以下の内容はhttps://l11a.hatenablog.com/entry/2025/05/28/131229より取得しました。


読書の集いのこと

 

あんまりたくさん本を読まずに育って、図書館ではタンタンとムーミンを借りていたような子供だったのだけど、30歳くらいから「本を読みたい」と思うようになって実際少しずつ読むようになった。
それに貢献したのは当時「スゴ本オフ*1」とか「ビブリオバトル」とかの読書人の集いに出る機会があって、いろんな人が勧める本をそれぞれ読んでみたいなと思ったことがあった*2
スゴ本オフでは毎回テーマを決めて本を持ち寄って、一人ずつ前に立って1分か2分かで本の紹介を紹介する。それぞれに質疑応答などがあり(LT形式というのかな)、全員紹介し終わったら本の交換会をしていた。交換に出せない本は出さなくてよくて、というシステムだった気がする。人気の本は何人も読みたい人が現れて、じゃんけんで勝った人が持って帰っていた。「この本のここが面白い」という話を目の前で聞くと、自分で書店に行くときは手に取らないような本が読みたくなるのが面白かった。*3私は読んでいる本のレパートリーがとても少ないので、たまに出席してもキーワードと関連ギリギリのこじつけで本を紹介していたと思う。今ならもう少しまともにテーマに沿ったものを出せるような気がするが…さておきビールを飲んだりつまんだりしながら本の話をし続ける良い時間だったのだ。gommと合同でピクニックさせてもらったこともあった。屋外開催。


というのを思い出したのは先日とても久しぶりに「スゴ本オフ」にお邪魔したからだ。テーマは「文学フリマで買った本」。参加メンバーのうちのお一方が私たちのブースに来てくださって、あれこれとご購入いただいた。その中の1冊『「スプーンと海」というタイトルで四人で同時に物語を書いてみた』について、質問したいから出てよ、とお声掛けをいただいたのだった。遠隔参加である。
zoomでつないだ先には久しぶりにお顔を拝見する方々がいらして、そして昼から飲みながら喋っているのんびりした空気が伝わってきて、懐かしかった。この本を作った経緯とか、リレー小説はどのくらいの時間をかけたのかとか、そんなような質疑応答をさせていただいたり、世の中にはプロのミステリー作家のリレー小説があることを教えていただいたりして、読んでくださる方とつながるありがたさを嚙み締めた。そして改めて、自分が書いたものを本の形にすることで生まれる出来事に恐縮した。ほかにどんなものを購入されたのか、見せてもらうのを忘れたまま退室してしまったことをちょっと悔やむ。
f:id:l11alcilco:20250528131016j:image

そうこうしながら、私は私で「文学フリマで買った本」を半分ほど読み終わり*4、このかわいい本たちを手元にただ置いておくのは勿体ないなあなどと思い始めた。実家にいたら母と姉と回し読みして、母は母の読書仲間のルートでも回し読みして、というのが定番スタイルだったのだが、文フリ後直帰国してしまったのでそうもいかない。*5
ただでさえ日本語の書籍から切り離された世界に住んでいる。紀伊国屋書店はクアラルンプールにもあって日本でHotな本の中でも選りすぐりが売られているけど、値段が1.5倍以上はするからなかなか手が出ない。それに文学フリマで買ったzineたちは日本にいないと買えないもので、ほとんど電子書籍になっていない。私が買うものは個人的なエッセイのようなものが多いから人によって好みは分かれるとは思うけれど、よい読み物を持ちっぱなしにしているのは、やっぱりもったいない。よきものを分かち合いたい、というと大げさだけど、「喜びを他の誰かとわかり合う/それだけがこの世の中を熱くする」というSNSアンセムが一瞬脳内に鳴り響き、自宅図書館をするか、ツイッターで画像を見て借りたい人に郵送するか…とか考えた。が、別に一方通行じゃなくてもいいんだなと気が付いて、「会」をやることに決めた。一方的にシェアするのではなく、お互いにシェアしたほうが、より広がりがあって面白い、ということは前述した通りで経験済だ。
ツイッターに書いてみるとさすがにフットワークの軽い方がいるもので*6、さっそくリプライをいただいてトントン拍子にスケジュールを決めることができた。こういうのは勢いが大事。

というわけで日曜日にクアラルンプールのカフェに初対面の日本人が4人で集まって、本を紹介して貸し合う会(カッコつけてBook Circulating Club in Kuala Lumpurと呼ぶことにする。BCCKL)が行われた。
私以外のお三方は私よりもマレーシア生活の長い方で、ずっとお互いにツイッターでつながって会話してはいたけれど、今まで顔を合わせたことはなかったという。ご対面のきっかけを作れてなんだか嬉しい。私は三人とも女性だと思っていたのでそうでなかったので少し驚いた…というオフ会らしい瞬間がありつつ、ケーキなど食べつつ、それぞれ持ってきた本を見せ合う。
特に冊数も制限しておらずテーマも設けていなかったので、皆さんたくさん持ってきてくださった。本といってもまんがあり、雑誌あり、ヴィジュアルブックあり、設定資料集あり、小説あり、と、さまざま。それぞれに良さを話して聞いて、わちゃわちゃ回し見して、「じゃあこれを借ります」とそれぞれに言ってカバンに入れて、帰ってきた。2時間くらいの出来事。
f:id:l11alcilco:20250528131030j:image
楽しいことだけを話すために日本人の大人が集まっている空間というのが久しぶりで、なんだかホッとするような、落ち着くような、なんともいえぬじんわり温かい感情があった。自分が面白いと思うことを面白そうと言ってくれる人が、ここにもいるんだなあという安心感。カテゴリではなく関心で集っているからか、在住歴やら職業やらの上下になりそうなものから外れた、フラットな関係性になれそうな気がしたのもありがたかった。

ツイッターにアップされた本の写真を見て、「ローカルな本がマレーシアに渡っている!」と作者である羽織虫さんがツイートしてくれたけど、ローカルな本が別なローカルな場所に渡っているだけで、そこが江東区か八王子市かクアラルンプール市かの差は意外と大差ないのかもしれないと思った。日曜日のBCCの空気は武蔵野市からワープしてきたみたいだった。

またやります。

以下、みなさまが持ち寄ってくださった本のリスト(すべて網羅できずすみません)。

 

楽園の泉 (クロフネコミックス)

Amazon
filmmaker's eye 第2版:映画のシーンに学ぶ構図と撮影術:原則とその破り方

Amazon

 

わたしが紹介したもの

 

-------------


自分で作った日記本を通販しています!ぜひこちらからお買い求めお願いします↓

楽しい旅行記やグッズも作ってます。小説も!↓

寄稿させてもらった『文の四文屋』はこちらから!良いアンソロジーです↓

 

 

 

*1:有名ブログ:"わたしの知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる" を中心にしたオフ会

*2:あとは離婚して落ち込んだときに「もっと本を読んで人の考えてることをわからないといけない」と焦ったり、本に逃げようとしたのもあったと思うのだがその辺は内容を邪魔するのでここにメモしておく

*3:こういうの、今ならTikTokとかYouTubeとかにカジュアルに溢れているのだと思うが、2010年代当時はそんなことはなかった。人間と本が映像で映っているのは「王様のブランチ」くらいではなかったか?

*4:文フリからの帰りの飛行機で読めるスケジュールにしていたのが我ながら賢かった

*5:この回し読みの全員が買ってくれたら出版界/ZINE界はもっと浮かばれるかもしれないが、財布には限度というものがありこれも生活を楽しむ知恵の一つだろう。

*6:わざわざ日本以外に移住するような人は大方フットワークが軽そうな気がするが、意外とそうでもないから心底ありがたい




以上の内容はhttps://l11a.hatenablog.com/entry/2025/05/28/131229より取得しました。
このページはhttp://font.textar.tv/のウェブフォントを使用してます

不具合報告/要望等はこちらへお願いします。
モバイルやる夫Viewer Ver0.14