手持ちの弁天法の啓白は「障礙の龞亀を斬る」に案っているが障礙神はそれが登場する「仏説宇賀神王福徳円満陀羅尼経」では空体にして虚空の如くして色は黄色としている。
龞亀はスッポンのことだが障礙神はそうではない。
菅見のかぎりだが障礙神の記述はほかの儀軌にはないようだ。
こういうところは甚だ先徳に失礼だが私が読む分にはなおさせていただくことにしている。
僭越だが一応、都法阿闍梨なのでそれくらいは可能と思う。
そうでないと気になって仕方ない。
但し、他社への伝授の場合はそのままにせず、「元はこうだ」と必ず言わねばならない。
それが伝授の原則だ。
ま、敬白はその都度つど行者が作るのが本義なものなので問題はないが。
さらに次第には 障礙の空体を斬る と書いて
「但し、私に云わく。」と横書きして置くことは大事だ。
こういう工夫を入れた次第を「私記」という。
一例として書くなら、「福徳園満陀羅尼経にいわく、障礙神は空体なり。この龞亀は誤りな蘭。あるいは行者の感見によりものか」と書いておく。