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しずけさや……の巻

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立春を過ぎ、暦の上では既に春……

とは言いながら、まだまだしぶといこの寒さ。

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ここ・北海道においては尚のことで、それについてはもう

一歩外に出た際のこの寒々たる白一色をみれば一目瞭然。

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まだまだ厳しい冷えこみ、それだけに油断は禁物。

と言う大前提のもと、今回のお話を始めることにしよう。

 

 

と、言うわけで……

こちらは毎度お馴染み、千歳市ほんわか町5丁目の「宙マンハウス」。

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宙マン「ふぁ~、さっぱり、さっぱり!

 陽の高いうちに入る風呂、これもまた素晴らしい贅沢のひとつだねぇ」

ビーコン「ヒヒヒ、これぞ隠居暮らしの特権ってやつっスね~」

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落合さん「いえいえ、現役時代に数々の大仕事をこなしてこられたんですもの……

 このくらいの贅沢は、お殿様への当然過ぎる報酬というものですわ」

ピグモン「はうはう~、宙マンごゆっくりなの~♪」

宙マン「はっはっはっはっ、ありがとう、みんな。

 ……それにしても今日は、いつも以上にのんびり穏やかな日だねぇ!」

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落合さん「ええ、こんな日には……」

ピグモン「どっかお買い物にでも行く?」

宙マン「う~ん、それもいいんだけどね。

 たまには外に出ず、家での~んびり過ごすのもいいんじゃないかな?」

宙マン「去年の古本市で手に入れた、未読の本もまだこんなにあることだしね。

 静かな時間を読書で過ごすと言うのも、なかなかオツなものだと思うよ」

落合さん「ああ、さすがはお殿様! 仰りようのアカデミックなこと!」

ビーコン「へへ~んだ、そんなのオイラがいつもやってる事じゃないっスか!」

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ビーコン「一日中部屋でアニメ見たり、エロゲしたり、エロい同人誌読んだり……

 アニキがそこまで賞賛されるなら、オイラも讃えられなきゃ不公平っスよ!」

落合さん「(ジト目)いけしゃあしゃあとッ。警察呼びますわよ!?」

ビーコン「ムッカー、何たるエコヒイキ! オイラ滅茶苦茶傷ついたっスよ!?」

落合さん「(嘲笑)これしきでビーコンさんが傷つくようなタマですか! へっ!」

宙マン「(苦笑)まぁまぁ、二人とも」

 

のどかで、代わり映えのない……しかし、確かに平和そのものの時間。

だが、そんなひとときの平穏を破るかのように――!

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ゴゴゴゴ……グラグラグラグラッ!

 

落合さん「(狼狽)……あ、あらあらあらあらっ!?」

 

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ピグモン「(怯えて)きゃああんっ、また地震なの~!」

ビーコン「デカいっス、この揺れ方はありえないっスよ!?(汗)」

宙マン「ううむッ、これは只事じゃないぞ!」

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突如として、千歳市を襲った巨大な局地地震

すわ何事と飛び出した宙マンたちの眼前で、大音響とともにビルを粉砕して

土煙とともにその姿を現したもの、それは!?

「ヴァグァァァ~ンッ!!」

「おうおう、ナレーターちゃんよぉ、お前の目は節穴か!

 俺様の他に誰がいる、何がいるってんだよ、オウオウッ!」

 

ピグモン「ああっ、なんか出てきたの!」

落合さん「か、怪獣ですわっ!」

ビーコン「うへェ、やっぱりっスよぉ、やっぱり!」

「ヴァグァァァ~ンっ、その通りだぜ、俺様は大怪獣ゼロン!

コウラ怪獣”でも“地中怪獣”でも、好きな別名で呼んでくんな」

ピグモン「んーと……それじゃねぇ、“スーパーの売れ残り怪獣”とかは?」

ゼロン「(真顔で)それは却下!」

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ゼロン「ヴァグググ、どうして俺様がこの千歳に姿を現したか……

 その理由は、お前たちにももう判っている筈だな?」

落合さん「えーと、それはつまり……」

宙マン「スーパーの売れ残り品を安く買うため、かな?」

ゼロン「だーっ、いい加減にスーパーから離れろ、売れ残りからもだ!」

ゼロン「いいか、怪獣が地球に姿を見せる理由なんてなァ只ひとつ……

 怪獣魔王様の命を受け、この地球を侵略・破壊することだ!」

宙マン「な、何だって……!?」

ピグモン「そ、そんな怖いこと考えつきもしなかったの~」

ゼロン「(呆れて)……マジで言ってるならシバくぞ、お前ら!?」

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イフ「奴らのペースに乗せられるな、ゼロン!

 お前はあくまで淡々と、お前の使命を着実に果たすのだ――

 地球征服の手始めに、まずは千歳の街を徹底的に破壊せよ!」

ゼロン「ヴァグァァァ~ッ、お任せ下さい、魔王様!」

怪獣魔王の命を受け、進撃を開始するゼロン!

迫り来る重量級の巨体を前に、悲鳴をあげて逃げ惑う千歳の人々。

 

ゼロン「こんなチンケな街、30分以内に更地に変えてやるぜ!」

ゼロンの口から吐き出される、強烈無比のゼロニウム光線!

その直撃を受けた高層ビルが、一撃で粉砕されてしまうほどの威力。

ビーコン「(戦慄)……ど、ど、どひ~っ!」

落合さん「早く、早く逃げるんです、さぁこっちへ!」

ゼロン「ヴァグァァァ~、どこへ逃げても無駄だ!」

野太い前足で自動車を、家々を踏み潰し、傍若無人の進撃を続けるゼロン!

燃え盛る炎に包まれて、平和な街はたちまち地獄のごとき様相を呈する。

 

落合さん「(歯噛みして)ああっ、もう……

 あの怪獣さん、好き勝手にやってくれちゃってますわねぇ!」

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ピグモン「どうしよう、大変なの、イチダイジなの~(涙目)

ビーコン「どひ~っ。このままじゃ……

 冗談抜きで、千歳が日本地図から無くなっちまうっスよ!」

宙マン「なんの、そうはさせるか!

 宙マン・ファイト・ゴー!!

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閃光の中で、みるみるうちに巨大化する宙マン。

華麗な空中回転とともに、暴れ回るゼロンの前に舞い降りる!

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宙マン「トゥアーッ! 宙マン、参上!

 怪獣ゼロンよ、悪ふざけはもうそのくらいにしておくがいい!」

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ズ、ズーンっ!!

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ビーコン「いよっ、アニキ! 待ってましたの千両役者っス!」

落合さん「ここはお頼みしましたわ、お殿様!」

ピグモン「はうはう~、宙マン、がんばってなの~!」

ゼロン「ヴァグァァ~、嫌だと言ったらどうするよ?」

宙マン「その時は……止むを得ん、力づくででも!」

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ファイティングポーズとともに、敢然と身構える宙マン――

さぁ、今日もまた、世紀のスーパーバトル開幕だ!

 

ゼロン「へっ、上等だぜ!」

ゼロンが吐き出すゼロニウム光線!

その直撃が生む爆発の炎に怯むことなく、ゼロンめがけて一直線に

勢いよく突撃していく宙マンの巨体である。

ゼロン「ヴァグァァァ~ッ、行くぜ宙マン!」

宙マン「来るなら来てみろ!」

大地を揺るがす両者の足音が、そのまま巨大戦のゴングとなった。

かくして真っ向激突、宙マン対ゼロン!

固い地盤を掘り抜いて、地底を自在に進む強靭な四肢と甲羅とは

それだけで既に、格闘戦における強力なゼロンの武器そのもの。

猛パワー全開で、闘牛場の雄牛のごとく襲いかかってくるゼロン!

押して押して押しまくり、そのまま宙マンを押し破る勢いだ。

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ゼロン「オラオラ宙マン、このままペシャンコにしてやるぜ!」

宙マン「なんの――そうはいくものか!」

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宙マン「せいやぁぁーっ!

  宙マン・バーニング・パンチ!!

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エネルギーを集中させ、燃え上がった拳で繰り出す必殺パンチ!

その破壊力ゆえ、炸裂した鉄拳にこめられた膨大なエネルギーが

ゼロンの甲羅を一気に貫通、火花となって背に抜けるほど。

ゼロン「ぐふぅぅっ! こ、これはッ――」

宙マン「いいや、まだまだこんなモノでは済まさないぞ!

 そりゃっ、宙マン・リフターだ!」

悶絶したゼロンの巨体を持ち上げ、投げ飛ばす!

強烈なダメ押しで、ゼロンがグロッキーになったところへ――

 

宙マン「とどめだ! 宙マン・ヘッドビーム!!

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宙マンの闘志そのもののような、真っ赤に輝く破壊光線……

ヘッドビームの一閃が、ゼロンを直撃!!

ゼロン「ぴぎゃああっ、面目次第もございません……

 や、やっぱり宙マンは強すぎましたぁぁ~っ!」

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やったぞ宙マン、大勝利!

 

ピグモン「ばんざ~いなの、宙マンばんざ~いなの~!」

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ビーコン「さっすがアニキ、文句なしの完封勝利っスね!」

落合さん「はぁっ……お見事です、お殿様……♪(うっとり)」

イフ「うぐぐぐっ……またしても宙マンめ、どうしてそんなに強いのだ!

 だが、パワーならワシら怪獣軍団も決して貴様に引けはとらん――

 この次こそは、徹底的にその事を思い知らせてくれるわ……ッ!」

 

……などという、怪獣魔王の負け惜しみはさて置いて。

かくして我らが宙マンの活躍により、千歳に現れた怪獣ゼロンは撃退され

北海道には再び、平和でのどかな時間が戻ってきたのであった。

 

ビーコン「いやー、アニキ、どうもお疲れ様っした!」

落合さん「お殿様のおかげで、怪獣騒ぎもやれやれですわね」

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宙マン「はっはっはっ、そう願いたいね~。

 さてと、それじゃ心置きなく、今日は家の中でのんびり読書三昧……」

 

「あ~、いたいた……おーい、宙マンさ~んっ!

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ピグモン「あ、宇佐美のおじさん、こんにちはなの~」

ビーコン「まさか、またまた事件でも起こったっスかぁ!?」

宇佐美さん「アー、いやいや、そうじゃなくってね。

 麻雀の面子が足りないから、宙マンさんもどうかなーって思って!」

熊澤夫人「あらどうも~、ご免下さいまし、宙マンさん!」

熊澤さん「実は私らねぇ、これからちょっと近くの直売所まで行って

 野菜を色々買いこんでおこうか、ってところなんだけど……」

熊澤夫人「よろしければ、宙マンさんたちもご一緒にどうです?」

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みくるん「あ、宙マンさんたち、こんにちはですぅ!

 ついさっき、ウチで自家製のロールケーキ作ってみたんですけど……」

ながもん「みんなも……一緒に……食べない……?」

 

宙マン「うは、こりゃ参ったねぇ、千客万来だよ!」

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落合さん「うふふ、それもまた、お殿様のお人徳というものですわ」

ピグモン「はうはう~、にぎやかなのもピグちゃん大好きなの~」

宙マン「はっはっはっはっ……ああ、私もだよ、ピグモン

ビーコン「そうそう、周りに構ってもらえるうちが華っスよ、アニキ!」

ビーコン「ヒヒヒ、てなわけでオイラも……

 賞味期限がそろそろ怪しい落合さんを、たっぷりね~っとり構ってあげるっス。

 さぁ落合さん、何も言わずに寝室までレッツラ・ゴーっスよ~、っと!」

 げ し っ !

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落合さん「(怒)ねーい、一言どころか三言ばかり多すぎですっ!!」

ビーコン「どひ~っ、こんな構われ方、全然望んでないっスぅぅ~」

宙マン「はっはっはっはっ」

 

いつもドタバタ、にぎやか珍騒動……

その騒がしさこそ、宙マンが愛してやまぬもの。

次回もう~んと、にぎやか放題に大活躍だよ~!

 

 

 

 

 



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