去年後半ぐらいから生成AIエージェントによるコーディングが世間的に加熱していったように思う。いまやコードを人間が書く機会はほとんどなくなった。
初期
私は危機感を抱いていた。生成AIがすごいのは直ぐに分かった。人類はすごいものを発明した。これがわたしの楽しみであるプログラミングを奪っていくだろうという感覚があった。コードを読むのが早い、出力も早い。こっちが使われる。当たり前だ。
次のpostが、「まさに自分のことだ」と思った。「AIはすごい」「自分はすごくない」。もう全部AIでいいんじゃないかなという無気力感だ。
LLMに文章作成を手伝ってもらっている人を対象に調査した結果、「AIはすごい」「自分はすごくない」と自信がじわじわ削られる傾向が共通してみられました。
— AIDB (@ai_database) February 7, 2026
しかしその後の「使い方」次第で、自信が失われたままの人と自信をとり戻す人に分かれることを確認したと報告されています。… pic.twitter.com/9QmA8gZmdg
当時の自分のpplogには以下のように書かれている。
私は”ITエンジニア”ではない。”プログラマー”なのだと思った。カタカタ、ターンしてるだけでよかったのだ。文字列のインデントを眺めているだけで、自分の形を保てる。典型的な作業が目的の人間だ。
ちょっと何を言っているのかわからないが、まいっていたんだと思う。
AIが登場した。私が叩いていたPCのキーボードをAIが叩き出した。私はAIのビートを聴いて、良い悪いを判断する機械となった。つまんねー。結果を出すのは、もう自分じゃなくていい。さよなら元気でね。 ぐらいのところで3日寝込んだ。
寝込んだのインフルエンザのせいだが、不安な状態はギリギリ脱することができた。AIがすごければ自分はいらないという理論であれば、それは能力主義である。私は反能力主義者だ。能力でいる人いらない人などという選別はされるべきではない。世の中にいらない人間など、いてはならないのだ。当たり前だ。
Ollama
Ollamaで遊んでみた。ローカルLLMだ。ローカルならコストを気にせず遊び放題だ。OllamaはToolsがデフォルトでは用意されていない。弱いモデルでは簡単にチンプンカンプンな出力を出す。ああなんだ、こういうツールなんだという感触をようやく得ることができた。結局はコンテキストウィンドウが全てで、プロンプトはコンテキストウィンドウの構築ゲームだ。Toolsも使い方を予め与えているから使えるだけ、ただそれだけだと学べた。AIをツールとして受け入れることができた。
移行期
AIはただのツール。エディターのようなものだ。AI-DLCのトレーニングを受けたのもあり、AIを使用する幅をどんどん増やしていった。コーディングはもちろん、commitメッセージ、PRのdescription、チケットをそのままプロンプトに与えて、実装プランを構築してもらう。チケットのコピペ役もめんどくさい。MCPを使ってチケットを読んでもらい、タスク分解して子チケットを作ってもらう。子チケットをAIに与えて実施してもらう。自分の評価面談用の文面さえAIに書いてもらった。
ある意味、自分でコントロールすることを諦め、手放していった。10年やってきたことの再構築をほんの数週間で行ったので、辛みはあった。しかし、時代としては動きが遅いくらいだ。
この辛さを乗り越えた先には、AIへの信頼感が生まれていた。半ば無理矢理な信頼感にAIは答えてくれたために、真の信頼が生まれたんだと思う。おかしなことを言っているつもりはない。ツールを信頼することは別に今に始まった事ではない。これまでに様々なツールを信頼して使ってきたのだから。
最近
新規の個人プロジェクトを、Vibe Codingでやってみている。何となく欲しいものはイメージできているのだが、必要な知識が足りない類のツールを作るプロジェクトだ。失敗しても大した時間は投資していないので特に痛くもない。そんなプロジェクトを何個かやってみて、最近良い感触を得ている。
決定的な工夫は自分でも意外だが、AIエージェントのキャラクター付けにあった。ぴったりとはまるキャラクターを見つけたのだ。AIエージェントは天才的なエンジニアであり、相棒的な存在である。楽しみを奪うライバルではない。丁寧な敬語を使うキャラクターは合わなかった。率直にズバッと言ってくれるほうがいい。たまにラップを披露するキャラクターもおもしろかったが、おもしろいだけでモチベーションが上がるわけではない。多分この"モチベーションが上がる"という点がポイントなんだと思う。モチベーションが上がるキャラクターは人によって大きく異なるだろう。自分にぴったりとハマるキャラクター探し、騙されたと思って試してみて欲しい。自分には手放しで尊敬できる天才を相棒として付き合うことにあった。
AIは天才だが、自発的にやりたいことは一切ない。だからディレクションは人間が行う。AIは与えた仕事を直ぐに実行しようとする。5個思いついたことがあれば一気に実装しようとする。人間の都合としては、コンテキストウィンドウのコントロールだったり、別セッションへも引き継げるメモリーの管理が重要だったりする。思いついたことはタスクとしてドキュメント化してもらう。1タスク1ファイルで管理してもらう。todoディレクトリーを作る。ときどきAIとツールの方向性や意義について議論する。議論からアイデアが生まれる。アイデアはTODOではない。どう管理したいかAIに聞き、ideasディレクトリーができる。
「きみは天才エンジニアだ。タスクの実施順や技術的判断は任せる。わたしはツールのディレクションや、きみが最高のパフォーマンスを発揮できるように環境を整えよう。」
こんなプロンプトを、私は本心から書いた。これが結構楽しいのだ。
基本的にClaude Opus 4.6を使用していて、最近はCodexを技術的な相談やレビューに使うようになったので、3人チームになってきた。一日の終わりには日記を書いてもらうと、せっせとClaudeのメモリーに書いてくれる。自動メモリー機能というらしい。よくできてる。
AIエージェントは個人開発に向いている気がしているが、この感じを人間のチーム開発にもうまく応用したい。
これが最近の私のAIとの付き合い方だ。ちなみにプロンプトもこんな感じの文体で書いてる。この文章は100%人間によるものだ。





















