

「えぇい……もうよい、わかった!!」

連戦連敗、部下の怪獣たちの不甲斐なさを見るに見かね……
怪獣魔王・イフの苛立ちが、怒号となって暗黒星雲に轟いた。
イフ「どいつもこいつも、ボンクラどもめが……
こうなれば、宇宙最強の怪獣が出陣するしかあるまい!」

スライ「宇宙最強の、怪獣……
ま、魔王様っ、それは一体!?」
イフ「“魔導の”スライよ、お前の眼は節穴か――」

「このワシの他に、誰がおる!?」
怪獣魔王、自ら陣頭に立っての戦闘宣言!

イフの雄叫びが、暗黒星雲の怪獣軍団を震撼させ……
そして今、地球へと特大級の恐怖をもたらそうとしていた。
危うし地球、危うし宙マン!

だが、ひとまずそれはそれとして。
地球……日本全国津々浦々は、ゴールデン・ウィークの賑わいの中
うららかな陽気と、心地よい平和の中にあった。

毎度お馴染み・千歳市内のほんわか町5丁目、「宙マンハウス」の
宙マンファミリーも、もちろんその平和を満喫中なのである。
みくるん「うふぬっ、いいお天気が続いて嬉しいですねぇ!」

ながもん「ゴールデン、ウィークは……こうで、ないと」
宙マン「うんうん、何をやるにしても清々しいよねぇ。
庭でパーティするにせよ、遠出の旅行とシャレこむにせよ……」

ビーコン「ヒヒヒ、そしてそして……
部屋に閉じこもって、インドア趣味キメるのもっスよね!」
落合さん「えーと、ビーコンさんの世迷言はさておき……」
ビーコン「ちょ、落合さん、何でオイラを無視するんスか!?」

落合さん「あーら、言って欲しいんですの、その理由を!
心身ともに打ちのめされ、ズッタズタの膾切り状態にされて
立ち直れなくなる覚悟がおありで!?」
ビーコン「っがー、まったくこの鬼軍曹はッ!」
宙マン「はっはっはっ……まぁまぁ、二人とも♪」

みくるん「そんなGWも、ここらがそろそろ後半戦ですし……
どうせなら、うんと楽しいことしたいですねぇ」
宙マン「ああ、そうだねぇ、その通りだよ。
それじゃ、どこへ行くのか、何をするのか……
これからじっくり、みんなで話し合ってみようじゃないか」
ピグモン「はうはう~、ピグちゃんも異議なしなの~♪」
……だが、その時である!

「ふっふっふっ、愚かな地球の者どもよ……
呑気にしていられるのも、そこまでぞ!?」

ピカッ、ゴロゴロドドーンっ!
宙マン「(驚き)!?」

轟く雷鳴、ひらめく稲妻!
まばゆいばかりのスパークとともに、上空で実体化した巨体は
他でもない、空間跳躍で宇宙を駆け抜けてきた大怪獣。
否、大怪獣の中の大怪獣……怪獣魔王・イフであった!
ピグモン「(怯えて)きゃああんっ、何か出てきたの~!」

みくるん「かっ、怪獣ですぅ!」
ビーコン「うんにゃ……ありゃ、ただの怪獣じゃないっスよ!」
ながもん「(息を呑み)イフ。……暗黒星雲の、怪獣魔王……!」

突然すぎるその出現に、地上が大パニックに陥る中……
悠然と舞い降り、威厳ある重厚な着地を決めてみせる怪獣魔王。

落合さん「あらあらまぁまぁ、何てことでしょう……
魔王と言ったら、怪獣軍団の大親分ではございませんの!」
宙マン「(頷き)直に会うのは、私も随分久しぶりだよ」

ビーコン「そ、その怪獣魔王さんが……
何でまた、わざわざ千歳までお越しなんスかね!?(汗)」
イフ「(イラッとなり)何で、だと……!?」

イフ「えぇい、判り切ったことを聞くでない!
これまで怪獣軍団は、どれだけ煮え湯を呑まされてきた。
……どれだけ、このワシの顔に泥を塗られてきた!?」

イフ「もはや、その恨みは骨髄にまで達しておる。
……ああ、もうよかろう!?」

イフ「そうだとも、今こそ全て「終わらせる」時だ。
宙マン、貴様に受けた屈辱を全て叩き返して――
このワシの力で、地球を怪獣軍団の物にするのだ!」

ピグモン「(怯えて)きゃああんっ、怖いの~!」
落合さん「本気ですわ……あれは、紛れもない本気の目です!」
ビーコン「どひ~っ、ギャグの挟まる余地ないっスよ~!(汗)」
宙マン「……うぬっ!」

ヴィラニアス「ヤバいぞ、ハンパじゃねぇ……
イフの叔父貴は、本気だっ!」
ジャタール「こ、こうなっては、もう……」
スライ「(頷き)もはや誰にも、魔王様はお止めできません……!」
デスローグ「(身震いして)ご、ゴゴッ……!」

グロッケン「どうなっちまうんでぇ、これからよォ……!?」
バルタン星人Jr「どちらの方向に、どう転んでも……
只じゃ済むまい、済むはずもない……!」

雷鳴のような咆哮とともに、進撃を開始する怪獣魔王!
迫り来るその巨体を前に、悲鳴をあげて逃げまどう人々。

ビーコン「どひ~っ、今日のヤバさはケタ違いっスよ~!」
落合さん「ああ、もう、これじゃ連休どころじゃないですわ!」
みくるん「ふぇぇ、お二人とも、ボヤいてる場合じゃないですよ~!」

怪獣魔王・イフの出現により、千歳の街はたちまち大パニック!
だが、こんな緊急事態を、航空防衛隊は座して見ているだけではない。

ピグモン「あっ、防衛隊のおじさんたちなの!」
ビーコン「頼んだっスよ~、何とか怪獣魔王を食い止めて……」
宙マン「(遮るように)……いや、とても歯の立つ相手じゃない!
いかん、引き返すんだ! みすみすやられるだけだ!」

「ようし……全機、攻撃開始っ!」

戦闘機編隊から叩きこまれる、ロケット砲の一斉攻撃!
人間相手の戦争ならば、絶大な威力を発揮するであろう通常兵器……
だが、怪獣軍団の頂点に君臨する魔王・イフには全く通用しない。
イフ「愚か者めが……身の程を知れッ!」

「ど、どわぁぁぁ~っ!?」

怪獣魔王の両目から迸る破壊光線!
その威力の前に、戦闘機隊は次々に撃墜されていく。
みくるん「あぁっ、やられちゃったですぅ!」

ながもん「さすがに、今日は……相手が、悪すぎた」
宙マン「くうっ……だから言わないことじゃない!(汗)」
イフ「わはははは! 魔王火炎を受けてみよ!」

怪獣魔王の口から吐き出される、灼熱の魔王火炎!
みるみるうちに燃え広がって、平和の街を紅蓮の地獄に変えて行く!
ビーコン「どひ~っ、もうダメっス、おしまいっス!(汗)」

ながもん「ここは、一発……ヒーローの、出番」
ピグモン「はわわ、宙マン、宙マン、なんとかしてなの~」
宙マン「(頷き)おのれ、もう許さんぞ!
宙マン・ファイト・ゴー!!」

閃光の中で、みるみるうちに巨大化する宙マン。
華麗な空中回転とともに、怪獣魔王・イフの前へ舞い降りる!

宙マン「トゥアーっ! 宙マン、参上!
そこまでにしておけ怪獣魔王、これ以上はさせん!」

ズ、ズーンっ!!

ビーコン「いえっふ~、出たっス、アニキの十八番!」
落合さん「今は……今となっては、お殿様だけが頼りです!」
ピグモン「はうはう~、宙マン、がんばってなの~!」

イフ「グフフフフ、出てきおったな……宙マン。
今日と言う今日こそは、お前との因縁に決着をつける時だ!」
宙マン「いいだろう……とことんやるぞ、怪獣魔王!」

ファイティングポーズを取り、敢然と身構える宙マン。
さぁ、今こそ、世紀の超決戦の開幕だ!

イフ「ウオォォォーッ! 行くぞ、宙マン!」
宙マン「どこからでも来い!」

激突、宙マン対怪獣魔王イフ!
同時に駆け寄り、激しい打撃音とともに大格闘を繰り広げる両者!

落合さん「お殿様、そこですわ! そのまま一気に!」
ビーコン「怪獣魔王に、反撃の隙を見せちゃだめっス!」

みくるん「頑張って……頑張って下さい、宙マンさん!」
ながもん「……ファイトっ」
ピグモン「フレフレ、宙マン! ピグちゃんもついてるの~!」

人々の声援を受け、奮い立つ宙マン!
イフめがけて突進し、畳みかけるように攻撃を加えていく。

宙マン「どうだ、思い知ったか……これが正義の力だ!」
イフ「ぬううっ……怪獣魔王を、なめるでないぞ!?」

イフが吐き出す魔王火炎!
だが、宙マンは得意の回転戦法で身軽に躱していく。

更に魔王火炎を吐きだすイフ。
が、その二発目は宙マン・プロテクションが無力化だ。
イフ「ぐううっ……おのれ、死ね死ねっ!」

魔王の目から放たれる破壊光線。
その一閃を見事にかわして、宙マンは大空高くジャンプ!

イフ「むむっ!?」
宙マン「行くぞ、怪獣魔王!」

宙マン「セイヤァァーっ!
宙マン・トルネード・キック!!」

空中で全身を高速回転させながら、敵めがけて突っ込む必殺技……
トルネードキックの一撃が、怪獣魔王の胸板を抉るように炸裂。
……と、思いきや!?

「う、うわぁぁぁぁ……っ!!」

強し、やはり強し!
圧倒的なパワーで迫る怪獣魔王イフ……
果たして、宙マンに勝機はあるのか!?