”……今こそ、すべてを話そう”
毎話ごとに異なった趣向を凝らしつつ、「空想特撮路線」ならではのバラエティ豊かな
切り口による楽しさで「怪獣番組」としての醍醐味を僕たちに提供し続けてくれた
現在放送中のシリーズ最新作『ウルトラマンアーク』。
『ウルトラ』のよさはそんな各話読み切りアンソロジーとしての多様性にこそあると
半ば信心のように確信している僕としては、別にそのままの路線で2クール完走でも
ぜんぜん構わなかったんですが(笑)、それだけではさすがにアレだって言うんで
折り返しの2クール目に突入した今回、OPテーマの2番使用~映像美変更とともに
所謂シリーズの「縦軸」となる諸要素を、怒涛のごとき「巻き」の勢いでもって(笑)
一気に視聴者へ提示してきましたね。
また、それはそれでメッチャ面白そうなのがまた困る(笑)!
我々の住む地球がある銀河系から遠く離れた、全く別の銀河系……
様々な種族や生命が平和と調和を保ちつつ繫栄してきたその星系における主星たる
「恒星ソニア」が突如として膨張をはじめ、それを放置したままの状態では
かの銀河系における星々がことごとく焼き尽くされかねない、と言う事態に。
その危機を脱するための対策として、星々の文明指導者たちのひとりとされる
「ゼ・ズー」なる存在が人工のワームゲート”ゼ・ズーホール”を開発し、恒星ソニアの
太陽フレアを他の銀河系へ逃がすと言う計画を立案したのですが、その際に
送り込まれた太陽フレアが我々の銀河、我々の地球を直撃することが判明して
「さすがにそれは暴挙に過ぎる」と危惧した他の指導者たちの合意のもとに
地球の危機を救うための使者として、後に地球で「ウルトラマンアーク」と呼ばれる
銀河の使者・ルティオンが派遣されることになった――と言う顛末。
そんな宇宙的スケールの壮大なSF設定的バックボーンを、アークの作り出した
鏡面世界における「幻想の映画館でのフィルム上映」と言うスタイルをとって
番組のタイトな予算を逆手に取る形で比喩的、かつ幻想的&印象的なかたちで
見せ切ってしまう映像感覚の冴え具合には「おおっ!」と唸らされましたし
そこにおいて語られた状況――アーク(ルティオン)が太陽フレアを放出する
ゼズーゲートを封印した膨大なエネルギーを内包しているキューブ体をこそ
地球防衛隊が密かにその存在を危惧し、調査を続けてきた――そう、前回ラストで
僕たちの前に示された――「オニキス」と言うコードネームの存在であったこと、
その「オニキス」を見つけ出して封印を解くべく、別銀河系のゼ・ズーの腹心たる
スイードなる謎の女性も地球に飛来し、モノホーンや石堂さんの記憶などから
独自に情報を引き出して暗躍を始めるなど、にわかに大きな緊張感をはらみながら
劇的に動き出したドラマからは目が離せません。
そして、目を離せないでいたからこそしっかりとその存在が目に焼き付く(笑)
スイードが召喚・使役する(先のモノゲロス・ディゲロスと言い、宇宙怪獣関連は
一種の生体兵器である、と言う感じでしょうか?)宇宙獣ザディーメ!
何とも捉えどころのないルックス、下っ腹が膨れてコミカルな印象さえも与える
でっぷりしたプロポーションの印象に反し、まぁ強いこと強いこと――
ユウマに「全てを話す」ためのコンタクトで著しくエネルギーを消耗してしまい
巨大化変身と同時にカラータイマーが点滅しているほどの本調子でなかったとは言え
ルーナアーマーをまとったアークの攻撃をもことごとく受け流し、あるいは無力化し
石堂さんの援護射撃もあって、ちょっと不利になってきたかな? と見るやすぐさま
空間の裂け目にスイッと後退してしまう「機を見るに敏」な様も、強さと裏返しの
明らかな知性をも感じさせて、その茶目っ気がいっそ憎らしいほど(笑)。
えぇ、イベント編の怪獣はこうじゃなくちゃいけません(笑)。
そして、そんな怒涛の「前振り」を受ける形で、次回がどう盛り上がりますか――
試されているのはSF設定や伏線要素の「回収」のみにとどまらず、ここまでの話数で
積み重ね、培われて来た絆のドラマの真価そのものでもあるわけですから。
ああ、まるで最終回みたいな盛り上がりだなぁ、もうどうしましょう(笑)!