当法人が発行している『大阪社会労働運動史』第10巻の編纂過程で行われたインタビューの活用成果が公開されていますので、紹介します。
それは、次の論文です。
橋口 昌治「ゼネラルユニオンの苦情処理制度 集団的労使関係の構築と個別労使紛争の解決の両立」
『労働社会学研究』25 (0), 1-21, 2025
同論文はオープンアクセスになっているため、全文を閲覧・ダウンロード可能です。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjals/25/0/25_1/_article/-char/ja/
橋口昌治さんは『大阪社会労働運動史』第10巻では第4章「労働」の第8節「コミュニティ・ユニオン運動」を担当されました。この原稿を執筆していただく過程で、「ゼネラルユニオン」という、大阪全労協加盟の労組についても取り上げていただきました。
『大阪社会労働運動史』第10巻では紙幅の都合もあって多くを述べることができませんでしたので、ゼネラルユニオンという、従来のコミュニティ・ユニオンとは異なる特徴をもつ労組について突っ込んだ分析を行うのは個別の論文で叙述していただくこととなりました。
ゼネラルユニオンとは、1991 年に大阪市内で結成された個人加盟の労働組合です。結成直後より民間の語学学校で働く外国人講師の組織化に力を入れ、それが軌道に乗ると「大学非正規と民間語学産別唯一のクラフトユニオン」と位置づけるようになりました(本論文p.5)。現在ではコミュニティ・ユニオンというより、産別志向が強くなっているとのこと。特にその特徴が表れていることが「苦情処理制度」に見て取れるというのが本論の趣旨です。苦情処理制度を労働協約の中に組み込んでいる企業名(学校名)も一覧で挙げられています。具体的な事例こそ実名は避けられていますが、実態がよくわかって興味深いです。
ぜひ『大阪社会労働運動史』第10巻と合わせてお読みください。(谷合佳代子)