以下の内容はhttps://l11a.hatenablog.com/より取得しました。


大勝軒はお風呂


大勝軒に産湯をつかい、というのは流石に言い過ぎだが、物心ついた時点でラーメンといえば永福町大勝軒*1という環境で育った。

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洗面器のような器に大量の麺、チャーシュー、メンマ、なると、ネギ、柚子の皮、その上にてらてらと光る、熱々のスープが冷めないように張られたラードの層。という本体と、女性の握り拳サイズの巨大なレンゲにレンゲ置き。そのセットがビカビカに磨き上げられた銀色のトレーに載って出てくる。メニューは中華麺かチャーシュー麺のみ。サイドメニューはメンマと生玉子。飲み物のメニューはなし。

こうやって書いてみるとかなりソリッドな店だ。

世間のラーメン屋には醤油、塩、つけ麺、まぜそば、とメインのメニューがいろいろあり、ごはんもあり、ビールや黒烏龍茶が飲めたり餃子が食べられたりする。そういう遊びの要素はない。店の中には会話もない。席を案内する声、注文の声、水を足すときの声、会計の声、だけだ。会計は現金だけだ。

10歳のとき、初めてこの巨大なラーメンを1人で完食することができてとても嬉しかった。それまでは親が頼んだラーメンを小鉢に分けてもらってちまちまと食べていたのだ。子ども連れだけがそういうことができるというルールだった。大勝軒のラーメンには普通の店の2倍の麺が入っている(要は麺が2玉入っている)が、どんなに少食な人でも大人なら麺量を減らしたり、2人で1つを頼むということはできなかった。同じ家族の中の兄姉は1人前食べていただけに、大人に近づいた!と当時のわたしには喜びもひとしおだった。なお、この方針は近年になってやや改変され、少なめ(麺1玉半)というオーダーができるようになった。地域の高齢化の影響だと思う。それでも1玉半はあり、容器はそのまま、値段は安くならない。
コロナ禍になって、今思えば謎の「都道府県をまたぐな」というルールがしばらく続いた頃に、名古屋に住んでいたわたしは実家の東京に戻れずにいた。勤め先の営業もしばらくできず、出勤もままならないため家でぼーっと過ごしていた、そんなところに母から大勝軒の「おみやげラーメン」が配送されてきた。これはまさに故郷の味だ。ちょっと泣くかと思うほど嬉しかった。美味しかったし、ここまで食べることに集中したのはいつぶりだろうかと思った。*2
大勝軒は昭和30年創業で、そこからこの「おみやげラーメン」の発売までの間には「鍋で持ち帰り」というスタイルがあった。いまだに「鍋二郎」という遊び、というかメニューが二郎各店には残っているようだが、その感じ。麺は生のまま、スープは家から持っていった鍋に入れてくれて、家で茹でた麺と合わせて食べる。我が家でもその恩恵には何度も預かっていたようだが、残念ながら当時の記憶があまりない。ただ「おみやげラーメン」発売時の衝撃はなかなかのものだった。お店で直接買ったり配送したりすることができて、お中元に!お歳暮に!というキャッチコピーが外壁に貼られた。まだウィンドウズ95の時代だったはずだが、始まったばかりの楽天市場にいち早く出店して全国通販を始めていた記憶もある*3。果たして本当にお中元にラーメンセットを送った人がいるかわからないが、ファンだったら絶対に嬉しいと思う。お店と9割9分変わらない味が家で食べられるからだ(それに自宅なら麺を自由に減らすこともできる)。
実家に帰ったらぜひ食べたい大勝軒なのだが、食べてしまうと前後の食事に影響が出るためなかなか行けずにいた。一番最近食べたのは2024年の1月だ。なんと時代の進歩(?)のおかげでカップ麺式のものが発売されたり、チルド麺式のものも発売されたりして、その都度わが家のグループLINEは騒ぎになり、各自食べるのだが、やっぱりお店で食べるのが一番美味しい。この1月に実家に戻ってきたあとも、食べたい食べたいと思いながら店の前を通り過ぎてばかりいた。

時が来た。

珍しく一日中雨が降って寒かった日だ。昼間は吉祥寺に出かけていて、歩いているとラーメン屋があまりに頻繁にあるので脳内に麺の字が積み上がっていた。麺麺麺麺麺。井の頭線の中で、うーん、麺、うどん、ラーメン、家系?担々麺?しかし今日は昼も外食したし、「晩御飯どうしますか?」と母からLINEも来ているし、夜は家で食べた方がいいよな、などと考えた。永福町の駅で降り、家に向かって歩こうとしたところで見てしまった。大勝軒が空いている。絶えず行列しているはずなのに、空席がある。
食べたい!いや待て、母はどうする?
電話する。
「大勝軒が空いてるんだけど、食べませんか」「あ、すぐ行く」
雨降る寒空の中、老母を歩かせてまで食べるものなのかと冷静になれば思うのだが、完全に気持ちが大勝軒に吸い取られていた。

15分後にあらわれた母とカウンターに並んで座り、「中華麺、麺少なめひとつ、チャーシュー麺、麺少なめで、メンマ付きで」と注文する。分厚いグラスのお水が運ばれてきて、カシミヤティシューで鼻をかむ。今日の厨房にはお父さんがいる。
しばらくすると中華麺が運ばれてきて、次にチャーシュー麺メンマ付きがくる。メンマはシェアするので2人の間に器を置き直す。メンマを丼にがさっと追加して、啜る。*4
うまいな。
その次に、お風呂だな。と思った。
寒い中を歩いて帰ってきて、湯船に浸かったあの感覚。
ボワっとお腹があったまり、末梢までじわじわーとあったまる。
あったかいなー、おいしいなー、と、お湯の中に顔を突っ込んで髪まで濡らすような感じだ。半身浴ではないのでスマホを見ることもない。ずっとずっと麺と具だけに対峙して無心になっている。たまに飲む冷たい水は温冷交互浴のようだ。サーっと口の中からお腹まで温度が下がる。また麺を啜る。うまい。あったまる。少し汗をかく。ぽかぽかしてくる。麺を啜る。遠くを見たりする。
これはもう、風呂だろう。湯船だろう。
食べ終わり、あまりに満腹で恍惚とした感じがするのも、風呂のようだ。
店を出て頭がぽや〜っとしたまま、お腹がいっぱいだね〜でもやっぱり美味しかったね〜と何度も言い、空気は寒いのに体があたたかく維持されるのも、風呂だ。

 

ごめん、それだけのことを書きたいがために、長々わたしと大勝軒のメモリーを書きました。この時間お腹空きますよね。

なお(これは完全にどうでもいいわたしの流儀だが)大勝軒のスープは最初から飲んではいけない。味覚的には麺を啜るだけでスープの美味しさは味わえるので問題ないですよということと、技術的には早くお腹いっぱいになってしまうからだ。具と麺を全部食べ切って、ほっと一息つきながら飲むのが良い。そのときスープに浮いたネギと柚子の皮を掬って食べると楽しい。塩気が強いので水を飲む。するとまた冷えるのでスープを飲む。これを数回繰り返して、スープで締めて、会計する。水で口の中をさっぱりさせて店を出るなんて勿体無い。しばらくあの味を口の中に入れておきたい。

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これは直近の大勝軒のチャーシュー麺とメンマ。最初の写真は2024年1月の大勝軒の中華麺。中華麺にはなるとがある。

 

 

 

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*1:

*2: そのときのブログ

*3:公式サイトに記載がないため、嘘だったらごめんなさい

*4:追加メンマは熱々のラーメンを少し冷ます効果があると家族で信じている。たぶん嘘。

タイミーのこと(3)

3月になってしまった。2月のあいだにタイミー経由で8回働いて、4万円くらいもらった。あきらかに支出のほうが多いため、山火事に降るにわか雨のようなお給金である。もっと働かないと生活が成立せしない。しないがしかし、まだ就職活動はしていない。貯金が消えていくのを見ないふりしている。
ファミリーマートでおむすびアンバサダーをしている大谷翔平のポスターを見ると、あんたにゃ死ぬほど金があるんだからそんな細かい仕事すんなよ、とツッコんでしまう。おにぎり美味しいけど。

タイミーにもいろいろ職種があることはわかってきたが、結局わたしがやったのは物流倉庫での荷物の仕分けや梱包のお手伝いである。
新卒以来の仕事は流通や小売業だったので、自社の倉庫のみなさんにお世話になることも多かったし、あちこち取引先の倉庫にお邪魔する機会もあった。初タイミーで行った倉庫は初めて来たはずなのに「なつかしい!」と声の出る場所だった。郊外の倉庫というのは正直どこも同じ作りなのでそう思うのは当たり前、しかし東京に帰ってきてからなにもかもが新しくよそよそしいような気がしていたところにこれは有難かった。
それで働いてみると、これもまたなんとなく懐かしい気がしてくる。現場には社員さん(おそらく)が1名、歴の長い正規バイトさん(おそらく)が2名、タイミーさん(わたし)が1名。実際にやることはバイトさんが指示してくださって、タイミーさんが行動する、社員さんは監督、という体制だ。わたしはかつて社員さんとしてタイミーさん的な方々(当時はタイミーなかったので、派遣さんと呼んでいた)に来てもらって、作業してもらっていたことがある。ああ、こういう場面でこの作業は、たしかに社員さんにもバイトさんにもさせられないよな。しかもこの作業は毎日必要なわけではなくて、ちょっと繁忙なときだけ必要なんだよな。と、タイミーさん側なのに社員さん側の気持ちになって「わかる」と思う。

タイミーさん側になって初めてわかったこともある。例えばAからZまでの工程があるとして、CとDがボトルネックだからタイミーさんを頼んで作業してもらう。そのときタイミーさんはCとDのことしか知らないしやらない。それでいいはずなのに、急に指示者がBとかEの話をし始めるときがある。するとタイミーさんはびっくりしてしまう。「え、なんか追加で考えなきゃいけないの?」と。指示者はすべての工程を理解しているから、前後の作業を解説してCとDの意味を分かってもらおうという思いがついまろびでるのだと思う。でもそこはきっとまろびでないほうがいい、と知った。今ここだけをやりに来ているから、事情もなにも知ったこっちゃないという思いがタイミーさん側にはある。
ただ、作業CとDにもバリエーションがあって、1のときのCとDと、2のときのCとDは少しだけ手順が違う。つまり1-C、2-C、3-Cとバリエーションが広がっているのでその都度対応する必要がある。
CとDが一段落すると一拍置いて今度はKとLをやる。間でどんな処理があるのかわからないが、とにかくそうする。
ときどきKの手順の準備が必要になって、それは1つ手前のJというより、Kを実施するための前提条件のようなもので、揃うべき前提条件がα・β・γ…という別な記号で並んでおり、AからZを滞りなく進めるためにそこはある程度満ちていないといけない、という感じがある。
こういうAからZが、この拠点(物流)の前の現場(製造)でも発生していて、きっとこの先でも発生している。全ての場に手順があり、手順の繰り返しで世界が回っている、ということを強く感じるのがわたしにとってのタイミーの場であった。

そこで思うのは、こういった手順を考える人、それはおそらく社員さん、つまり"デスクワーカー"が、世界にどれだけ必要なのだろうか、という疑念だ。
この場で実際の手順を実施している正規のバイトさんやタイミーさんのような"ノンデスクワーカー"は、自動機やロボットによって淘汰されていくという話はよく出るが、21世紀になって25年経つがまだなくなっていない。AIが発達して、現場に起きるイレギュラー性、アトランダム性を機械が処理できるようになっていくともっと機械化が進むのかもしれないとは思うが、それがあらゆる裾野に広がるまでは、まだまだ人間が手を動かして労働することが続くのではないかと思う。
飛躍するが、戦争をする場合現場に行くのは誰か?総理大臣は前線に立つのか?という議論(というか煽り)がある。これと全く同じことがすべての産業で起きており、たとえば総理大臣は国会にいてすべての責任をとろうと采配を振るが、それは戦場で死ぬことではない。スーパーマーケットで知らん爺さんに怒鳴られている店員は傷つくが同じ傷を社長は持っていない。いや、社長は叩き上げで現場で爺さんに怒鳴られた末に偉くなっていったのかもしれない。いつか人を使う側になるときのために末端を経験させるというのはあるあるだが、そこにずっといるわけではない。ノンデスクワーカーからデスクワーカーになることで現場の傷を妥協することもあるだろう。それを許していいのか?という議論がすべての産業の川上と川下で起きている、ような気がする、どうだろう。デスクワーカーの仕事のスタイルが激変し、伴い労働法が変わろうとする中、ノンデスクワーカーが実際の世界を動かしていること、その時間の使い方、体の使い方は以前から変わっていないことを無視できない。

自分はこの先、デスクワーカーに戻ってブルシット・ジョブをやるのか?それとも、ノンデスクワーカーがする現実的な労働をするのか?そんなことをタイミーさんとして段ボール箱をプチプチで包みながら考えていた。とりあえず全然働きたくない。今までやってきた職業の中で、無職が一番向いている。でも厚生年金ってほしいよネ、と思う。

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(トラックターミナルの休憩室で食べるファミチキは美味しい)

 

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タイミーのこと(2)

前回タイミーで交通費が負けているという話を書いたのだが、また同じことをやってしまった。往復で1600円かかるところに行って交通費500円もらった。どうやら他のタイミーさんたちはご近所さんのようで、休憩時間にどこのスーパーが安いという話をされていた。だよねー、と思う。はるばる1時間半もかけて来ている物好きと知られたら驚かれそうなのでそっと輪から外れた。

タイミー歴1ヶ月だが、1回行ったところにまた行く気がせず、せっかくいただいた「お仕事リクエスト」を無碍にしている。正確には、家の近所で朝5時からのシフトがあったのでゲットしていたのだが、日付が近づくにつれ「朝早すぎて起きるのしんどい」「寝坊したらどうしよう」というごく素朴な理由でキャンセルしてしまった。冬季五輪の早朝の試合を観るつもりで起きたらいけたかもしれないが、そこまで強い関心がない。どんなに近所だと言っても、目覚めて服を着てなにかお腹に入れてから行く、となると、朝4時半、いやできれば4時15分には起きたい。と思うとさすがに厳しい。デスクワークなら何も食べずに行ってメールを見ながらお菓子をつまむというだらしのないスタイルが可能だが、タイミーさんのわたしは軍手をしてウロウロ歩き回ったりモノを運んだりするので食べてから行きたい。うまいこと都合の良い時間(10時からとか14時からとか)のシフトが出ないかなあ〜と舐め腐ったことを思いながらアプリを眺めている日々だ。

もう1つ、同じところに行きたくない理由があって、それはどうやら私は"いつものメンバー"になることが恐ろしいようなのだ。当たり前かもしれないが、定期的にある仕事には定期的に行く人がいて、とある現場では「新しい人珍しいねー!タイミーで来る人わりと固定化しちゃってて」と言われたし、また別な現場では先輩タイミーさんから「ここはいつも和気あいあいとした感じなんですよー」とご案内を受けた。その場では「そうなんですね〜!えへへ」という態度でいるのだが、別に仲間がほしいわけでなし、雑談が得意なわけでなし。タイミーの世界はもっとドライかと思っていたが、そうでもないらしいという気付きはわたしを緊張させる。今日はニコニコお仕事できたが、つぎはこのテンションを維持できるかわからない、それが不安なのだ。はじめましての印象を良くしたくてついつい張り切ってしまう自分が悪い。そして初勤務の頑張りを維持しないといけないという強迫観念も悪い。ろくに返事もしないが淡々と仕事をしている見た目推定20歳の男子が羨ましい。でも指示を受けたら「わかりましたあ!」教えてもらったら「ありがとうございまーす!」と大声を出してしまうのは、スイッチが入ると"やるべきこと"もしくは"あるべき態度"になっていて抜け出せない。自動でやってる、なのに、疲れる。困る。

もう1つ、タイミーを見ていて気が付いたのは「お試し勤務」「お仕事体験」というジャンルの求人がけっこうあること。
タイミーのフリ(?)をして1時間その場に呼び出し、作業をしながら面接を兼ねたスキルチェックをするらしい。そこでいけそうだったらタイミーそっちのけで長期/定期バイトとして雇うという手法。もちろんその1時間はタイミーから給与が出る。これは新しい求人のスタイルとしてきっと、タイミー側が各お店に営業して回っているのだろう。下手にバイト情報誌に掲載料を払うより、タイミーを使うほど確実に暇で仕事を求めているような人間に「ちょっと来てみん?」と投げかけるほうが効果的なのだろうか?普通の面接ではお金をもらえないが、1時間お試しで何かしら作業すればお金がもらえるというのは無職側にも嬉しい話。使用店舗を増やしておいて、いざ本当にタイミーが必要なときに募集を出してもらえるようになればタイミー側もハッピーなのだろうか。タイミーはいつどのタイミングでどれくらい儲けているのだろうか。
そんなことを思いながらよくわからぬまま"お試し勤務"に出向いてみたら、開始10分で「じゃ、働きますか?」と定期バイトがアッサリ決まってしまった。
あれ、いつものメンバーになってしまうのか?タイミー生活は終わってしまうのか?

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(「あ、直前キャンセルした奴がいるんやな」と察せるタイミーからの通知)

 

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タイミーのこと

無職生活も早2ヶ月目、そろそろ働きたくなってきたかと聞かれれば全然そんなこともないのだがしかし、毎日ダラダラしているのもよくないので、噂の日雇いアプリ・タイミーをインストールして働いてみることにした。なお日雇いとはタイミー自身は名乗っておらず、スポットワークというのが推奨されるネーミングのようだ。確かに1時間だけから数時間以内の仕事がとても多い。勤務時間が6時間以下であれば休憩時間はいらないというのが労働基準法で決まっているから、それ以下のものが多そうに見える。

まずタイミーしてみて驚いたのは、仕事の取れなさだ。
やってみたい仕事をブックマークしておくと、そこが募集を始めたときに通知が来るようにできるのだが、この通知から埋まるまでの時間が2分くらいしかない。ちょっとカレンダーの確認なんてしていようものなら締め切られてしまう。とくに私がやりたいモクモク作業する系の仕事は人気のようで、なかなか募集をキャッチできない日々が続いた。偶然に取れた仕事をやってみると、その後同じところから今度は「お仕事リクエスト」という通知が来て、なるほど先に経験者に非公開求人を出してから公開求人に切り替えるようになっているのかな、とうまい仕組みにふむふむするのだった。

さらに衝撃的だったのは「経験者限定」「有資格者限定」の文言がかなりの求人に絡んでいることだ。飲食店で調理経験者、テレアポに営業経験者、Webデザイナー、ネイリスト。ポッと出のなにもしたことのない労働素人にはタイミーもさせてもらえないのか…と少し落ち込むのだが、それ以上に驚いたのは「セブンイレブンレジ経験者限定」!果たしてこれは埋まるのだろうかと思った。セブンイレブンレジ経験者は、セブンイレブンでなんらか厳しい思いをしてセブンイレブンを辞める決断をしたのではないか?いや、引越しや就職かなにかで勤められてないだけで、セブンイレブンのレジスキルを持て余している人がいるんだろうか?たしかにセブンイレブンのレジというのは特殊な出来事がたくさんあり、おにぎりを買う人だけでなく、税金を払う人や荷物を出す人にも対応し、ななチキを揚げたり肉まんを温めたりもしなくてはならない。そんなことができる人をタイミーで募集する勇気にも驚くし、そこに入っていくスキル人材にも驚く。普段なにをしているんだろう。シフトに追われず流しのセブンイレブンレジをしているとしたらちょっとかっこいい。f:id:l11alcilco:20260213164052j:image

別で気になるのは、「髪型カラー自由」のタグ。
「まかないあり」「交通費支給」などの"待遇"フィルターのひとつにこの髪色があるので、最近すすけてきている青髪女のわたくしとしてここはマストで絞り込んていきたいのだが、これがトラップなのだ。このタグづけがされている求人なのに、よくよく募集要項を読むと「極端に奇抜な色はご遠慮ください」とあるものが多い。青髪は極端に奇抜ですか?と問い合わせるのも情けないので空気を読んで撤退するのだが、じゃぁ極端に奇抜でない自由な髪色というのはどのレベルを言うのか?曖昧はよくない。ときたま「髪色は黒もしくは茶色でお願いします。」という文言のある求人もあり、そこまで言うならこのタグを外すべきではと思う。意地悪く解釈するとたとえば女性の黒髪坊主は許容するが金髪ロングヘアはダメだということになると、坊主のほうがインパクトがある気もするがどうだろうか?これは屁理屈か。

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そして"待遇"の「交通費支給」タグだが、これは求人毎に設定されている。ある求人は300円、ある求人は500円、といった具合で、個々の労働者が実際に使う交通費とは関係なく決まっている。つまり徒歩で行けるほど近所に住んでいるならラッキーだし、そうでなければ足が出る可能性もある。ほかのユーザーがどの程度この交通費の有無を気にしているのかわからないのだが、わたしは…気にしていなくもあり、大いに気にしてもいる。
初めてのタイミーは気になっていたeコマースの出荷作業のお手伝いだった。お仕事をゲットできたのが嬉しくてろくに考えていなかったのだが、現場は湾岸エリアの倉庫である。それはつまり、家から電車で1時間、さらにバスで30分かかるという、毎日通勤するなら引越しを考えるレベルの距離で、するとつまり、交通費は行きだけで850円もする。
もらえる交通費は500円である。
往復で考えるともう時給レベルで損している。損なのか?いや、損(もともとあったものが失われる)ではないが、なんかちょっとコンセプトを間違えている感じがする。でも面白そうなので行った。こうなるともはやお金のために仕事をするというよりも、体験を買いがてら労働力を提供し対価をもらうという、非常に高度な遊びになっている。キッザニアの業務が実世界に繋がった形。お仕事はもちろんやり切ったが、「面白かった〜」と言いながら帰ってきた。
そのあとは徒歩圏内の現場をキャッチして行ってみたりもしたのだが、またタイミーアプリを眺めては「おっ、これは」となった仕事にエイヤと申込みしてしまう。すると今度は東京と埼玉の境目の行ったことのない場所で、実際にかかる交通費は行きだけで610円だ。もらえる交通費は500円…惜しい、100円足りない!いや、往復で考えると全然足りない!ああまたやってしまった、と思いながらも、見知らぬ駅で降りてバスに乗り、初めて見る巨大なトラックヤードを目に焼き付けられたので満足してしまう。また「面白かった〜」と言って帰ってきた。
タイミーの本来の使い方は社会科見学ではないと思うがしかし、交通費を払うだけで知らないお仕事場を体験できるのはありがたい。ただ、なんか違う気も同時にするので、近所の現場で交通費のプラマイを埋めながら、遠くの現場にもちょこちょこ行きたい。そんなことでいいか?

 

 

子どものようなこと

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さて東京に、母の住む家に帰ってきて2週間経とうとしている。

初日は韓国土産のお餅を食べたりしてごろごろし、翌日は母に急き立てられて荷物の片付けをした。自分より先に実家に到着していた段ボール6ケース、箱のまま2階の自室に持って上がってしまっては二度と開けなくなることがわかっているため、1階の居間に置きっぱなしにさせてもらっていた。それを1箱ずつ開けて中身だけ取り出して上へ運ぶ。効率は悪いが効果は高かった。食後に皿洗いなど始めようものなら母から「それより荷物、荷物」と言われ「はい、そうでした」と有無を言わさずに片付けることができた。多くの夏物衣料はクローゼットの隙間に詰め込まれ、食器はまとめて別な箱に仕舞われた。大量の本だけがどこにも入らないため、箪笥の上にとりあえず置くことになる。うまく落ち着かないのでブックエンドだけ買いに行くことにした。100円均一の店には複雑な形のマガジンラックしか売っておらず、誰も本を止めたくないのかと思ったが、IKEAに行ったら売っていた。新宿のIKEAに初めて行った。ソフトクリームを食べたかったが混んでいたのでがまんした。

それ以外は、まるで冬休みの子どものような暮らしをしている。

初めの数日は緊張もあり早起きをして上記で出た段ボールゴミを捨てに行ったりもしたのだが、そのあとは緩んで寝っぱなしである。母の「ご飯ですよ」の声で起き出し、ぼんやりテレビを見ていると昼になり、「ご飯食べる?」と聞かれてハイと答えるとまたご飯を食べさせてもらえる。母のほうが予定が多いので、出かけるのを見送ると本を読みながらつい寝てしまう。寒くて眠いというのがあるだろうか、と思うが、よく考えるとマレーシアの家にいるときも予定がないとかなり寝ていた。服をたくさん着て寝るか、ほぼ裸で寝るかの違いだけ。そう、部屋の暖房をつけておくことと服をたくさん着ることの大事さがやっとわかってきたくらいの変化しかない。
母が外から帰ってくると「ご飯どうしようか」と言うので、ヘェ、ハァ、と返事をしているといつの間にか台所でジュジュジューと音がしてご飯を食べさせてもらえる。
わたしがやっているのは食後のお茶を入れることとお皿や鍋釜を予洗いして食洗機に入れ開始ボタンを押すことだけである。あとは「レタスの外側の硬い葉をどう食べたらいいか?」と訊かれて「中華スープにしたらいいと思います」と答えたくらいの貢献度合い。

これでいいのか、とさすがに思う。

前に母と住んだときはマレーシアのビザ待ちをしていた3ヶ月間で、終わりが見えていたのでなんとなく甘えていてもいいやと思っていた。英会話の鍛え直しや業務の予習でなんとなく忙しくもしていた。しかし今、堂々の無職、未来の予定皆無。仕事もないのに、掃除も洗濯もせずごろごろ寝ているだけで食べさせてもらって住まわせてもらっていいのか?いや、よくない。しかし母の家事ルーティンにどの程度入り込んでよいものか?わからない。世の“こどおば“のみなさんはどう家庭内の役割を分担されているのでしょうか…とりあえずどこかで母と話をしなくてはと、思ってはいる。

 

 

 

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韓国に行ってきました(週報を兼ねて)

そんなわけでマレーシアから韓国・ソウルに行って、東京に帰ってきました。

スケジュールはこんな感じ。

  • 1月6日(火) 22:40クアラルンプール発
  • 1月7日(水) 06:20仁川空港着、先着のごまさんと合流、着るものを買う、アカスリ
  • 1月8日(木) AMアイドル風ヘアメイク写真、PM美容医療、聖水(Seongsu)散歩
  • 1月9日(金) AMお化粧教室(ごまさんは美容医療②)、PM漢南(Hannam)散歩、ごまさん帰国
  • 1月10日(土) 国立現代美術館、化粧品を買う
  • 1月11日(日) 08:00金浦空港発、09:40羽田空港

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着るものを買う
常夏の国でしばらく生活していたので暖かい服はほとんど手持ちがなく、かろうじて持っていた長袖のスウェットをカバンに詰めてきた。しかしソウルは摂氏5℃、全然間に合わない…というわけでダウンコートをごまさんから譲り受け、さらにニットや下に着るものを買い足した。
ダウンコートはもともと自分が実家に置いているものをごまさんにピックアップしてもらうという話をしていたのだが、いろいろあってお下がりをもらうことになった。いろいろというのは母にピックアップの件を連絡したところ「ごまさんはきっとダウンコートを何枚か持っているはずだから買わせてもらったらいい」と急な主張があったことから始まった。娘/友人としては「そんな厚かましいこと言えません」と拒絶していたのだが「私ダウンコート欲しいのよ。旅行中はあなたが着て、帰ってきたら私が買うわ。ごまさんに話してみる」と折れない。もう勝手にしてくれと呆れていたところ直接やりとりしたごまさんと母の間でうまく合意に至ったらしく、わたしはごまさんのコートを到着即着ることができたのだった。とても軽くて暖かく、デザインもすてきで感謝しかない。東京でもたくさん着ることになるだろう。アカスリ代を負担することで貰い受けてしまったがたぶん安すぎたと思う。
ニットについては翌日に予約していた「アイドル風ヘアメイク写真撮影」で2人で並んで撮ってもらうと決めていたので、それに適したものを探していた。イメージはちょっとフワフワして明るい色で顔映りがよさそうなニット。狎鴎亭 (Apgujeong)というエリアに素敵なお洋服屋さんがたくさんあるようなので見に行ったのだが、素敵すぎてちょっとお財布が追い付かなかった。大きな建物を贅沢に使っているブランドが多く、儲かっているのか不安になる。EMPTY *1 は大きな空間に気鋭のブランドがぎっしり吊るしてあって面白かった。着たらすぐXGになれる服多し。
で、結局、明洞(Myeongdong)にある8SecondsとNYUNYUという、日本でいうGUみたいなSPAの店に辿り着き、「なんでこんなに安いんだ…?」と誰かの犠牲を感じながらセーターを購入。NYUNYUは特に小物の点数が尋常でなく「絶対棚卸し合わないよね…」と小売業経験者の2人ともちょっと目眩。さらに耳当てと、わたしは暖かい靴も購入。韓国限定なのか各スニーカーブランドがモコモコのスノーブーツのような靴を出していてかわいいのだった。
ソウルの街ゆく人々は99%ダウンを着ていて(犬も着ていた)、うち半分以上は帽子かフードをかぶって歩いていた。おしゃれとかどうとかではなく、こんなにも必要に迫られて帽子をかぶることがあるんだな…と冷えすぎた頭が痛くなるのを堪えながら理解した。耳あて大切。耳を温めるの、大切。

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アカスリ
銭湯の角に半分仕切られた空間があり、2台か3台並んだベッドにドゥルンと裸体を預けて垢を擦ってもらうというのがよくあるアカスリのスタイルだと思うのだが、この度個室でアカスリができるという場所を見つけたので行ってきた。*2
ごまさんは初アカスリとのこと。わたしはたぶん3回目くらい。前回行ったときは施術してくれた人に「もっと頻繁に来ないとダメ」と言われて恥ずかしい思いをした記憶あり。
今回のお店日本人観光客向けでお店の人はみんな日本語がバリバリお上手であった。服をロッカーに預けて簡易浴衣を羽織り指示された部屋に入ると、5畳ほどの空間にギチギチに湯船とベッドとシャワーが設置され、水着なのか肌着なのか…要はブラにパンツ姿のお姉さんがいる。これが4部屋ほど連なっており、狭いビルの中で効率を極めたらこうなったという景色だ。
お姉さんの指示のもと、クレンジングシートで顔を落とし、洗顔し、湯船に入る。入浴剤がダバダバ投入され、ジャグジー風にボコボコお湯が巡る。飲み物が手渡されると冷たくてびっくりした。体が冷えているので全然飲めない。飲みな飲みなとお姉さんが言うので頑張るが半分ほどでギブアップ。その頃ごまさんは風呂が熱すぎて入っていられなくて怒られ、渡された飲み物の冷たさに助けられ一気飲みしていたのだという。真逆の体感。
そして風呂から直接ベッドに上がる。寒い。あれこれ体勢を変えながら、足の先から手の先まで全身くまなくギュッギュギュッギュと垢をとってもらう。その折々にお姉さんのお腹なのか腕なのか、素肌に意図せず触れてしまう。それがぷにぷにしっとり柔らかくて、危うくオキトキシンが出そうになる。毎日毎時間朝から晩までほぼ裸で、この閉鎖された暑くて湿度の高いところでお仕事されているんだもん。肌が保湿されるという以上にふやけて当然だ。こんな若造のために申し訳ありません…と思っていると、今度はくしゃみが出はじめて止まらなくなる。鼻水をかみたいが言えない。やっぱり南国育ち(?)が裸ん坊でいるにはちょっと寒いのだ。「さむいですか〜?」「あ〜、おっとっけ〜(どうしましょ〜)」とお姉さんがくしゃみに相槌を打ちながら、おそらく通常以上にお湯をかけたり部屋の温度を上げたりしてくれて恐縮だった。全身のパックやらシャンプーまでしてくれたのち、パタパタと身体を拭いてくれながら「寒いの大丈夫になった?」と訊いてくれて、ホントにオンマなのかな…?とバブバブした気持ちでいっぱいになったのだった。なお数日経っても身体が通常の倍すべすべしており、効果はばつぐん。

 

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アイドル風ヘアメイク写真撮影
同い年の女性インフルエンサーが顔のたるみやらシワやらをすべて消し去った写真を撮っているショート動画を見た影響で、俄然やる気になった写真撮影。
調べてみるとお化粧だけやってくれるところ、写真だけ撮ってくれるところ、両方まとめてできるところ、などあり、写真の雰囲気もアイドル風、俳優風、モデル風などいろいろ。とりあえずまとめてやりたい、そして値段もそこまでかけたくない、ということで選んだスタジオを予約。日本語で対応してくれてすごい。わたしはSNSアイコン用のプロフィール写真、ごまさんはクリスマスふうのセットで撮れるコースで予約。*3
すっぴんで現地に行くとまずはごまさんからヘアメイク。この工程を観察したかったのだが「ここで待ってて」と言われて、おとなしく小一時間待つ。見たいですと強く言えばよかった。楽しそうな笑い声が衝立越しに聞こえてくる。そしてごまさんは撮影に、わたしはメイクに。よく考えたら撮影も見たかった。順番をミスった。撮影者さんの「笑わないでーこっち見てーかわいいー!」「手をこうしてみてーそうですーかわいいー!キヨウォ〜」と声が聞こえる。気になる!わたしもかわいいって言いたい!なぜならごまさんがかわいいことを誰よりもわたしが知っているから…(特大古参強火自負)
そうこうするうちに私の目の周りは一様にどピンクにされ、Kポメイクでおなじみの竹串でつけまつげを固定するアレもあり、うわ〜と思っているうちに顔が完成。セットしがいのない髪をセットしていただき(でもしたほうがすてきに見える)、いざ撮影。撮影者さんが「腕をこう組んで〜、手は顔をタッチで〜」と細かくポーズを指示してくださり有難い。目の前の巨大なモニタに撮ってすぐデータが表示される仕組みだが、見ている余裕はあまりない。100枚ほど撮っただろうか。そこから選定とレタッチを…撮影と同じ人がやってくれる。首のシワ、おでこのシワ、化粧と光だけでは隠しきれないものを消してもらう、目が大きくなり肌がつるつるに顎がシャープに、ものすごいスピードで作業してくれるのでこれを見ているのがめちゃくちゃ面白かった。
そして最後にツーショットも撮ってもらう。じゃれ合ったり抱き合ったりのポーズをご指定いただき、すごい至近距離で見つめ合ったり笑い合ったりする。恥ずかしかったが楽しかった。そしてこれも修正。身体の厚みが半減し、顔の長さが縮められ、顎が発生し、、違和感のない程度で変化しているのに結果は別人のようにきれいになる。アハ体験みたいだ。
ごまさんのセットにはフォトカードがついていてめちゃくちゃ可愛かったので追加で印刷してもらって買った。8000₩。係の人がごまさんに「(こいつこんなキモいこと言ってますけど)いいですか」と確認していて面白かった。
修正していない撮影データももらったのでカメラロールが自分のキメ顔だらけになる恐怖も味わえた。f:id:l11alcilco:20260114233158j:image

 

美容医療
podcastオーバーザサンにて、スーさんが「韓国でオンダリフトやってきた」という話をしているのを聞いて、これまた俄然興味が出てしまった。なにしろそれ以降SNSに流れてくるスーさんの写真の、顔があまりにもシュッとしすぎている。そんなに効くのかよ、何が起きてんだ、二重あごなくしたいよマジで、ということで安いところを探して予約・訪問と相成った。
クリニックにつくとかなり儲かっている空気がある。日本語がペラペラのお姉さまが我々をカウンセリングしてくれる「むまさんは顎下の肉だけじゃなく頬の上の肉もあってたるんでいるので、オンダリフトだけじゃなくチタニウムリフトも足したらいいと思います!値段は本来はコレだけどオンダリフトとセットにしたら半額のコレですね」と言われ「あ〜〜〜〜でた〜〜〜こういうの嫌いだよマジでなんで半額にできんだよ原価いくらだよ」と脳内でキレながらもなぜかノリで「やります…」と答えてお金を払ってしまった。何よりも高い買い物をしてしまい、悔しい。ごまさんは「顎の肉が多いですからオンダリフト60kjでは足りないです、倍にしましょう」と提案され前のめりにブンブン頷いていた。想定外の巨大支出のためwizeカードの残金をちまちまと調整しているとお姉さまから「むまさん、額のシワ気になりますね!?…グーグルレビュー書いてもらったらボトックス打てるんですけど、やりませんか」「えっ…は、はあ…」というやりとりがあり、ボトックスも打つことになった。ボトックスって無料で打てるようなものなのか。星5前提ではないだろうか。
やってみるとオンダリフトというものもチタニウムリフトというものも、なにやら金属の平たい板を顔に当てるとヒヤッとすると同時になんだか温かい。ジワジワと熱い。痛いかと言われるとそうかもしれないがそこまででもない。そんな状態でグリグリと顎から頬までマッサージされる。うーん、これが効くのかな〜わからんな〜と思っている。ダウンタイムはありませんが、熱いお湯でも冷たい水でも顔を洗ってはいけません、というのもよくわからない。とにかく仕組みがわからないことをやるのはよくないなと学びを得た。
最後に額にビッビッビッと注射を打たれ「ギャッ」と声が出た。ボトックス。5箇所くらいですかね〜と言われていたのに10箇所くらい打ったのでかなりショックだった。痛かった。いずれも効果はまだわからない。星5はつけた。
なお、ごまさんはオンダリフトが熱くて痛くて仕方なかったらしい。感覚が全然違う。

 

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聖水
なるほどこれは人気の街だねという感じ。POINT OF VIEWという文具の店 *4 が好きすぎて困っちゃった。シールいっぱい買っちゃった。 寒さのあまり選んでいられず飛び込んだカムジャタンの店*5 はどうやら有名店らしく大混雑の大回転だった。有名なだけある旨さ、芋ホクホク豚肉トロトロ、暖まるし最高でした。

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お化粧教室*6
アイドル風写真のところでお化粧してもらうのでわざわざ教室も行く…?という感はあったが、写真用のメイクはあまりにも濃すぎて普段真似するのは厳しかったので、実用編として勉強しにいってみた。それとマレーシアからの引越し荷物で水っぽい化粧品は捨ててきたので、ここで教えてもらって買って帰ろうという気でいた。囲み目とコントゥアは自分の顔でどこまでやっていいのかわからなかったのでそれも教えてほしかった。
実際習ってみて衝撃的だったのはまず化粧水以降のスキンケア品を筆で塗ること!!!もちろんその後の化粧もすべて、それぞれ別な筆で塗る。こんなにも筆が必要か…!?と思っていたら先生から2本だけ筆がプレゼントされた。残りの筆はオリヤンで買ってねとのことだった。
囲み目もコントゥア(シェーディング)も習ったが結局全然どこまでやっていいのか覚えられないまま終わり、鼻をかんだり目をこすったりしすぎないようにとお達しが出た。もともとの鼻炎に加え寒さで鼻水が止まらないので、もう鼻の周りがガサガサのカピカピなのだ。けっこう無理なこと言う。しかし当社比でめちゃくちゃ顔はハッキリした。いつもよりたくさん塗ったという感じもしないのに、肌が整って骨格がクッキリし目が開いた気がする。前日の写真用メイクを見慣れたごまさんからは「めっちゃナチュラルじゃない!? やっぱり日本のギャルにギャルメイク習いに行くべきなのでは…」と言われた(わたしがギャルになりたいことを考慮してのご意見)。
このあとお教室で使ったあれこれをほぼ全部買った。一部見つからないものがあったので省略したが、それでも今までの化粧履歴で過去1のアイテム数となった。ちょっと冷静になると余計なものも買ってしまったなとも思う…100年後まで使えそうなデカいシェーディングパレットとか。

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漢南
小さくておしゃれなお店がひしめいていてとても楽しいが坂もとても多くて膝にくるエリア。バーやレストランも素敵そう。

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宿泊
ごまさんとは新沙洞(Sinsa-dong)にあるホテルに2泊した。周りにお洋服屋さんやレストランも多くて楽しいエリア。ただしここも坂が激しく、荷物を運ぶのはかなり厳しいので身軽でいたい。ホテル自体はおしゃれかつ狭い空間を賢く使った部屋でたいへん快適だった。併設のアートブックストアに行きそびれたのが悔やまれる。*7
1人になってからの2泊は鍾路3街(Jongno 3-ga)駅の近くのカプセルに。ここは歴史的建造物ゾーンと飲み屋ゾーンに挟まれていて昼も夜も便利だった。おそらくゲイタウンも含まれており、楽しそうな皆さんが飲んでいる会員制バーもちらほら。ホテルも伝統的な様式美をデザインに取り込んでいて素敵だった。*8

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といったところだろうか。長すぎますね。
帰路、早朝の金浦空港から羽田行きに乗ろうとすると、同じような時間帯に他の日本行きもたくさん飛行機があって、本当に近くの国同士で大量の人を送りあっているんだなと実感する。韓国の人たちが私たちが感じたような快適性を感じてくれたら嬉しいが、果たしてどうだろう。とりあえず韓国人が日本語を話すほどには日本人は韓国語を話さないのではないだろうか…ごめんね…こちらは楽しかったからまた来るね…


※しばらく週報ブログはお休みしようと思います。

 

 

*1:https://maps.app.goo.gl/w3bsbDgeg1vaeGiC7

*2:

*3:

*4:Point Of View

*5:Somunnan Seongsu Gamjatang (Pork Bone Soup) 

*6:

*7:호텔 안테룸 서울 / HOTEL ANTEROOM SEOUL

*8:カプセルじゃない普通のお部屋もあるようです。 Hotel-DAAM

週報 荷物のこと

 

2025/12/31(水)
必死で箱詰めをする、なぜなら体重計を家電回収業者に持って行ってもらうからである。体重計がなくなると箱詰めした荷物の計量ができなくなり、荷物の計量ができないと集荷してもらえなくなる。荷物の業者からは「一箱ごとに重さがわかる写真を送ってください」という連絡がきており、申込み書に勘で重さを書いてしまおうかというこちらの甘い考えは既に読まれている。
家電回収業者はわりと時間通りに来て、慌てて全てを持って階下へ降りる。家電回収業者がメインで回収したいのはPCやディスプレイなどのようだったが、そのような素敵なゴミはこちらからは出ず、体重計とか扇風機とかダメになったモバ充とかを回収してもらった。粗大ゴミの概念が弱そうなのでおそらく普通にゴミ置き場に出してしまっても問題ない気もするのだが、なんだか気が咎めて手配した。業者は全部の重さをまとめて量って、1キロ1リンギで不用品を買ってくれた。もともと言われていた回収費用が35リンギだったので、相殺して30リンギ払った。
年内に昨日までのVlogを終わらせてしまいたいので頑張るが、気づけば夕方になり紅白が始まってしまった。iPadでちまちま作業しながらスマホツイッターをいじりながらテレビを観る。紅白は楽しかった。還暦以上のミュージシャンに軒並み感動し、わたしもすっかりこちら側だなとどっしり肚の据わったような気持ちになる。矢沢永吉が最高だった。大昔に(20年くらい前)YAZAWAロッキンオンジャパンフェスに出たときがあり、別な目当てのために観に行っていたのだが、独自の世界観を持つYAZAWAファンのみなさんに出会えたのがとてもよい思い出だ。クソ暑く、ほかのキッズたちが制服のように脇まで捲ったTシャツにリストバンドと半ズボンでいる中、YAZAWAのファンたちはテラテラのスーツを着て首からタオルを下げていた。そして「えーちゃん!(ピッピッ)えーちゃん!(ピッピッ)」
とコールしながら行進していた。ピッピッは笛である。笛かぁ!という思い出。
そんなこんなでVlogYouTubeにアップロードし終わったのは最後のミセスのところくらいで、そこまで飲まず食わずでいた。日本で年越しの時間を過ぎてから、ワインを飲み、買っておいたハムとサラダと、昨日ペナンのホーカーセンターから持ち帰ってきた焼きそばを食べた。おもしろ荘はDOG FOOD PARTYというコンビが良さそうだった。

 

2026/01/01(木)
こんなにも部屋が汚い新年は初めてかもしれない。思考停止した品々がソファや床に点在しており、捨てるのか、持って帰るのか、その場合はどうやって持って帰るのか、全てのものについて行き先を決めないといけない。しんどい。
爆笑ヒットパレードを観たいと思っていたが全く起き上がれずに昼を過ぎた。正月だから当地で出会った袋麺で一番美味いやつを食べる。*1皿がないので一瞬焦るが、プラコンテナで食べられた。
不動産屋さんから、明日内見の人が来ると連絡が来るあり。片付けなくては…と思いながらYouTubeをだら見。

 

2026/01/02(金)
片付けなくては、と思いながらなかなか取り組めないまま昨日はソファで寝てしまった。なんとか起きて掃除をし、出かける。TVボックス*2ツイッターで知り合った日本人の方に買い取ってもらった。沢山煮すぎちゃって、と仰る黒豆をおすそ分けにいただき、その足で近くの店で明日集荷の荷物の伝票を印刷してもらい、さらに近所でラザニアを食べる。ついでに国立繊維美術館も立ち寄った。サラッと見られた。さっきもらったお金をすべて使った。お金を使うのが得意なんだ。
帰ってきてエアコン掃除の立ち会い。使ってないから全然汚くないみたい。汚くないけど関係なく代金は払う。
夜はいただいたおせちを食べる。なんと黒豆だけでなく田作りと栗きんとんも入っていて小躍りした。田作りにクルミが入っていてとても美味しい。黒豆と栗きんとんと、甘いしょっぱいを繰り返して、完全にお正月になった。ビールも飲んだ。
荷物を整理していると、実家にあるからもういらないなと思うものと、もう一度ひとり暮らしするとき使うよなと思うものとが混在する。母と一緒に住むというのはどういうことになるんだろう、と考えると意外と気が塞ぐ。わたしは次いつひとり暮らしするんだ?

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2026/01/03(土)
ギリギリまで寝ていて10時、えっさほいさと少しずつ荷物をロビーに降ろした。残り物の麺を食べながら待っていると部屋のインターフォンが鳴り、慌てて降りるとFedExバンが登場していた。事前に電話が来ると思っていたのだが?という顔でドライバーさんを見ると、相手も電話したのだが?とスマホを見せてくる。番号が間違って伝わっている。ドンマイだ。えっさほいさと荷物を運び、計6ケースの伝票を貼ってお別れ。無事につきますように。
そのまま横たわり、こんなに寝られるかというくらい寝る。
寝てるから当たり前なんだけどお腹が空かない。黒豆とインスタント粥を食べた。


2026/01/04(日)
あれやってこれやってから美容院に行こう、と思っていたのは結局できず、ギリギリまで寝てから美容院へ。
美容師さんに「会社辞めたからブリーチしてバズカット並みに短くする!」と宣言すると喜んでくれた。「任せろ!」とニコニコで切ってくれる。しかし、途中経過はプロゴルファー猿である。自分の顔の肉と肌の黒さが理想のヘアスタイルに適してないんだよな…と薄々気づいている。
なんやかんやで4時間コース。2度ブリーチしたあとの金髪が意外と良かったからそこで止めたらよかったかもしれない。結果、髪はまだらな銀青のような色になり、一部分ハゲて見えるほどにカットされ、多少はてなな部分もあるが概ね満足した。
内見の立ち会いのため一旦家に戻り、力を振り絞り再度出かけた。紙ゴミをリサイクルに出しに行きがてら、バナナリーフを食べ、パサーマラム*3を眺め、スーパーに寄って帰ってきた。今さらだが高いスーパーにはサラダセットという商品があることに気が付いた。ボウル一杯ぶんの葉物と気持ち程度のミニトマト、ドレッシングが入って10リンギとか。それが半額になっていたので買ってきた。太っていることをあと2日くらいでなんとかしたいというかなり無理な欲目。
新しい髪形が見慣れないというか似合わないというかで悲しくなっている。S氏に自撮りを送ったが「青くなった!」以上の反応がなく、客観的にもかなり厳しいのだと思う。大抵の場合は創意工夫をして褒めてくれるので、少しつらい。
明日、マレーシアほぼ最終日だけど、どう過ごすべきだろう。とりあえず洗濯か。


2026/01/05(月)
S氏から今年初ペヤングしたよ、と言われて、いいね、と返したが、同時にやろうと思えばできることが近くなるのが怖いという思いが出てくる。ペヤングもそう、日本で売っている本もそう、テレビ番組や展覧会もそう。距離があるから触れずにいられたものに触れられる距離になると、今度は自分の怠慢だけが課題になってくる。手を伸ばせば見られる、読める、食べられるのに、なんでやらないの?と、誰にも責められてないのに責められるような気持ちになる。ことを予見して不安になっている。先取りしすぎか。
もやもやしているのはよくないからピラティスに行こう、と思いつつ、寝てしまい、夕方になった。
使いかけの調味料、使いかけの油、使いかけの洗剤、を捨てなくてはならず、大変なストレス。それらを捨てるイメトレをしながらごろごろする。やっと20時くらいからやる気が出て、最後の洗濯をしたりゴミ袋にものを入れたり。片付けていると、わたしが家に必要と思っている最低限の設備は、歯磨きとトイレとお茶を飲むための湯沸かしとコップなんだな、とわかる。あと、ハサミ。
なぜか28時まで起きていた。ねむい。


2026/01/06(火)
8時半に起きた。さすがに内臓がおかしい感じがするし、フラフラする。なぜ寝なかったのか。
あれこれ掃除してゴミ袋に入れる。枕と布団を捨てるのがつらい。こんな使い捨ての生活をしたいわけじゃないのに。
ゴミ袋があと2枚くらいあるといいというところで切れる。
11時に不動産屋さんが来ると言ってたが微妙にごみ捨てが間に合わず、あと30分くらい延長してほしい、と思っていたら11:45になると連絡があり、喜んで階下の食堂でご飯を食べた。ここはがっつりナシゴレンパタヤ*4、と意気込んで頼んだのに、なんだか全然具が入ってなくてさみしいナシゴレンパタヤであった。無念。ついでにゴミ袋を買う。
3日に出した荷物が早くも今日実家に着いてしまうとのことで母に受け取り依頼をする。なぜか5箱しか届かなかったらしい。調べると、ラスト1箱だけ関税をとられることになりそう。
不動産屋さんは結局12時に来て、お掃除のお姉さんを呼んでくれて、もろもろ確認の末に駅まで見送ってくれた。トイレやキッチンの微細な不調にも親切に付き合ってくれる良い方だった。ありがとう。
あっけない。

ごまさんから「1月に韓国に行こうと思うんだけど、どう?」と連絡があったのはいつだったっけ。それじゃぁ韓国経由で日本に帰ることにします、ということで、明日からは韓国編をお送りします。

 

 

 

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マレーシアからの引越し日記…ではなく、2年前のマレーシアへの引越し日記を本にして売ってます。初めての移住の新鮮な気持ちが詰まった楽しい日記。好評販売中!ぜひ。

 

 

*1:シンガポールのメーカー、和合(Woh Hup)のdried shanxi spicy oil noodlesというやつ。

*2:違法で日本や東アジア各地のテレビが見られるマシン

*3:近所で毎週やってる夜市

*4:オムライスみたいな卵に包まれたチャーハン




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