衆院選、ほぼ候補者が固まりつつあるようだが、参政党が小選挙区に大量の候補を立てるらしい。東京都の30選挙区にはすべて公認候補を立てる。それに対抗してか、国民民主党(民民)も東京選挙区に大量の候補を立ててきた。
かつては大量の候補を立てていた共産党は、野党共闘が完全になくなった今回でも半分くらいの選挙区に立てるにとどまっている。
最初に余計なことから書くと、共産党は大阪や兵庫には結構な数の候補者を立てるが、東京は同党のサイトを見ると今のところ13人。東京は30区まであるから半分にも満たない。前回立てなかった選挙区や得票率の低かった選挙区は外されている。私の住む東京15区には小堤東という若い人がいて、なかなか感じの良い人だが今回は立たない。一昨年の補選に立たずに「野党共闘」で降りて、本選には出たが得票が伸びなかった。これは候補者のせいではなく、ひとたび候補者が当選してしまうと国会の質疑に出てきたりして知名度が上がるから、次の選挙で有利になるだけの話だ。
2024年の本選でも野党共闘をやっていた東京5区から10区までにも共産党は立てない。また、前回東京都で一番成績の悪かった*1香西克介、この人は前記の小堤氏とは違って感じのあまり良くないイキリ系の人だが、今回は外されたのではないかと思ったら案の定だった。学校の試験や会社の人事考課と同じように、党の支部や候補者も党執行部に査定されるのである。考えてみれば当たり前の話だが、それが現実だ。香西氏は一時はSNSをうまく使って活動しているなどと『しんぶん赤旗』で評価されていたようだが、選挙で結果を出せなければこうなってしまう。なお共産党の擁立自体が減っているのは、いうまでもなく資金難のためだ。広原盛明氏が指摘していたが、共産は今回の選挙での目標も下げてきた。
本当は執行部こそ査定されるべきではないかと私などは思うのだが、なかなかそうはならない。東京では江東区のお隣の江戸川区の一部が選挙区である16区にも共産は立てないようだが、江東区と江戸川区はともに昨年の都議選で共産党が議席を失ったことがマイナス査定につながったのではないかと推測される。でも、下町で強いはずの共産党が下町で負けたのが地元の支部のせいかというと、私はそうは思わない。江東区と江戸川区では、共産党候補がこともあろうに右派ポピュリズム系の「自由を守る会」の候補に票を食われたという分析が一部であったが、そりゃ消費税減税ばかり言ってたら、同じ主張をしている自由を守る会に食われようというものである。これには執行部の責任がかなり重いはずだ。
民民の話に移るが、ここは前回までとは打って変わって、衆院では消滅した立民の現職がいる選挙区には「現職不可侵」の了解事項があって民民は候補を立てないのが原則だった。ところが今回は立民の前職(衆議院が解散されたので衆院議員は無職となり「前職」と表記される)がいる選挙区にばかり立ててきた。
民民は、立憲民主党の候補がいなくなったから「現職不可侵」ではなくなったと主張している。しかし実際には玉木雄一郎の立民に対する怨念から前職のいる選挙区を狙い撃ちしたことは疑いない。これは査定以前の問題であって、玉木が政党を私物化しているといえる。玉木は組織(政党)の損得勘定よりも自分の感情のはけ口を重視する人間なのである。玉木は東京15区には須藤元気に出馬を打診したが断られたことはずでに報じられていた。須藤なら勝ちが計算できただろうと思うが、断られてもまだ別の候補を立ててきた。また前述の16区にも立民の比例復活の前職がいるが、ここにも立ててきた。江戸川区は江東区などともに民主・民進系が弱い土地柄だが、玉木はとにかく立民の前職がいるというだけで許せないらしい。
おめでたい「駅前は朝の七時」がまたぞろ玉木待望論のポストを出していたからそれをあげつらおうと思ったが、それ以前に奴は下記のトンデモポストを発信してやがった。
代わりもみんなトラスなら、一番度し難いトラスにやらせて他のトラスが目を覚ますのを期待するのがいいと思う https://t.co/4iAYrQiEJv
— 駅前は朝の七時 (@ystak13am7) 2026年1月23日
この「一番度し難いトラス」は高市のことだろうが、第2次高市内閣になったら高市がぶっ壊すのは日本経済だけじゃないからな。安全保障もぶっ壊すし、何より大々的な軍拡に邁進して、それこそ北朝鮮みたいな「先軍政治」をやりかねないぞ。あの怪物のやることは一切予測不可能だ。もっと真面目に物事を考えやがれ。
とにかく、今回の衆院選では自民党の議席数を1議席たりとも増やさせないことが野党、特に中改連にとってマストの勝敗ラインだ。自民党が1議席でも議席を増やしたら、私は中改連は敗北したとみなす。
だから「駅前は朝の七時」がリポストした堀新氏の下記Xにも断固として反対する。
経済危機を迎えるなら高市政権で迎えるべきですね
— Shin Hori (@ShinHori1) 2026年1月22日
逆に高市政権で経済がうまくいくなら(悔しいけど)それは成果であり、文句は言えない
どっちにしても当面は自民が大勝も大敗もせず、高市政権が倒れない程度に票を取るのが良いかもですね https://t.co/ILbZ2rJIQ1
堀氏にも危機感が完全に欠落している。どうしようもない。
今ならヨシマサとかモテがリリーフに回ればギリギリ財政危機までは回避できると思うよ ただそれって高市一派が温存されるし、「あのときは超緊縮財政からの脱却を抵抗勢力に邪魔された」って強いナラティブをもって再登場するので結局問題の先送りでしかないんだ
— 駅前は朝の七時 (@ystak13am7) 2026年1月22日
どうみてもこの人はクラッシュ待望論者としか思えないが、クラッシュなんかそんなに早くはこないし、このあと高市独裁が数年間続くだけでも地獄の時代になる。そんな権力構造を実現させては絶対にならない。それにクラッシュが起きた時の人々の苦難を「駅前は朝の七時」は甘く見過ぎている。下手したら1945年の敗戦直後みたいなことになるぞ。
衆院選でベストの結果は自民党を大敗させて高市を退陣に追い込むことだ。そうなれば自民党で党内行動が起きる。高市が総裁である間は自民党は分裂しないが、高市らもともとの保守傍流が党内非主流派に転落したら、自民党は割れる。
それと狙っている政治勢力が2つある。1つは中改連のうち旧公明、というより斉藤鉄夫であり(野田佳彦は何も考えていない)、もう1つが参政党だ。参政党の「高市を応援するなら参政党に」というスローガンは決しておかしくもなんともない。あれは自民党を負かして自民党を高市ら極右派と石破・岸田ら伝統保守派の2つに割って、参政党は高市らと組む、そう言っているのだ。斉藤はその逆で、伝統保守派からなる自民Aと自民を極右派からなる自民B (「馬鹿」のB?) とに割って、「岸破」系の自民Aと中改連とで大連立を組むグランドデザイン(全体構想)を持っていると推測される。そっちの方が極右ネオリベに凝り固まっている高市政権の継続なんかよりもはるかにマシであることは自明ではなかろうか。高市は自分の誤りを絶対に認めない人間もとい怪物だが、伝統保守や「中道」は融通無碍だから、危機への対応能力も段違いのはずだ。
やっとみつかったが、「駅前は朝の七時」は下記3件のXをポストしていた。
今度こそ担ぎ出されてくれるか? https://t.co/Gfp44bM9JS
— 駅前は朝の七時 (@ystak13am7) 2026年1月22日
過去ポスト掘ってもらうといいけどおれは前から立国合流論者であるしそれで玉木が頭になってくれるんであれば礼儀として倒れるまで支える用意はあるぞ https://t.co/8SDvGkjf2t
— 駅前は朝の七時 (@ystak13am7) 2026年1月22日
「公器である国民民主党を私物化し責任から逃げる玉木雄一郎」を批判してきたわけで、「アライアンスを糾合して矢面に立つ玉木雄一郎」については批判する筋合いが一切ない https://t.co/rUBDxuokM2
— 駅前は朝の七時 (@ystak13am7) 2026年1月22日
「駅前は朝の七時」の期待は、またしてもあっけなく裏切られた。
そもそも玉木に「アライアンスを糾合して矢面に立つ」気概などあろうはずがない。2017年の「希望の党」騒動を思い出してみろ。あの時、「希望の党」の結党に玉木は浮かれまくってにやついていた。それが立憲民主党(旧)に邪魔されたらシュンとなり、それ以降は立民に対する私怨を動力として行動する政治家に成り下がった。玉木に評価できる要素など何一つない。
昨年秋の高市新政権発足以来の民民はブレブレだった。一方参政党にはさほどのブレはない。本当に脅威になる恐れが強いのは参政党の方だ。参政党には確たる組織論があり、それに基づいて小選挙区に候補者を大量に立ててきた。
一方の玉木は、党の利益よりも自らの感情のはけ口を求めることを優先するトンデモ政治家に過ぎない。
東京の多くの選挙区は、自民、参政、民民、選挙区によっては維新の「右」系の候補者が乱立する戦いになる。東京15区はその典型で、自民、参政、民民、維新が揃い踏みした。それを前職の酒井菜摘が迎え撃つ。対立構図は、自民の比例復活の前職が出てくることを除いて一昨年の本選よりも補選に似ている。いや同年の本選にも似ているか。
15区のことはともかく、今回の衆院選では参政と民民が結構対照的な結果になるのではないかと私は思っている。
両党の支持層はよく似ていて*2、その構成比は自民党よりもさらに右に偏っている。自民と極右2野党が右派票を奪い合い、中改連の候補が漁夫の利を狙う選挙区が多くなるだろう。維新は大阪・兵庫以外では最初から問題外である。