5月からダンス教室に通い始めた。
ダンスを習ってて、と話すと大概の人が「ジャンルはなんですか」と訊いてくれる。そうしたら恥ずかしがりながら「K-POPのコピーです…」と答えるのが常。ジャズです、とか、ラテンです、とかじゃないので、答えたあとの相手の反応がなんともいえない。えっ…みたいな、驚きのリアクションが多い…気がする。
あまりにも恥ずかしい相手(勤め先の人とか)の場合は「エアロビクスみたいな、運動を兼ねてやるやつみたいなので…」とか言ってお茶を濁す。実際相手はなんのジャンルであろうと気にしないし、この濁したお茶は誰も飲まないとわかっているのだが、どうも自己開示のハードルに引っかかる項目らしく、濁してしまう。
楽器を習ってて、と話したら「なんの楽器ですか」と訊くのは普通だし、語学をやってて、なら「何語ですか」は普通のコミュニケーションだろう。だから堂々と「サックスです」「マレー語です」と同じ流れで「K-POPのコピーです」と言えばいいのだが、相手の「えっ…」の後ろに勝手に見てしまう「年甲斐も無く…?」「このずんぐりむっくりが…?」「アイドル…?なんで…?」みたいなものに勝手に怖じ気付いている。マジでどうでもいいだろうに、勝手にジャッジに身構えている。
ただし「最近はK-POPを聴いてます」と話すのは勇気を持って乗り越えられたハードルで、勤め先でも濁さず発言している。そのとき自ら、いい歳して困ったもんですよね〜みたいな顔をしている。実際は困ったもんでもなんでもないのだが、なんとなくそうしているのが、まだまだだ。
さて、最初に行った教室は、体格は大きいけどにこにこ優しいマレー系の男性が先生で、ゆるい雰囲気で始まってゆるい雰囲気で終わるクラスだった。
場所は住んでいるところの最寄り駅から3つ隣の駅で、周りの商店街やショッピングモールも賑やかで、美味しそうな飲茶店やイタリアンレストランがあったので入ったりして楽しみもした。
クラス自体は間違えてもオッケー、がんばったね〜って感じの1時間。前奏から最初のサビまで1時間でやるので、結構どんどん進めていかないと終わらない。そして翌週は別な曲に取り組む。その繰返しで、いろんな曲を習えて楽しかったのだが、あまりにも中途半端に覚えては忘れ、できたようなできなかったような、というレベルで過ぎていくのが通うにつれ段々と勿体なく思えてきて、もう少し基礎からしっかり詳細に教えてくれるところに行きたいと、別な教室を探すことにした。
"K-POPダンス"ができる教室は、おどろくほど沢山ある。かつて人々はこんなにも踊っていただろうか、と思うほどだ。
次の教室は、中華系の目力と声の大きな女性の先生がビシバシと運営するところだ。ウォームアップをみっちり45分ほどやる。そこには言葉としては表現されないだけで、スクワットあり、ランジあり、腹筋あり背筋あり、アイソレーションあり、ストレッチありの、心拍数が上がるプログラムになっている。しかもご丁寧に毎回内容が変わる。その基礎の動きを踏まえて、「では今週の振付です」と45分間で15秒ほどの動きを懇切丁寧に教えてくれる。20人も生徒がいるのにひとりひとりチェックしてくれて、手直しまでしてくれる。1ヶ月に3回のクラスを経て、30秒ほどのサビの部分がかなりまともにできるようになる。なお、"かなりまとも"の捉え方は、人による。
結局ここの先生の元気さ、教え方の丁寧さ、プログラムのしんどさが気に入って、8月からはこちらに通い続けている。
クラスが終わったあとに本家の動画を見ると「ここを…こうやって動いて…さっきまで私はこれをやっていたのか…」というアハ体験のような時間が生まれるのと、「もっと動かねば…もっと体力とキレと柔軟性をつけねば…」という欲が生まれるのとで、なんだか前向きな気持ちになれる。生徒はティーン8割、アラフォー2割という構成で、アラフォー陣がみんな素晴らしくスリムでハラも脚も腕もドンドコ出しているので、そういった意味でも刺激になってありがたい。
お教室はこちらも自宅から電車で数駅のところだが、駅からの道のり、誰も歩いている人がいない住宅街を通る。おうちの周りには常に花が咲いていて、なにかわからない植物の実がなっていて、誰も急いでいない空気が漂っていて、気持ちがいい。この景色をずっと覚えていられるかなと思う。自信がないからスマホで写真を撮る。撮っても見えているものとは違ってしまう。でもいつかのために撮っておく。*1
*1:そして前回のブログに続く…