”ユウマ。
君が守りたいものは、
私が守りたいものだ!”

前回において明かされた数々の衝撃的な真実……
別の銀河から一種のワームホールを通じて送りこまれ、地球をも焼き尽くしかねない
恒星ソニアの太陽フレア、その膨大なエネルギーを封印し続けて来たキューブ体は
地球防衛隊内においてはオニキス””のコードネームで呼ばれ、この16年間において
秘密裡に捜索が続けられてきたこと、その膨大すぎるエネルギーに呼応するかたちで
地球の各地に眠り続けていた古代怪獣・幻視怪獣たちが「一斉に目を覚まして」
次々に出現し、『アーク』の地球を怪獣のいる日常””たらしめたこと、また同時に
先のギヴァスが探し続けていた「新たな月」と言う概念自体も、このオニキスの
膨大なエネルギーそのものであった、と言うこと。
そして今、この瞬間にもオニキス内部のエネルギーは増大化を続けて限界寸電にまで
膨れ上がっており、このままでは地球をも跡形もなく消し去る超新星規模の爆発をも
引き起こしかねないため、そのあまりに大きく、残酷すぎる事実であるがゆえに
防衛隊がやむを得ず情報隠蔽をも続けていたこと。
本来ならば部外秘でなければならないこれらの上場を、石堂さんの口から直接
SKIP星元市分所の面々に明かすことによって、ここまでの話数において
じっくり、丁寧に積み重ねられてきた人間サイドの「絆」が明確に示され、
それはこの後に示される、アーク(ルティオン)とユウマとの間に育まれた
銀河を超えた驚異の「絆」を最大限に輝かせるための前振りとしても
効果的に機能しているのがまず「上手い」ですね。
そう、アーク(ルティオン)がユウマと一体化し、彼の中で同じ時間を過ごし、
彼の「目」と「心」を通じて地球と地球人を知り、それらへの理解を深めることで
私たちのことを心から愛し、守りたいと思ってくれたこと。
そして、それゆえに……上記の残酷な真実を自身の口から明かしてしまうことによって
ユウマが絶望し、心を閉ざしてしまうのが「怖かった」と言う心情の吐露。
――そんなに地球人が好きになったのか、ウルトラマン――
もはや説明不要の金字塔たる初代『ウルトラマン』最終回でのゾフィーの台詞を
別の角度の切り口によって問いかけ、語り直し……それはアークと言うヒーローの
神秘性と同時に、第二期ウルトラの重要モチーフたる「人間臭さ」の魅力をも
(極端な擬人化描写でなしに)再発見し、星々をも越えた「絆」のかたちとして
『ウルトラマン』でしか成し得ないSF的スケールの大きさと感動を生むという
文芸設定と脚本の練られ具合には本当に舌を巻かされる思いでした。
さて、その一方で、別銀河の強硬派指導者ゼ・ズーの腹心であり
「オニキス」の封印を破壊して恒星のエネルギーを解き放つためには
自身の消滅をも意に介さない謎の女性(便宜上そう期します)・スイードと
その手足となって最前線に立つ宇宙獣・ザディーメの脅威は間違いなく
本話においてのもう一方の肝で、スイード・ザディーメの主従ともども
ただ単に無機質に使命を果たすマシーンではなく、時折コミカルにさえ見える
挙動の愛嬌や感情の吐露の在り方が、却って彼らの異質さ・非人間性を強調しつつ
ユウマとの16年を通じて「人間臭い」存在になっていたルティオンとの
絶妙な対比の構図になっているのも明快、かつ的確な演出。
……あ、怪獣ファン的にはシュウの説明パートにおける過去の回想と言うかたちで
タッコング、エレキング、チャンドラー、ベムスター(!!)などなどの怪獣が
続々世界各地に登場するくだりの映像も見逃せませんね。
こういうイメージ的なワンカットの映像挿入を新撮でやってしまう……
否、「やれてしまう」のがCGIの映像技術が発達した現在の『ウルトラ』ならではで
こういう形の恩恵には素直に浴したいですし、嬉しくなりますよね。
そしてオニキスの封印が破壊され。地球消滅の危機が迫る中……
オニキスの膨大すぎるエネルギーをも自らの中に取り込んでしまう「想像力」で
遂に姿を見せることになった奇跡の形態、第三の鎧ギャラクシーアーマー!
あまりにも危険すぎる力とエネルギーを、そのままパワーアップの源にして
当座の危機を回避し、ザディーメとスイードを撃破し……
そしてそれは今やユウマ=アークこそがオニキスそのものである、と言うことで
今後とも彼らがゼ・ズー一派の異星人や宇宙獣たちから狙われ続けるであろう
強力な動機付けともなって、今後のストーリー展開をどのようにも転がしていける
大いなる可能性の産物になってくれ……こういう抜き差しならない文芸の妙味によって
新アイテム・新キャラクターの販促、そのためのプッシュをも成立させてしまうのは
今の『ウルトラ』ならではで、その辺の練られ具合も巧みです。
で、そんな風に本筋がグワーッと盛り上がりを見せだしたタイミングにおいて
何故か緩めの総集編エピソードを挟んで強引なクールダウンを図ってしまうのは
ある意味、近年の『ウルトラ』における悪癖でもあるわけですが……
でも、それはそれで、都度の切り口がまた面白いから困っちゃう(笑)!