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コーチェラのこと

 

先週末と先々週末はアメリカの音楽フェス、コーチェラ*1YouTube配信をダラダラと眺めてはうだうだ言うという過ごし方をして、たいへん贅沢だった。これがタダで観られるなんて、未来はこんなに明るかったか…という思い。

わたしは音楽は好きなほうだが全然詳しくない、と前置きしておきたい。脳内にセットされているのは10代の頃に聞いていたJ-POPのままで更新されていない。高校のときはコピーバンドスピッツミスチルGO!GO!7188をやっていました。洋楽はなぜかKISSとAC/DCだけアルバムを聞いていました。どんな偏りよ。そんな感じ。
時は流れてアラフォーでK-POPのごく局地的なエリアにハマり、その一部であるXGというグループはコンサートを観に行くほど好きなのだが、果たしてその彼女たちが今年コーチェラに出るというのだから大騒ぎである。ちなみに去年は別な推しグル(ATEEZ)が出たのでそれはそれで大騒ぎしていた。毎年幸せなファンだ、とまあ、それはさておき。


当たり前の話なのだが世界中のトップアーティストが集まるフェスなので、「あんまり上手じゃないなあ」みたいなことは基本的にありえない*2。そのためなんらか流しておくだけでとても気持ちが良い。土曜日の朝起きて、テレビにYouTubeを映しながら洗濯の準備をしていると「おいおい人生が豊かか…!?」という感じさえした。
ツイッターのタイムライン上でも同じく配信を観ている人たちがたくさんいるので、あれがよかった、これがよかった、などと品評が飛び交う。それを読んでリアルタイムで気になれば、チャンネルを変えて*3話題にしているステージを観るという楽しみもある。ミュージシャンの背景情報に疎いので、ツイッターで喋ってくれる人たちの補足があるとより面白くパフォーマンスを味わえて助かる。
そのうちの1つに、グスターボ・ドゥダメル×ロサンゼルス・フィルハーモニックの出演があった。オーケストラ単独でクラシック曲をやりつつ、いろいろなジャンルのミュージシャンが出てきて1曲か2曲コラボレーションをするという、豪華な、フェスらしい演目で、とてもよかった。だれかがツイッターで褒めていたから観ることができたので、感謝感謝であった。

演目が終わってそのままアウトドアステージのチャンネルを付けっぱなしにして料理したりなんだり*4していると、次の出演者の時間になった。Clairoって、女性ミュージシャンなのか、へぇ~はじめまして…とぼんやり画面を眺めていたら知らないお兄さんが一人で出てきた。あれ?この人はなんだろう?と思っていたらその人に連れられて、見たことのあるおじいさんが出てきた。
バーニー・サンダースだ。
大歓声…というか、どよめく観客。マジか!という感じなんだろうか。その人たちに対してバーニー・サンダースは、アツく、コンパクトな演説をした。「この国は深刻な課題に直面している。気候変動を嘘だと言う大統領がいる。この国の未来のためには、君たちのような若い世代が必要なんだ。正義のために立ち上がろう」といったような内容。最後に演者であるクライロを呼び込んで、観客の拍手を存分に受けて、去って行った。
わたしはビックリして、少し涙した。
この感じがわたしの憧れのアメリカの姿なんだよな。こういうポップカルチャーの場に議員が出てくること、正しい方向を目指そうと叫ぶとそれに応える聴衆がいること、そんな議員を支持し表明するミュージシャンがいること。今のアメリカの大統領なり政府の様子をニュースで見るにつけ、わたしは悲しんだり驚いたり理解不能と嘆いたりする日々なのだけど、ああ、思いがけず、わたしの好きだったアメリカの様子を垣間見られて幸せだな、としみじみ嬉しかった。*5

バーニー・サンダースの紹介でステージに登場したミュージシャンとバンドのメンバーは皆ワイングラスを手に持っていて、楽器を持つ前に全員で小上がりみたいなところに座って、BGMに合わせて少し揺れながら喋ったりしていた。まあ、チルだわねぇ、オシャレねぇ、と眺めていたのだが5秒後、なんだか違和感を覚えるのだった。
それはつまりなんというか、スノッブすぎるのでは。お高く、嫌味っぽく見えるのでは…という違和感だ。
演奏が始まると音楽はとても素敵で、日暮れ直後の空間にこの人たちをブッキングしたのは大正解!となりつつ、さっきのワインのシーンが気になる。どうも、ワイングラスを友人同士で傾けてチルな時間を過ごす…みたいな価値観の人たちは、もしかして今この国で嫌われている…まで行かずとも、疎まれているのでは…?と思うのだ。「ワインなんてそんな余裕あるか〜い!外国から来た誰かに職を奪われて食生活はジャンクで!病院にもかかれなくて、なんだよこれ、地球がどうとか平等がどうとかじゃなくて、俺たちを今どうにかしてくれよ!」という思いのある人たちがきっといて、その人たちは今の大統領を支持しているんじゃないかと思うのだ。そしてその人たちはコーチェラには来ていないんじゃないか。どうだろう。
来ている人たちは、お金があって*6 休みがあって、ゆとりがあって。そんな人たちに、ただゆとりを享受するだけじゃなくてこの国をよくする動き(投票とか)をしてくれよ、っていうメッセージが政治家から投げられていたのだと思うのだけれど、なんだか、ここでそれをやってもな…という徒労感があった。来てなさそうな、現政権を支持してそうな人たちには、どういうアプローチがあるんだろうか、と思う。
そしてワインのくだりは、来てない人たちにとってどう映るんだろうか。あの少しゆとりのある様子を苦々しく思ってしまいそうな人たちと、そうでない人たちとの心の壁は、あのシーンでますます高くなるような気がする。そう思うと、なんだかつらい。このワンシーンで広がる分断の世界のイメージよ。

困ったな、と思いながらテレビの電源を切って、ダンス教室に向かった。これまた贅沢な話だなと思いながら歩く。無料で音楽を見ながら踊るところから、お金を払って踊るところへの移動だもんな。ナメてんのかと言いたくなるゆとり。平和な世界に向けてもっと自分はなんらか貢献しなくていいんだろうか。うーん。と思った辺りでお教室に着き、振付を必死に覚えていたらこういう思いは汗とともに霧消してしまうのだった。困ったな。


その翌日のXGの出番は最高でした。泣いた。

 

 

 

(おまけ。教えてもらって好きになった人たち)

(おまけおまけ。祝どーもくんコーチェラご出演)

 

 

*1:フルネームはCoachella Valley Music and Arts Festivalとのこと

*2:なお去年はYOASOBIが出てたのだが、共感性羞恥みたいなもので全然見られなかった。そういうこともある…

*3:ステージが6つあって同時進行でそれぞれ別なチャンネルで配信している。

*4:クレープのリベンジをしました。上達した。
f:id:l11alcilco:20250427013258j:image

*5:バーニー・サンダースの公式YouTubeチャンネルに演説がアップされていた。

*6:コーチェラのチケットをかなりの人たちが分割払いで買っているという記事も読んだけど




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