このブログ記事は、ソフトウェアエンジニアである筆者(夫)が、
第二子の誕生にあわせて育児休業を取得した経験をまとめたものです。
- 筆者:ソフトウェアエンジニア
- 妻:専業主婦
- 長女:2歳
- 次女:0歳
という家族構成です。
はじめに
2025年3月中旬から5月末まで、約2ヶ月半の育休を取った。
ちょうど、2歳になる長女がいて、次女が生まれるタイミングだった。
育休を取るのは今回が初めてではない。
長女のときにも2ヶ月弱の育休を取っていたので、育休そのものに対する不安は特になかった。
けれど今回は、家族の状況も自分のキャリアも少しずつ変化している中で、いろいろと考えることが多かった。
なお、この記録では、主に「不安」といったネガティブに見える感情を中心に書いているが、実際の育休生活は、それだけではない。
長女と毎日過ごせた時間、次女の成長を間近で感じられたこと、家族の時間が豊かだったことなど。
良いことが本当にたくさんあった。
それでも、ここではあえて、「仕事が好きな人間が育休で直面するリアル」の部分にフォーカスする。
ちなみに、タイトルは少し挑戦的につけてみたが、家族を犠牲にするほど“仕事が好き”とは思っていない。
ただ、どちらかというと、仕事が嫌いではなく、“ライフワーク”として自然に取り組んできたという自覚はある。
そのため、本ブログ記事は、同じような境遇の誰かにとっての一つの参考になればと思っての記録でもあり、
もし将来3人目の子どもを迎えることになったときのための、自分への備忘録でもある。
育休ってなんだっけ?
育休(育児休業)は、法律上は「育児のために仕事を一時的に休むことができる制度」とされている。
原則として子どもが1歳になるまで(保育園に入れないなどの事情があれば最長2歳まで)、仕事を離れて育児に専念できる。給付金や社会保険料の免除など、経済的な支援も整っている。
実際に育休を取ってみると分かるのは、制度の名前としての「休業」という言葉は、たしかに正しいが、育休中は「仕事を休んでいる」というよりは、仕事とは別の役割に切り替わっているという感覚に近い。
育休に期待しすぎた自分の失敗と、不安のこと
今回の育休中、自分の中では「育児以外にもやりたいこと」がいくつかあった。
たとえば、個人開発アプリの制作。
これまでの育児と仕事の合間ではなかなかまとまった時間が取れなかったこともあり、育休の中で進められたらいいなと思っていた。
加えて、新しい技術や業務に関係するスキルのインプット、アウトプットなども少しずつでもできたら、という気持ちもあった。
もちろん、育児がメインであることは前提にしつつも、育休を「自分の成長の時間」としても活用できたらいいと考えていた。
現実は思ったよりも厳しかった。
日々の育児と家事で、自分のために上手く時間を活用することはできなかった。
少しの余白を活用して最低限のアウトプットは出していても、満足できるレベルには到達できない。
子どもたちの生活リズムに合わせて動く毎日の中で、「思ったより何も進まないな…」という感覚がじわじわとたまっていった。
2023年に「育休中のリスキリング支援」発言で炎上があったが、実際、自分の状況と重ねてみると、その世間の違和感は身をもって実感できた。
育休を経験するとわかるのは、仕事を休んでいるのではなく、育児という別のタスクに全振りしている。
そこに何かを足そうとすると、どこかにしわ寄せが来る。
さらに、育休の後半になるにつれて、「この生活に、仕事が戻ってくるのか……」という現実感も強まってきた。
長女の育児、次女の対応、家事、家族との時間。
いまの生活でも十分に密度が高い中で、そこにフルタイムの仕事が戻ってくることが、単純に不安だった。
自分の時間はどう捻出するのか?
家族とのバランスはどう保つのか?
漠然とした“時間の足りなさ”が見えてしまって、いっぱいいっぱいな気持ちになっていた。
そしてもう一つ、育休中に祖父が亡くなるという出来事もあった。
ふとしたタイミングで、人生の有限さや、これからの時間の使い方について強く意識するきっかけになった。
将来の働き方や生き方など、不確実な未来を考え始めると、漠然としたモヤモヤだけが募ってしまい、それが育休中の不安や焦りをさらに増幅させていった。
それでも家族の毎日は順調だった。
特に大きなトラブルがあったわけではなく、子どもたちは元気に育ち、家庭のリズムも少しずつ落ち着いていた。
だからこそ、「なぜ自分だけがこんなに不安になっているのか?」という、実態と感情のズレにも悩まされた。
今振り返れば、育休に意味を持たせすぎたこと、期待を詰め込みすぎたことが、自分の中での焦りや不安の引き金になっていたように思う。
不安の払拭
子どもたちのたくましさ
そんな気持ちを和らげてくれたのは、子どもたちのたくましさだった。
まず驚いたのは長女の変化だった。
ちょうど2歳になる頃で、育休を始めた当初は何かしたいことがあると「いま!」「これやりたい!」という自己主張が強かった。
基本的には好きなようにやってみるのが我が家の方針なので、それ自体には何も問題がないが、最近では、「あとでやる」「他のことが終わったらにする」といったことを自然と理解するようになっていた。
自分の欲求を一時的に我慢する、そんな成長が見え始めている。
会話も上手にできるし、遊ぶ際の集中力も増していて、日々の成長に驚きを隠せない。親バカだが毎日天才だと思っている。
次女もまた、思っていた以上にリズムが安定していた。
長女がいるからこそなのか、昼間はしっかり起きていて、夜はぐっすり寝てくれることが多い。
こちらの生活サイクルと大きくずれることがなく、育児の負荷が“未知の重さ”にならずに済んだのは本当に助かった。
育休を通して、子どもたちは自分が思っていたよりずっと強く、適応力があるということを実感した。
最初は、自分が家庭を支えないといけないという気持ちが強かった。
でも、実際に育休を過ごすうちに、「あれ?もしかして自分が支えられているのかも」と思うようになった。
日々の中で子どもたちのたくましさに気づき、「育休から復帰しても、きっとやっていける」と思える瞬間が増えていった。
妻のサポート
子どもたちの成長は本当にすごかった。
でもそれと同じくらい、家族のサポートがあったからこそ、この育休期間を乗り越えられたと思っている。
特に妻の存在は大きかった。
自分が育休中に「早く仕事がしたいなあ」と口にしたとき、
妻は「前回もそういう雰囲気は出てたけど、今回は雰囲気だけじゃなくて言ってきたね」と笑って言ってくれた。
決して責めるでもなく、軽く受け止めてくれるその感じが、とてもありがたかった。
育休中にそんなことを言うのは、どこか後ろめたさもあったけれど、
自分の“仕事が好き”という気持ちを、否定せずそのまま受け止めてくれる存在がいることは、本当に心強い。
そしてもう一つ、大きかったのは義理の両親(妻の実家)のサポートだ。
育休とはいえ、24時間ずっと全力で育児を続けるのは正直難しい。
気持ちや体力がすり減りそうなとき、「ちょっと見ててもらえる」人がいるということは、圧倒的な安心感につながった。
これは人によって環境が違うし、頼れる・頼れないの差も当然ある。
でも我が家の場合は、あえて“助けてもらいやすい環境に身を置く”という選択をしていた。
いざという時にすぐ来てもらえるようにしたり、こちらから実家に行かせてもらったり。
そういった距離感や習慣が、育休生活を無理なく続けられる支えになっていた。
自分ひとりでは、きっとこの期間をうまく乗り切れなかった。
チームとして戦える環境があったこと。
それが育休の成功を裏で支えていたのだと思う。
おわりに
育休を振り返ってみると、不安や焦り、思うようにいかないことも多かった。
特に、育休にいろんな期待を込めすぎていたことで、自分で自分をしんどくしていた部分もあると思う。
それでも、子どもたちのたくましさに気づけたこと。
そして、家族の支えがあったこと。
この2つがあったからこそ、「たぶん大丈夫」と思えるところまで気持ちを戻すことができた。
自分は、環境に恵まれていたと思う。
義理の両親をはじめ、頼れる人たちがいて、いざというときはチームで支えてくれた。
それを当たり前だと思わずに、ちゃんと感謝として言葉にしておきたい。
支えてくれる人がいるから、また仕事も頑張れる。
そんなふうに思える状態で育休を終えられることに、まずは素直に安心している。
追記:実際には、やりたいことにかなり時間をかけさせてもらっていた
本文では「やりたかったことができなかった」と書いてきたけれど、
冷静に振り返ってみると、実際にはかなりの時間を自分のために使わせてもらっていたと思う。
まず、育児のために購入した自動ミルクメーカーのmilkmagicに感銘を受け、milkmagicを応援するブログを立ち上げた。 milkmagicは間違いなく次女の育児グッズのMVPで、いつも妻とすごいねと話しているグッズだが、出産後のしんどい時期に、ブログ立ち上げの時間を捻出してもらったことに感謝している。
また、娘2人を両親の家で見てもらっている間に、家のことを済ませつつ、
その合間の時間でアプリ開発にも取り組ませてもらった。
結果として、作っているアプリは8割くらい完成まで近づけることができた。
もちろん、思い描いていた「やりきった感」や「理想的な成長」というレベルには届いていないかもしれない。
でも、「育休だから何もできなかった」と言うには違和感があるくらいには、
自分の時間をしっかりもらえていた。
育児と向き合いながら、同時に自分のことも考える時間が持てたのは、やっぱり家族の支えがあってこそだった。
高い理想を持つことも大事だけど、妥協点を見つけながら、できる範囲でやってこれた。
そのことを、もっとポジティブに捉えていきたい。
余談:会社への感謝
今回、育休を取得するにあたって、会社の理解とサポートがあったことにもとても感謝している。
制度としての育休があるだけでなく、実際に男性社員が育休を取ることに対する心理的ハードルがほとんどなかった。
自分の職種(ソフトウェアエンジニア)や、チームの雰囲気、マネージャーの理解が揃っていたこともあり、安心して育休に入ることができた。
育休中は、変化の激しい業界ということもあって、直近の業界動向を知るために、転職エージェントと1社だけ話をしてみた。
その会話を通じて、「少なくともしばらく転職することはないな」と、むしろ今の会社に対する納得感を強める結果になった。
育休を取ることで得られるのは、育児との時間だけではない。
自分の仕事や環境を見つめ直す良いきっかけにもなるのだと実感した。