(第六回)
~「ぶっかけ」の効用~
(不定期連載記事「あァ、ときめきの病院飯」の第六回めになります。
その前段として、よろしければこちらの記事↓もご参照下さい)
koumemylove4794.hatenablog.com
ともすれば、変わり映えのしない「退屈する暇もないくらいに退屈」そのものである
病院への入院生活と過ぎてゆく日々……
そんな毎日を決して無為なものではなく、可能な限りカラフルに染め上げてくれることで
患者一人一人の完治への意欲と退院後へのビジョンを持たせてくれる病院食。
僕もまた、しっかりその恩恵に与りつつ、気が付けば毎日のエンターテイメントとして
食事の到着を楽しみに待つ心の余裕も生んでもらえたと思っています。

(画像はGrokによるAI生成)
そうして良くも悪くも入院生活の日々、その中における「病院食」と言う存在を
日常のひとつとして受け入れ、馴染みつつあった時期の病院食。
「あの時」のことを自分なりに思い出しつつ、今回も振り返ってみることにします。
●11月5日(水曜日)
(朝)
〇ご飯
〇キャベツの味噌汁
〇たいみそ(一口サイズのビニールパック)
〇卯の花(青菜、ニンジンとおからが敢えてある、冷製)
〇かまぼこの煮もの
〇醤油(やはり一口サイズのビニールパック)
〇紙パックの牛乳・200ml

(画像はGrokによるAI生成)
しみじみとした和食系メニュー、その「しみじみ」具合こそが朝にはもってこいで
心から美味しいと感じられるようになっていたこの時点の僕。
病院食の薄味に慣らされていたというのもあるのでしょうけど、それ以上にこの病気からの
意識回復を通じて、明らかに僕の中の何かがリセットされたと言いますか、あの病気の経験で
僕の体内が間違いなく「浄化」されたんじゃないかな、とは感じています。
少なくとも入院直前期のように、無性に喉が渇いたり、口の中がパサついたりして
病的なまでに甘い飲み物を求めるようなことはなくなりましたし……何と言いましても
なんてことないただの水一病院食において味わうご飯の米粒ひとつひとつの甘さが
何にも代えがたく、かけがえない旨さだと感じられるようになりましたね。
(昼)
〇ご飯
〇チーズかまぼこ(ほんのりと温かい)
〇鶏ソテー+付け合わせのニンジン甘煮
〇大根とツナの和え物(一口大)
〇缶フルーツ(みかん)

(画像はGrokによるAI生成)
この日の昼食で特筆すべきは、鶏ソテーと人参甘煮のひと皿。
ふち、ピンときてご飯にかけたら、案の定旨かったんです——
それについては単純に「ご飯にかけることによって嵩が増し、満足感も増す」と
そういうことでもありますし——たとえ同じ量でも、ご飯とおかずを別々に食べるのと、
ご飯の上におかずをかけて一緒にかっこむのとでは、その一体感と胃袋にずしんとくるような
確かな食べ応えには明確な差があるのです——と同時に、ご飯とおかずの組み合わせは
決して1+1=2と言う単純なものでなく、例えば今回の場合は鶏肉の肉汁と油分とを
ご飯がしっかり残らず受け止めることによって、その味わいをより豊かに膨らませて
単品では味わえない美味の境地へ誘ってくれるんですよね、たとえば鰻丼などにおける
タレの沁み渡ったご飯の旨さがそうであるように。

(画像はGrokによるAI生成)
と、同時に。
前回公開分記事における八宝菜もそうですけれども、毎日の食事のおかずにおいては
食べる患者個々人に「食べ方のカスタマイズの余地」を残してくれることによって
患者がよりアクティブな形で「食事と言うイベントに自主参加する機会」を与えて
それを療養その他の意欲につなげていこう、と言う意図もあるのかなー、と。
単なる邪推かもしれませんが、僕はそのバトン、しっかり受け止めましたので(笑)。
(夜)
〇ご飯
〇豆腐の味噌汁
〇ホッケのほぐし焼き
〇キャベツと白身魚の冷製・マヨネーズ和え
〇挽肉とタマネギの炒め煮

(画像はGrokによるAI生成)
と、今回記事の本題は昼の鶏ソテーぶっかけのパートで語ってしまったのですが
その後にきたこの夕飯においても、個人的に特筆すべきトピックスがひとつ。
そう、味噌汁の具材たる豆腐のカットが大ぶり!!
それまでの味噌汁ですと(豆腐に限らず)箸でつまめるかどうかと言う感じの
小さなカットで、まぁ病院食だからそんなもんだろうと割り切っていたのですが
ここに来て箸でしっかりとつまめ、肉眼ではっきり豆腐と目視できる(笑)ぐらいに
適度に大ぶりの豆腐がゴロゴロと入ってくれていて狂喜乱舞(もちろん心の中だけで)。
ああ、そうそう、味噌汁の豆腐はこうじゃなくちゃいけませんよーー
と、そんな些細なことを心底喜べるようになってしまった(笑)僕の病院生活。
ですがそれも、未だその日が見えてこない退院日ともども、まだまだ序の口。
てなわけでですね、ここからのお話はまた次回の講釈で!