2024年末、皆さん穏やかな年末を過ごされていらっしゃいますか。自分はこの記事を滑り込みで書きながら「この数を観れたのは良かったけどほぼ全部に感想を書くのは無茶だろ!!」と本シリーズの今後を早々に不安視しています。
X (旧:Twitter) のタグ「#202○年上半期映画ベスト10」を毎年のように挙げている人を見て、「半年でベスト10を選ぶくらい映画館に行くだなんて凄いなぁ」などと思っていたあの日から数年、自分がこのタグを使う側になるだなんて、当時は夢にも思っていなかった。
引用:〈2024年上半期〉映画感想まとめ - 特撮映画ラッシュを迎え撃つ、想定外の “ダークホース” たち - こがれんアーカイブ
こんなことを書いていたのが今年上半期のこと。映画ファン諸氏とは到底比べ物にならないのだけれど、映画館にそこまで馴染みのなかった自分にとっては「半年で10本以上」というのは正真正銘の大事件。なので、今回の2024年下半期、約20回も映画館に足を運んだというのは、自分にとっては大事件を越えた天変地異の領域だった。
しかし、それだけに各作品の感想をブログにまとめられなかったのも痛いところ。というわけで、今回も「#2024年下半期映画ベスト10」タグ (年間ベストの方が盛んでこっちはあまり使われてないけど……) にあやかりつつ、映画館以外で見たものも含めた鑑賞作品の感想を一気に書き残しておきたい。
(既に感想を書いているものは、当該記事を貼り付けておきます!)
《目次》
- 『数分間のエールを』(7/5鑑賞)
- 『KING OF PRISM by Pretty Rhythm』『KING OF PRISM -PRIDE the HERO-』(7/14鑑賞)
- 『ゼーガペインADP』(7/17鑑賞)
- 『爆上戦隊ブンブンジャー 劇場BOON! プロミス・ザ・サーキット』(7/26鑑賞)
- 映画 『仮面ライダーガッチャード ザ・フューチャー・デイブレイク』 (7/26鑑賞)
- 映画『デジモンアドベンチャー ぼくらのウォーゲーム!』(8/10鑑賞)
- 映画『デジモンアドベンチャー02 前編:デジモンハリケーン上陸!! / 後編:超絶進化!! 黄金のデジメンタル』(8/10鑑賞)
- 『ゼーガペインSTA』(8/16鑑賞)
- 『ノロイ』(8/17鑑賞)
- 『KING OF PRISM -Dramatic PRISM.1-』(8/22鑑賞)
- 映画「わんだふるぷりきゅあ!ざ・むーびー! ドキドキ♡ゲームの世界で大冒険!」(9/13鑑賞)
- 『機動警察パトレイバー the Movie』(9/26鑑賞)
- 映画『ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ』(9/28鑑賞)
- 『長篇アニメ映画 ザ☆ウルトラマン ウルトラの星へ!!』(10/17鑑賞)
- 『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM 特別版』(11/1鑑賞)
- 『劇場版 進撃の巨人 完結編 THE LAST ATTACK』 (11/8鑑賞)
- 『劇場版 風都探偵 仮面ライダースカルの肖像』(11/15鑑賞)
- 『劇場版 ほんとにあった!呪いのビデオ109』(11/16鑑賞)
- 『楽園追放 -Impelled by 10th Anniversary- 4Kアップコンバート版』 (11/15鑑賞)
- 『ジュブナイル 4Kデジタルリマスター版』(11/22鑑賞)
- 『劇場版 アイカツ! メモリアルアンコール』(12/3鑑賞)
- 『蒼穹のファフナー HEAVEN AND EARTH (完全版) 』(12/20鑑賞)
- まとめ

『数分間のエールを』(7/5鑑賞)
感想記事 (という名の自語り) はこちら↓
『KING OF PRISM by Pretty Rhythm』『KING OF PRISM -PRIDE the HERO-』(7/14鑑賞)
感想記事はこちら↓
『ゼーガペインADP』(7/17鑑賞)
感想記事はこちら↓
『爆上戦隊ブンブンジャー 劇場BOON! プロミス・ザ・サーキット』(7/26鑑賞)
下記『ガッチャード』と同時上映の『ブンブンジャー』劇場版。母星から逃げ延びてきた王女をハシリヤンから守るためにブンブンジャーが奮闘する……という、いかにもな「スーパー戦隊の夏映画」なのだけれど、緊急事態宣言以降イレギュラーな作品が続いていたため、こういった形態の作品は随分久しぶり。この時期の『ブンブンジャー』同様、一周回ってとても新鮮な気持ちで楽しむことができた作品だ。
一方、その内容を見てみると、ド派手なクライマックスバトルや「ハシリヤン捕物隊長・デイモンサンダー」のCVを『カーレンジャー』レッドレーサー=陣内恭介役の岸祐二氏が担当されていることなど見所も多いが、前作『映画 王様戦隊キングオージャー アドベンチャー・ヘブン』がストーリー・演出ともに出色の出来であったことや、「プロミス・ザ・サーキット」という副題から期待される「大也とブンドリオの夢に絡む要素」がこれといって取り上げられないことなど、ややパンチが弱い、ないし肩透かしに感じてしまった点も多く、良くも悪くもこの時点でのブンブンジャーらしい作品だった……という印象。
(しかし、ブンブンジャー本編はちょうど本作後=3クール目から爆発的に面白くなっていき、トッキュウジャー客演回やチャンピオンブンブンジャー登場編など、シリーズでも出色のエピソードをいくつも叩き出してくれた。しっかりバクアゲてくれて本当に良かった……!)
映画 『仮面ライダーガッチャード ザ・フューチャー・デイブレイク』 (7/26鑑賞)
TV本編の2クール目に登場、大きな話題となった仮面ライダーガッチャードデイブレイクが再登場し、その変身前=未来の一ノ瀬宝太郎をDAIGO氏が顔出しで演じるとあって、公開前から大きな反響を呼んでいた『仮面ライダーガッチャード』の劇場版。前評判や『ガッチャード』本編の盛り上がりもあってファンからの期待 (ハードル) は非常に高かったものの、それを見事に飛び越えてくれた傑作だ。
「本編のif世界」という平成仮面ライダー1期の劇場版を思わせる世界観や、本編との綿密な連動、if世界という舞台を活かした重厚なストーリーなど魅力は挙げればキリがないけれど、やはり特筆すべきは未来の一ノ瀬宝太郎役・DAIGO氏の好演。シャープな出で立ちと「滲み出る人柄の良さ」が印象的な氏は、深い悲しみを背負いつつも非情に徹しきれない未来の宝太郎とベストマッチ。『ウルトラマンサーガ』でも印象的だった「眼」の演技や感情の滲む叫びも相まって、宝太郎・りんねとの対峙や、ドラド戦におけるデイブレイクへの再変身、そして何よりエンディング直前の「名乗り」など、数多くの名シーンを生み出してくれていた。
また、本作について語るなら、やはりあのサプライズ=仮面ライダーディケイド・門矢士の帰還は外せないトピックだろう。
⚠️重大解禁⚠️
— 仮面ライダーガッチャード【東映公式】 (@Gotcha_toei) 2024年7月28日
📸通りすがりの仮面ライダーだ!
…覚えてたか?
絶賛公開中 #映画ガッチャード
ザ•フューチャー•デイブレイクに#門矢士 が電撃出演ッタ!!!#祝ディケイド15周年!
全ライダーファンに届け!
カグヤとのゴージャス共演💎
〝始まるlegend〟絶対見逃すな!!#バクアゲガッチャ pic.twitter.com/iKAqjDRCxi
『RIDER TIME 仮面ライダーディケイド VS ジオウ ディケイド館のデス・ゲーム』においてオーマジオウに倒され「終わる……ようやく、俺の旅が」という、いかにもな「今際の言葉」を残して消滅した士。それ以降客演がなく、カグヤという後継者が生まれたこともあって「本当に消滅してしまったのでは」と危惧されていた――と、そんな状況だったからこそ、突如聞こえた「アタックライド ブラスト!」の音声が何なのか咄嗟に理解できなかったし、(カグヤの記憶から復活を遂げたのか) 懐かしの白いドライバーを巻いた士の登場に、劇場ではかの『平成ジェネレーションズFOREVER』を思わせるざわめきが起きていた。しかし、誰も「声を上げる」ことはしなかった。「伝えたいことがたくさんある」と積年の想いを吐露し、アンサーとして士からバトンを渡される託されるカグヤの姿が、私たちの想い全てに応えてくれていたからだ。
バトンリレーの走者が「並び立つ」ことはない。だから、今ここでディケイドとレジェンドが並び立つことはなかった。しかし、この日の再会を経て、カグヤは「仮面ライダーレジェンド」として真の一歩を踏み出すことができた。であるならぱ、その道はいつかきっと士の旅路と交わるのだろうし、二人が「仮面ライダー」として並び立つその瞬間をこれからも心待ちにしていたい。
映画『デジモンアドベンチャー ぼくらのウォーゲーム!』(8/10鑑賞)
『デジモンアドベンチャー』の後日談となる劇場版で、言わずと知れた大人気デジモン「オメガモン」の初登場作品。2023年には『劇場版 デジモンアドベンチャー』『ディアボロモンの逆襲』とセットでリバイバル上映になった本作が、今年は下記の『デジモンハリケーン上陸!! / 超絶進化!! 黄金のデジメンタル』とセットで再上映され、結果「25年前の映画を一年おきに映画館で観る」という後にも先にもなさそうな鑑賞体験になった。
けれど本作は、豊かな質感とメリハリのある作画、つぶさに張り巡らされたユーモア、「モォシィ、モォシィ」に象徴されるホラー演出、それらの情報量を鮮やかに処理するテンポの良さ、オメガモン誕生からも緊張感が続く「タイムリミット」演出、『レクイエム』をはじめとする名劇伴の数々……と、30分という短い尺に細田守監督のセンスと手腕が詰め込まれており、その傑作ぶりは何度見ても飽きのこないもの。中でも今回の鑑賞で改めて唸らされた要素……ある種「偉業」と言っても差し支えないのが、本作の「日常にデジモンを感じさせてくれる」演出の数々。
というのも、本作ではディアボロモンやその進化前が現実に数々の異常を引き起こしていたり、アグモンたちの進化や戦いがネットを通して多くの人々の目に触れていたり (これが『02』組におけるグレイモンVSパロットモンとなっているのがまた巧い……!) と、デジモンが「デジタルという壁の向こう側にいる、遠いようでとても近くにいる存在」として描かれている。本作は、0と1の世界を観測できない私たちに対し、デジモンを「そこにいるかもしれない存在」として映し出してくれる作品であり、それによって高まる感情移入が「子どもたちの想いを受けて生まれるオメガモン」という形で帰結するからこそ、あのクライマックスはどうしようもなく美しく思えるのかもしれない。
映画『デジモンアドベンチャー02 前編:デジモンハリケーン上陸!! / 後編:超絶進化!! 黄金のデジメンタル』(8/10鑑賞)
『デジモンアドベンチャー02』の劇場版。ホラーチックな演出や作画の方向性こそ『ぼくらのウォーゲーム!』を踏襲しているものの、淡々とした劇伴とスローテンポな作劇、終始漂う寂寥感……と、それ以外はまさに真逆。そのためネガティブな意見も多く聞かれる作品だけれど、デジモンの性質をフル活用したエンタメ活劇だった『ぼくらのウォーゲーム!』に対し、本作はデジモンという存在の大きなファクター=「進化」をテーマとしたジュブナイル。比較するには土台が違いすぎているように思うのだ。
して、そんな本作のメインとなるのは、大輔たち『02』のレギュラーではなく、ゲストキャラクターにして「選ばれし子ども」の一人である少年・ウォレス。幼い頃にはぐれてしまったパートナー=チョコモンを探す彼はやがてチョコモンと再会するが、ひとりぼっちで長い時を過ごしてきたチョコモンはウェンディモンに暗黒進化してしまっており、過去に囚われた彼は「カエリタイ」と成長したウォレスを拒絶する。
お互いを求め合っているウォレスとチョコモンがなぜすれ違ってしまうのか。それは偏に、目指す場所が違うから。グミモン、チョコモンとまた三人で暮らしたいウォレスは、暗黒進化してしまった「今の」チョコモンをも受け入れる。しかし「あの日に戻りたい」チョコモンは「今の」ウォレスを拒絶することしかできない。
現実もまたそうであるように、進化 (成長・変化) とは、決して「得る」ばかりではない。得れば得るほど、同時に何かを取り零していくのが進化の必然であり、大人になるということは、そんな変化を「受け入れる」強さを学んでいく旅路でもある。その強さを持てたのがウォレスであり、持てなかったのがチョコモンであるなら、二人を分けたのは、おそらく「隣にパートナーがいてくれたかどうか」の一点。立場が違えば、ウォレスがチョコモンのようになっていた未来もあったのだろう。
では、隣にパートナーがいなかったチョコモンは「正しく進化できなかった存在」として切り捨てられるべきなのだろうか。ブイモンがマグナモンへ、テリアモンがラピッドモンへと進化した時、自分は「ウォレスが大人になるための通過儀礼」として、チョコモンが切り捨てられてしまうものと危惧したのだけれど、本作はそれを良しとしなかった。戦局を変える決定打となったのは、マグナモンとラピッドモンの力=奇跡ではなく、子どもに戻されても諦めないテイマーとデジモンたちの姿だった。
どんな窮地に立たされても途切れない彼らの絆は、ウォレスと自身の絆が途切れていないことの証明。それを悟ったチョコモンは、ウェンディモンの姿でマグナモンたちの前に現れ、自らの介錯を頼む。チョコモンの姿ではなく「変貌したウェンディモンの姿で」自身の過ちを認め、変わるものと変わらないものを受け入れた彼は、この瞬間に「正しい進化」を遂げられたのかもしれない。だからこそ、彼は消える直前に光のケルビモンへとその姿を変えたのではないだろうか。
『ゼーガペインSTA』(8/16鑑賞)
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『ノロイ』(8/17鑑賞)
『コワすぎ!』シリーズで知られる白石晃士の監督作品で、2005年公開のホラーモキュメンタリー映画。自分が鑑賞済みの白石晃士監督作品は、フィクション性の高い『コワすぎ!』『貞子VS伽椰子』『カルト』、そして名前の通りホラーというよりもオカルティックな『オカルト』であり、所謂「恐怖に全振りした」作品は見たことがなかったので、そういった意味でも楽しみだった作品だ。
その内容は「行方不明となったノンフィクション怪奇作家 (主人公) =小林雅文が最後に残した調査記録を再生する」というもの。映像前半は比較的オーソドックスなホラーモキュメンタリー (忘れた頃に挿入されることでゾクッとする「面」のビジュアルが非常にアイコニックで恐ろしい) だが、後半になり、一連の出来事がかつてとある村で行われていた奇祭=鬼祭に登場する鬼である「かぐたば (禍具魂) 」の復活に繋がっていると発覚した辺りから、事の「異様さ」が急激に加速していく。
取り返しのつかない状況に陥っていく、デビュー間もない頃の松本まりか氏。力及ばず倒れてしまう霊能力者=堀光男。そして、ここに書くことさえ憚られる「儀式」のおぞましい真相。中でも恐ろしいのは、本作が調べれば調べるほど「解決」に向かっていくのではなく「既に手遅れである」ことが浮き彫りになっていく構成であり、一つの事件の顛末を収めたと思われていたビデオは、その実「事が取り返しのつかない領域に踏み出してしまっている」ことを示すもの。このビデオの終わりは、謂わば「終わりの始まり」だったのだ。
(このことは、作中の「多分ね、もう全部だめなんだよ」という印象的な台詞に象徴されている)
そして、そんな本作の真骨頂であり、「終わりの始まり」を物語るのがラストに再生されるとあるビデオ。小林雅文がなぜ行方不明となったのか、小林家がなぜ火災に見舞われたのか。一連の出来事は一体何を産み出したのか。「無惨」という他ないあまりに衝撃的な映像は、是非皆さんの目で確かめていただきたい。
『KING OF PRISM -Dramatic PRISM.1-』(8/22鑑賞)
感想はこちら↓
映画「わんだふるぷりきゅあ!ざ・むーびー! ドキドキ♡ゲームの世界で大冒険!」(9/13鑑賞)
2024年のニチアサを彩る傑作『わんだふるぷりきゅあ!』の劇場版。(これを書いている2024年12月時点では) テレビ本編に未登場の大福人間態や「悟&大福の変身態」がサプライズ登場を果たしたり、『ひろがるスカイ!プリキュア』と『魔法使いプリキュア!』の二作品がゲスト参戦したりと話題性が豊富で、本編の人気も相まってか、昨年の『プリキュアオールスターズF』以上の動員を記録した大ヒット作品だ。
実際、自分も前述のサプライズや微笑ましいこむぎ・ユキの共同戦線 (?) 、ゲーム世界をCG・現実世界を作画で描くという大胆な試みなどを大いに楽しめた……ものの、全体的に「歪なシナリオだ」と感じたのもまた事実。というのもこの作品、こむぎの「一緒にお婆ちゃんになる」という台詞や、ナツキの過去など「動物との死別」をテーマに据えた形跡が随所に見られるものの、それらに直接的な言及がなされない=各要素を結び付ける「継ぎ目」が欠落しているため、一つのストーリーとして違和感が出てしまっているのである。
しかし、脚本を手掛けたのが『アイカツ!』などで知られる実力派ライター・加藤陽一氏であることを踏まえると、この違和感は「何らかのトラブル」によるものなのかもしれない。例えば「元々は非常にシビアなストーリーだったが、昨今の時勢や昨年との差別化のため急遽路線変更を行った」だとか……。果たして事の経緯が明かされる日は来るのだろうか。
『機動警察パトレイバー the Movie』(9/26鑑賞)
メディアミックス作品『機動警察パトレイバー』の劇場版で、製作時期は初期OVAとTVアニメの間。つまり製作されたのは1989年で、言われてみれば画のタッチに時代を感じなくもないのだけれど、それ以外=作画、演出、シナリオ、音楽など、あらゆる要素が洗練されすぎていて、少なくとも2000年前後の作品にしか思えない異常作品。自分は今回が劇場初鑑賞だったのだけれど、その疑念は覆るどころかますます深まってしまった。これがホントに1989年のアニメ……!?
劇場で聴くなり「勝ち」を確信させてくれた川井憲次劇伴をはじめ、本作はレイバーの設定や先見性に満ちた世界観、粋な台詞回しにストーリー運びと魅力を挙げればキリがない。その中から敢えて一つピックアップするなら、やはり本作の黒幕 (という言い方を彼に使うのはやや憚られるものがある) 帆場暎一の存在は避けられないだろう。
物語開始時点で既に他界しており、そのIDタグと計画が駆動し続けている……という状況は、HOSによるレイバーの暴走と相まって嫌でも霊的なものを連想させるし、その不気味さが、彼の人となりが明らかになるにつれ減退するどころかむしろ加速していくのがまた恐ろしい。特にゾッとしたのは、アメリカでのあだ名だった「エホヴァ」が「間違った神の呼び方」と知るなり狂喜したというエピソード。伊藤和典氏の聖書引用、上手いというかもう怖いの領域だよ……!!
しかし、そんな帆場について考える上で重要なのは、彼の根底にあるのがあくまで「鳥類への愛着」や「発展の影で消え行くものへの郷愁」という極めて等身大の感情であったこと。そのような「誰もが持ち得る感情」を原動力にここまでのことをやってのけたからこそ、彼の純粋さを (恐怖さえ感じるほど) 痛感させられるし、彼が残したヒントを解き明かし、事態を終結させた遊馬たちの泥臭い/人間らしい戦いは、彼に対するある種の弔いにもなったのではないだろうか。
映画『ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ』(9/28鑑賞)
日常系殺し屋映画こと『ベイビーわるきゅーれ』の三作目。ちさと・まひろタッグが挑む最強の殺し屋=冬村かえでを池松壮亮氏が、二人の先輩として登場する入鹿みなみを前田敦子氏が演じる、という報に「いつの間にベビわるってこんなにデカくなってたの!?」と驚きつつも、いざ観てみるとその「映画」としてのストレートな面白さに捩じ伏せられたのは自分だけではないはず。
というのも、「日常系」と言われるように『ベビわる』前二作はあくまでちさと・まひろの日常を主眼とし、その中で徐々に仕込まれたものがクライマックスで爆発するという構成が、二人の殺し屋生活の質感や「クライマックスとそれ以前とのギャップ」という本シリーズ独自の旨味を生み出していた。が、本作は (もちろんちさまひの日常はたっぷり描かれるし、本作においてはそれが特に大きな意味を持つことになるが) 前述の「最強の敵」冬村かえでとの死闘や、入鹿みなみチームとの確執・和解を軸にした右肩上がりのドラマ作りに比重が置かれており、謂わばこれまでよりもスタンダードな物語構成に回帰している。
そんな作劇や、台詞・演出に滲むこれまで以上に濃厚な「死」の気配 (特に、どこか死神のようにも感じられる子どもの演出は秀逸) 、それによる「本当にちさととまひろが死んでしまうかも」という恐怖もあって、鑑賞中の緊迫感やクライマックスの盛り上がりはシリーズ随一。かえでがまひろの「もしも」だからこそ、ちさとが満を持して「まひろとタッグで格闘戦に臨」み、彼女の奮闘こそが両者の明暗を分かつ――という、ちさと役・髙石あかり氏自身の成長という特大文脈も乗った本作の最終決戦は、熱さと感動と息詰まるスリルで情緒がおかしくなる、まさに「ベビわるの集大成」だったように思う。
(髙石あかり氏が朝ドラの主演に抜擢されたことなどから、界隈では「本作がベビわる最後の映画になるのでは」と危惧されていて、確かに『ナイスデイズ』は仮にそうなっても違和感のない大傑作ではあるし、2024年秋に放送された連続ドラマ『ベイビーわるきゅーれ エブリデイ!』のラストシーンは、二人の幕引きとしてこの上なく美しいものにも思えた。……けれど、それはそれとして「もっと彼女たちの物語を見せてほしい!」というのも嘘偽りのない本音。監督ゥ!!どうか↓の構想を実現させてください……いつまででも待ってます……!!)
#ベビエブ だいぶ先になると思うのですが、僕の続きの構想は主に2つ「ゆるキャン編」と「新マネージャー登場編」です。どちらも脳内でおもしろいからまたみんな落ち着いたところで実現させてくれ〜〜〜〜!!!!!風林火山編の続きも考えてるよ夏目敬さん…。まずはコミカライズをお楽しみです!! pic.twitter.com/gHGRu3fH6g
— 阪元 (@ashida10721) 2024年11月20日
『長篇アニメ映画 ザ☆ウルトラマン ウルトラの星へ!!』(10/17鑑賞)
「ザ☆ウルトラマン」の最終章『ウルトラの星へ!!』四部作を一本の映画として再編集、Blu-ray BOXに収録されるHDリマスター映像で劇場公開。冒頭には、ウルトラの星・U40との関わりを中心とした星川ムツミ=島本須美氏の新規ナレーション付きダイジェストも――と聞いて、一連の内容を二度見してしまったのは自分だけではないと思う。いくら45周年記念企画とはいえ、『ザ☆ウルトラマン』単独でここまでスポットが当たることになるだなんて『タイガ』以前は考えもしてなかった……!
そんな本作の報せは、つい先日『ザ☆ウルトラマン』を実質初見で完走したばかりの自分にとって朗報も朗報。感動の最終章や大好きな変身シーン、名楽曲の数々を劇場のスクリーン+音響で浴びれるとあってテンションは終始最高潮だったのだけれど、やはり中でも感動させられたのはラストシーン。
「宇宙に危機が訪れたとき、私は再び戻ってくるだろう。そして、誰か優れた若者の身体を借りることになるだろう!」
-「ザ☆ウルトラマン」最終回『ウルトラの星へ!! 完結編 平和への勝利』より
ヒカリや地球への愛を言葉に残し、アミアと共に地球を去るジョーニアス。この切ない別れ、からのエンディングテーマ『愛の勇者たち』!
何度見ても涙せずにはいられないこの流れを大スクリーンで拝めた (エンディングテーマの映像が映画のエンドロール方式になっているのが感動を倍増しにしてくれる……!) この瞬間だけでも2000円の元が取れてお釣りが来るというもの。ザ☆ウルトラマンにこんな大舞台を与えてくれて、本当にありがとうございました……!!
『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM 特別版』(11/1鑑賞)
感想記事はこちら↓
『劇場版 進撃の巨人 完結編 THE LAST ATTACK』 (11/8鑑賞)
大人気漫画『進撃の巨人』の最終章をアニメ化した『進撃の巨人 The Final Season 完結編』前後編を劇場用に再構成した作品。
劇場という環境のおかげで、ただでさえハイクオリティな作画・劇伴などが殊更に映えており、初見時に打ちのめされた『Bauklötze』(ハンジ最期の戦い) やミカサの「ごめん、できない」といった名シーンの数々を全身で浴びることができた――と、それらについては以前書いた記事 (下記) に譲るとして、ここでは衝撃の新作アニメ『進撃のスクールカースト』に触れておきたい。
劇場版「進撃の巨人」新作映像は進撃のスクールカースト!エレンたちが映画の感想語るhttps://t.co/s0sq3PRkD9#shingeki #THELASTATTACK #進撃劇場 pic.twitter.com/mqWrISrf9Q
— コミックナタリー (@comic_natalie) 2024年11月9日
自分は、フィクションに「こちら側」を持ち込んでほしくない=「フィクションを観ている最中は、それがフィクションであることを忘れたい」タイプのオタクなので、何も知らない状態で観たこの一連には、正直「冷や水をかけられた」ように感じた。三人のやり取りが「作品の感想を語り合うこと」を揶揄したもののように感じられたことが追い討ちになって、観ている最中は自分でも分かるくらい苦い顔になっていた……のだけれど、ラストシーンで「例の大樹」が映ったことで全てが引っくり返った。彼らのいる世界が、天と地の戦いから100年後の未来だというなら、話は根本から変わってくる。
あの世界で『進撃の巨人』という作品が上映されており、それが私たちの見届けた映画と限りなく近いものであるなら、それはかつてのマーレ・エルディア史とは異なり「アルミンたちによって、真実の歴史が後世に伝えられた」ということ。
そして、三人がその歴史を元にした作品について「感想語り」をしている……というのは、それらが過去の歴史となっている=それだけ、彼らは平和の中に生きているということ。
そして、エレンがミカサとアルミンの喧嘩を「言葉で止める」のは、かつて彼らが望んでもできなかった「平和的に争いを止めること」そのもの……。
『進撃の巨人』ラストシーンは、「人が人である限り、争いがなくなることはない」というシビアな現実を描くものだった。『進撃』初見の自分は、その惨さに心を挫かれ、正直、この作品が何を描こうとしたのか分からなくなってしまっていた。
その後、作品を何度も見返し『二千年... 若しくは... 二万年後の君へ・・・』を頼りにすることで、その絶望の中に「エレンの遺志が、確かに未来へと受け継がれている」「同じことの繰り返しではなく、少しずつでも、人間は “前” に進んでいる」という希望が残されているという自分なりの解釈を得ることができたけど、巷には「 “希望がない” ことこそが本作の終わりに相応しい」という声もあり、諌山先生があのラストシーンに何を込めたのか、それが分からないことへの不安は消えることがなかった。
――と、そこでこの『スクールカースト』である。本作で描かれた「100年後の未来」には、アルミンたちによって受け継がれたであろう「真実の歴史」があり、そこに生きるエレンは、オタク同士の解釈論争という (ある意味) 厄介かつ終わりのない戦いを「言葉で止める」ことができていた。一見するとメタ要素満載のギャグパートであるこの『進撃のスクールカースト』は、自分の目には「エレンたちの戦いが無駄ではなかった」こと、「彼らの想いが未来に繋がった」こと、そして何より、諌山先生が本作を通して「希望」を描こうとしたことを改めて証明するエピソードのように映ったのだ。真実は先生のみぞ知ることだけれど、自分はそうだと信じていたい。
………ところで、原作ではこのスクールカーストが長らく連載 (?) されていたという話だけれど、その、サシャは……サシャはそこにいるんですかね……ッ!?
『劇場版 風都探偵 仮面ライダースカルの肖像』(11/15鑑賞)
「特撮ドラマ『仮面ライダーW』の続編漫画『風都探偵』から、人気エピソードである『Sの肖像』を劇場アニメ化」したというやや特殊な背景の作品で、前情報をほぼ断っていた自分は「実質的なビギンズナイトのアニメ化」ぐらいのテンションで劇場に向かっていたのだけれど、いざ鑑賞してみるとそれは大きな間違いだった。
確かに、本作のベースは元祖ビギンズナイトこと『仮面ライダー×仮面ライダー W&ディケイド MOVIE大戦2010』であり、作中度々観られた原作再現 (モーションもカメラアングルも、文字通り “完全再現” された作画にはもはや執念すら感じた) や、その内容を補完する秀逸な脚本は「ビギンズナイトのアニメ化」としてその時点で100点満点を叩き出すもの。
しかし、本作が取り上げるのは「ビギンズナイト」だけではない。TV本編や後年の『仮面ライダー×仮面ライダー オーズ&ダブル feat.スカル MOVIE大戦CORE』といった各作品を繋ぎ合わせ、アニメならではの大胆な「再解釈」を加えることで、左翔太郎とフィリップにとっての「鳴海荘吉史」を描き出すという構成こそが、本作の肝であり真価とも呼べる部分だろう。
そんな本作の鳴海荘吉を演じるのは、なんと我らが津田健次郎氏! キャストの縛りから解放されたことで、本編では見れなかった荘吉の様々な顔や、彼と翔太郎の歴史がたっぷりと堪能できるのが本作の大きな魅力だが、中でも個人的に嬉しかったのは、遂に「翔太郎が荘吉に弟子入りを認められる」くだりが描かれたこと。
二人の関係におけるターニングポイントが遂に描かれた、というだけでも十二分に感動してしまうこのシーン。しかし、本作が二人の過去を丁寧に掬い上げ/練り上げた結果、この「意地の張り合いの終わり」は荘吉・翔太郎双方にとっての救いにもなっており、それがあの『Nobody's Perfect』をBGMに描かれてしまうともなれば、本編第32話『風が呼ぶB/今、輝きの中で』に胸打たれた風都市民としては涙せずにはいられないのである。自分『風都探偵』舐めてましたッ……!!
(本作には「仮面ライダーW サイクロンスカル」やオーシャン・ドーパントなど多くのサプライズ要素があったけれど、自分にとってはこの『Nobody's Perfect』こそが最大のサプライズだった)
昨日『風都探偵 仮面ライダースカルの肖像』を見てて、どこまでネタバレに配慮すべきか迷って何も言えなかったんですけど、おやっさんのハチャメチャなカッコ良さと、実写パートの「完全再現」ぶりを堪能し続けられる幸せな90分だったよ…!ある意味サイクロンスカルよりビックリな要素もあった。
— 虎賀れんと (@Le_Soya) 2024年11月16日
『劇場版 ほんとにあった!呪いのビデオ109』(11/16鑑賞)
自分は『ほんとにあった!呪いのビデオ』初心者で、これまで観たのは『55』『 “禁忌” 三部作』『100』の三つ。「ほんとにあった」とタイトルに冠するだけあって、そのどれもが「質感」にこだわったリアルなドキュメンタリー形式になっていたので、今回の『109』はシリーズ初心者の自分でも「何か変だな」と思わされる作りになっていた。
本作のゲストは、ほん呪製作会社に自らドキュメンタリー企画を持ち込んできた女性=一ノ瀬マキ。彼女は単なるゲストに留まらず、製作会社の面々と共に捜査を進めていく「主人公」のようなキャラクター。怪異の根源である降霊師=蓮枝蝶子の家にカチコミを入れていき、呪いに利用されている彼女の娘を助け出そうと奮闘するパワフルな姿は、自分が観てきた過去作に比べると良くも悪くも少年漫画めいていて (ストーリーの導線がやたらハッキリしていることもあり) 自分でも「ほん呪らしくない」と感じるものだった。……が、そんな「らしくなさ」はクライマックスにおいて一挙に回収されることになる。
本作の黒幕=蓮枝蝶子の正体とは、何世代も前から人の身体を乗り継いできた「生き霊」のような存在であり、他人にも同様の「降霊」を行うことである種の疑似家族を形成してきた禍々しい「何か」。その結果起こるのが「蓮枝家側の人物の正体が全てこちらの予想と違う」という恐ろしい事態だ。
マキが助け出そうとしていた存在=行方不明の夫と思われていた人物は、仮面を剥ぐと「全くの別人」であり、一方、蓮枝家の娘として扱われ、SOSのサインを送っていた女の子は (おそらく)「蓮枝蝶子本人」だった――という衝撃の事実が、本作のクライマックスで雪崩のように襲いかかってくる。本作のストーリーがやたらハッキリしていたのは、それが「蓮枝蝶子の書いたシナリオ通りだったから」なのだ。
(簡潔に表現するとこのようになるけれど、厳密にはここに「蓮枝蝶子の代理人」「マキが見ている幻覚」などの要素も加わってくるため非常にややこしく、その中で唯一「確か」だったのが「女の子を助ける」というストーリーだっただけに、彼女がマキを裏切るシーンのショックは凄まじかった)
結果、本作は何者かの霊 (映像には二つの霊が見えるが、おそらくは女の子と蓮枝蝶子の代理人に宿っていたもの。どちらかが蓮枝蝶子なのか、“どちらも蓮枝蝶子” なのか分からないのが恐ろしい) に一ノ瀬マキが取り憑かれるという最悪の結末を迎えてしまう。いくらホラー作品とはいえ、これで終わりというのは後味が悪すぎるし、本作の謎が明かされきったかというと微妙なところ。できることなら110で「決着」を見せてほしいけれど、果たして……?
で、今日はウルトラマンデッカーの総集編+舞台観賞会からのこれ↓。濃厚な光と闇を浴びて、かつ友人たちとの忘年会も兼ねてた最高にロックな1日だった。ほん呪109、観ていて体調が悪くなるレベルのヤバ映画だったけど「仕掛け」や今回の実質主人公が良すぎて素敵な絶望を堪能できました(頭を抱えながら pic.twitter.com/GAgmre7DKh
— 虎賀れんと (@Le_Soya) 2024年11月16日
『楽園追放 -Impelled by 10th Anniversary- 4Kアップコンバート版』 (11/15鑑賞)
現在続編の『心のレゾナンス』が製作中の『楽園追放 -Expelled from Paradise- 』の4Kアップコンバート版。自分は数年前にレンタルDVDで観たきりだったので、今回は念願の劇場初鑑賞!今でも通用する美麗な (特に終盤の) CG作画はもちろん、音楽がファクターなこともあって劇場での鑑賞は格別で、当時も泣かされた「お前が人間でいいんじゃないか」の台詞にはまたしても号泣させられてしまった。フロンティアセッター……。
また、今回の再鑑賞で改めて気付かされたのは、本作は「それほどAI論の話をしていない」ということ。
初見時は、フロンティアセッターがあまりに魅力的だったので「AIはどこから人間と呼べるのか」という観点で観てしまったけれど、本作はその実、徹頭徹尾「人間とは」と問いかける作品だった。肉体があるから人間なのか、心があるから人間なのか。何を捨てた時、人は「人間でなくなってしまう」のか……。だからこそ、本作は10年経っても全く色褪せないどころか、むしろ一層現実味を持って向き合える作品になっていたように思うし、この完成された物語を2時間弱に収めた製作陣の手腕にひたすら頭の下がる思いだった。続編も同じ座組のようで、今から2026年が楽しみ……!
(それにしても、改めて見るとその凄まじい『ガンダム00』濃度に頭がクラクラする作品でもあった。神谷さんがディーヴァだのラグランジュだの言う「人間になる人外」だし、ミキシンが狙撃手だしメカデザインに見知った方々しかいないし釘宮さんが主演だし、00オタクとしてはいろんな意味で幸せな作品だった。ありがとうございます、水島監督……!)
『楽園追放 -Impelled by 10th Anniversary- 4Kアップコンバート版』信じられんくらい面白かった。一度レンタルで観た時から好きではあったのだけれど、終盤の作画は勿論、音楽がファクターなこともあって劇場での鑑賞は格別。やっぱり「お前が人間でいいんじゃないか」でバカ泣いてしまうのよ…。 pic.twitter.com/BG3kt9UyO6
— 虎賀れんと (@Le_Soya) 2024年11月20日
『ジュブナイル 4Kデジタルリマスター版』(11/22鑑賞)
今をときめく山崎貴監督の初監督作品で、脚本・VFXまで手掛けられた傑作SF映画。自分はテトラの名前も映画のジャンルも知らない状態で映画館に突っ込んだので、2000年とは思えないVFXや、未知との遭遇が描かれるリアルな前半と「あーもうメチャクチャだよ (満面の笑み) 」な後半のギャップ、おもちゃ箱をひっくり返したようなワクワク要素のオンパレードなど全てを新鮮に楽しむことができたけれど、中でもグッと来たのが本作の「子どもの頃の世界をそのまま画にした」という作品性。
というのも、本作では「近所の兄ちゃんの秘密研究所」や「近場の海辺」など印象的な風景が多々登場するけれど、これらは「自分が小さい頃に観ていた風景」そのもの。
友だちの兄さんの部屋でパソコンを見た時は、その部屋が丸ごと「秘密研究所」のように見えた。何でもない河原を歩いている時は、そこがまるで美しい海辺のように見えていた。PlayStationのコントローラーとは、ゲームを操作するものではなく「ロボットやヒーローと繋がる夢のデバイス」だった。『ジュブナイル』とは、世界を知らない当時の目に映っていた景色を再現し「子どもの頃のワクワク」を思い出させてくれる、エネルギッシュでロマンに溢れたジュブナイル作品だったのだ。こういうのが殊更に刺さる年になってしまったんだなぁ……。
『ジュブナイル 4Kデジタルリマスター』観た。な……何から言及すればいいんだこれ!? 諸々てんこ盛りかつメチャメチャ夢のある「夏休み映画の実写化」みたいな映画だった。子どもの頃に観てたらたまらなかっただろうし、今観るからこそジーンと来るものもあったな……。 pic.twitter.com/xQAmdy7UGr
— 虎賀れんと (@Le_Soya) 2024年11月22日
『劇場版 アイカツ! メモリアルアンコール』(12/3鑑賞)
感想記事はこちら↓
『蒼穹のファフナー HEAVEN AND EARTH (完全版) 』(12/20鑑賞)
2004年放送のロボットアニメ『蒼穹のファフナー』の続編として、2010年に劇場公開された作品。今回観たのは、キャラクターの表情や撮影処理に手直しが加えられた「完全版」なのだけれど、ファフナーを2013年に初めて観た自分にとっては、そもそもこの『HEAVEN AND EARTH』自体今回が初鑑賞。ようやく念願が叶ったよ……!!
(作品についてのざっくりした説明はこちらの初見さん向けプレゼン記事を参照)
今となっては『EXODUS』『THE BEYOND』『BEHIND THE LINE』と続き長寿シリーズになった『蒼穹のファフナー』だけれど、その分水嶺になったのは間違いなくこの『HEAVEN AND EARTH』。より壮大に深みを得た劇伴、大きくブラッシュアップされたキャラクターデザイン・作画、そして何といっても美麗なCGで描かれるファフナー・フェストゥムと、同化結晶に象徴される本作の神話的・超然としたイメージは、本作のおかげで完成されたと言っても過言ではないだろう。
そんな本作の魅力といえば、まずは何より「音楽と噛み合った演出」の数々。ファフナーは元々音楽演出が凝ったシリーズだけれど、なにせ本作は劇場版。つまり各シーンの為に音楽が作られているため、噛み合い方がTVシリーズのそれを更に上回っているのである。中でも突出しているのが「マークザインの初出撃」「マークフィアー=甲洋の参戦」そしてクライマックスの「総士の帰還」で、総士の「ありがとう」に重なり流れ出す『蒼穹』はいつ聴いても涙せずにはいられない……。
また、本作は当然そのストーリーも大きな見所。「あなたはそこにいますか」「痛みという祝福」「一騎にとっての “同化” 」など、TVシリーズ (無印) の難解な部分を拾い上げ、本作のキーマン=来主操を介して一つに繋ぎ合わせたストーリーは、まさに『ファフナー』の集大成。
一騎が総士に痛みを与えたことで始まった物語が「一騎が操の痛みを引き受ける」ことで終わる、という構成に行き着くクライマックスは、ザインとニヒトが対峙する空の美しさや「選ぶんだ……何度でも。 悲しいからって諦めないで、そこにいることを選び続けろ!」という一騎の台詞もあって、作り手のメッセージが目一杯に詰め込まれたシリーズ屈指の名シーン。この作品でファフナー20周年を締め括れて本当に良かった……!
『蒼穹のファフナー HEAVEN AND EARTH (完全版) 』念願の劇場初鑑賞。随分久しぶりに観たけれど、画も台詞も音楽も何もかも決まってる無敵映画なので映画館で浴びれて良かった…! LIVE ZOUNDの凄さを一番感じたのは、EDの『蒼穹』があの特大音量で微塵も音割れしていないことでした。最ッッッ高!!! pic.twitter.com/LUsNjGf2fl
— 虎賀れんと (@Le_Soya) 2024年12月20日
まとめ
本来であれば、ここで「映画館で見た新作」をランキング付けしてSNSに投げたいところだったのだけれど、この2024年下半期はそうもいかなかった。その理由は、今回の「映画館で観た」作品を並べると一目瞭然だ。
・数分間のエールを
・ゼーガペインADP
・ブンブンジャー&ガッチャード
・ぼくらのウォーゲーム!
・デジモンハリケーン/黄金のデジメンタル
・ゼーガペインSTA
・KING OF PRISM -Dramatic PRISM.1-
・わんだふるぷりきゅあ ざ・むーびー!
・機動警察パトレイバー the Movie
・ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ
・ザ☆ウルトラマン ウルトラの星へ!!
・ガンダムSEED FREEDOM 特別版
・劇場版 進撃の巨人 完結編
・風都探偵 仮面ライダースカルの肖像
・ほんとにあった!呪いのビデオ109
・楽園追放
・ジュブナイル
・劇場版 アイカツ!
・蒼穹のファフナー HEAVEN AND EARTH
これらの内訳は「完全新作=7本」「再編集作品=3本」「リバイバル上映=9本」というもの。再編集作品を含めてやっと「新作10本」というギリギリぶりで、しかもリバイバル上映系があまりにも面白かったので、それらを差し置いてランキングを付けるのもな……という、何とも複雑な気分になってしまったのである。
(全部引っくるめてベストを選んでいいなら『ベビわる』『進撃』『楽園追放』『アイカツ!』『ファフナー』辺りでのトップ争いになりそう……!)
ランキングを作れなかったのはちと悔しいけれど、新作だろうと再編集だろうとリバイバルだろうと、素晴らしい作品に映画館で出会える体験は一期一会。今後も新作かどうかに囚われず劇場へ足を運びたいし、それはそれとして、来年はもっと自分の知らない世界に手を出していきたいところ。来年もこのシリーズが続けられるくらい、映画館に足を運べますように……!
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