

一面の白い雪、連日のマイナス気温――
どこからどう見ても、文句なしに冬真っ盛りなここ・北海道。

厳しい寒さの中にあっても、そこに暮らす人々の心がホットなのは
冬には冬ならではの「楽しいこと」が、あれこれ一杯あるからこそ。

こんち、お馴染み宙マンファミリー。
ビーコン「やー、なんかハラ減ってきたっスねぇ!」
落合さん「ちょっと、ビーコンさんったら……
開幕早々の第一声が、いきなりそれですの?(呆)」

ビーコン「おろ、飯の話題、よくなかったっスか?
ヒヒヒ、落合さん的にはやっぱ、スパイシーでウィットの効いた
オイラの下ネタからのスタートの方が……」
落合さん「だーっ、著しい誤解ですっ!(赤面)」
宙マン「はっはっはっ……まぁまぁ、二人とも♪」

宙マン「しかし、まぁ、なんだね。
ラーメンにお寿司にホッキカレー、その他もろもろ和洋中……
なまじ旨いものが多いと、何にしようか迷うよねぇ」
落合さん「えぇ、本当に……」
ピグモン「はうはう~、ピグちゃん、あれもこれも大好きなの~♪」

ビーコン「って言うか、やっぱ……
苫小牧に来たからには、やっぱサカナ系、いきたいっスよね。
海の物は海の物、っス!」
落合さん「あら。ビーコンさんには珍しく、まともなご提案ですこと!」
ビーコン「ちょ、“珍しく”は余計っスよぉ!?」
宙マン「う~ん、そうなると……何がいいかな?」
と、思案しつつ苫小牧の街を往く宙マンファミリー。
だが、その時である!

ぎゃあ! ぎゃあ!
さながら飢えた嬰児のように、けたたましい啼き声をあげて……
港に集まっていたカモメたちが、一斉に空高く飛び立つ。
そして次の瞬間、海からその巨大な姿を現わしたのは!?

「グー、ギィィーッ!!」

激しい波しぶきとともに、海底からその巨体を現したのは……
タコ足と吸盤が丸まったような、何とも不可思議なシルエット。
ピグモン「あっ、あの怪獣、ピグちゃん知ってるの!」

落合さん「えぇ、私も以前に何度か見覚えがございますわ――」
宙マン「(頷き)……オイル怪獣、タッコング」
ビーコン「“タコに良く似た”って、どっかの歌詞のわりにゃ……
正直、それほど似てないっスよねぇ!?(汗)」
落合さん「ビーコンさん、それはこのさい置いといて!(汗)」

波飛沫をあげ、海を突き進み……
宙マンたちの見守る中、怪獣タッコングは遂に苫小牧上陸を果たした。
タッコング「グー、ギィィーっ……見たか、知ったか、この雄姿。
そうとも、俺がタッコング様だぁ!」

タッコング「太平洋でタンカー船を襲い、たらふくオイルを呑んで……
こちとら元気モリモリ、やる気マンマンってわけさ。
さぁて、いっちょド派手に暴れさせてもらうぜ~!」
落合さん「あらまぁ……何てことでしょう!」
ビーコン「ク~ッ、こちとら昼飯まだだってのに!」

バルタン星人Jr「フォッッフォッフォッ……
いかがです魔王様、タッコング君のあの張り切りよう!」
イフ「うむ、元気の良い怪獣の姿は実に気持ちがよいな!」

バルタン星人Jr「近年は、久々のテレビ出演も果たし……
タッコングのやる気も俄然、増しております。
そのノリと勢いを、地球侵略に活かさない手はございません!」
イフ「うむ、その通りだ――
流石は幹部候補生だ、実によいところに目を付けたではないか。
さぁタッコングよ、大いに暴れて苫小牧をメチャクチャにしろ!」
タッコング「グー、ギィィーっ! お任せ下さい、魔王様!」

怪獣魔王の命を受け、進撃開始するタッコング!
迫り来る巨体を前に、右往左往しつつ逃げ惑う人々。

ビーコン「どひ~っ、毎度毎度の展開とは言え……」
落合さん「こればかりは慣れませんし、慣れたくないものですわねぇ!」
ピグモン「はわわ、ボヤいてる場合じゃないの~!(汗)」
おお……危うし苫小牧、危うし北海道!

だが、こんな緊急事態を、航空防衛隊は放置などしない。
直ちに空の精鋭たちが、最新鋭の戦闘機でスクランブル!

ビーコン「おっしゃ、いいところで来てくれたっスよ!」
落合さん「ああ、果たして今回は……大丈夫でしょうか!?」
ピグモン「防衛隊のおじさんたち、がんばってなの~!」

「ようし……全機、一斉攻撃開始だっ!」

高火力のロケット弾が、矢継ぎ早やに叩きこまれる――
だが、戦闘機隊の奮戦にも、全く動じる様子を見せない怪獣。
タッコング「グー、ギィィーっ、こそばゆいってんだよ!」

「ど、どわあぁぁ~っ!?」

タッコングの口から吐きされれる、灼熱の炎!
その威力の前に、戦闘機隊は次から次に撃破されていく。
ピグモン「ああっ、やられちゃったの!」

ビーコン「う~ん、“やっぱり”ってフレーズは……」
落合さん「(頷き)言わないのが賢明ですわよ、ビーコンさん」
……などと、人々が嘆いたりボヤいたりしている間にも。

爆発! 炎上!
タッコングの威力により、みるみる炎に包まれていく苫小牧の街。
その中に立ち、得意満面なオイル怪獣のなんと憎らしいことよ。
ピグモン「はわわ、大変なことになっちゃってるの~!」

ビーコン「このままじゃ、マジで苫小牧もおしまいっス!(汗)」
落合さん「お殿様、今回もまた……お願いできますかしら!?」
宙マン「ああ、どうやら出番のようだね! 宙マン・ファイト・ゴー!!」

閃光の中で、みるみるうちに巨大化する宙マン。
華麗な空中回転とともに、タッコングの前へ舞い降りる!

宙マン「トゥアーっ! 宙マン、参上!
これ以上の傍若無人な振舞いは、私が許さんぞ!」

ズ、ズーンっ!!

落合さん「よろしくお願いしますわね、お殿様!」
ビーコン「こうなっちまうともう、アニキだけが頼みの綱っス!」
ピグモン「はうはう~、宙マン、しっかりなの~!」

タッコング「グー、ギィィーっ……
今、一番ノリにノってる怪獣がこのタッコング様だ。
この勢い、もう誰にも止められないぜェ!?」
宙マン「どうやら、痛い目に合わなきゃ分からないようだな!」

ファイティングポーズとともに、敢然と身構える宙マン――
さぁ、今日もまたまた、世紀のスーパーバトル開幕だ。

激突、宙マン対タッコング!
人々に見守られ、ふたつの巨体が真っ向から激突する。

猛然たる突進戦法で襲いくるタッコングへ、果敢に挑む宙マン。
この凶暴さの前には、小手先のテクニックなど役に立たない……
真正面からの、パワーファイトあるのみ!

本能の赴くまま、押しに押しまくるタッコング!
その勢いに、さしもの宙マンもズズッと後退を余儀なくされる。

タッコング「グー、ギィィーっ! どうだどうだ、参ったかぁ!?」
宙マン「おおっと、調子づくのはまだ早いぞ!」

宙マン、ストレートキックで反撃!
その痛烈な一撃に、タッコングの巨体もぐらりとよろめいた。
ズガーン! グワーンっ!

爆発! また爆発!
両者の対決を煽るかのように、勢いよく噴きあがる炎。

首締めと顎裂き攻撃で、怪獣にダメージを与えようとするが……
そうはさせじと、タッコングの口から吐き出された目潰しオイルが
彼の顔面へと勢いよく浴びせかけられた!

宙マン「うぷっ!?」
不意のオイル攻撃に視界を奪われてよろめき、ドドーッと倒れるヒーロー。
ピグモン「ああっ、宙マンがあぶないの!」

ビーコン「どひ~っ、なんて嬉しくない顔面シャワーっスかねぇ!?」
落合さん「(呆)またビーコンさんは、そんな下品な例えを……」
ピグモン「はわわ、宙マン、がんばってなの~!」

見守る落合さんたちの目の前で、更に火炎を吐くタッコング。
宙マンの周囲に凄まじい爆発が生じ、炎が上がる。

……と、それだけならば対怪獣戦の日常茶飯事と言えなくもないが
こと今回は、それだけでは収まらなかったのだ!

「う、うわぁぁぁぁ……っ!!」
何と、先ほど浴びせかけられた目潰しオイルに引火する形で……
炎が宙マンの全身に燃え移ったではないか!?

イフ「おおっ! やったやった、素晴らしいぞタッコング!」
バルタン星人Jr「フォッッフォッフォッ……
そうでなければ、僕が彼を見出した甲斐もないと言うもので。
もはやこれで、宙マンの命運も尽きたようなものです!」

タッコング「グギグギィーッ、見たか、この俺の勝ちだぜ!」
宙マン「なんの……甘く見るなよ、タッコング!」
タッコング「――何ッ!?」

「ぬうぅぅぅ……トゥアーッ!!」

宙マン、残された気力を振り絞ってパワー全開!
気合一閃、全身にまとわりつく灼熱の炎を吹っ飛ばしてしまう。

タッコング「(狼狽)ま、まさかっ!?」
宙マン「とどめだ!
宙マン・エクシードフラッシュ!!」

全身のエネルギーを極限まで凝縮して放つ、虹色の必殺光線……
エクシードフラッシュの一閃が、タッコングを直撃!!

タッコング「あぁ~、結局こうなっちゃうのねぇぇ~っ!」
やったぞ宙マン、大勝利!

ビーコン「いえっふ~! やっぱアニキはこうじゃなきゃっス!」
落合さん「お見事ですわ、やはりお殿様です!」
ピグモン「はうはう~、宙マン、ありがとうなの~♪」

イフ「ぐぐぐぐ、おのれおのれぇぇ……
またも、またしても宙マンめが!
このままにしてはおかんぞ、今に見ておれ!」
……などと言う、いつもの負け惜しみはさて置いて。

かくして宙マンの活躍により、凶暴なオイル怪獣タッコングは倒され
苫小牧の街には、再び元のおだやかな平和が蘇ったのであった。
ピグモン「はうはう~、宙マン、お疲れ様なの~」

ビーコン「疲れたのもそうっスけど、ハラ減ったっしょ!?」
落合さん「急いで、どこかでご飯に致しましょう!」

宙マン「うん、それそれ、それなんだけどね。
定番のラーメンに寿司、焼肉も勿論魅力的なんだけど……
今日はひとつ、天ぷら蕎麦なんてどうかな!?」
ピグモン「はうはう~、ピグちゃんも大好物なの~☆」
落合さん「私も全く異論はございませんわ、お殿様」
宙マン「おぉ、よかったよかった、それじゃ決まりだね!
あぁ、想像しただけでヨダレが出そうだよ。
熟練の技でからりと揚がった、ふっくらした衣……」

ビーコン「ヒヒヒ、そしてそして……
そんな衣を脱ぎ捨てて、露わになった海老の旨さがまた!
そう、それはまるで、ベッドの上での落合さんのように……」
落合さん「……っ!(ぷちっ)」

げ し っ !

落合さん「ねーい、何て言うロクでもない例え方をっ!!(怒)」
ビーコン「どひ~っ、上手いこと言えたと思ったのにぃぃ~」
宙マン「はっはっはっはっ」

北海道の平和を守った、正義のヒーローへのささやかな勲章。
美味しい天ぷら蕎麦を、大いに堪能した宙マンであった。

しぶとい寒さも、大怪獣もなんのその。
我らが宙マン、次回も大活躍だよ~っと!