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テキオー灯の効き目は24時間

 藤子・F・不二雄先生がテキオー灯を思いついたことが『のび太の海底鬼岩城』の制作に着手するさいの大きな契機になった、というような話をこちらで書きました。
https://koikesan.hatenablog.com/entry/2026/02/24/200301

 

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昨年開催された「映画ドラえもんの世界展」で展示されていたテキオー灯の模型と設定画


 今回も、テキオー灯に関する話題です。
『のび太の海底鬼岩城』には「テキオー灯の効き目が24時間で切れる」という設定があります。この設定が、物語の中でスリルを生み話を盛り上げることになります。

 海底でキャンプを張ったドラえもんたち。そのキャンプから、ジャイアンとスネ夫が黙って出ていってしまいます。バギーで大西洋のバミューダ沖へ向かったようです。ジャイアンとスネ夫はテキオー灯を持っていません。
 テキオー灯とは、空気がない、光が届かない、気圧や重力や気温が高すぎる・低すぎるなど絶対に人間が生きられない環境に楽々と適応させてくれるひみつ道具です。テキオー灯が発する光線を浴びるだけでいいのですからお手軽です。
 ただし、効き目は24時間。タイムリミットがあるのです。行方をくらましたジャイアンとスネ夫がバギーで走っているのは深海底ですから、効き目が切れたとたん二人は窒息したうえ水圧でペシャンコに押しつぶされます。テキオー灯の効果が薄らぎだして二人が自分らの危機に気づいたときには、もう引き返せないところまで来てしまっていました。大ピンチです。
 ジャイアンとスネ夫のテキオー灯の効果が切れるまで残り1時間……。ドラえもんたちは二人を必死で追いかけます。あと十分、九分、八分、七分、六分、ああ、とてもまにあわない……。
 それを読んでいる読者は「ああ、どうなってしまうの!?」とハラハラドキドキです。緊迫感や心配にみまわれます。
 そのように、「テキオー灯の効き目にタイムリミットがある」という設定が、物語の中で緊迫した事態を生んで話を盛り上げたのです。(作中のジャイアンとスネ夫には災難でしたが…)

 

『のび太の海底鬼岩城』でおこなわれた「ひみつ道具の効き目にタイムリミットを設けることで物語にスリルを生み話を盛り上げる」というその作劇手法は、2年後に描かれた『のび太の宇宙小戦争』において最大限に活かされ、結実することになります。
『のび太の宇宙小戦争』のクライマックスでは、かたづけラッカー、チータローション、スモールライト、その3種のひみつ道具のタイムリミットが描かれます。
 姿を消すために使ったかたづけラッカーは4時間で効き目が切れ、目にもとまらぬ速さで走れるチータローションは効き目がとても短いと使用前に説明されます。そして、死刑を執行されそうな絶体絶命のピンチの場面で運よくスモールライトの効き目が切れます。スモールライトの効力で小さくなっていたドラえもんたちはみるみる元の身体サイズに戻り、一気に形勢逆転!
 かたづけラッカーのシーンとチータローションのシーンで「ひみつ道具の効き目にはタイムリミットがある」ということをあらかじめ読者の頭に刷り込んでおいたことが功を奏しました。おかげで、絶体絶命のピンチのときタイミングよくスモールライトの効き目が切れて形勢が逆転するという展開がご都合主義的に陥ることなく、しっかり脈絡のあるものになったのです。そのうえ、かたづけラッカー、チータローション、スモールライト、それぞれのシーンに個別の面白さがあります。
「ひみつ道具にタイムリミットがある」という設定が話を盛り上げ、物語を大きく動かすことになったのです。

 

『のび太の海底鬼岩城』の「ひみつ道具の効き目にタイムリミットを設ることで物語にスリルを生み話を盛り上げる」という手法が『のび太の宇宙小戦争』で最大限に活かされたというのは、そういうことです。 
 2月27日(金)から公開される『新・のび太の海底鬼岩城』は、そのあたりをどう描いてくれるでしょうか。楽しみにしたいです。




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