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感想 - 舞台『NEW GENERATION THE LIVE スターズ編 ウルトラマンゼット 〜旅立ちの時〜』- 明かされる約束と、幻の「ウルトラマンZ 第26話」

NEW GENERATION THE LIVE スターズ編。早い話が「過去のニュージェネレーションウルトラマンを主役に据えた舞台シリーズ」であり、2025年4月、東京・博品館劇場において、新たな演目であるウルトラマンゼット ~旅立ちの時~ 』が上演された。その主役は、現在放送中の『ウルトラマン ニュージェネレーション スターズ (2025) 』の主役でもあるウルトラマンゼットだ。 

これまではトリガー、デッカー、ゼロらを主役に「三本立てのオムニバス」「原作のリメイク」といったトリッキーな作劇が行われていた (模索している感覚が強かった) スターズ編だけれど、今回の公演はそれらの積み重ねが花開いた傑作――そしてウルトラマンZの第26話」とも呼べる衝撃的な作品になっていた。


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《目次》

 

 

オープニングアクト ~ 前半『ご唱和ください、我の名を! SIDE:Z』

 

今回のタイトルは『ウルトラマンゼット 〜旅立ちの時〜』。自分は作品を観る時になるべく事前情報を入れないようにしているので「この “旅立ち” という単語は何を指すのだろう」と首を傾げていた。その答えの一つは、ウルトラマンナイスの前説 (今回はゼットが主役ということで久々の登板。彼の前説で育ったオタクなので嬉しかった……!) 直後に示されることになる。

 

Ultra Spiral

Ultra Spiral

 

壇上に現れるゼットン軍団。voyagerのお二方生歌唱 (!) の『Ultra Spiral』を背に立ち向かうのは、ウルトラマンゼロ、タイガ、タイタス、フーマ、ゼット、そしてリブット。アッこれ『ウルトラギャラクシーファイト 大いなる陰謀 Episode 9』だ!!!!

 

 

『TDG THE LIVE』冒頭でもダイナVSニセダイナやガイアVSアグル (第25話版) が再現されていたように、今回のオープニングアクトは『ウルトラギャラクシーファイト 大いなる陰謀 Episode 9』におけるウルトラリーグ参戦シーンの再現。ゼットの「これが光の使者たちの力……!」など、各ヒーローが作中の印象的なアクション・モーションを細かく再現しており、この時点でテンションは既に最高潮。と同時に「もしかして、今回の舞台って “第1話のリメイク” なのかな」という予感も生まれていた。

 

 

前回のスターズ編であり、博品館劇場で上演された『ウルトラマンゼロ ~はじまりの物語~ 』は、前半がウルトラ銀河伝説を、後半がウルトラマンジード第3話を、それぞれ「ゼロのはじまりの物語」としてフルリメイクした異色作。 

「親子」に焦点が絞られたことでどちらも物語としての説得力・見応えが増した他、「ゼロの未来を狭めないために、敢えて自分のことを伝えなかった」というセブンの心情補完が行われていたり、力丸佳大氏演じるゼロ人間態が登場したり、父親について語らうゼロとレイトが見られたりと見所満載。アクションの素晴らしさは言うに及ばずで、子どもを含めた新規ファンにゼロの魅力を発信する作品として満点以上の舞台――だったのだけれど、一方では「舞台ならではの新しい物語が観たい」という気持ちがなくもなかった。 

と、そんなゼロ編を経て迎えた今回だったので、舞台前編 =『ウルトラマンZ』第1話の内容をゼットの視点から描く『ご唱和ください、我の名を! SIDE:Z』には (エディオムの登場や、スクリーンを有効活用したスタイリッシュな原作再現に盛り上がりつつも、ハルキの声がアーカイブだったのもあって) テンションが上がりきらなかった……というのが本音。 

じゃあ、どうしてこうやって記事を書いているのかといえば、それはもう「後半がとんでもなかったから」の一言に尽きる。

 

(第1部のトリを飾ったのは、なんとvoyagerによる『Super Nova』! カバーであることを忘れてしまいそうになるくらい馴染んでいて、ようやくvoyagerにもZの歌が……! と感慨深い思いだった。円谷さん、スクリーンに映っていたMVが凄く素敵だったのでYouTubeかツブイマで公開しませんか!?!?)

 

後半『遥かに旅立つ戦士たち』

 

前半 (第1部) は、TVシリーズ第1話の内容をゼットがエディオムと共に振り返るという内容で、後半 (第2部) も大まかな構成は同じ。ただ、次にゼットが回想したのはなんと彼らが宇宙に旅立った後。そう、この第2部で描かれるのは、ニュージェネレーション スターズ (2025) でハルキとゼットが分離している理由=彼らの別れに迫る物語だったのだ。

 

 

まず最初に、TVシリーズ後のゼットとハルキ周りの時系列を整理すると以下のようになる。 

・『ウルトラマンZ』最終回 (2人が宇宙へ旅立つ)

・『ウルトラマントリガー』第7~8話 (ハルキが地球に一時帰還後、トリガーの地球へ)

・『ウルトラギャラクシーファイト 運命の衝突』(ハルキとゼットが一時分離)

・『ウルトラマントリガー』第14~15話 (タルタロス、ディアボロ、リブットがトリガーの地球へ)

・『ウルトラマントリガー エピソードZ』(2人が再び一体化、トリガーの地球へ)

・『ウルトラマン ニュージェネレーション スターズ (2025) 』(2人が分離している) 

つまり、エピソードZからジェネスタまでの間に2人が分離したと考えられるのだけれど、そのことをエディオムに尋ねられたゼットは「今は分離している」とだけ答え、その詳細を語ることはなかった。その時は「番組の都合だししょうがないよな……」と (近年のエックスを思い出しながら) 言葉を飲み込んでいたので、今回ゼットがそのことを回想し、舞台が地球に移った時は「そこ」にガッツリ踏み込んでくれるの!? と変な汗が滲んでいた。こういう「製作の都合上仕方のない部分にガッツリ理屈をつけてくれる」のが大好きなんですよ……!!

 

 

後半『遥かに旅立つ戦士たち (このタイトルがもう……さぁ……!!) 』の舞台は『Z』本編から数年後の地球。ストレイジの怪獣研究センターは、新たな対怪獣戦力として特殊生命体・ミクラスを育成 (「心優しい性質を利用して」という台詞があったので、人工生命体ではなく自然生物の様子。世間の印象悪化を避けるために「怪獣」という呼称を避けたのだろうか) し、ヨウコ (ボイスは松田リマ氏の新録!) の駆る特空機2号・ウインダムとのトレーニングに明け暮れていた。 

そんな折、かつてバラバを送り込んだ異次元人・ヤプールが超獣を引き連れて出現。地球を守るために帰還するゼット (後半からは、なんとハルキ役・平野宏周氏が映像出演!) だが、それはゼットへの復讐を狙うヤプールの目論見通り。ゼットはウインダム、ミクラスと一度は超獣軍団を撃退するも、ヤプールの手によってミクラスが操られてしまう。 

行動時間の限界でウインダムも戦線離脱を余儀なくされ、単身ミクラスの救出に向かうゼット。しかし、ミクラスを相手に本気を出せないゼットは窮地に追い込まれ――瞬間、何処からか響いた声が会場の空気を一転させた。

 

「おいおい……ハルキ、お前はこんなことで諦めちまうヤツだったか?」
「えっ?」
「蛇心剣――新月斬波ァ!」

-『NEW GENERATION THE LIVE スターズ編 ウルトラマンゼット 〜旅立ちの時〜』より

 

 

平野宏周氏、松田リマ氏、そしてヘビクラ隊長/ジャグラス ジャグラー役・青柳尊哉氏。過去作を扱った舞台でここまでオリジナルキャストが揃うことは過去に例がなく、だからこそここに来てのジャグラー参戦は想定外のサプライズ。しかし、彼は決して「サプライズ」だけで終わるようなタマではない。

 

ウルトラマンの力に頼るようなヤツは、俺は嫌いだぜ? お前もストレイジパイロットなら、自分の力で立ち上がれよ……!」
  (中略)
「自分の力で……そうだ、ゼットさんはいつも俺を助けてくれた。今度は、俺がゼットさんを助ける番です! 今は俺がウルトラマンゼットだ。押ーーーッッ忍!!」

-『NEW GENERATION THE LIVE スターズ編 ウルトラマンゼット 〜旅立ちの時〜』より

 

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ジャグラーの発破を受け、動かないゼットの身体を「自らの力で」立ち上がらせると、ジャグラーに「自分たちにとってはいつまでも隊長なんで」と呼びかけるハルキ。それを受けて、ジャグラーはゼットとの共闘を開始。掛け声はもちろん「ゴー……ストレイジ!」! 

最終回とは形を変えての「ハルキとヘビクラの共闘」。そして、修復したダークゼットライザーで (舞台のボスとしてお馴染みの、バルーン製) ファイブキングに変身して大暴れするジャグラー。これらの熱さもさることながら、このパートにおける白眉は「ナツカワ ハルキ一人によるウルトラマンゼット」の存在だろう。

 

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これまでのウルトラマンゼットは、ゼット自身ないし「ゼットとハルキの一心同体」で戦うウルトラマンだった。しかし、このパートにおけるゼット オリジナルは正真正銘ハルキのスタンドアローン声も、構えも、ファイトスタイルもハルキのものになっているその姿が、まるでゼットとして戦い続けてきたハルキ――あるいは平野宏周氏に対する、製作陣からのはなむけに思えるのは自分だけではないはずだ。  

そんなウルトラマンゼット=ハルキの健闘によって、無事に意識を取り戻すミクラス。しかし安心したのも束の間、どこかからか放たれた光線が無情にもミクラスを貫く。

 

 

光線を放ったのは、事態の元凶であるヤプール。彼は溜め込んだ怨念で、その姿を巨大ヤプール……ではなく、なんとヤプール虹蓮 (日本で登場するのは初!?) に変えると、圧倒的な力でハルキを蹂躙。窮地に追い込まれたハルキのインナースペースに、意識を取り戻したゼット、そしてここまで出番のなかったベリアロクが現れる。

 

「諦めない……俺は絶対に諦めない!」
「そうだよな……!ハルキ!」
「ゼットさん!?」
「お前に出会えて良かった……!やっぱりお前はアツい魂を持ったヤツだ!さぁ、力を合わせて戦うぞ、ハルキィッ!!」
  (中略)
「押ォォォーーーーーーッッ忍!!」

-『NEW GENERATION THE LIVE スターズ編 ウルトラマンゼット 〜旅立ちの時〜』より


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引用:Episode 10(終)『ウルトラギャラクシーファイト 運命の衝突』日本語版 -公式配信-

 

まさかの登場、ウルトラマンゼット デスシウムライズクロー!! 

……「まさかのって、そりゃスーツがあるなら出すでしょうよ」と、そう思われる方もいるかもしれない。けれど、それでもこのデスシウムライズクロー登場がサプライズ足り得たのは、下記の「前振り」があったからだ。

 

 

先日放送された、ウルトラマン ニュージェネレーションスターズ 第8話『幻界魔剣』。ゼットは本話において(デスシウムライズクローは) 闇の力なだけに、結構身体に負担かかるんだぞ。ハルキがいたらやれないよ、危なくて」と語っており、自分はそれを聞いて「ハルキがいるとデスシウムライズクローには変身できないんだな」「真の三位一体を体現する存在だと思っていただけに残念」と思っていたのだけれど、それは (偶然か、それとも意図的なものか) 脚本・足木淳一郎氏による巧妙なミスリード。ゼットの言葉は「ハルキがいると変身できない」のではなく、あくまで「ハルキがいる時は迂闊に使えない (=負担を省みなければ変身することができる) という意味であり、そもそも、この言葉は「どこかでハルキがデスシウムライズクローに変身したことがある」ことの裏付けでもあったのだ。や、やられた……!! 

(変身後の様子からして、この舞台がデスシウムライズクローへの初変身というわけではなさそうなので「負荷を知りながらも、敢えてデスシウムライズクローに変身した」とも取れる。アツい……!!)

 

 

デスシウムライズクローが大好きな身としては、ずっと「ハルキを加えた真のデスシウムライズクロー」が観たいと思っていたし、それが実質的な「ウルトラマンZ 第26話」で観れたのはまさしく感無量。しかし、この舞台はここに来て尚とんでもない隠し球を用意していた。

 

「だが所詮は一人!いくら姿が変わったところで……!」
「一人じゃない!」
  (中略)
「良いも悪いも使い手次第……! でも、私たちは力に溺れたりなんかしない。この機体は、もう破壊の化身なんかじゃない! 正義の特空機、新・ウルトロイドゼロよ!!」

-『NEW GENERATION THE LIVE スターズ編 ウルトラマンゼット 〜旅立ちの時〜』より

 

 

 

2024年放送版の『ウルトラマン ニュージェネレーション スターズ』では、ゼットとハルキが去った地球で「ストレイジの戦力増強のためにセブンガーを強化する」という使命と「行き過ぎた力は滅びをもたらす」という呪いとのジレンマに苦しむユカの姿が描かれていた。 

そんな彼女が、エディオムとイグニスの協力を得て辿り着いたのが「己の心と誇りに従う」という答え。力に負けない心があれば、命を守る戦士としての「誇り」があれば、科学は人に応えてくれる。その思いでユカが新たに走り出した――というのが、同作で描かれたユカのラストシーンだった。であるなら、D4レイを廃して生まれ変わり、ヨウコと共に正義のために戦う新生ウルトロイドゼロは、ユカがかつての悩みやトラウマを乗り越えた何よりの証。力が持つ宿命に向き合いながら、それに負けない戦士で在ろうという、ユカたち現ストレイジの誇りが結実したものに他ならない。  

そんな新生ウルトロイドゼロとデスシウムライズクローが、共にヤプールという過去の象徴を打ち砕く。それは、人間からウルトラマンへ希望のバトンが繋がれた『ウルトラマンZ』最終回の先にあるもの =「ゼットとストレイジが真に並び立つ」という未来。なればこそ、この物語は「ウルトラマンZ 第26話」足り得るのだろうと、そう思うのだ。

 

日常・心情-感動 (UZ-M43)

日常・心情-感動 (UZ-M43)

「何を考えてるんだ?」
「多分……ゼットさんと同じことっす」
「……そっか」
「俺はまだまだ弱い。今回、ゼットさんが最後支えてくれなかったら、きっと勝てなかったです」
「俺もだ。ハルキがいなかったら、立ち上がることもできなかった」
ミクラスを見て思ったんです。弱くても、成長すればいい。強くなって……一人前の男としてゼットさんの隣に立ちたいです。そのために、一人で地球に残ろうかなって」
「あぁ。……俺も一から鍛え直すよ。お互いに、一回り大きくなった時に再会しよう」
「オッス」
「しばしのお別れだな。……Cleared for takeoff, ハルキ」
「Cleared for takeoff, ゼットさん」

-『NEW GENERATION THE LIVE スターズ編 ウルトラマンゼット 〜旅立ちの時〜』より

 

Connect the Truth

Connect the Truth

 

ゼットの目指す未来 - ニュージェネレーションケープの意味

 

宇宙へ去っていくゼットと、彼を見送るハルキの背中でステージは〆。voyagerの『ゼロの覚醒』をバックに、ゼロたちが登場するフィナーレが繰り広げられていく。 

 

ゼロの覚醒

ゼロの覚醒

 

『ゼロの覚醒』の生歌とあれば、本来ならvoyagerのTAKERUさんが「ここからはテンション上げてこう!」と会場に呼びかけるまでもなく盛り上がるものだけれど、この時に限ってはその『ゼロの覚醒』こそが盛大に涙を誘った。それは、これまで何となしに見ていた「ケープを纏うゼット」の姿に大きすぎる意味が加わってしまったからかもしれない。

 

 

憧れのウルトラマンゼロを目指して戦ってきたウルトラマンゼット。しかし、今彼が見据えているのはその先=ゼロに師事し、一人前となった未来で待っている相棒の姿。つまり、ニュージェネレーションウルトラマンケープを纏ったゼットの姿は、ゼット自身が目指す「ハルキに胸を張れる自分の姿」でもあるのだろう。  

いつの日か、このケープを纏ったゼットがハルキの前に現れることがあるかもしれない。ファンとしては、どうかその再会は劇場のスクリーンで……と願わずにはいられないけれど、今回の舞台が『Z』5周年を記念したものであるなら、劇場版の実現はもっと先の話になりそうだ。 

けれど、ハルキとゼットの再会がそう簡単であってはならないのもまた事実。彼らがそれぞれの成長の果て、満を持して誓いを果たすその瞬間を、一ファンとして心待ちにしていたい。




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