本日(5月31日)は世界禁煙デー。世界保健機関 (WHO)が制定した、禁煙を推進するための記念日で、国際デーの一つだそうです。
『ドラえもん』の「ジャイアンリサイタルを楽しむ方法」(初出「小学六年生」1980年12月号、てんとう虫コミックス24巻などに収録)の冒頭でのび太のパパは禁煙に失敗しています。ママから「これで何度めの禁煙失敗かしら」と言われる始末です。
「キンシひょうしき」(初出「小学三年生」1981年3月号、てんとう虫コミックス27巻などに収録)でもパパは禁煙に失敗。ママに「三十二回めの禁煙も失敗したの」と言われてしまうのでした。
どちらの話でも、パパは部屋の壁に「禁煙」と書いた貼り紙をして禁煙に挑んでいます。「キンシひょうしき」では「禁煙」の文字の横に「タバコをすわない」とルビまでふる念の入れようでした。
結局は失敗するものの、そうやって何度も何度もあきらめず禁煙に挑戦するパパの心意気は買いたいと思います😊 大好きなものをやめるのって本当につらいし難しいですからね。
そういえば、「ジャイアンリサイタルを楽しむ方法」(てんコミ24巻)で「これで何度めの禁煙失敗かしら」と言っていたママが、「キンシひょうしき」(27巻)では「三十二回めの禁煙も失敗したの」としっかり回数を把握していますね。夫の禁煙失敗回数をきちんとメモしているのでしょうかね😄
そんな感じでパパの禁煙失敗ネタを描いた藤子・F・不二雄先生ご本人は、大の愛煙家でした。口にくわえたパイプは、頭にかぶったベレー帽とともに先生の容貌を象徴するアイテムだったくらいです。藤子F先生のお顔にベレー帽とパイプは付き物、そんなイメージが強かったのです。
藤子F先生が愛飲していたパイプ煙草の銘柄は「桃山」といいます。ご自分のパイプの中に残る、前に吸った燃えカスの灰をペン軸のお尻でほじり、ステンレスのパイプ用灰皿にカンカンと叩いて落とす…。そうやってきれいにしたパイプに「桃山」を詰めて指先で押し込み、卓上ライターで火をつけて、煙そうにスパッスパッと吸いつけると唇の左端にパイプをくわえる……。
藤子F先生の近くの席で仕事をされていたアシスタントさんによれば、先生はそんなふうに「桃山」を愛飲されていたそうです。
そんなにも愛煙家・パイプ愛好家だった藤子F先生もやがて禁煙することになります。自らの意志で禁煙に挑んだというより、煙草を禁じられたから禁煙したのです。
1986年のことでした。「月刊コロコロコミック」で『大長編ドラえもん のび太と竜の騎士』の連載を開始する直前のタイミングで藤子F先生は入院されてしまいました。「月刊コロコロコミック」1986年8月号に次のような告知が掲載され、私の藤子ファン歴の中でこんな事態は初めてだったのでずいぶん心配したのを覚えています。

入院して検査した結果、藤子F先生は医師から煙草を禁じられました。楠部三吉郎氏の著書によれば、退院後の藤子F先生に会うと禁煙パイポをくわえていたそうです。
そのようにして、愛煙家だった藤子F先生は喫煙することから遠ざかっていったのです。大好きな煙草をやめるのはずいぶんつらかったでしょうし大変だったことと思います。身体の健康のことを考えれば、もちろんやめなければならなかったし、やめてよかったわけですが…。
そんな藤子F先生が最初に発表した煙草ネタ(ある種の禁煙ネタ)マンガは、「北日本新聞」昭和25年2月26日付に掲載された『こんな小供に誰にした』でしょう。先生が高校生のころに描いた4コマ作品です。
煙草を吸っているこどもを見かけた学生が「毒だからね」と喫煙にストップをかけ、「タバコ持つより 本を持て!」と標語の書かれた看板をこどもに指し示します。するとそのこどもは「よくわかりました」と素直に謝罪。それで結局どうしたかと言えば、本を万引きするのでした。たしかに「タバコ持つより 本を持て!」に素直に従ったこどもですが、どちらにせよ悪いことをしてしまう…というオチなのでした。
あと、こうして禁煙の話をしていて私の脳裏に思い浮かんだのは、アニメ『忍者ハットリくん』の「タバコをやめて寿司をくおうの巻」 。
https://video.unext.jp/episode/SID0002764/ED00016719
それから、私が持っているこのグッズも😆

ドーン
※追記
「強〜いイシ」(初出「小学六年生」1985年5月号、てんとう虫コミックス43巻などに収録)でもパパは禁煙に挑んだものの失敗し、ママから「三日もつづかなかったじゃないの」と言われます。このときも部屋に「禁煙」の貼り紙をしています。
しかし、失敗した直後、ドラえもんが出したひみつ道具「強いイシ」の実験的使用で10分間の禁煙を成し遂げはします。「強いイシ」の厳しい見張りが解けたあとパパが禁煙を持続できたかは不明ですが…。