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お正月の表現をめぐって少々

 この本は、コロタン文庫63『藤子不二雄のまんが大学』。初版第1刷が1981年(昭和56年)6月15日に発行されました。

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 1979年4月にテレビ朝日系で放映スタートしたアニメ『ドラえもん』が大ブームを巻き起こし、翌年9月にはテレビアニメシリーズ『怪物くん』の放映もスタート。81年3月には『ドラえもん』(のび太の宇宙開拓史)と『怪物くん』(怪物くんランドへの招待)が同時上映で映画化されました。そんな藤子作品人気の高まりの中で発売されたのが本書です。本書発売後には、同年8月『ドラえもん』(ぼく、桃太郎のなんなのさ)と『21エモン』(宇宙へいらっしゃい!)が同時上映で公開、9月にはテレビアニメシリーズ『忍者ハットリくん』放映スタートなど、藤子不二雄ブームがますます広がりを見せていきます。本書の表紙に『21エモン』が起用されたのは、映画公開(1981年8月1日)を控えていた時期だったからでしょう。

 

 本書は、監修者が藤子先生で数々の藤子マンガから図版を使用していますが、内容を直接的に構成・執筆したのは綿引勝美氏率いる編集プロダクション「メモリーバンク」のメンバーが中心だったようです。
 藤子マンガの図版をたっぷり楽しみつつ、マンガという媒体の特徴やマンガの描き方を懇切丁寧に教えてもらえて、充実度の高いマンガ指南書だと思います。藤子マンガを平易に分析した藤子研究本ともいえましょう。私には愛着の強い一冊です。


 で、今はお正月!ということで、この『藤子不二雄のまんが大学』からお正月ネタを拾ってみます。

 今回注目するのは166ページ。何ページにもわたり「背景」の技術を解説するコーナーが続くなか、このページでは「季節感を表す」技術が解説されています。その「季節感を表す」技術の一つとして、お正月の表現法が簡潔に述べられています。
 参考のため、その箇所を引用しましょう。

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コロタン文庫63『藤子不二雄のまんが大学』(監修/藤子不二雄、発行/小学館、初版第1刷1981年6月15日)166ページより

 

 ここで使用されている図版は『バケルくん』「なぐり屋が来た」冒頭の一コマです。この図版を模範例として、「日の丸の旗と門松が、お正月を表している。このほかに、タコ上げ、ハネつき、晴れ着姿などで、お正月を表現できる」と解説されています。
 いま、この箇所を見て感じるのは、お正月らしさを表わすために挙げられた各事象のほとんどが現在は身近にはあまり見かけない景色になっているなあ…ということ。
 その意味で、現在は“日本のお正月らしい景色”が昭和のころより存在感をなくしているようです。(むろん、現在だからこそのお正月らしい光景が新たに発生しているのでしょうが)

 私の過去の記憶でいいますと、ここにあげられたお正月らしい景色の中で、私が幼少のころお正月に近所で普通に見かけたものは日の丸と凧上げですかねえ。お正月(や他の祝日)になると国旗を掲げるお宅はけっこう見られましたし、凧上げは私自身もやっていました。門松はたまに見かけ(自宅でも飾った年があります)、晴れ着は初詣に行けばかなり目にする感じでした。誰かが羽根つきをやっている光景は見たことがない気がします。ましてや、羽根つきでミスして顔に墨を塗られる場面なんて、マンガやテレビの中だけの世界でした。

 それでも、ここで示された各景色は、正月らしさを表す一種のデザインや記号として今も生き残っています。

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 年末に近くの100円ショップに足を運ぶと、門松のミニチュアがいっぱい売っています。年賀用のステッカーを買ってみると、門松、羽つきの羽子板、奴凧などが見られます(上掲の写真参照)。

 そんな具合で、昭和のころお正月らしさを表すのに有効だった景色の多くが、今はリアルな景色としては失われつつあるものの、そうした景色は現在も“お正月らしさを表す象徴・意匠・記号”として身近なところで生きている!
 とじつに個人的な記憶と感覚で、そのような結論に達しました。

 

 お屠蘇気分の弛んだ頭で弛んだ結論を出してゆるゆると楽しでいるお正月です😅 

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 こんな感じでお屠蘇気分なのです。




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