私が変節してあれほど嫌っていたXのアカウントを開設したのは、井戸まさえ氏のXを読むためだった。
昨年7月から今年4月初めにかけては、以前は連ツイとか言っていたスレッドは読めなかった。だから昨年12月28日に発信された下記Xの連続ポストも、最初のXにしか見覚えがない。
柿沢氏が区長選をめぐる買収容疑で逮捕された。
— 井戸 まさえ (@idomasae) 2023年12月28日
前回の衆議院選挙でそれまで野党系の候補者として出馬すると思われていた柿沢氏が岸田氏を首班指名、自民党の推薦を得たことで、立憲民主党都連の意向で東京4区から15区に移動し、柿沢氏と戦った私にとっても、この問題は遠くで起きた話ではない。
この事件を見る上で、いくつかの大事な事実を押さえなければならない。
— 井戸 まさえ (@idomasae) 2023年12月28日
その一つは、私が立憲民主党東京都連で唯一、次期の衆議院選挙に向けて総支部長として任命されなかったということである。
(東京16区の水野素子氏は参議院転出のため、継続した活動を希望しなかった)
「東京都連で唯一」だったのか。
この間立民都連が新選組に差し出した14区は、候補予定者(出発点が保守新党だった右派の人)が29区に転出したので総支部長が空位になっていたからだ。
井戸氏を再任しなかったのは、2021年衆院選の敗戦で代表枝野幸男が直ちに辞意を表明したから、後任の泉健太か、さもなくば都連会長の長妻昭か同幹事長の手塚仁雄の意向によるものと推測される。誰が主導したのかはよくわからない。東京15区という、従来(先の補選で勝つ前には)立民が特に弱かった選挙区での井戸氏の惜敗率は決して悪くなかった。維新の金沢結衣にも票数で上回った。
一つ考えられるのは、これまでにももう何度も書いたことだけれども、右派系の泉執行部が東京15区を金沢結衣が「頑張っている」維新に差し出そうと考えたのではないかという仮説だ。逮捕された柿沢未途の議員辞職に伴う補選の実施によって、15区で「本気の戦い」をせざるを得なくなるや、お隣の本所(墨田区)が含まれる14区をいとも簡単に新選組に差し出した事実もこの仮説の確からしさを増している。何より、15区は維新にとって東京進出のための最重点区だったに違いないから、水面下で維新から打診があった可能性さえ考えられる。そう考えれば、何も泉なり手塚なりが井戸氏に悪意を持っていなくとも15区の総支部長を再任しなかった理由が説明できる。
これ以上先のことについては私が語ることではないと思っているが、少なくとも移動について事前に確認したこととは別の対応となっていることは、有権者の皆さまに伝えなくてはならないと思っている。 事件にはさまざまな背景事情があるのだ。
— 井戸 まさえ (@idomasae) 2023年12月28日
「これ以上先のことについては私が語ることではない」という、昨年末に書かれた井戸氏の言葉が示唆する通り、立民の候補者選びの過程では井戸氏の名前が挙がることさえなかった。これについては、確か昨年初め頃に井戸氏が総支部長未再任の件を現Xで発信したために、執行部または都連に疎まれるようになった可能性があるのではないか。
さて、政治家が選挙区を変わって最初にすることは、相手候補のリサーチである。 私も当然だが、相手候補となる柿沢氏に関して、まず、収支報告書を確認した。 驚いたのは会計責任者名、そして寄付者の数の多さと記載されている金額だった。
— 井戸 まさえ (@idomasae) 2023年12月28日
寄付者に関しては5万円以下の人々については氏名、住所等は
記さなくて良いが、柿沢氏の収支報告書を見ると、1000円、2000円の寄付者も記載されていた。通常であれば秘される後援会名簿を公開しているようなものである。 率直な感想を言えば、なるほど、これは「威嚇」なのだなとも思った。自分がどれだけ地元に根付いているか。後援会が高度に組織化されていて
— 井戸 まさえ (@idomasae) 2023年12月28日
これだけの人々が自分のためにアクションを起こすということを世間に見せつけると同時に、後援者たちも一旦、柿沢後援会にアクセスしたら、その記録は公に知らしめられ、残される。つまりこの「透明性の高い」収支報告書は相手候補に対してもまた身内に対しても厳しい縛りをかけているとも捉えられる。
— 井戸 まさえ (@idomasae) 2023年12月28日
柿沢氏は世襲ではあるが、何代も前から政治家というわけではなく、親も新自由クラブから出発し、一時は自民党で活動するが、そのご除名となるなど波乱多きベンチャー政治家だった。その苦渋を見てきたからか、柿沢氏はいわゆる単なる2世議員とは異なり、選挙について、常にアップデートを怠らず、
— 井戸 まさえ (@idomasae) 2023年12月28日
高度な技術を駆使してきたように見える。高度な技術とは、公職選挙法のスレスレ、キワキワをすり抜ける。その成功体験がなければ、ネット広告も含めて実行することは不可能だっただろう。
— 井戸 まさえ (@idomasae) 2023年12月28日
事件は逮捕で一つの段階を進んだが、裁判で判決が確定されるまでは紆余曲折も予想される。
予断を持たず、注視していきたい。https://t.co/O77rY6ghMy
— 井戸 まさえ (@idomasae) 2023年12月28日
柿沢未途の懲役2年、執行猶予5年の判決は早々と確定した。公民権を回復したら再チャレンジを狙っているのではないかと警戒している。
過去にも何度か書いたが、私が柿沢未途を嫌っている最大の理由は、親父の故柿沢弘治が大嫌いだったからだ。新自由クラブの国会議員になった彼は、1970年代半ば頃に、長ったらしいイキったタイトルの本を出しやがった。まずあの嫌味な本の印象が最悪だった。次いで、新自由クラブが傾くや、いち早く自民党に入って、その自民の中でもタカ派の議員になったことでますます嫌いになった。そんな柿沢弘治のドラ息子の世襲議員など応援できるはずもなかった。
私は現在の前の香川1区在住時代には、やはり世襲政治家の平井卓也を蛇蝎の如く嫌っていたが、柿沢未途はその平井と同じくらい嫌いになった。
ただ、前述のような経緯があるから、衆院選の本選で自民党候補が出ても、柿沢の息のかかった人物が候補になろうはずもないと思われるから、柿沢の票が自民候補にそっくり上乗せされることはあり得ない。本選にも須藤元気が出るとしたら、もちろん自民候補には一定の「柿沢党」の票が乗るだろうが、今回の補選と同じように須藤に乗る分がもっとも多いのではないか。2019年の区議選では柿沢は酒井菜摘にもちょっかいを出そうとしていたから、酒井にも若干は乗っかるだろう。もちろん金沢結衣にも酒井以上に乗っかるだろうし(柿沢は一時期維新の党に属していて、維新公認で当選したことがある)、超極右が出ればそれにも乗っかるだろう。このように、柿沢党の票は各候補に分散するとみなければならないから、自民党候補が戻ってきたら楽勝するとはいえない選挙区だ。むしろ自民の堅い票は2021年衆院選での今村洋史の得票(今村は金沢結衣にも遠く及ばない4位だった)くらいしかないと言っても過言ではない。つまり、本選もまた先月の補選と同じような候補者乱立になる可能性すらある。泡沫はもう出てこないかもしれないが。
この選挙区を維新なんかに明け渡さなくて済んで本当に良かった。しかし井戸氏は本当に不運だった。今回の結果を見ると、井戸氏が出ても勝ったのではないかと思われる。2021年にも井戸氏で「野党共闘」が成立していたのだから。
そういえば21年の衆院選で井戸氏が使い、この間の補選で酒井菜摘も使った選挙事務所は、もとのダンススタジオには戻らなかった。現在「テナント募集」状態になっている。また次の都議補選で誰かの選挙事務所になるかもしれない。