"この星の安寧と調和を護るのが
お主の、宿命(さだめ)じゃ……"

前話ラストでの宇宙侍・ザンギルさんとユウマ・シュウとの直接コンタクトを受けて
ユウマたちの自現世界に”冥府の闇将軍”とも言うべき謎多き強大な存在・ヘルナラクが
前回のモグージョンのごとき幽体怪獣たちを次々に「卵」という形で送り込んでおり
巨大な侵略の魔手が今まさに、すぐそこまで迫っている!……と言う危機的な状況が
ザンギルの口よりSKIPの面々へ伝えられることとなった今話。
ここにきて”冥府の闇将軍”などと言う、仰々しくも男の子ゴコロをくすぐる(笑)
ワードと共にその存在がクローズアップされた「ヘルナラク」なる未知の強敵、
それに対してユウマたちSKIPとアークがどう挑むのか、と言う興味喚起も勿論ですが
『ブレーザー』以来久々の登場となったザンギルが、前作17話での記憶と設定を
しっかり維持した状態であり、今月放送分の大きな目玉であることは間違いない
ウルトラマンブレーザーとの共演劇のための土壌をしっかりと作ってくれるのと同時に
初登場の時点で相当に「濃い」キャラクターであった彼と、SKIPの面々とのやりとりで
自然に生まれて来るキャラクター間の「化学反応」もまた楽しくて。
冒頭アバン部、ジャンプに失敗して河川敷の土手に頭が突き刺さってしまうと言う
(それは後述する理由で仕方ないことでもあったんですが)ビジュアル的に分かり易い
掴みのギャグ(笑)に始まって、そんな「包丁みたいな頭の宇宙人」を目の当たりにして
SKIPの面々が見せる、それぞれの立ち位置での「彼ららしい」反応が、今日の話数まで
着実に積み重ねられてきた彼らの日常とキャラクタードラマを自然に膨らませていて
『アーク』の視聴者としても違和感なく物語に入っていくことができ……
そうそう、同じ「コーヒー好き」同士としての、シュウとザンギルとの意気投合。
これはもう誰もが期待していたでしょうし、しっかりやってくれましたね(笑)!!
コーヒーに理解にない職場環境の中で巡り合えた理解者に、今まで誰も知らなかった
ヘンな笑い声をあげてしまうなど、いつになくテンション高めな(笑)シュウの姿は
一視聴者の僕もね、自分の趣味と周囲との擦り合わせの四苦八苦の記憶に重ね合わせて
笑いつつもしみじみ共感してしまったりするんですよね~(笑)。
さて、その一方で”闇将軍”ヘルナラクの魔手は確実に迫りつつあって……
その次なる先兵として、今回は『ブレーザー』より深海怪獣ゲードスと
甲虫怪獣タガヌラーの二体が同時に登場。
そんな危機的状況の中、ザンギルもまたヘルナラクの力で復活させられた者であり
宇宙侍としての使命感と精神力によってヘルナラクの支配を撥ねつけたがために
他の幽体怪獣たちのように闇の力の供給を得ることが出来ず、彼に遺された時間は
もうそう長くはないのだ……と言う形で、前回での突然の苦悶の理由を説明。
ある程度シリーズを楽しんできたウルトラファンであれば、このあたりの描写は
「ははーん、ジェロニモン回のピグモンの現代的ブラッシュアップの産物だな」と
比較的容易に察しがついてニヤリとさせられるでしょうし、そんなザンギルがユウマに
己の剣技たる「斬鬼流星剣」の真髄と、ウルトラマンとしての「在るべき姿」を伝え
その会話の中で、前作『ブレーザー』の主人公たるヒルマ・ゲントの存在にも
無理なく触れておくことで、今月放送分における二大ヒーローの共演劇に向けての
「地ならし」と「種まき」を無理なく済ませておくシナリオ構成上での交通整理、
その手際のよさにも淀みがなくて唸らされます。
そして、そんなザンギル側から提示される要素の「濃さ」に負けじとばかりに、
本作のドラマの主軸たるSKIP側も、出現した幽体怪獣たちの本来の生態を
ユウマがこれまでの怪獣知識と経験知の蓄積から的確に分析・推察してみたり、
幽体怪獣たちを実体化させ、通常攻撃でのダメージ付与を可能なさしめる
ザンギルの刀からの音波の波長をユピーが録音・分析して増幅することにより
ゲードス対策にさっそく役立てるなど、ただ事態を傍観しているばかりではなくて
積極的に「今、じぶんたちに出来ること」を探し、事態の収拾に関わっていく姿が
とても「SKIP」していて、今日まで番組を見続けて来た視聴者のひとりとしましては
前話からの「石堂さん → シュウさん」呼びへの変化を経て、より確かに深まった
SKIP星元市分所の絆の強さともども嬉しくなっちゃいましたね~。
……まぁ、そんな風にぐっとくだけて、星元市分所に馴染んできてるシュウさんでも
流石にザンギル氏以外からの「シュウ殿」呼びは抵抗があるようですが(笑)!
そして変身したユウマ=アークに、己の奥義たる”斬鬼流星剣”の真髄と極意が
(フィジカルな特訓や鍛錬ではなく、あくまで流星剣の精神をユウマの想像力に
委ねることで技の伝授とするあたりが『アーク』らしさ)しっかり伝わったことで
ザンギルが安心して幽体に還り、姿を消す……と言う形で本話はクロージング。
これから本格的にその激しさを増してくるであろう冥界=ヘルナラクの侵略により
必ずなされるであろう「異なる世界のウルトラマンとの共演」、その華やかさにも
自然と心ときめかされつつ……
でも、やっぱり今回はですね。
ザンギルが末後に、シュウのコーヒーをちゃんと味わえてから逝けた、と言うのが
『ブレーザー』17話を愛する一ファンとしては凄く感慨深くってですね!
説明的な台詞もなく、ほとんど逆光のシルエットに近い状態だったのにも関わらず
その佇まいだけで、ザンギルの最期を看取った者としての微妙な感情のゆらめきぶりが
しっかりと伝わって来る戸塚・金田両氏の確かな演技、越演出の絶妙な匙加減での
穏やかで、しみじみとした余韻……
それを受けての次回、またまた、まだまだ急展開の予感!
かーッ、色んな意味で「許して」くれませんねぇ、今月放送分の『アーク』は(笑)!!