
Blenderで非対応衣装を着せ続けて早2年半になりました。
独学で50着以上着せてきた中で、先日幸運にもBLUESTELLAさんの衣装対応講座を受講する機会がありました。
3ヶ月近くみっちり添削を受けながら衣装対応を行った結果、販売レベルには非常に高度なスキニング技術が必要であることを知り、自分のスキルはまだまだ足りないな…と実感しました。普段スカートばっかり履くため、ズボンだとお尻や足回りのウェイトが非常にシビアで難しい…。
一方で、作業のワークフロー自体は衣装ショップと同等のものを確立できていることもわかりました。
最近では衣装対応依頼もお受けするようになり、試行錯誤しながら培ってきたノウハウが形になってきたと感じています。
そこで今回は、私が衣装対応の際に愛用しているBlenderアドオンを紹介したいと思います。
衣装対応や非対応衣装をBlenderで着せることに興味のある方の参考になれば幸いです。
使用しているアドオン一覧
衣装対応作業で使用しているアドオンを、用途別にカテゴリー分けして紹介します。
あまり多くは使ってないかなと思います。
| カテゴリー | アドオン名 | 使用頻度 |
|---|---|---|
| ウェイト転送・編集 | Robust Weight Transfer | ★★★ |
| Handy Weight Edit | ★★★ | |
| Vertex Group Merger | ★★★ | |
| Mio3 Copy Weight | ★★ | |
| アーマチュア・ボーン | Merge Armatures Tool | ★★★ |
| Pose to Rest Pose | ★★★ | |
| SKKeeper | ★★ | |
| メッシュ編集 | LoopTools | ★★★ |
| Zip Merge | ★ | |
| シェイプキー | Mio3 Shape Keys | ★★ |
| 作業補助 | Auto-Highlight In Outliner | ★★★ |
| Ngon Loop Select | ★★★ |
※GretやCATSも試してはみたんですが、いまのところワークフローのなかではうまく使えずにいるので、今回の紹介には含めていません
各アドオンの詳細紹介
ウェイト転送・編集
Robust Weight Transfer(★★★)
Blender標準のウェイト転送よりも高精度な転送を実現するアドオンです。
とはいえ万能ではないため、手作業での修正は必要になります。
後述する自作アドオン「Vertex Group Merger」と組み合わせることで、揺れもののウェイトを保持したままきれいに転送できるため、作業時間の大幅な短縮につながっています。
Handy Weight Edit(★★★)
編集モードでウェイトを直接調整できるようになるアドオンです。
ウェイト値の調整だけでなく、頂点のインフルエンス数の調整、小さい数値のウェイトの削除、正規化などもワンクリックで実行できます。
衣装対応を突き詰めていくと最終的に一頂点ずつ手作業で数値を調整する必要が出てきますが、このアドオンがあれば非常に効率的に作業できます。
高品質なしまぱんを作成している工房長からおすすめされて購入しましたが、これがなくてはウェイト調整できない身体になりました。非常におすすめです。
Vertex Group Merger(★★★)
複数の頂点グループを簡単に統合できる自作アドオンです。
Blender標準では頂点ウェイト合成モディファイアを一つずつ設定してウェイト合成する必要があり煩雑ですが、このアドオンなら複数の頂点グループを選択して1つにサクッとマージできます。
手首周りの指のウェイト整理に特に便利で、例えば親指の指先のウェイトを根本に、その他の指は手首にマージするような作業が簡単にできます。また、Robust Weight Transferと組み合わせることで、揺れものなどの特定のウェイトを保持したまま転送できるため、作業効率が大幅に向上します。
かゆいところに手が届くいいアドオンだと思っています。
Mio3 Copy Weight(★★)
複数オブジェクトの頂点間でウェイトをコピーできるアドオンです。
上着を下に着ている服と同じウェイトにしたい場合や、別メッシュに分かれているつなぎ目で同じウェイトにしたい場合などに便利です。
手で一頂点ずつ調整するのがなんだかんだ最強です…。
アーマチュア・ボーン関連
Merge Armatures Tool(★★★)
衣装と素体のアーマチュアをワンクリックで簡単にマージできる自作アドオンです。
衣装対応時には衣装の揺れものボーンを素体側に移動する作業が発生しますが、これはただただ単純作業で非常に手間がかかります。このアドオンを使えばワンクリックで完了します。
Modular Avatarのアルゴリズムを参考に作成しているため、事前準備なしで適切にマージしてくれます。頂点グループ名も同時に素体側に合わせられるため、とりあえず動かしたいときもすぐに動作確認できます。また、頂点グループ名のオプションも複数用意されており、ウェイト転送時に上書きされないよう保持することも可能です。
元のウェイトを参考にしながら調整することが多い私のワークフローでは、元のウェイトを残しながらウェイト転送できるため非常に重宝しています。
Pose to Rest Pose(★★★)
シェイプキーとドライバーを保持したまま、現在のポーズをレストポーズとしてワンクリックで適用できる自作アドオンです。
通常、ポーズモードで調整したメッシュの変形を適用する場合は複雑な手順が必要で、シェイプキーがある場合はBlender標準機能では実行できませんが、このアドオンを使えば一瞬で完了します。
ポーズモードでおおよそのボーン位置を合わせてから細かいメッシュ調整をするワークフローで非常に便利です。
他にも似たような機能を持っているアドオンはあるんですが、他の機能がついてきたり最新のBlenderで動かなかったりしてたので自分で単機能のものを作ってしまいました。
SKKeeper(★★)
シェイプキーを維持したままモディファイアを適用できるアドオンです。
衣装対応ではミラーを適用する際などにたまに使用します。以前はポーズをレストポーズに適用する際によく使っていましたが、最近は自作アドオン「Pose to Rest Pose」を使うため、衣装対応における使用頻度は若干減りました。
ちなみに、複数オブジェクトを選択して一気にモディファイア適用させたり、シェイプキーがないときにはエラーで弾かれないように改善されています(私がやりました!)。
メッシュ編集
LoopTools(★★★)
メッシュ編集の定番アドオンです。
特にRelax機能を多用しています。
Zip Merge(★)
つなぎ目の頂点をサクッとマージできるアドオンです。
メッシュが細かく分かれている場合、ウェイトを塗る際に一旦マージしてから転送し調整、最後に再度分離するというワークフローで進めることが多いですが、このアドオンがあればマージ作業が楽になります。
ただし、マージのやり方に若干クセがあり、慣れるまで難しいです(たまにしか使わないので毎回戸惑います…)。
シェイプキー関連
Mio3 Shape Keys(★★)
シェイプキー操作を効率化するアドオンです。
同期コレクション機能でシェイプキー操作を複数オブジェクト間で同期できるのが便利です。
シェイプキー対応を行わない場合はあまり使用しませんが、対応する場合は非常に便利です。
作業補助
Auto-Highlight In Outliner(★★★)
選択したオブジェクトのコレクションや階層を自動展開し、アウトライナーで自動的にハイライトしてくれるアドオンです。
コレクションが分かれていてメッシュも細かく分割されているような衣装対応作業では非常に重宝します。なんでこれが標準機能じゃないのか不思議なくらいです。
Ngon Loop Select(★★★)
N-gonでもいい感じにエッジループを選択できるようになるアドオンです。
通常だとうまくエッジループを選択できない場面が多くありますが、このアドオンを使えば思った通りに選択できるようになり、操作が非常に快適になりました。
実際のワークフロー
今時点でのワークフローはこのような感じで作業しています。
1つめの動画はアドオンをほとんど使わず標準的なやり方で、2つめの動画はアドオンを多用して楽できるところは楽しつつの内容になっています。
今回紹介したアドオンすべてを使っているわけではないですが、参考になればと思います。
(そろそろ衣装対応講座を終えてパワーアップした版の新しい動画も撮りたいところです)
まとめ
今回は、私が衣装対応作業で愛用しているBlenderアドオンを紹介しました。
アドオンを使うことで作業効率は大幅に向上しますが、最終的には手作業での細かい調整が品質を左右します。アドオンはあくまで作業を効率化するツールであり、基礎となるスキニング技術の習得が何より重要だと感じています。
とはいえ、単純作業を自動化したり、面倒な操作を簡略化したりすることで、より本質的な部分に時間を使えるようになります。特にウェイト転送やアーマチュアのマージといった繰り返し作業は、アドオンの恩恵が大きい部分です。
最終的に足りないアドオンを自作してしまうようになってしまい、その開発に時間を取られたりして本末転倒感が若干ありますが…。
この記事が、Blenderで衣装対応や非対応衣装を着せることに挑戦している方の参考になれば幸いです。
あ、あと、おすすめのアドオンがあれば教えていただけると非常に嬉しいです!
最近はSmooth Weightsが気になっています。
ウェイトが本当に鬼門だと思っていて、きれいに楽に塗れる方法があれば知りたいですね…。


