
自宅の固定回線も10Gbpsが増えてきましたね。
そうなると宅内LANも自然と10Gbpsにしたくなるわけで・・・
数年かけてもろもろアップグレードしましたが、問題も多くて試行錯誤しました。
本記事では「一般のご家庭」から「やや逸般の誤家庭」くらいまでを対象に、家庭内で10Gbpsを実現するためのオススメ機器を紹介します。
見慣れない単語もあると思いますので、最後に用語集も簡単にですがまとめました。参考までにご覧ください。
一般のご家庭で使う場合
Wi-Fi ルーター
NEC Aterm WX11000T12(Wi-Fi 6E ルーター)
WANとLANにそれぞれ1ポートずつ10Gbpsを備え、Wi-Fi 6E対応の無線LANルーターです。
家庭用においては抜群に安心度が高いNECプラットフォームズ製。 自宅で使っていた時もよく動いてくれました。
元々けっこう値の張る製品でしたが、昨今では各社のフラッグシップはWi-Fi 7機器となっているため、度々セールで安い時期も見られるようになりました!
IODATA WN-7T94XR(Wi-Fi 7 ルーター)
WANに10Gbps、LANに3ポートの2.5Gbpsを備えたWi-Fi 7対応の無線LANルーターです。
3万円以下と低価格でありながら、WAN側のみですが10Gbpsに対応しているため、アクセスポイントだけなど特定の状況では有効です。
ASUS WiFi RT-BE18000(Wi-Fi 7 ルーター)
WANとLANに1ポートずつ10GbEを搭載し、LANに1ポートの1GbEを追加で持つ、Wi-Fi 7対応の無線LANルーターです。
発売当初は評判が悪かったのですが、最近のファームウェアのアップデートにより、安定性が増してきている製品になります。
最新のWi-Fi 7を利用してかつ、LANにも10GbEがほしい場合には有効な選択肢となるでしょう。
ポート数そのものは少ないのと、価格がやや高いのがネックと言えるでしょう。
スイッチ・ハブ
NETGEAR GS110EMX(スイッチングハブ)
マルチギガ(10G/5G/2.5G/1G)ポートを2つ、1Gポートを8つ備えたファンレスのハブです。
ファンレスで小型なのに安定して動作してくれました。
完全にアンマネージドではなく、ログインしてVLANやQoS、LAG、ポートミラーまで使えるため、ちょっと手の込んだことをする場合にも使えます。
設置場所にもよりますが、どうしても熱が心配なら👇のような冷却台の上に乗せると良いでしょう。
FOXNEO 10Gbps 8ポートスイッチングハブ
マルチギガ(10G/5G/2.5G/1G)ポートを8個もつ、格安中華ブランドのスイッチングハブです。
型番すらよくわからない格安中華と侮るなかれ、安い割にそこそこちゃんと動作します。
ただし冷却ファンの音がすることと、筐体が大きめであるため、置き場所を選ぶことには注意が必要です。
私が試したものは普通に動作しましたが、レビューを見るとそうでもない方もいるようなので、返品の覚悟も必要かと思われます。
内蔵/外付けNIC
BUFFALO LGY-PCIE-MG2(内蔵NIC)
PCIe x4接続・10Gbps対応の内蔵NICです。
無骨ですがコスパが良く、とりあえず使えればいいならこれで十分です。
少し古いチップ(AQC-107)のため、最新のものと比べると、将来的にはドライバがサポートされなくなる可能性が考えられます。
熱が心配な場合は、後半のPC内NICの冷却を参考にしてみてください。
QNAP QNA-T310G1T(外付けNIC)
Thunderbolt 3接続の外付け10GbEアダプターです。
外付けだから正直どんなもんかなと思っていましたが、意外と安定して動作してくれました。
とはいえ外付けは熱が心配になるので、👇のような冷却台の上に乗せて使うと安心でしょう。
ASUS XG-C100C V3(内蔵NIC)
PCIe x4接続・マルチギガ(10G/5G/2.5G/1G)対応の内蔵NICです。
2024年9月に発売したばかりで、比較的新しいチップ(AQC113)が使われています。
先に紹介したBUFFALO LGY-PCIE-MG2(AQC107)でどうしても安定しない場合は、こちらを試す価値もありそうです。
熱が心配な場合は、後半のPC内NICの冷却を参考にしてみてください。
期待大のNIC?RTL8127(2025/9月)
最近発表されたRealtekのチップで、上記で紹介されているものよりも低消費電力=発熱も低いとのことで、界隈では注目されています。
また、接続方法もPCIe4.0x1となっており、搭載可能なPCが増えることも期待されています。
現時点での性能や動作安定性は未知数ですが、一応記載しておきます。
逸般の誤家庭向け(本編)
お待たせしました。
ルーター/L3スイッチ
YAMAHA RTX1300(ルーター)
もはや説明不要なYAMAHAの10Gbps対応ルーターです。かなり安定して動作します。
法人向けならもっとすごいものがあるのではないかと思うのですが、家庭内で使えそうな範囲だと意外と見当たらないです。 また、ヤマハのルーターは日本の宅内向け回線設定(v6プラスの固定IPなど)がGUIで簡単にできるため、あくまで家で使うならこれがベストだと考えます。
BUFFALO VR-U500X(ルーター)
BUFFALOの法人向け10Gbps対応ルーターです。10Gbpsは2ポートしかありませんが、逆に言えばそのおかげかファンレスでありながら安定して動作します。
法人向けと銘打ってはいますが、実際は小規模オフィス向けのこぢんまりした構成ということもあり、比較的安価です。
動作温度0~50℃と家庭内で十分動作しそうですが、熱が心配なら👇のような冷却台の上に乗せると良いでしょう。
L2スイッチ
アライドテレシス AT-XS910/8 4530R(L2スイッチ)
超安定動作に定評のあるアライドテレシスの、10Gbpsマルチギガを8ポート備えたファンレスのアンマネージドL2スイッチです。
10Gbpsのスイッチングハブが欲しければこれが最適だと思います。さすがはアライドテレシス、ファンレスなのに安定して動作しました。
環境45℃まで動作と書いてあった気がしますが、熱が心配なら👇のような冷却台の上に乗せると良いでしょう。大型静音ファンでサイズもピッタリです。
NETGEAR MS510TXUP(L2スイッチ)
10Gまでのマルチギガが4ポート、2.5Gまでが4ポート、10GbpsのSFP+が2ポートのスマートL2スイッチです。
新しいモデルなのでバッファ容量も多く、SFP+が独立して使えるのもポイント高いです。ファン付きモデルなので音はしますが、夏でも安心して使えます。
LANポートは全てPoE対応で、この後紹介するWi-Fiアクセスポイントに使えます。
PoEが不要ならもう少し安い👇のモデルもあります。
内蔵/外付けNIC
Intel X550-T2(内蔵NIC)
Intel X550チップ搭載の、LANが2ポートついた内蔵NICです。
PCIe x4なのに10Gbpsが2ポートあるので、VMなどをゴリゴリ動かすヘビーユーザーもオススメです。
マザーボードに搭載しているIntelチップは問題が多いですが、こちらのチップは問題なく安定・高速に動作しました。
熱が心配な場合は、後半のPC内NICの冷却を参考にしてみてください。
QNAP QNA-T310G1S(外付けNIC)
Thunderbolt 3接続の外付け10Gbps SFP+アダプターです。
上記で紹介したQNA-T310G1Tと同様、外付けなのに安定して動作します。
SFP+なのでRJ45より消費電力は低いもの、熱が心配なのは変わりないので、やはり👇のような冷却台の上に乗せて使うほうが安心です。
その他
NETGEAR WAX630E(Wi-FI AP)
PoEで動作する、Wi-Fi 6E対応の法人向け無線LANアクセスポイントです。(2.5Gbps受け入れで10Gbps対応ではありません)
上記で紹介したNECのWi-Fiルーターは壁に設置できませんが、こちらは壁や天井に設置できます。
さらに上記のPoE対応L2スイッチと組み合わせれば、外部電源不要で動作するため設置の幅が広がります。
家庭向けのWi-Fiルーターは夏に落ちたりしますが、本製品は法人向けだけあって安定性が高いです。
ASUS ProArt X870E-Creator WIFI(マザーボード)
10G対応のLANポートを搭載したマザーボードです。
外付けNICは使いたくないし、内蔵NICを増設する余裕もない!という場合には「そもそも10G対応LANポートのあるマザーボードにすればいいじゃない」となります。
しかし価格コムのマザーボードのフィルタには、10GbE対応という項目がないため、探すのは面倒です。
そこで筆者が実際に探した中で、10GbE対応の中でコストパフォーマンスに優れたマザーボードがこちらでした。
チップはAQC113CSと思われます。現在使用しておりますが、安定して動作しています。
注意事項と知見
冷却グッズ
10Gbps関連機器はとにかく熱いため、使いやすい冷却グッズを機材と同じくらい探しました。
小型の設置物冷却
外付けNICなどの小さくて熱いものを冷やす場合には、👇のような12cmファンをUSB外付け方式にした冷却台がコスパ良くておすすめです。
中型の設置物冷却
中型のルーターなどを冷やす場合には、👇のような机上台とファンが一体化したものを使うのがサイズ的にもおすすめです。
大型の設置物冷却
ファンレスのスイッチングハブなどの大きいものを冷やす場合には、👇のようなノートパソコン用クーラーを冷却台とするのがおすすめです。
PC内NICの冷却
PC内のNICも、あまり冷えない場所にあることが多いため冷却が必要なことがあります。設置位置によって使えるアイテムが変わってくるので注意が必要です。
基本的には長尾製作所のファンステイがしっかりしていてオススメです。
NICの下段にPCIスロットの余剰がある場合は、👇のようなPCIスロットに固定するファンステイがおすすめです。
NICの下段に余裕がないなら、NICの側面に設置するしかありません。👇のような磁石式ファンステイがおすすめです。
NICの下段に余裕がない上に磁石でくっつかないケースの場合は、👇のようなPCIスロットのネジ止め部分で固定するファンステイが利用できます。
SFP+の相性問題
SFP+はRJ45より低い消費電力で運用することができますが、対向機器との相性により動作しないことがあります。
今回オススメする商品の中では、YAMAHA RTX1300 ↔ NETGEAR MS510TXUP(MS510TXM)では、SFP+でリンクアップしませんでした。
一方で、NETGEAR MS510TXUP(MS510TXM) ↔ QNAP QNA-T310G1Sでは、リンクアップしました。
買わないほうがいい機器
TP-Link TL-SX105
10Gbpsマルチギガ対応ポートを5つ備えたアンマネージドのハブです。
ファンレスにこだわっていた頃に試してみましたが、熱で動作が不安定になりました。
用語集
10GbE
10ギガビット・イーサネットのこと。10Gbpsのネットワーク規格全般を指す。
RJ45
いわゆるLANケーブルについてる、コネクタ部分の規格の名称。
マルチギガ対応
10Gbps・5Gbps・2.5Gbps・1Gbpsなど複数の○○Gbpsに対応していること。 古い機器だと「10Gbpsは対応しているが、5Gbpsと2.5Gbpsは非対応」なんてケースがあった。 最近の機器なら気にしなくてもいいと思われる。
NIC
「ネットワークインターフェースカード」や「ネットワークインターフェースコントローラー」の略。 要するにPCに繋ぐと、LANケーブルを挿したりできるようになるやつ全般。 PCのマザーボードに直接挿すやつ(内蔵NIC)から、USB接続するやつ(外付けNIC)もそう。
SFP+
通信機器に接続する規格のひとつ。 法人向け機器になるとついていることがある。 光ファイバーとかで長距離伝送したりするのに使うことができる。
10GbEはLANケーブルだと消費電力が高くて機器が熱くなることから、昨今では逸般の誤家庭でもSFP+を使うケースが散見されている。 挿せば使えるLANケーブルと違って、光ファイバーとのアダプタみたいな役割をするモジュールに制限がかかっていたり、対向機器との相性で接続できないといったケースが多い。
L2スイッチ
超簡単に言うとネットワーク用のスイッチングハブのこと。 アンマネージドL2スイッチと言うと、設定・管理・監視などオプションがないL2スイッチであるため、ほぼ市販のスイッチングハブと違いがよくわからない。
法人向けの高価なL2スイッチはマネージドで様々な設定ができる。 法人向けでも手の届く範囲になると、スマートL2スイッチと呼んでいたりするものもあるが、これはちょっとだけ高度な設定ができる、賢いL2スイッチのことを指すことが多い。
Wi-Fi 6E
Wi-Fi 6以上、7未満の規格。6と違って6GHz帯が使えることがあり、今までの5GHzより高速に通信できる。 Wi-Fi 6E対応と書いているのに、技適の都合で日本では6GHzが使えないなんてこともあるので機器購入の際には注意。
Thunderbolt
Intelの推進している高速通信規格。端子の見た目はUSB-Cだけど、金がかかっている分USBにはできないことができる(デイジーチェーンとか)
おわりに
筆者の経験を基に、オススメの10Gbps対応機器を一通り紹介しました。参考になれば幸いです。
今後もトライアンドエラーを繰り返して、可能な限りこの記事もアップデートできたらと思います。
それでは、皆さんも良い10Gbpsライフを!