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本を薦めたり貸し借りしたりのこと

 

先々週のコロナ感染からすべてがだめになって一人だけ世界が終わっていたのだけど、復活する過程で積んでいた本がいろいろと読めた。

①姉が貸してくれた。

成瀬は天下を取りにいく(新潮文庫) 「成瀬」シリーズ

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『成瀬は天下を取りに行く』はめちゃくちゃ売れていて、数年前に有楽町の三省堂で平積みされているのを手にとっては下ろしてというのをやった記憶がある。この度文庫化されたそうで、その話をいか文庫店主がラジオで話していた*1。業界人の間では映画化されるのでは、という見立てがあるらしい。
表紙のイラストのせいで「成瀬という美少女が女子だけど甲子園で無双して弱小高校を決勝戦まで連れて行く」話かと思っていた。しかし、全然違った。成瀬はたしかに天下を取りに行く。取りには行くけど別に取れるとも言ってない。しかしあらゆることをやってみる。独自の世界をほぼ無意識に貫く成瀬。その様子が、じわじわと周囲の人に影響を与えていく。みんなが成瀬のことを好きになる。読んでいる人も好きになる。
こういうある種たわいもない出来事が詰まった本が売れているというのは日本社会にとってよいことのような気がする。ただ、この成瀬の強さに憧れる気持ちが老若男女にあるということが切なくもある。だってこんなに強くいられないもの。

 

ある日から急に/じわじわとツイッターのタイムライン上に『プロジェクト・ヘイル・メアリー』という言葉が蔓延りはじめて、新しいガンダムみたいなアニメかな?と思っていたらどうやら小説のよう。読む手が止まらないとみんなが言う。なんだなんだ、みなさんそんなにしょっちゅう翻訳小説読んでましたっけ?読み終えた友人から「ぜひ!読んで!!」と強く勧められるが、まあまあお値段も厚みもあって取り組みにくいなぁと思っていたら、姉も読了していた…ので、前回同様、遠慮なく借りた次第だ。映画『オデッセイ』の原作を書いた人の最新作らしい。この映画は偶然にも飛行機の中で観ていて、面白かった気がする。ということは、また、宇宙で人が頑張る話なのかしら。
海を渡ってきた日本語の『プロジェクト・ヘイル・メアリー』はやっぱりでかくて分厚くて上下巻になっていて、普段薄くて小さいzineばかり読んでいる私には読み始める腰がなかなか上がらないものだった。しかしいざ手に取ってみると、「それでどうなるの」「なんでそうなの」「えっ、このあとどうするの」「えっ、なに」「えっ、えっ」の連続で、特に後半は確かに読む手が止まらなかった。細かい描写が多くて、前半はいちいちちゃんと理解しようとしていたのでち読むのがちょっと大変だったが、徐々にその辺は真剣に読み込まずに大枠を理解しながら進めていけばいいと思えるようになった(諦めた)。するとすいすい読めるようになった。
読んでいる間はこの物語についていくのに必死になっていた感じがするが、読み終えてみると、「作家の想像力ってものすごいものがあるな」と呆然とした。この話のリアリティレベルが実際の宇宙にかかわる人から見たらどうなのかはわからないが、無知な一般人たる私にはものすごくリアルで詳細で、SFだとわかっていながらもほとんど現実のように信じながら読んでいた。編集者や協力者も大勢関わってはいるけれどもしかし、ゼロから発想して結末させている作家のパワーに恐れ入った。ちまちました日常の話ばかり摂取して生きているが、たまにはこういう大作を読むことも必要な刺激だなと思う。
もうすぐ映画公開だという。ライアン・ゴズリングが宇宙で頑張る話。

 

③これは先月開催したBook Circulating Club*2でお借りした本。

マレーシア随一の漫画家であり漫画作品のようだ。1950年代のマレーシアのカンポン(=田舎)で生まれた瞬間から、中学校に入るまでの日常を微に入り細に渡って描いてある。もはや歴史書のような本なのだが、漫画(というか吹き出しのある絵…絵本と漫画の間のような)なので読みやすい。日本で言うとサザエさんの原作とか、ちびまる子ちゃんのコミックスみたいだ。当時の世相、家族の生活、住居の様子、学校生活などが手に取るようにわかる。博物館の代わりになる本だった。続編はイポーという街での青春を描いていてこれもまたそのころの若者のカルチャーがわかって面白かった。お借りできてよかった。

 

④こちらもBook Circulating Clubでお借りした本。

ハードカバーのるきさんを読んでいたころ、私は小学生か中学生だったのではないかと思う。それを妙齢に…るきさんよりも歳が上になってから読んでみると、こんなに軽やかで鮮やかでイキイキした本だったのかと目が開かれた。言ってしまえば80年代の末の東京に住んでいる独身女性とその友人を描く日常マンガだ。バブルが背景に見えはするが、それとは関係なく生きている主人公・るきさんの爽やかさ。それよりもっとミーハーな友人・えっちゃんがバランスをとっているのだ。最近すっかり遠のいてしまった「デパートでのバーゲン」とか、会社の人との年賀状のやり取りとか社内恋愛とか、時代を感じる面白さは思いがけなかった。もっともっと、消費社会から距離のあるマンガのような気がしていたが、意外とそうでもない。
何も新しいものを摂取したくないけど何か読みたいとき…私は飛行機の中がその時間に当てはまるのだけど、そういうときにこの文庫を持っていたら気持ちがいいだろうなと思った。

 


というのを踏まえて…というわけではないが
Book Circulating Clubの第2回を開催した。ちょっとおしゃれすぎるカフェでの開催、テンションが上がってすごいボリュームのケーキを食べてしまった。ホットミルクを頼んだらフォームにしてくれる上にココアパウダーまで振ってくれた。一日分のカロリーを摂取してしまったかもしれないAM10:30。
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本を紹介するとか薦めるというのはすごく難しいなと改めて感じた機会だった。前回はまずやってみる、知らない人に会ってみるということに主眼があって、紹介のうまい下手まで考えが及ばなかったのだが、今回は自分のあまりの喋れなさに切なくなった。私が好きな本は日記とかエッセイが多いので特に何が起きるわけでもない。ストーリーもない。ただ読み心地がいいとか、うまく言葉にできないけど「よかった」ものが多い。その人のその瞬間が、その人独自の言葉で書いてある(そしてその言葉遣いが上手)、ということが好きなのだと思うのだけど、それを口頭で繰り返すのも変なので、著者のバックグラウンドを話してみたり、中から引用してみたりする。もっと、付箋をつけて準備しておいて、引用するようにしてもいいな、と今回思った…というかこれは読書会に参加する人なら当たり前の姿勢だろうか?主催しておいて経験値が低くて申し訳ない。


第2回で紹介された本は以下の通り。

 

ワンルームワンダーランド ひとり暮らし100人の生活 (小鳥書房)

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MEMORIES

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Moho Pro 13.5 | プロ・デジタルアーティストのためのオールインワン・アニメーションツール|PC/Mac OS用ソフトウェア

  • Moho
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BRUTUS(ブルータス) 2020年1/15号No.907[危険な読書2020]

  • マガジンハウス
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重力ピエロ(新潮文庫)

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フィッシュストーリー(新潮文庫)

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 RESIPI DARI DAPUR KAK KEK KAK KUEH 
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細々と、月に一回くらい続けていけたらいいな。本って、洋服とも絵画とも映画とも料理とも違って、薦めたあとに現物を貸し借りできるというパワーがある。

 

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寄稿させてもらった『文の四文屋』はこちらから!良いアンソロジーです↓

 

*1:

*2:

*3:万が一、マレーシアお住まいの方でご希望の方がいらっしゃいましたら手売り可能ですのでお声掛けください…




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