「釈迦涅槃図」の多くに猫が描かれない理由の伝説は仏母摩耶夫人が釈迦を救おうと霊薬を天上から持ってきたが、つなぎ役のネズミを猫がとってしまって間に合わなかったからという。
爾来 猫を仏敵と憎んでこれを描かないという。
しかしそののち、室町時代の禅僧・吉山明兆(兆殿司)が猫に絵の具の土を教えてもらって、猫から是非涅槃図に書き加えて欲しいと頼まれてから猫も描かれるようになったという。
涅槃図は在家にただ絵画としてかけておくのは過ぎたものと聞いている。
こんな話を若いころ聞いた。昭和の話だ。
見事な涅槃図を床の間にかけて、最勝王経10巻を持っていた人が、「これはありがたいものゆえ寺に納めた方がいい」と僧侶に勧められたが、惜しんで拒んだ。
後に火災で焼失した。惜しいことをしたという。
この話をしてから師匠は「釈尊臨終の図」であることを考えれば、臨終の図を一般の家でかけることはふさわしくないといわれた。