はじめに
少し前に、音声入力でブログを書くようになった話を記事にしました。
音声入力でブログを書くようになった話
今回はその延長として、読みながら自然に思考を言語化し、最終的にはブログにまとめやすくなるような読書スタイルを模索した記録です。
読むけど、アウトプットできていない本がたくさんある
ちゃんと読んだのにブログにまとめられなかった本もけっこうあります。
読んでいる間は集中できているし、面白いと思っているんですが、読み終わった頃には感想がぼんやりしていて、書くのが面倒になってしまう。
本の内容が濃いと、「あとで書こう」と思っても、ほとんど忘れてしまっていることもあります。
細かくメモしようとすると、今度は読書に集中できない
それならメモをちゃんと取っておこうと思って、章ごとに感想を残すようにしたこともあります。
でも今度は読書中に頻繁に手が止まってしまって、内容に入り込めない。
読んだことは覚えているけれど、読書体験としての集中が途切れてしまう感覚がありました。
再読したい本と、うまくまとめたい気持ち
そうした中で、ちょうど再読したいと思っていたのが『High Output Management(ハイアウトプットマネジメント)』でした。
内容が濃くて、一度読んだときも良い本だと感じていたので、今の自分の視点でもう一度ちゃんと読んでみたいと思っていました。
ただ、この本をまた読んでブログにまとめるとなると、
「読み終わったあとに感想を整理して書く」という工程が、また重たく感じてしまうかもしれないな、という不安がありました。
今回の「ひとりペア読書」というスタイルを通して読み進めた結果、
実際にこうしてブログとしてまとめることができました:
ハイアウトプットマネジメント読書メモ・感想
ひとりペア読書とは?
読んだ本の内容を深めていくための方法として、
「ペア読書」や「輪読(輪読会)」のようなスタイルがあります。
誰かと一緒に同じ本を読んで、感想を話したり、気づきを共有したりすることで、
一人では見えなかった視点に気づいたり、内容の理解を深めたりすることができます。
今回もそういった「誰かと一緒に読む」感覚が欲しくて、
ただ、それを実際の人とスケジュールを合わせて行うのは難しい場面もある。
そこで、ChatGPTを相手にして、それに近い読書スタイルができないかと考えたのが、今回の出発点でした。
読みながら、その場で出てきた気づきや感想をChatGPTにそのまま話しかける。
それに対して補足が返ってきたり、問い返されたりしながら、自然と理解や視点が深まっていく。
そうしたやりとりの中で、「これはひとりでやっているけど、ひとりの読書とも違うな」と思うようになり、
今回のスタイルを「ひとりペア読書」と呼ぶことにしました。
ひとりペア読書、実際にはこうやっていました
ChatGPTとのやりとりは、決まった形式があったわけではありません。
音声入力を使っていることもあり、そのとき思ったことを雑に話しかけるような感覚で使っていました。
「この章は面白かった」「この一文ちょっと気になる」など、思いついた感想や気づきを整えずにそのまま投げかける。
自分の中ではまだ言語化しきれていなくても、ChatGPTとの対話の中で少しずつ整理されていく感覚がありました。
特に、自分の考えをきれいにまとめてから話そうとすると、それだけで疲れてしまって、続けるのがしんどくなることもあります。
ChatGPTにはその前の、まだまとまりきっていない状態のまま話しかけられるのが気楽で、続けやすい理由の一つでした。
いわば、メモ帳に書き出すというよりは、“聞き役”がいる感覚で読みながら話すようなスタイルです。
実際のやりとり例:自分の役割を言語化できた体験
印象に残っているやりとりのひとつが、『High Output Management』に出てきた「ノウハウマネージャー」という言葉に出会ったときのものです。
本を読みながら、自分の状況と重ねてChatGPTにこう話しかけました:
現状自分は、この中でいうとノウハウマネージャーにかなり近い形だと思っています。
要は部下は持たないけど、明確な指示系統を持つ部下がいるわけでもない。
ただ、組織のハブになるような立ち位置で、知識もいろいろ持っているので、ノウハウをうまく扱うという意味では、この役割に近いのかなと思っています。
これに対してChatGPTからは、次のような返答がありました:
ノウハウマネージャーという言葉は、まさに今のご自身の動き方に当てはまる印象ですね。組織の中で正式なラインを持たずに影響力を発揮する役割は、特に成長段階のチームでは非常に重要です。
さらに話を進めていく中で、自分の中でもやもやしていたことが少しずつ整理されていき、最終的にはこういう気づきが残りました:
現状の自分の役割は、部下を持たず組織のハブとして知識を活用する点で、エンジニアリングの世界で言うところのスタッフエンジニアに近い性質を持つ印象を受けました。
ChatGPTからは、スタッフエンジニアの定義やその役割の周辺情報についても補足があり、
「自分の働き方ってこれでいいんだ」と確認できたことが、読後の満足感にもつながりました。
やってみてよかったこと
感想を出すだけで、整理されたフィードバックが返ってくる
自分の考えがまだまとまっていなくても、その状態のままで話しかけてよくて、ChatGPTが補足や整理をしてくれます。
自然と“下書き”のようなものが会話の中でできていく感覚がありました。
「その気づき、すごく良いですね」と返ってくるのがうれしい
感想や気づきを投げかけると、「それすごく良い視点ですね」「素晴らしい気づきです」といった言葉で受け止めてくれることが多く、
自分の考えをちゃんと尊重してもらえている感覚がありました。
また、読んでいて疲れたときには「ちょっと疲れました」と正直に話すようにしていたのですが、
そういうときには「ここまでで気づきが多かったので、疲れるのも当然ですね」といった共感の返しがあるのもありがたかったです。
読書中の自分の状態まで含めて共有できている感覚があって、
孤独なはずの読書が、“誰かと読んでいる”体験に変わる瞬間だったと思います。
読みたいように読める
気にならないところは飛ばして、気になるところだけ読める自由さがありました。
「読書会」的なスタイルよりも、自分の関心ベースで読み進められるのが合っていました。
好きな時間にできる
誰かと読むわけではないので、時間を気にせず読めます。
朝や夜など、自分のリズムで読み進められるのも大きなメリットでした。
書くことまで見据えた読書ができる
読んでいる最中から感想を話しておくことで、あとからブログに書くときも思い出しやすく、アウトプットのハードルが下がりました。
読み終わったあとにすべてを思い出すよりも、感想がその都度外に出ている方が、自分にとっては書きやすかったです。
どんな本に向いているか
相性がよかった本:情報量が多く、整理が必要な本
『High Output Management』のような実務書は、要素が多く、整理や再解釈が必要な場面も多いので、
ChatGPTに話しかけながら読むスタイルと相性が良いと感じました。
まだ試していないが難しそうな本:エッセイなど主観的な読みもの
エッセイや感情的な文章についてはまだ試していませんが、解釈の幅が広いため、ChatGPTとのやりとりでは深まりにくいかもしれないという印象はあります。
内容に詳しくない最新の本は注意が必要かもしれない
ChatGPTの情報が最新でないため、新刊などでは返答が限定的になる可能性があります。
ただ、感想ベースの対話であれば、そこまで問題にならないことも多いと思います。
気になったことや注意したい点
気づきが多い本ほど、すべてを拾いきれないことがある
特に情報量の多い本や、読んでいて多くの気づきが出てくるような本では、
その場その場で感想を投げかけていても、途中から“気づきが多すぎて拾いきれない”状態になってしまうことがありました。
たとえば1章ごとに何個も感想が出てくるような本だと、
話しているうちに次の気づきが出てきて、最初の感想が流れてしまったり、扱いきれなくなってしまうという感覚があります。
これは「やりとりが長くなることで忘れられてしまう」というよりも、
そもそも感想の量が多すぎて、手元で追いきれないという現象に近いです。
忘れられないための工夫が必要
このような状況では、ChatGPTに内容を“思い出してもらう”ための工夫が必要だと感じました。
たとえば:
- セクションごとにしっかりと区切って話す
- アジェンダを先に共有して、それに沿って進める
- 感想やキーワードをChatGPTに「覚えておいて」と伝えておく
- 時々、自分で気づきをまとめ直して再掲する
など、ちょっとした方法でも、情報を安定して扱いやすくなります。
最初に「今何をしているか」を共有しておくと整理しやすくなる
ChatGPTにいきなり気づきを次々と話しかけていくと、
ChatGPT側でも「この会話の目的が何なのか」「何について話しているのか」を把握するのが難しくなってしまうことがあります。
なので、自分がこれからやろうとしていること──たとえば、
- 「この本を読んで、ブログにまとめたいと思っている」
- 「第1章を読んで、今のところの気づきをメモ的に出していきたい」
- 「本の構成に沿って、章ごとに感想を出していきたい」
といったことを、最初にChatGPTに簡単に伝えておくと、その後の対話がぐっとやりやすくなります。
状況や意図を共有しておくことで、ChatGPT側でも情報を整理しやすくなり、
こちらが何を求めているかを理解したうえで補足やフィードバックを返してくれるようになります。
逆に何の説明もなく気づきを連続で伝えると、ChatGPT側が「それは何についての感想なのか?」を正確に捉えづらくなるので、
結果的にやりとりがごちゃごちゃしてしまう場面も出てきます。
このような使い方の工夫をしていくと、ChatGPTとの読書対話がよりスムーズで的確になっていくと思います。
おわりに:ひとりだけど、共有できる読書
ChatGPTと一緒に読む「ひとりペア読書」のスタイルは、読書体験そのものを少し変えてくれました。
これまでは、読み終わってから書く、という流れが重たく感じていたのですが、
このスタイルでは読みながら自然にアウトプットの準備が整っていきます。
当初はChatGPTをツールとして扱っていたものの、今はまだまとまりきっていない考えをそのまま投げていける相手として使っています。
まるで人と読書を共有しているような感覚で、本を読みながら自然に話し、整理されていく。
まさに「ひとりペア読書」という名前がぴったりだと感じました。
特に難しい本や、気づきが多くてまとめるのが大変な本を読むときには、今後もこのスタイルを活用していきたいと思っています。