いや大谷翔平すごかったですね。
今朝は何時に試合開始かも知らず、テレビの番組表を見たら9時30分開始のようだったので生中継を見るつもりだったが、なんとなく「これは録画しといた方がいいぞ」という予感がしたので、生中継を見ながら録画もしておいた。
そしたら大谷が1回表に四球で出した走者を三者連続三振でファーストに釘付けにしたあと、先頭打者ホームラン。4回裏には超特大ホームラン。7回表に無死で2人のランナーを出して投手としては降板したが救援投手のベシアに後続を抑えてもらって6回0/3を2安打10奪三振3与四球無失点で投球を終えると、その裏に3本目のホームラン。
宮武嶺さんは生中継では3発目だけご覧になったそうですが、私は全部見ました。しかも録画もした。今日は土曜日なので報道特集を予約録画する日なのだった。だからついでにMLBの試合も録画しておこうかという気が起きた次第。
宮武さんは「ビジネスエセ阪神ファン」にしてその正体は読売ファンである吉村洋文*1に対して怒っておられるが、私は2015年の日本シリーズ第3戦での山田哲人の3連発を懐かしく思い出していたのだった。あの試合は平日に行われたので私は3発全部を生中継で見ることはできず、3発目だけをリアルタイムで見た。ソフトバンクの投手が元中日の中田賢一から現在MLBにいる千賀滉大に交代した打席で、千賀の速球を詰まりながらもレフトスタンド前列に運んだ3発目にしびれたのだった。相手投手が中田であれば打っても当たり前に近いが、千賀を打つのは難しいだろうと思っていただけに強く印象に残った。
MLBのポストシーズンで1試合3本塁打というのは過去10例あって、大谷が11人目だそうだ。さすがは歴史の長いMLBだ。日本シリーズでは2015年の山田が最初で、そのあとにも1試合3発を打った選手はいないと思う。またクライマックスシリーズでは2019年にソフトバンクの今宮健太が記録しているらしいが、その他の例はないのではないか。
なおレギュラーシーズンでは多数例があるけれども、スワローズでは2022年夏の甲子園での阪神戦で「村神様」こと村上宗隆が記録した試合が印象深い。村上はヤクルトの4得点すべてを叩き出した。しかも彼は7回に追撃の1発目、9回に同点弾の2発目、延長11回に試合を決める3発目の2ランを放って、首位ヤクルトにつけられた大差を縮めようと必死になっていた阪神の逆転優勝の可能性を事実上断ち切った。さらに次の神宮での中日戦では、当時の中日の右のエース・柳裕也から2打席連続ホームランを放って、日本プロ野球にもMLBにも他に例のない5打席連続本塁打の記録を樹立したのだった。
そういえば山田哲人が日本シリーズで3連発を打った2015年は、ヤクルトはシリーズ自体はソフトバンクに1勝4敗で完敗した。しかも山田は、今回の大谷にも似て第3戦以外はほとんど打てなかった。しかし後世(現在)では日本シリーズ史上唯一の1試合3本塁打の達成者として名前を残している。
大谷の場合は、先発投手として勝利投手になって6回無失点で10三振を奪ったばかりか、その試合でドジャーズのリーグ優勝まで決まったのだから、他の試合での不振にもかかわらずリーグチャンピオンシップのMVPに選ばれたのも無理はない。
なんといっても大谷がプロ入り前から「二刀流」をやろうと決心したことが大きい。その決心がなければ、「素質はすごいが故障が多い投手」にとどまった可能性が高い。
そういえば元中日の岩瀬仁紀が今年のある試合で中日の某投手を「打席でバッティングに集中しすぎだ」と評していた。打撃なんかに熱中するから肝心の投球がおろそかになったという批判である。
岩瀬の基準に照らせば大谷の「二刀流」などとんでもないということになるのだろう。
今日の大谷の投球を見ていると、中軸打者からは三振を狙いにいって、下位打者に対してはそこまでの力は入れない様子がありありだった。それを見た私は昔の江川卓を思い出した。それでも大谷は6回を0点に抑え、自ら3本塁打を放った。自らの力の配分を考え、それを最適化して結果を出したのが今日の試合だったといえる。
大谷に倣って二刀流に挑戦する選手は今後出てくるのだろうか。
最近は、どうやら投球の方法を極めれば球速が出ることがわかってきたようだ。でもその反作用で投手には故障が多くなった。
だが大谷は、投手としては戦力にならない時期でも打者としてなら結果を出せることを昨年実証した。そして現在は二刀流の限界に挑んでいる。
不世出の野球選手というほかない。