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「自民党は今、予想以上の速さで崩壊過程に入りつつある。」(尾中香尚里氏)

 こんなXがあった。

 

 

 リンクされているのは時事通信の下記X。

 

 

 それは、時事通信自身の下記記事からの「切り取り」だった。

 

www.jiji.com

 

 以下引用する。

 

高市首相、日中立て直しへ対話重視 衆院解散「考える暇ない」

時事通信 編集局

2025年12月17日20時09分配信

 

 高市早苗首相は17日夕、臨時国会の閉幕を受け、首相官邸で記者会見を行った。台湾有事を巡る自身の国会答弁について「日本政府の従来の立場を変えるものではない」と重ねて説明。悪化した日中関係の立て直しを見据え、「率直に対話を重ね、戦略的互恵関係を包括的に推進したい」と強調した。

 

 首相は「懸案や課題があるからこそ意思疎通が重要だ。首脳間を含め、日中間でさまざまな対話を行うことに、日本側はオープンだ」と中国側に呼び掛けた。トランプ米大統領と早期の首脳会談を目指す考えも表明した。

 

 自民党内には高い内閣支持率を踏まえ、早期の衆院解散・総選挙を求める声がある。これに関し、首相は「やらなければいけないことが山ほど控えている。考えている暇がない」と否定。連立政権の枠組み拡大を検討するかも問われたが、「相手方の意向もある。私からコメントすることは控えたい」と述べるにとどめた。

 

 経済財政運営を巡っては「日本に今必要なことは積極財政で国力を強くすることだ」と指摘。「経済の好循環を実現し、税率を上げずとも税収が増える姿をつくる」と理解を求めた。

 

 2026年度予算案について、首相は26日に閣議決定を予定していると明らかにした。26年度税制改正の焦点となっている防衛力強化の財源にも触れ、「新たな家計の負担増とはならない形の決着を目指す」との認識を示した。

 

URL: https://www.jiji.com/jc/article?k=2025121700616&g=pol

 

 上記記事の赤字ボールドの部分を時事通信自身が切り取ってXをポストした。

 それはともかく、当該部分から看て取れるのは、高市早苗が心情的には今なお「日本版MMTの強い信奉者」であることだ。何か困ったことがあるとすぐに高橋洋一に相談するとの風評はたぶん事実だろう。

 しかし高橋の言う通りにすると、マーケットが高橋の言った通りに反応してくれない。それで路線の修正を強いられる。その結果が、たとえば防衛(軍事)予算のドラスティックな増額を、かつて高市自身が自民党内の反岸田首相陣営にいた頃には強く批判した直接税の増税に頼らざるを得なくなったことだろう。

 高市自身の政策が高市の願望からくる「インフレ下での積極財政」とマーケットからのネガティブな反応を受けた「インフレであるが故の引き締め(緊縮)財政」の両方向に引き裂かれているように、私には見える。

 思い出したのが下記記事にGl17さんからいただいたブコメだった。

 

kojitaken.hatenablog.com

 

高市・吉村自維連立政権は「デフォルトを目指す日本史上初の政権」(レバ子氏) - kojitakenの日記

高市歴史修正主義のような「現実に反すけれど身内のナラティブ共有で正当化する」方向性でやってきた政治家で、その感覚のまま社会経済の舵取りを始めた結果、リアルとナラティブを衝突させて今更驚いている。

2025/12/14 17:27

 

 Gl17さんが「身内のナラティブ」の例として挙げているのは「歴史修正主義」だが、高橋洋一に代表される「日本版(右派)MMT」もその範疇に入るだろう。高橋洋一という人は自らの数学的才能を自慢したがることでも知られるが*1、高橋は日本版MMTがはやり始めた頃には自らが得意とする数学を盾にとってMMTを批判的に論評していたのだった。それhがいつの間にかMMTの守護神みたいになっている。高橋はもはや得意の数学をかなぐり捨てて、右派(極右)の政治家たちに影響力を行使して楽しむ(自尊心を満たす)危険な火遊びをやっている。そのようにしか私には見えない。

 そんな高橋への強いシンパシーを断ち切れずに政策が自家撞着を起こしているのが「政策通」などと言われることもある高市早苗の現状だろう。私はそうみている。

 高市政権は、そして自民党はもはや統治能力をすっかり失ってしまったのではないだろうか。

 そう思っていたところに、元毎日新聞の尾中香尚里氏の下記Xに接した。

 

 

 尾中氏は1965年生まれ、1988年毎日新聞社入社だから私より少し年下だが、セミリタイア気味でもあるのか、Xでは「藤沢市民オペラ」に関するポストなどが多い。しかし今でも時折政局に関する論評の記事を発信している。氏の記事は、少し立民に対する評価が高すぎるようには思えるが、自民党に対する評価には強く同意させられることが多い。上記Xからリンクされた下記記事もその例だ。

 

ictj-report.joho.or.jp

 

 以下、上記リンクの記事の冒頭部分を引用する。

 

実は最弱の政権

 

 高市早苗内閣が高い支持率を得ていることで、野党支持層の間に動揺や警戒が広がっている。多くのメディアが現在の政治状況について「多党化」という誤った認識を与え、自民党と「連立」した日本維新の会や、夏の参院選で躍進した国民民主党や参政党に過度にスポットライトを当てるため、野党第1党たる立憲民主党の存在感が低下しているのでは、といら立つ声もあるようだ。

 

 少し落ち着いて考えてほしい。高市政権は、自民党の結党70年の歴史の中で、おそらく最も弱い政権だ。政権発足当初の与党の議席は、衆参両院とも過半数に足りなかった。本稿の脱稿直前に院内会派「改革の会」所属の無所属議員3人が与党入りし「衆院過半数を回復する」と喧伝されたが、一方で維新幹部が報道機関の取材で連立離脱の可能性に触れるなど、国会での基盤は相変わらず不安定だ。公明党の連立離脱によって選挙の基盤も弱った。高い内閣支持率と政権の現実には相当な乖離がある。

 

 自民党は今、予想以上の速さで崩壊過程に入りつつある。高市首相の一見勇ましい発言は、それを糊塗するための、一種の延命策だと言えよう。

 

 自民党が近い将来「唯一の国民政党」としての役割を終えるなら、立憲民主党が後を受けるしかない。メディアが持ち上げる中小政党は、規模の面でも実力の面でも「政権の選択肢」にはなり得ない。自民党に代わる可能性を持つ政党は、現状で立憲だけなのだ。

 

 立憲の果たすべき役割は、これまでと大きく変わっている。自民党に代わって政権を担える「新たな国民政党」として、有権者に認知されなくてはならない。「野党の中で目立つかどうか」ばかりを気にする局面は、とうに終わっていることを自覚すべきだ。

 

URL: http://ictj-report.joho.or.jp/2512/topics01.html

 

 赤字ボールドにした部分には本当に同感だ。というより、自民党は既に歴史的使命を終えた政党だ、とはもう四半世紀以上も前の20世紀末から言われてきたことであって、最近の自民党政党支持率縮小は、それが最終段階に差し掛かってきたことを示すものだと私は思う。たとえば直近の2年ほどをとっても三春充希氏の下記グラフが示す通りだ。

 

 

 政権を変えては支持率が持ち直すものの、もとの高水準には戻らずに再び落ち込んでいく。これの繰り返しだ。高市早苗自民党の政治家の中でも「劇薬」でリスクが高いために昨年の総裁選では忌避されて石破茂政権になった。でも石破でも立て直せず、ついに「劇薬政権」が「爆誕」してしまい、副作用を撒き散らしまくっているのが現状だといえる。

 一昨日と昨日に取り上げた伊東市長選でも、本当に注目すべきなのは自公が推した元職が民民(国民民主党)の推薦を受けた挑戦者に惨敗したことだ。公明党は元職が市長になった時に自民党と一緒に推したから今回もそれに従ったが、自民党と一緒にやっても当選できないことが今回わかったから、次も自民党と組むとは限らないといったところだろう。そもそも自民党総裁高市にさえならなければ、公明党は自公連立を解消するつもりなどなかったのだ。私の以前からの予測でも、公明党の連立離脱は自民党崩壊の最終段階で起きる事象のはずだった。それが今年起きたことも、尾中氏のいう「予想以上の速さで崩壊過程に入りつつある」ことを示している。そのように私は考える。

 問題は、そういう状態であることを現在の立民の執行部が十分認識しているかどうかだ。私にはそのようには全く見えない。たとえば代表の野田佳彦は「維新カムバック」などと口走った。維新は野党陣営に戻ってきてほしいという意味だろう。これは尾中氏の記事にある下記の文章とは整合しないのではないか。

 

「めざす社会像」を示す

 

 次に政策について。個別政策でなく「立憲のめざす社会像」を提示することだ。

 

 高市政権の発足に伴い、与野党の枠組みが大きく変わった。「自民・公明vs立憲・維新・国民民主など」という対立構図が「自民・維新vs立憲・国民・公明など」に変化したのだ。「めざす社会像」における与野党の対立軸は、以前より明確になった。立憲がめざす「格差を是正してぶ厚い中間層を再生し、自己責任社会を終わらせ安心できる社会を作る」という政治目標は、維新など旧来の野党より、公明党の方が親和性が高いだろう。

 

 この変化を生かしたい。自民党中心から立憲中心に政権を交代させることで、社会のあり方をどう変えたいのかを、もっと明確に語るべきだ。

 

 「安保法制反対」「食料品の消費税ゼロ」のように個別政策ばかり訴えるのは、政権を担う責任を持たない万年野党か、自民党に政策をのませて存在感のアピールを狙う「ゆ党」的政党の選挙戦術だ。立憲の安住淳幹事長の言葉を借りれば、単なる自民党への「陳情」でしかない。この手の戦術からは卒業すべきだ。

 

 政権政党として国民の信任を得るには、もっと包括的な訴えが必要だ。「マニフェストにあらゆる分野の政策項目を並べる」のも大事だが、それ以上に「これらの政策が、どんな社会を作るために用意されたのか」を語ることこそ重要だ。

 

 これが十分にできていないから、立憲は「自民党と同じ既成政党」という有権者の批判に耐えられず、政治に変化を求める層の票を新興の中小政党にさらわれる。「社会の方向を変える」大きな改革は政権交代でしか実現しないことを、立憲は日常的に伝えてほしい。

 

URL: http://ictj-report.joho.or.jp/2512/topics01.html

 

 上記引用文中で赤字ボールドにした部分と、野田佳彦の「維新カムバック」とはどう考えても整合しない。

 今後自民党が崩壊したとしても、それと同時か、あるいは自民党よりももっと早く立民が崩壊してしまったら日本の政治は本当の「焼け野原」になる。立民の政治家たちには、自分たちの歴史的使命を理解しているのかと言いたい。

 また、立民などが政権を担った場合に批判勢力になるであろう山本新選組には、いつまで被害妄想全開の陰謀論体質にとどまっているのかと言いたい。昨日も書いた通り、現状の延長線上には自民や立民よりももっと早く新選組は存亡の機に直面することになる。

 もっとも、党名に何の理念も示せない、元号とテロリスト集団の名前を合体させた政党に多くを期待する方が無理なのかもしれないけれど。

*1:高橋は東大理学部数学科卒業だから、数学的な才能はあるのだろう。




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