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イラク戦争を経験した退役軍人のリーダーシップ研修を実際に受けた話

先日、退役軍人が講師を務めるリーダーシップ研修に参加する機会があった。アメリカは、日本よりも退役軍人が民間企業で働くケースが圧倒的に多い。そして、軍はアメリカ最大のリーダーシップ養成機関と言われており、退役軍人が記したリーダーシップ論の書籍が多く刊行されているだけでなく、そういう研修も非常に充実している。

 

講師はイラクやアフガニスタンに従軍していた経験豊富な退役軍人。会社員にとって最悪のシナリオは自身の解雇や部下の解雇だが、軍人にとっての最悪のシナリオは自身や部下の死である。リーダーが示す方向性が人の生き死にに関わる極限の状態で、磨かれたリーダーシップ論は目から鱗が落ちるものが多く、また聞いたことがあるような話であっても、新鮮な視点で再度学びなおすことができた。

 

色々、勉強になったが、特に印象に残ったものを3つまとめたい。

 

頑張るリーダーが陥る”Performance Dependency”の罠

講師はイラク戦争に従軍し、大きな危険を伴う輸送作戦の指揮をとっていた。部下を失うことへの恐れから、一日に2回行われる輸送作戦に37日間、休むことなく毎日同行したという。そんな時に、自分の上官から下記のような指摘を受ける。

If your leadership requires you to be present for the team to work well, you’re building dependence.
The true measure of leadership is not how well the organization functions when you are present, but how well it functions when you are absent.
安全や効率性のために君がその場にいることが必要なら、それはリーダーシップではなく、君への依存を生んでいるだけだ。
リーダーとして本当に重要なことは、君がいる時に組織がどう動くかではない、君がいない時にどう動くかなんだ。

 

この言葉は結構「がーん」と来た。というのも月初の一番忙しい時にリーダーシップ研修なんてものに参加させら、私は休み時間の度にちょこちょこ進捗を確認したり、場合によっては短い会議をチームとしているところだった。あれ、これって言われている”Performance Dependency”じゃない?とドキッとしたのであった。

そして、講師はこう続けた。

Instead of proximity-based leadership, we needed preparation-based leadership.
常駐型のリーダーシップではなく、準備ベースのリーダーシップが求められている。

 

つまり、常にリーダーが現場にいることで成立する組織ではなく、必要な準備とトレーニングによって自律的に動ける組織を作ることが真のリーダシップなのだ、と。耳の痛い話であった。

 

リーダはそこにある「力を方向付ける人」

Leadership doesn't create the energy. It just directs it.
リーダーシップというのは「力を生み出すこと」ではない。そこにある「力を方向付けること」だ。

アメリカのIT企業は上昇志向の強い人間の集まりだ。その中でも若い人はとにかく上にいこう上にいこうという意識が強い。が、若ければ若いほど、そのやる気が空回りすると面倒だ。明後日の方向を深堀りしたり、独自の判断で優先順位を変えたり、やる気がバックファイヤーして会社批判に向かったりと難しい人も多いし、疲れる。

 

そんな中でチームを率いているので、すでに存在しているエネルギーを正しい方向に導くのが役割である、という言葉は心に響く。

 

元気一杯の上昇志向の強い若者たちのエネルギーを、良い方向に導いてあげないと。

 

誰かに語られる「物語」になる

講演者は最後を下記のように締めた。

When you notice potential, name it.
When you see someone hesitating because of authority, or someone who simply needs a chance, decide whether you are willing to spend your credibility on them.
Because years from now, someone will tell a story about you. You may never know when that story is written.
Be the leader who shows up in that story.
Be on someone’s Mount Rushmore.

When that moment that matters comes—
be ready.
誰かの可能性に気づいたなら、それを言葉にしてあげてください。
もし誰かが権威を前にひるんだり、チャンスを必要としているなら、自らの信頼の貯金を投資すべきか、常に見極めようとしてください。
いつか誰かが「あなたの物語」を語るかもしれない。あなたはそれを知ることがないかもしれなくても。
誰かの「物語」に登場するようなリーダーになってください。
誰かの人生に刻まれるような存在であってください。

そんな大事な瞬間のために、リーダーとして常に準備をしてください。

これ以上私が多くを語るのは野暮だが、リーダーシップというものは連鎖するものだということを再認識させられる、素晴らしい講演だった。

 

最後に、”Pay it Forward"

イラクやアフガニスタンでの緊迫した経験、そしてそこから紡ぎ出されるリーダーシップ論には、やはり独特の重みがある。

 

今回の研修を通じて、リーダーの役割は自分がすべてを背負うことではなく、組織が自律的に動く環境を整え、人の力を正しい方向に導くことなのだと改めて感じた。

そしてもう一つ。


リーダーシップも、誰かから受け取ったものを次の人へ渡していく “Pay It Forward” の連鎖なのだ。私も自分が良い年なので、受けたものを次の人に渡さなければ。

 

官民の人材の行き来が盛んなアメリカならではの、非常に示唆の多い研修だった。

 




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