六道輪廻の間には ともなう人もなかりけり
独りうまれて独り死す 生死の道こそかなしけれ
私の好きな一遍上人の御歌
親子、兄弟と言い、夫婦と言ってもこの理に変わりはない。
この前「このまま独りで人生の最後を迎えるのはどうしても悲しすぎるんで…」という独身の方があった。
で、いままで一人できたが、だから「どうしても結婚したいのだ」という。
なるほど。気持ちは分からなくはない。
確かに一人で暮らすより二人で暮らす方が良いことは多いかもしれない。
楽しいこともあるだろう。
だが、人が人とずっと生きていくことはたやすく考えてはいけない。
きっとそのうちわかるだろうが楽しいばかりではないに違いない。
やっと晩年に念願の結婚をはたしたが、それでもうまくいかず別れる人もあるだろう。
少なくない。
さすればそののちの寂寞感はいや増すことになるかもしれない。
そして、死ぬ瞬間はやはり一人なのだ。
たとえこよなく幸せな家庭があってもそうだ。
生まれてきた時がわからないように、多くの人はもう息の縁が止まるまでのわずかな時間にはもう誰も認識できないことが多いと思う。傍に何人いようが、だれがいようが・・・あなたはまたたった一人で闇路に消えていく。
かってすべての人が一人残らずそうであったようにだ、
だとすれば今身の回りにいる人はどなたであれ六道輪廻の旅路の行きずり、一期一会の友と言えるかもしれぬ。
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丁寧に笑顔で迎え笑顔で別れたいものだ。再び六道の辻に立つその日まで。