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滅悪趣護摩に金剛童子を祈る。

滅悪趣護摩とは要するに不成仏のものを浮かばせる護摩だ。

普通は山門方では諸尊壇の終わりに滅悪趣真言を唱えて蘇油を供養する。

ところが三井では金剛童子呪を以て供養する。

思うにこれはこの尊が阿弥陀の応迹であるからだろう。

黄童子は阿弥陀の垂迹 青童子は普賢菩薩の化身とする。

そして今一つは金剛童子が悉地金剛の異名あるゆえんだろう。

悉地すなわち妙成就をもたらす仏である。

 

そしてここに忿怒尊のおおきな役割がある。

阿弥陀はその本願をたのまないものはどうにもならない。

救済できない。

ここに金剛童子はその化身として三悪道の障礙を砕いて解脱させるのであろう。

観音ですら念彼観音力すなわち「かの観音の力を念じる」から救済が可能なのだ。念じないものはどうにもならないのにこの明王の慈悲は甚だ深いと言っていいだろう。

醍醐ではこの金剛童子は実は蔵王権現と表裏一体でもあるという。

そして寺門では最秘の所以ある尊とする。

蔵王尊をこの悪世の総本尊と崇めるゆえんである。




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