各方面の飛び抜けた人材をスカウトし、結成された特殊怪獣対応分遣隊……
そんなSKaRDの隊員たちですから、一筋縄じゃいかない曲者揃い。
……なんたって、この隊長にしてからがそうなんですから(笑)!

何の前触れもなく、神出鬼没に現れては消える軟体怪獣レヴィーラ。
現時点における唯一の対抗策(と言っても完全に死滅するわけではなく、あくまでも
一時的に退散させるだけなのですが)が、大手化学企業・ノヴァイオが開発した新薬
『FK1』のみであり、防衛隊からの追加注文が続いている――
……というところからレヴィーラとノヴァイオ社との間の繋がり、言ってしまえば
頻発するレヴィーラ出現騒動が一種のマッチポンプである可能性をも鑑みた上で
独自行動の権限を与えられたSKaRDが調査に乗り出し、潜入捜査のプロである
エミ隊員を、ノヴァイオ社の社長秘書として潜入させる……と言うのが大筋。
何しろ元・地球防衛隊の幹部クラスでありながら、自らの経歴を全て抹消の上で
退官し、ノヴァイオ社を立ち上げた……と言うその出自でもう、この社の社長たる
曽根崎と言う人物にただ事ではないウラがあるのは視聴者にも自明なんですけど
本話開始時の、ほとんど何の前情報もない段階においていち早くそれを察知した
ゲント隊長の「切れっぷり」にまずは舌を巻かされます。
そう、今回は趣味と実益を兼ねていると言う(笑)エミ隊員が潜入捜査時において
オフィスウーマンに扮した際のキマり具合や、戦闘プロフェッショナルとしての
冷静沈着な判断、華麗にしてクールな立ち回りなどの魅力もさることながら
そんな彼女の長所を適切に把握した上で、自らの部下として「使いこなす」事のできる
ゲント隊長の遣り手っぷりの魅力が更に上乗せされたなぁ、と。
ノヴァイオ社へのエミ隊員の潜入捜査を、既に曽根崎が感づいているであろうことまで
計算に入れてコトを進め、半ば痴話喧嘩のような(笑)意見の対立のフリまでして
相手を欺く「化かし合い」の楽しさなど、軽口を交えながら臨機応変に事態へ対処する
「プロならではの」肩の力の抜け具合から、ここ十数年のウルトラマンにはなかった
「頼もしい主人公像」の滋養成分摂取は容易ですし、それを過剰な美辞麗句だったり
大仰な説明台詞ではなく、「めっちゃ自由ですやん」と言うヤスノブ隊員の一言で
物語のテンポを損なわず、的確に視聴者へ伝えきるスタイルも洒脱で良いですね。
で、案の定ノヴァイオ社社長・曽根崎は事件の主犯として「真っ黒」であり
レヴィーラを出現させて騒動を起こしている真の理由は、金儲けである以上に
自らへの賞賛、リスペクトこそが欲しかったから……と言う「動機」の今日性。
(こういう「人間の全盛を無条件に信頼」し、下手に理想的な世界平和ですとか
人類間の意思統一がなされていない、どこか現実との地続き感を思わせるような
硬質な世界観が生むリアルな手触りがまた良いんですよねぇ)
人工クリオネと宇宙生物の細胞を遺伝子操作で融合させたと言うレヴィーラの
何とも捉えどころのないあのスタイルは、そんな曽根崎の心のダークサイド、
歪んだ自己顕示欲と承認欲求の具現化であり……そんな不気味な「歪み」が
物語展開の芯をなしているからこそ、レヴィーラもまた一箇のウルトラ怪獣として
何とも異様な、しかし堂々たる存在感を放ってくれていましたね。
で、そんな捉えどころのないレヴィーラに我らがブレーザーも手を焼く中で
絶妙の好アシストで活躍したのが、先週デビューのアースガロン。
液体窒素のタンクをレヴィーラの顔面(それとも口吻?)に投げつけることで
レヴィーラを凍り付かせて動きを止め、とどめのスパイラルバレードに繋げ……
そして今回は何と言っても、戦い終わった後でブレーザーと並び立った際に
垣間見せた「ニコニコ目」が、可愛らしいやらあざといやら(笑)!
大仰なぶりっ子ポーズ(これも死語ですねぇ)ではなく、実にさりげないかたちで
ハード&クール一辺倒ではないメカニック・キャラとしての愛嬌味を醸し出す、
その匙加減の絶妙さは『ブレーザー』ならではの大きな美点ですね。
ユーモア&ペーソスあふれる会話の応酬をストーリー展開の潤滑油にしつつ
抑制の効いた演出の中で際立つ、怪獣たちの「異物」としての存在感……
そう、その「異物」感はもう、ヒーローたるブレーザーにしてからが!
1~3話の「誕生編」を経て、そんな本作ならではの良さが早くも磨き抜かれ
番組独自の魅力として輝きを放ち始めた感のある『ウルトラマンブレーザー』。
だからこそ勿論次回も、土曜の朝はテレビの前にスタンバイ必至です(笑)!