛び上がりそうになる。ここで死ぬとタイミングが良すぎる。
S氏と1日東京デートして、締めにごまさんが合流してくれて3人で飲んだ。ごまさんは久しぶりにS氏に会ったのでS氏のオタクの早口を引き出して楽しんでいた。話の内容に過去を振り返るものが多い。付き合い始めた頃わたしがS氏を怒鳴った話を久しぶりにされて改めて反省した。3軒目で、生チョコレートにキャラメルアイスを絡めて食べたことをS氏に褒められたのが嬉しかった。
2025/11/15(土)
朝ごはんにチーズトーストを食べる。父の三回忌。「お寺に持って行く写真、お父さんとあなたが写ってるやつのほうが楽しそうだから、カバンに入れて」と母が言い「はいはい」とその通りにする。いざお経を読んでもらう段になると、焼香台の写真からはまるで2人まとめて死んだように見える。焼香はなんだかレモンのような香りがして、煙が上がるとするするするとこちらへ一直線に向かってくる、風もないのに。頭が煙に包まれて揉まれるような気がして、わたし死んだのかしらと少し思う。
お坊さんのお経が短すぎた割に「〇〇寺にようこそお来しくださいました」というセリフを5回くらい言ったよね、という悪口で盛り上がりながらの会食。マレーシアの生活はどうなの、という話で盛り上がるのは魚売り場のエイ、側溝のオオトカゲ。母懸案の冷えた天ぷらはたしかに冷えていたけど、天つゆを温かく出してくれたのですこし気が紛れた。
帰ってきてお菓子をまりまりと食べながら、つかまえてきたドジョウがボウルから逃げた話、借りてきたジャンガリアンハムスターが床下に逃げた話、病院に連れていく途中の電車内で文鳥が逃げた話などで盛り上がる。
義兄は大勝軒に行き私と姉はロイホに行く。メソメソと泣いたり、にこにことスープを啜ったり、忙しい。今回の一連の事柄への自己分析と反省の弁を述べ、ここから始まる無職期間への不安を述べて泣く。「コンフォートゾーンから出過ぎたのよ」と姉に言われて、「それはそう、でも悔しいよお」とまた泣く。昨日も姪(姉の娘)のお悩み相談会で深夜までメソメソに付き合わされたという姉、連日のメソメソ対応で申し訳ないのだった。わたしは姉のメソメソに対応したことなど一度もない。こんなに姉をずっと長女にしたままでいいのだろうか、こんなに私はずっと末っ子のままでいいのだろうか。
帰宅して、何もしていないのに疲れた。明日の荷物の準備が今ひとつできていないけど、コンビニのうどんを母と二人で啜って早寝する。

2025/11/16(日)
gommのピクニックの日。朝ごはんに母が私の大好物である油揚げをミョウガと大葉で和えたやつを作ってくれて嬉しく食べた。卯の花も久しぶりに食べた。「卯の花って口の中の水分全部とられて、全然好きじゃないのに買っちゃうのよね」と母が言い、それは娘歴40年で初耳ですと思いながら母が残した小鉢も食べた。流れっぱなしになったテレビでサンジャポが始まり、台中問題に突っ込んだ発言をした首相を出演者が全員庇っていたので驚いた。
昨晩のうちにやるべきだったのに忘れていた、ピクニックの荷物整理とペーパーづくりで慌てて過ごす。今日はピクニック会場までごまさんパパが運んでくれるという珍しい予定でいたがそれが急遽なくなり、羽織虫さんに急遽お願いし我が家まで来てもらった。代々木公園まで運んでもらい、荷卸しも一緒にしてもらい、完全に恐縮した。
天気が良く、かといって晴れすぎて暑くなるほどでもなく、木々が紅葉しており、風もなく、ピクニック日和だった。わたしはお客さまと全然お話してないが幸せだった。mg.のおふたりがギリギリで作ったペーパーやテーブルセッティングを喜んでくれてよかった。
帰りも羽織虫さんに送っていただき、頭が下がりっぱなしで帰宅。玄関で荷物をあれこれしていると、絵の展示を撤収してきた母がどどどと大荷物と一緒に帰ってきて、完全にこの親あってこの子ありだった。母のお土産のカニクリームコロッケとネギトロ巻きをつまみに酒を飲んだ。コロッケってものすごく久しぶりに食べたな、すごくうまい。
2025/11/17(月)
起きた瞬間から全身が筋肉痛。シジミのお味噌汁を飲ませてもらって、新宿まで母が車で送ってくれた。運転しながら、そろそろ免許返納しようかと思うと本人が言うので、是非そうされてくださいと返す。散々お世話になったが、そろそろ安全第一で良いだろうの81歳。
ひさしぶりに成田エクスプレスに乗ると、どうしてこの乗り物の席にはシートベルトがないんだろうと思う。バスにも飛行機にもシートベルトがあるのに。
窓の外を見ながら、早くマレーシアに帰りたいし、東京に帰ってきたくないな、とまた涙してしまう。東京は美味しくて楽しくて、会う人みんなが「帰ってきなよ」と言ってくれて、「飲みに行こうよ」「今度ゆっくり話そうよ」と言ってくれて、ありがたいのに、やっぱりなんだか忙しい気がして、人の目が気になる気がして、周りで話している言葉や書かれている文字が全てわかってしまって、近くて、しんどい。『関係あること 近くにいること』というタイトルの日記本を作ったが、やっぱりその通りで、近くにいなければ関係できず、近くにいるなら関係しなければならぬのだ。近くにいるがゆえに負わなければならない責任が怖い。遠隔であることで生まれる逃げ場のクッションのようなラクさに埋もれていたい。マレーシアにある、互いに無関心であるラクさ、言葉が聞こえてこないラクさ、酒を飲まなくていいラクさ、流行りを追わなくていいラクさ、異邦人であるがゆえに許されるあらゆる物事との浮いた距離に、もたれかかっていたい。
成田空港駅のドトールでジャーマンドックを食べるとバリッとしてうまい。カバンの中に本がたくさん入っているのに、改造社書店でまた本を買う。無職になるついでに旅行でもしようかと思って、久しぶりに地球の歩き方を買った。
飛行機に乗り、寝たり起きたりしながら随風02を読む。執筆者の並べ方がいいなと思う。呪術から始まり、いつの間に恋愛の話になり、酔っ払いで終わる。花田さんからphaさんの流れもなんだかオトクな感じ。ナナロク社のインタビューの情熱と誠実さにため息が出た。
空港のフードコートでドライパンミーを食べながら不動産屋に部屋の退去の連絡をすると、中途解約ではデポジットが一切返せないと言われる。家賃2ヶ月分だ。どうしよう。
帰りの電車で作田優『逃亡日記』を読む。もっと壮絶なものをイメージしてたがそのあたりは隠れていた。ほうほうのていで帰宅、階下の食堂でナシゴレンを食べて即寝。
2025/11/18(火)
何度か夜中に目覚めるも、無事起床して無事出勤できた。PCを開くと金曜までに出国の航空券を買うように指示があった。すべてが即判断を求められており厳しい。
仕事。引継ぎの話をすると、後任を採用するつもりとのことで、また惜しいことしたかと思い始める。退職ではなく休職すべきだったのだろうか…とかモヤモヤ考えても仕方ないことを考える。
昼休み、同期Kさんがシンガポールに行った話を聞く。モスバーガーが日本と同じ味で食べられて、2回も食べたと言っていた。いいな、私もシンガポールにモスバーガーを食べに行こう。スネ夫みたいじゃないか。ついでにユニバにも行こうかな。ついでにレゴランドも行くか。
帰宅してキムチと牛ミンチと麺を茹でて食べ、即寝。
2025/11/19(水)
なんだか今更に業務をぽこぽこ頼まれて、とんとこ仕事ができて嬉しいような悔しいような。退職ハイだ。
15時過ぎるともう疲れてやる気が出ない。ぼやぼやしていたら日蓮宗の熱心な信者の人が「元気?」と寄ってくれて、うれしいのだが毎度毎度「ぜひ一度お経を唱えに行こう」と強く誘われていて、どう断ったらいいか困っている。毎日仕事帰りに行って勤行(?)しているらしい。
帰宅して昨日のスープの残りにツナ缶と豆腐とえのきとビーフンを入れて食べる。AIで作った仮面ライダーの動画を見るなどして寝ようとするが、うまく寝付けず。だんだん悲しい気持ちになってきて困る。
2025/11/20(木)
寝付けなかったことが影響して起きられず、在宅勤務とさせていただく。帰国後の社会復帰がうまくいって、もう今月は休まないぞと思ったのに。