2月26日(土)、『映画ドラえもん のび太の新恐竜』(2020年公開作品)がテレビ地上波で初放送されました。
本来なら昨年のこの時期に放送されていたのでしょうが、最新作『のび太の宇宙小戦争2021』の公開が1年延期されたのにともなって『のび太の新恐竜』の地上波放送も1年延期されたのでした。
『のび太の新恐竜』公開当時、私は劇場へ4回足を運び、4回とも号泣しました。そのくらい、この映画に心を動かされました。私の感情を旺盛に刺激してくれたのです。
双子の恐竜キューとミューのとびっきりのかわいらしさには、常時やられっぱなしでした。
その映画が、ついに地上波放送されたのです!
また、3月4日『のび太の宇宙小戦争2021』公開に合わせ、Amazon Prime Videoで同日から映画ドラえもんシリーズ40作品が一挙配信されています。シリーズ40作品めが『のび太の新恐竜』ですから、『のび太の新恐竜』が初めてネット配信されたわけです。
さらに、ABEMAでも3月4日と5日に『のび太の新恐竜』が初めて無料放送されたようです。
そしてさらに、WOWOWでも4月23日に『のび太の新恐竜』が初放送される予定です。
と、そんな具合に、『のび太の宇宙小戦争2021』公開記念で『のび太の新恐竜』初放送・初配信祭りが展開されているような状況なのです。
そうした『のび太の新恐竜』祭りにのっかって、今回は『のび太の新恐竜』に関する個人的な思い出を書こうと思います。とはいえ、『のび太の新恐竜』については公開当時たっぷりと書いたので、今回は当時ブログで書きそびれたネタをアップすることにします。
『のび太の新恐竜』公開の前年(2019年)の秋のことです。私は東海地方の藤子ファン仲間たちと『のび太の新恐竜』にちなんだ体験をしました。
化石発掘体験をしたのです。
『のび太の新恐竜』では、物語の序盤にのび太たちが化石発掘体験をするシーンがあります。大恐竜展を開催中の博物館の一画に恐竜化石発掘体験コーナーが設けられており、そこでのび太たちが化石の発掘体験をするのです。
映画を観る前だったのに、なぜそういうシーンがあることを私が知っていたのか。
映画公開前からむぎわらしんたろう先生が『のび太の新恐竜』のコミカライズ版を「コロコロコミック」で連載しており、その連載第1回めを読んでいたから、です。
というわけで、東海地方在住の藤子仲間6人と『のび太の新恐竜』にちなんで化石発掘体験に出かけたのです。2019年11月9日のことです。



東海地方で化石発掘体験ができる場所ということで、瑞浪市化石博物館の野外学習地が行き先でした。そこには、1700万年前の浅い海で堆積した地層が広がっており、博物館に申請すると実際に化石発掘ができるのです。


ハンマーとタガネを持参して発掘作業開始! 気分をもりあげるため、『のび太の新恐竜』コミカライズ版連載第1回の別冊ふろくも持っていきました。

普段こんなふうに体を動かさないものですから、私にはけっこうな重労働でしたが、そのしんどさ以上にワクワク感が強く、掘る作業に夢中になって、じつにじつに楽しかったです。
『のび太の新恐竜』(+『のび太の恐竜』)へのオマージュを身体的に実践しているんだ!という実感と、宝さがし的な感覚とが合わさって、高揚感たっぷりでした。
藤子ファン仲間と一緒に化石発掘するというのも大きな喜びでした。
1時間半ほどの発掘作業の結果……





私が発掘できた化石はこまごまとした貝や植物ばかりでしたが、太古に生命を宿していた者たちの化石を、悠久の時を超えて掘りあてた感動と興奮はなかなかのものでしたから満足です。
1700万年前の世界とじかに触れ合えたような、不思議な感覚がたまりません。
(『のび太の新恐竜』にちなんだ化石発掘体験でしたが、ここは恐竜がいた時代よりずいぶん新しい地層なので、当然ながら恐竜の化石は誰も発掘できませんでした・笑)
化石発掘をご一緒したHさんが瑞浪市化石博物館の学芸員さんとお友達ということで、夜の食事会にその学芸員さんが参加してくださいました。
化石発掘体験直後に専門家から化石や恐竜のお話を直接うかがえるという僥倖にあずかったのです。
お酒を飲みながら恐竜の絶滅とかティラノサウルスのお話を聞けて、ぜいたくで幸せなひとときでした♪
以上のような体験をして映画『のび太の新恐竜』を観たものですから、劇中の化石発掘体験のシーンに思いきり感情移入できました。自分ものび太たちにまじってその場に参加しているような臨場感を味わうとともに、自分が実際に発掘体験をしたときのハンマーとタガネの感触、地層を掘っているときのワクワク感、慣れない作業をした疲労感が脳裏によみがえってきたのです。
このシーンでジャイアンが二枚貝の化石を掘りあてます。私は「やった~!」という気分でした。

私も化石発掘体験のとき二枚貝の化石を掘り当てたのです。
ジャイアンの発掘した化石が二枚貝だったことで、このシーンへの感情移入のレベルがいっそう高まりました。
この化石発掘体験コーナーのシーンでのび太は、化石なんかじゃない、生きた恐竜を見つけてみせる!と言ってのけます。ジャイアンとスネ夫から、もし見つからなかったらどうするんだよ!?と問い詰められたのび太は、ついこんな約束をしてしまいます。
「目でピーナッツをかんでやる」と。
目でピーナッツをかむ…というネタはもちろん『ドラえもん』の「オオカミ一家」で藤子・F・不二雄先生が描いたもので、『のび太の新恐竜』ではそのネタを意識的に再現しているのです。
あるとき、この「目でピーナッツをかむ」に元ネタがあるとご教示くださった方がいます。
古典落語の「唐茄子屋政談」のなかに元となるネタが出てくるのだとか。
なるほど!「唐茄子屋政談」といえば藤子F先生が大好きでよく聴いていた五代目古今亭志ん生が得意とした演目です。五代目古今亭志ん生の「唐茄子屋政談」を聴くと、「目でえんどう豆をかむ」という言い回しが出てきます。この表現を「面白い!」と感じた藤子F先生が「オオカミ一家」で“えんどう豆→ピーナッツ”と豆つながりで変換して使ったというわけです。
(三代目古今亭志ん朝の「唐茄子屋政談」を聴くと、その部分が「えんどう豆」じゃなくて「お煎餅」となっています。語り手によってバリエーションがあるのです)
『のび太の新恐竜』の目でピーナッツをかんでやるのシーンを観るとき、その源流に藤子F先生の大好きな落語が息づいているんだ!と思うとより味わい深く観られそうです。