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discography⑦

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連想ゲーム的に好きなポストロックについて触れていきます。


 

David Grubbs - The Spectrum Between(2000)

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Bastro→Gastr Del Solを率いてまさしくハードコアがポストロックへと発展していくその様を体現しているデヴィッド・グラブスによるソロ作。ちゃんとリリース追えてるわけではなくかなり多作っぽいんですがこれは一応4th?で時期的にはGastr Del Sol終了後ってのもありソロだしより実験的になるのか・・・と思いきや、かなり聞きやすいSSW的な作品になってます。でも確かにサーストン・ムーアとかパホ(Slint〜Tortoise)とかバンドで実験的なことやってる人こそソロではシンプルな歌ものが多い気がしますね。

とは言いつつ今作、ソロでもかなりポストロック的な質感で一曲目の「Seagull And Eagull」から再生してイントロのギターがほんのりマスロックのテイストあったのが非常に好みで、緩やかな歌物SSWにマスロック的なリフってまさに当時のポストロックと密接な、何よりフレーズがもうオリジネイターとしての貫禄たっぷりでインプロ的に自然と出てきたギターリフが素でこうなってしまったという雰囲気があります。さすがBastroで後にマスロック系のポストハードコアの萌芽となったバンドで活動していただけはあり、全く色は違えど経歴から地続きなものを感じれるのが良かったです。ちなみに今作ジョン・マッケンタイアがドラム叩いてるようで布陣もBastro、なんですがこの時期の彼と言えばThe Sea And Cakeだし、作風的にはそっちと並べた方がしっくりくるかと思います。 

 

David Grubbs - Rickets & Scurvy(2002)

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引き続き次作、めちゃくちゃ良くて今まで聞いてなかったの後悔する程ハマってます。相変わらず自然体でギターを弾いて歌を歌うSSW的アルバムですが、前作での弾き語りを肉付けしていったという感じからよりロックバンド的アルバムになってる気がします。ギターも分厚いし所々バンド全体でドライブしてくようなとこもあるし(Pinned To The SpotとかDon't Thinkとかかなり好きです)、ポストロックってより普通にもうUSインディーって感じで聴けますね。とか言ってると終盤で内なるGastr Del Solが顕現して前半からは想像もつかないくらい実験的なインストへと放り込まれるのは流石としか言いようがありません。しかし繰り返し聞くとバンドっぽい曲でも「The Nearer By and By」の後半のうっすらとしたノイズワークはGastr Del Sol経由のSSWって感じで非常にしっくりくる、と思ったらどうやらここはMatmosも関わってる模様。MatmosはCrainでRodanのメンバーとも関りが深いユニットで、デヴィッド・グラブスのルイビル人脈の横の広さを実感。後は今更感かなりあるんですが、彼はハードコアやってたり音響派やってたりでボーカルが全面に押し出されたバンドを余りやってなかったのもあり忘れがちでしたが、素直に歌声が良すぎる・・・。ソロでは結構メロディアスで歌物としても良い曲ばっかなんで、それだけでも聞けてしまうんですが、変則的なギターフレーズの上でそれをやってのけるのも彼のキャリアならではって感じがします。

 

Dianogah - Battle Champions(2000)

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ポストロック名門Southern Recordsより。シカゴ音響派周辺のポストロックバンドDianogahの2ndでアルビニ録音、ちなみに次作からマッケンタイアが手掛けるのもあり完全にシカゴ付近のインディーロック~ポストロック人脈ですが、音の方もベース二人+ドラムという変則構成でマスロックにまではいきませんが個々のフレーズの組み合わさりと反復を楽しむって感じで、音で埋め尽くしてしまわないからこそ空間の隙間を感じられる気持ちよさというか、こういう細いアンサンブルのポストロック好きすぎですね。で抒情的な歌が乗る・・・て感じで音を分厚くしすぎず徐々にエモく盛り上げていきます、結構展開も多いし少しジャズ入ってくるのもシカゴっぽい。何よりシカゴ音響派としての色を強く見せ始めるTortoiseが、まだシンプルなスロウコア及びソフトな生音ポストロックをやっていた1st期とも近い雰囲気がある。遅いわけではなですが、音数が少なく楽器の質感が全面に押し出されているのでスロウコアのような絶妙な抒情的な緩さも感じられ、いい具合にルイビル発のポストロックとシカゴの橋渡しになるバンドだと思います、June of 44とToirtoiseの間を埋めるというか。

 

Sonna - We Sing Loud, Sing Soft Tonight(2001)

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Sonnaの2001年作1st。音が誇張してこない生音による空間系ポストロックとして聞いてて、とにかくドラムの音が余りにも良すぎる・・・で調べたところやっぱりアルビニ録音、それどころかメンバーは00年代ポストロック台風の目の一つとも言えるTempolrary Resdenceのオーナーが在籍してるらしく、もう布陣から間違いないんですが内容も完璧。スロウコアとかああいう抒情系でフォークロック寄りの雰囲気ありますが、かと言ってずっとスローテンポなわけではないし(むしろスロウコア的な曲の方が少ないかも)、存在感のあるドラムが曲を牽引していってその上で繊細なギターフレーズが紡いでいくセッション系ポストロックですね。アメリカーナにも寄らず、さっぱりとしたオルタナっぽい音でまとまっていて硬質な音色がほどよく心地いい。レーベルは勿論Tempolrary Resdence。

 

33.3 - 33.3(1998)

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以前ここ(Slint以降のポストロック~ポストハードコア)で出したA Minor forestのメンバーが在籍したバンド。98年作ということでポストロック全盛、というかファーストインパクトって感じしますがこの中で紹介しているので例にもれずシカゴ音響派っぽい空気感にスロウコアを足した感じ。元々A Minor Forestの頃からスロウコア要素かなり強かったですが、あちらではどっちかと言うと完全にポストハードコアだったのがあの狂気は完全に無くなり、メンバーにチェロがいるためチェロ特有のワンフレーズ地続きになってどんどん変化していき、その上にふわっとしたギターリフが乗っかってくその隙間を楽しむって感じで、地に足がついてない感覚が良い。あとジャズ色もかなり強いのでTortoiseとかと並べて聞けますし、Tortoiseが1st時はもろSlintフォロワーのスロウコアだったことを考えると33.3はかなり近いバンドだと思います。また先ほど挙げたデヴィッド・グラブスのSSW色が強いソロ作とも同じフィーリングで聞けるアルバムだと思います。前身のA Minor Forestの頃からSlintの空気濃かったですが(ハードコアサイドの影響が強かったですが)、地方でスロウコア~フォーキーな音楽に寄ってった人達がシカゴのポストロックシーンに触れて洗練されてこうなってくのってこの時代の流れがある気がして、33.3のメンバーはルイビル出身じゃないにせよ、あのムーヴメントのその先の一つとして聞ける要素があると思います。そういう意味ではDianogahと近い立ち位置にいるバンドだと思うし、近い景色を見せてくれるっていう意味で今回並べさせていただいてるのもあります。

 

Ganger - Hammock Style(1998)

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名盤。この流れで聞ける生音重視のポストロックで上記のDianogahとかSonnaとかと雰囲気近いですが、それらと比べてもGangerはかなりメロディアスで聞きやすくてめちゃくちゃハマりました。でドラムのフレーズがドラムンベースぽくなってたりB面からはエクスペリメンタルな電子音入ってアンビエントっぽい雰囲気になってったりと侮れません。掴みがキャッチーなだけに急に靄掛かって行き先が見えなくなるような感覚に陥り、この辺はNeu!やCANと言ったクラウトロックの影響が強いみたいで確かに長尺の「What Happened to the King Happened to Me」とかはクラウトロックと通じるところがかなりあると思います。

サブスクのレコメンドで知ったバンドですが、DianogahとかJune of 44関連作として勧められたという先入観も手伝って、パっと聞き90sのUSポストロック感かなり強いですが実際はグラスゴー出身。でも確かにドラムンベース想起したのもそうだし「Blau」とか実験的な曲も、ちょうど同時期にUKだとWARPの台頭もあったと思うし、00年代になってポストロックと本格的に合流する印象ありますがGangerはこの時点で非常にハイブリッドなのは土地柄もあるかもしれない。むしろUKのスロウコア~ポストロックということでHoodと並べて聞くと見えてくるものも大きい。どっち方面から聞いても良いとこどりって感じで大好きなアルバムです。

 

 

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Mogwai。別にシカゴ音響派とも絡みなくむしろ先程のGangerと同じくグラスゴー発、彼らがムーヴメントを作ったと言っても過言ではない静→動の過剰なダイナミズムを生み出したバンドでその1stにして一番好きなアルバムです。Tortoiseとかのシカゴ音響派とはちょっと距離あるというか、どっちもポストロック代表として名前が挙がるけど二分化されてるなーと最初知ったとき思っていたんですが、MogwaiのルーツはCodeine、Slint、そしてThe Jesus and Mary Chainマイブラを挙げていて、つまりスロウコアとシューゲイザーの融合、及びハイブリッドな音楽を自分たちの形でやろうとしたと思われます。そう考えるとTortoisやGuster Del Solといったシカゴのバンド達も元を辿るとルーツは一緒というか、Slintを中心としたルイビルのポストハードコアの人達がシカゴへ渡りTortoiseとかGastr Del Solになってった(メンバー的にもパホはSlint→Tortoise、デヴィッド・グラブスはBasto→Gastr del solと直結ですね)と考えると、Mogwaiもルーツ的にはスタートはかなり近く、どこを拡張してったかの違いでやっぱり同じポストロックなんだなと気づかされることが非常に多かったです。。

自分はこれに気付くのにかなりの年月が掛かり、Mogwaiに対してもなんとなくシューゲイザーよりは硬質な重さがあって好きだったしただの「巨大なオルタナ」くらいの認識で長い間聞いてたんですが、スロウコアとかをよく聞くようになり、ポストロックの全体像が少しずつ自然に血肉化していった中で感覚的にそう思うようになり、再びリバイバル的にハマってます。1曲目の「Yes! I Am A Long Way From Home」からそれこそ今回紹介してきたスロウコア発展型ポストロック(?)とも通じる雰囲気がかなり強い。フレーズを紡いでいく中でノイズが拡大されてくんですが、まだ大轟音とまではいかないギリギリのところで引き留めるのが非常に美しく、繰り返すにつれて少しずつ轟音へと至ってくのもいつ聞いても最高だしモグワイで一番好きだなと断言できます。

 

Mogwai - Come on Die Young(1999)

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相変わらずジャケ怖すぎる。前は「Christmas Steps」以外しっくりきてなかった気がしますが、今聞くと全部塩梅よくて完全にこれはスロウコア名盤にして原初の作品の一つだと思います。むしろLowやRed House PaintersやCodeineといった「スロウコアと言えば」ですぐ挙がるようなアーティストと比べてもMogwaiは最も知名度が高いと思われるので、世界で最も聞かれてるスロウコア作品って今作ではないでしょうか。元々Mogwaiの静謐な音楽から激情的な轟音パートを減らしたらそうなるの当たり前っちゃ当たり前ですが、全体的に靄が掛かってて、どんよりとしたじめっとした浮遊感みたいのが常にあって、その中アルバムの雰囲気を壊さず曲が進んでいきゆったり大轟音へと向かってく「Ex-Cowboy」で感情大放出って感じが非常にドラマ性のあるアルバムに聞こえます。シカゴ周辺の隙間を楽しむスロウコアと比べると靄が掛かってるからこそ、その中でも存在感のある生々しいドラムの音、そして色鮮やかなフレーズがとても気持ち良く、前作もそうですがフレーズも最高だしドラムが歌みたいな聞き方してる気がしてそういうところはCodeine(主にダグ・シャリン期)を思い出す。デイヴ・フリッドマンがプロデュースしてるのもかなり強いかと。

あと「Christmas Steps」はやっぱいつ聞いても最高。静寂からの爆発パートをシューゲイズ的轟音で埋め尽くすのではなく、硬質なフレーズの妙や音色でカタルシスを演出するってのがやっぱりめちゃくちゃクールだなと、でこの手法今聞くとJune of 44やShipping News、やはりルイヴィル系からの地続きの一つとして、轟音とはまた違ったアプローチでやはり当時のポストハードコアと呼応してると思います。ちなみに僕は昔これ聞いて「スマパンのAeroplane Flies Highだ!」とか言ってました。

 

 

 


 

ルイビルのシーンとシカゴ音響派及びジャズとの絡みについてでほぼこのシーン内で完結したチョイスでした。ちょっとしたマイブームですね。




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