"怪獣より、お天道様の方が
よっぽど脅威かもなぁ……"

と言うゲント隊長の台詞が、リアルタイムの現在進行形で(わが北海道でさえも!)
酷暑にあえぎ続けている視聴状況からすればあまりにもタイムリーであり、また同時に
本作の全話撮影が放映開始前に終了している事実をも考え合わせれば、何と申しますか
一種の預言めいたものも感じさせてくれる(笑)今朝の『ウルトラマンブレーザー』。
そんな『ブレーザー』において初の前後編エピソード、その前半戦となる今回7話は
日本各地に発生した、災いを呼ぶ前兆とされる「逆さ虹」と、この作品世界における
怪獣研究の第一人者(この人の研究が、防衛隊の怪獣対策マニュアル作成においての
理論的な基礎になったともいう)であり、ゲント隊長のかつての恩師でもあると言う
横峯万象(よこみね・かずのり)教授の、単なる変人の奇矯さだけでは済まされない
ミステリアスな行動と意味ありげな言動も絡みながら、静かに進展していく事態に
ゲント隊長が迫っていく様が、さながら伝奇ストーリー的なムードも濃厚な中で
やはり『ブレーザー』らしく極端に誇張しすぎることのないナチュラルなテンションで
(その上でメイン視聴者たる子どもらにも分かりやすく)描写がなされ、何気ない会話や
間合い、表情のカットバックなどによって、かつてそれなりに良好だったのであろう
二人の師弟関係を、それとは裏返しの「今」のそれぞれの立場の隔たりによって
過度の説明台詞抜きでも容易に、かつ適切な形で視聴者に実感させてくれるような
演出における緩急のつけ具合の適切さと、演技陣の抑制の効き具合と言うのは
非常にオトナな、本作ならではの美点であると思います。
……また同時に今回は……と言うか今回もまた、SKaRDCP内においての
隊員たちの雑談を通じて、番組の世界観や各隊員たちの個性、事件の進行状況など
数多くの「視聴者に伝えるべき情報量」を適切に整理し、わざとらしくならない
自然な形で提示してレギュラー登場人物陣への魅力へと繋げていく手際の良さが
そこにこめられた生活感をも含め、自然でよかったですねぇ――
そうそう、こういう描写のこまめな積み重ねがレギュラー・キャラクウターたちの、
ひいては番組そのものの魅力にも直結していくんですよ。
で、人間ドラマパートが静かなテンションでミステリアスに進んでいったぶん
特撮パートは思いっきりスペクタクルに……と言うわけで、前後編の二回に渡り
メインを張るに相応しい存在感を、早くもアピールしてくれたニジカガチ!
「古来よりの神がかり的存在として、人々の伝承に語られてきた」という点では
本作・第5話と言う先例があるものの、どこか牧歌的のどかさもあったドルゴに対し
このニジカガチは「時に慈雨をもたらす土地神であり、また時に暴風雨を発生させて
全てを押し流してしまう荒神でもある」と言う荒々しい存在として差別化。
その「荒神らしい」パワフルさを、牛骨(牛頭大王?)的な兜をかぶり、全身に
鎧を被ったかのようなパワフルなシルエットと、アースガロンはもちろんのこと
我らがブレーザーの直接打撃を受けてもものともせず、ここまでの決まり手であった
光の槍・スパイラルバレードさえも打ち破ってしまうと言う圧倒的なまで強さ、
そういう演出をするに相応しい戦闘的フォルムのデザインや、大ぶりのスーツ造形で
見事に視覚化し、次回への視聴意欲へと見事に繋げてくれました。
果たしてニジカガチ出現と横峯教授との関係性、また教授の思惑とは?
そして日本全土に迫る大災害の危機に際して、一敗地にまみれたアースガロンと
ブレーザーとが、ニジカガチへのリベンジマッチで見せる「秘策」とは?
今回提示された魅力的な「引き」のきらめきにすっかり魅了されてしまいましたので
どうやら次回もまた、観念してTVの前に座るしかなさそうです(笑)。