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感想『アイカツオンパレード!』- 稀代のクロスオーバー作品を駆け抜けた主人公 “姫石らき” とは何者だったのか

幼い頃から、根っからの「クロスオーバー」オタクだった。 

理由は今もよく分かっていないのだけれど、『スーパーヒーロー作戦』『仮面ライダー 正義の系譜』『ウルトラマンメビウス』『SDガンダム G GENERATION NEO』……と、クロスオーバー要素のあるオールタイムベスト作品を挙げればキリがないし、クロスするのが自分の知らない作品同士でもテンションが上がってしまうくらいには、もはやクロスオーバーという概念自体が大好物だったりする。そんな自分にとって『アイカツオンパレード!』とはまさに黄金郷、あるいは走馬灯のような作品だった。


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世界を越えてアイカツ!シリーズのアイドルが集うお祭り作品『アイカツオンパレード!』。視聴前の自分はやれ「ゴシック組の対面が見たい」だの、やれ「ゆめとあかりの再会が見たい」だの、今のうちだと言わんばかりに様々な予想を立てていたけれど、今となってはその甘っちょろい予想に乾いた笑いが出てしまう。あなたがこれから出会うのは、これまで出会ってきた様々なクロスオーバー作品の中でも圧倒的に豪華で、ダントツに贅沢な、ある意味「過去最強」の代物なんだぞ――と、過去の自分に最高のドヤ顔でマウントを取りたい気持ちで一杯だ。 

しかし、そんな超弩級お祭り作品の中には「クロスオーバー」以外にも大きな驚きが潜んでいた。それは、本作の主人公=姫石らきの正体、そしてそこから見えてくる『アイカツオンパレード!』という作品の存在意義。  

2022年末にアイカツ!シリーズに触れたばかりの新参者に、この作品の「特別さ」は理解しきれないかもしれないけれど、シリーズに感銘を受けてきたファンの一人として、自分なりにこの作品、そして本作の描いたメッセージについて考察していきたい。

 

君のEntrance

君のEntrance

  • らき・あいね・みお from BEST FRIENDS!
  • J-Pop
  • ¥255

 

《目次》

 

アイカツオンパレード!』の衝撃

 

アイカツオンパレード!』は、データカードダスとアニメ (テレビアニメ全25話+WEB配信全3話。今回取り上げるのはこの二作) による女児向けメディアミックスコンテンツ『アイカツ!』シリーズの四作目。世界観の異なる『アイカツ!』『アイカツスターズ!』『アイカツフレンズ!』のアイドルたちが共演するという豪華な内容で、『フレンズ!』のライブにおいて解禁された下記のPVに会場は騒然となったのだという。

 

 

しかし、自分は視聴前になるべく前情報を入れないタイプのオタク。当然そんなPVの存在を知る由もなく、シリーズを履修しながら「オンパレード!には “誰が” 出演するのだろう」という疑問が頭の中をぐるぐると回り続けていた。実写にしろアニメにしろ、自分が観てきたクロスオーバー系TV作品では「各作品から多くて数人が登場」というのが常であったし、劇場版ならいざ知らず、TV作品なら予算的にもそうなるのも頷けるからだ。 

しかし、スターズ!のみ履修していた頃の自分が「ローラは流石に出てほしい」「小春は出るかな」「ひめ先輩やエルザにも出てほしいけど、まあ流石に高望みだろうなぁ」などと言っていると、アイカツ!オタクの諸先輩方は往々にして微妙なリアクションを浮かべていた。自分はそれを「ネタバレへの配慮」と受け取った(し、それは事実そうだった) のだけれど、第1話を観てOP『君のEntrance』を目の当たりにした瞬間、そのリアクションの裏に隠されたもう一つの意味に気付かされた。

 

 

ゆめ、真昼、ローラ、あこ、小春、そして第25代S4にネオ・ヴィーナスアーク……!先輩方は自分の発言に内心笑いを堪えきれなかったのだろうと思う、だって「全員」出るのだから。  

しかし、自分がこの時抱いていた「全員」という言葉は、同話のED映像によって根底からひっくり返されてしまった。

 

 

ぜ、“全員” だ……!!!!!!!! 

予めわかばの登場を知っていたこともあり、世界観も世界観なので『フレンズ!』組の総出演は予想できていたけれど、驚かされたのは『アイカツ!』組の顔ぶれ。まどかや凛がいる時点でびっくりしていたのに、ののリサやあまふわ☆なでしこの二人、果ては堂島ニーナに至るまで、本編にメイン格として出演したアイドルがほぼ全員揃っている姿には、ED主題歌が「歴代主人公の歌う『アイドル活動!』」という特大爆弾と合わせて驚きが隠せなかった。こ、このアニメ……「本気」だ……!!  

(しかもこのED、レイとみやび、しおんとツバサ、ユリカ・リリィ・アリシアのような「オタクの思い描くクロスオーバー」が所狭しと繰り広げられていて「これからあなたたちの見たいものを全部見せます」と、喜びを通り越してもはや首元にナイフを突き付けられた気分だった)

 

 

『オンパレード!』前半 -「引き」のサプライズについて

 

歴代アイドルが総出演するといっても、問題はその魅せ方。なまじクロスオーバーのオタクをやっている以上舌も肥えているし、歴代キャラクターが「いる」だけでは物足りなく感じてしまう。そんな簡単に負けないぞ、と観始めた第1話『あけちゃお!アイカツのトビラ』終盤、らきたち三人が扉をくぐった先に「見慣れた高台」が現れ、四ツ星学園の校舎が見え、車からあの二人が降りてきたところで頭が真っ白になった。こういうの……こういうの大好きなんですよォ……!!

 

第79話 ハロウィン サプライズ☆

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クロスオーバー作品の魅力といえば、過去作の要素がサプライズ的に披露される「ここでこれが来るのかァ~!!」という、カードパックから大当たりが出たあの瞬間のようなワクワク感。この点において『オンパレード!』はそれはもう凄まじかった。 

最初の「別の世界」がアイカツ!ではなくスターズ!という意外性も素晴らしかったのだけれど、それ以上に巧かったのは、四ツ星学園やゆめ・小春の登場前に「まずは見知った景色を見せる」というステップを挟んだこと。ジェットコースターが高く登ってから落ちるように、こちらに「まさか……」と思わせる=「気付かせる」ことで一層引き立つのがサプライズ。同じ理屈で、第8話ラストの「らきたちが扉をくぐる」「見知った飾りの船首が見える」「引きでネオ・ヴィーナスアーク号を見せる」という演出も一級品のサプライズだった。 

 

第78話 ようこそ パーフェクトマザー!

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しかし、どれだけ良質なサプライズでも、毎回同じ見せ方では飽きられてしまうというもの。このような美味しい手法をあくまで1話と8話のラストに留め、他のエピソードでは「逆にひなき・珠璃がフレンズ!世界にやってくる」「扉をくぐる演出で〆+次回予告でサプライズを叩き込む」のような別の方式に切り替え、サプライズを「飽きさせない」工夫が凝らされていたのも本作の巧さだろう。 

そして、そんな本作のサプライズ演出の中でもお気に入りなのが、第4話『感じちゃお!アツい風』のラストシーン。

 

 

ポップで悩み多きお姉さん・ひなきと、アツいセクシーダンサー・珠璃のユニット=情熱ハラペーニョ。そして、アツいセクシーダンサー・舞花と、ポップで悩み多きお姉さん=エマのフレンズ=ハニーキャット。考えれば考えるとそっくりな、けれど「主役」ではないこの二組のクロスオーバーを話の中心に据えてくれるのはまさにTVアニメならではの贅沢さ。2話・3話がガッツリ『スターズ!』回だったことから「これから前後編で各世界をピックアップしていくのかな」と思っていた矢先というのもあってその衝撃は凄まじかったし、クロスオーバーのオタクとしては感謝感激なんとやら。……と、そんな満足に浸っていた第4話ラストに「それ」は起こった。 

ひなき・珠璃がアイカツ!世界に戻る際に姉・さあやを見付け、後を追う形で飛び込んでいくらき。扉の向こうでは、あかり・スミレが二人と合流しており――と、この時点ではギリギリ「次の回があかジェネ回」だと断定はしきれなかった。ひなきたちが戻っただけで、らきは別の世界に行きそうな気配を漂わせてもいたからだ。問題はその後、彼女が扉の向こうかららきが飛び出し、盛大にずっこけてからのこと。

 

「大丈夫?」
「えっ?」
「ひょっとして、あなたがスターハーモニー学園のアイドルなのかな? ……ふふっ!」

-「アイカツオンパレード!」 第4話『感じちゃお!アツい風』より

 

手を差し伸べるあかりと、その後ろに並ぶ3人の圧倒的レジェンド感。毎話のアバンを思わせる「ふふっ」、からの『Good morning my dream』~~~~ッッ!!!!  

つい先日『あかりGeneration』を完走したばかりの身としては、レジェンド感溢れる彼女たちの姿にそれだけで失神しそうだったし、その上で、始まりの「ふふっ」→『Good morning my dream』の流れで「次はあかジェネ回です」と予告に先んじて示すのがと~~~~~っても「粋」!! 正直、これまで見てきた様々なクロスオーバー作品の中でもトップクラスに好きな引きです、ありがとうアイカツオンパレード……!!(1回目)

 

Good morning my dream(TV Size)

Good morning my dream(TV Size)

  • るか・もな・みき from AIKATSU☆STARS!
  • アニメ
  • ¥153

(第2話での『So Beautiful Story』で思わず声が出た「過去作のエンディングが映像ごと使われる」演出、こんなのやっていいんですか!?)

 

『オンパレード!』前半 - 歴代アイドルの共演とコラボ楽曲

 

前述の第4話のように、序盤の「各世界を巡っていく」段階で既に越境クロスオーバーが見れるのも本作の贅沢なポイント。世界が融合した状態で繰り広げられるクロスオーバーも良いけれど、やはり「各世界に別世界のキャラがいる」異物感はクロスオーバーの醍醐味で、第9話の「ネオ・ヴィーナスアーク号に乗船済みでスカウト(ナンパ)断りノルマもしっかり果たしている美月・みくる」などは、エルザとのラスボス繋がりという点含めてたまらないものがあった。最後に「あなたたちと会えて良かった」といちご共々エルザに称賛されているのも……嬉しい! 

そして、そのような「越境クロスオーバー」といえば避けては通れないのが、本作の「コラボ楽曲」たちだ。

 

STARDOM!

STARDOM!

  • みお from BEST FRIENDS! & せな
  • サウンドトラック
  • ¥255

 

本作の「事案」ことコラボ楽曲たち。その先陣を切ったのが、第2話『ワクワクインスピレーション』で披露された『STARDOM! ~みお&ゆめ ver.~』。『正義のキモチ』に加えてゆめとみおのデュエットまであるという手厚さには驚かされてしまったけれど、ピュアパレットとゆめ&ローラ、主役コンビ同士の擬似的なフレンズシャッフルというのはまさにクロスオーバーの王道、納得の人選だ。……などと言っていたら『アイデンティティ ~ミライ&あかり ver.~』という意外極まるナンバーをお出しされてこの作品が怖くなってしまった。オンパレード!、何をやらかしてくるか分からんぞ……!!

 

Take Me Higher

Take Me Higher

  • ひびき from BEST FRIENDS!, りすこ & りさ
  • サウンドトラック
  • ¥255

 

ウワアァァァァァァァァァァァァァァァーーーーーーーーッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!(爆散)

 

「ダブルエムとエルザの2期ラスボス共演」でニコニコしていた矢先にコレである。美月とエルザが誰かとステージで共演することだけは見てしまっていて、てっきりその枠はカレンかと思っていたのだけれど、ここでまさかの天翔ひびき! 確かにフレンズ!のラスボスポジションといえば彼女たちアイビリーブも該当するし、ここでエルザとひびきのそっくりさんネタを回収するのも気が利いている(?)ところ。歌うのがトライスターの『Take Me Higher』というのも、この3人が唄う歌としてこれ以上ない納得の曲選で、果たしてこれを上回るものをこの先出せるのか……? とむしろ心配になってしまうステージだった。

 

第11話 ちゃお☆ニューワールド!

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杞憂だった。  

第11話『ちゃお☆ニューワールド!』の舞台は、美月、ひめ、エルザ、ラブミーティア、アイビリーブというラスボス軍団(あまりにも画が強すぎて笑うしかなかった)が企画した各アイドル校のクロスオーバーイベント「アイカツ!ニューワールドフェス」。 

世界が混ざったことでより一層節操がなくなり (褒め言葉) 、服部ユウが台詞付きで登場、台詞こそないものの波照間みなみまで登場するなどこのフェスは言及すべきトピックがあまりにも多いのだけれど、中でも欠かせないのが桜庭ローラの帰還だろう。

 

第99話 ふたりの忘れ物

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『スターズ!』最終回でイギリスに旅立った彼女が、四ツ星学園編にもネオ・ヴィーナスアーク編にも徹底して登場せず、ここで満を持して帰還……というのは、まさに『スターズ!』へのリスペクトが感じられる部分だったし、同じ「主人公のパートナー兼ロッカー」である音城セイラと (スターズ!組にしか許されない「本気」の空気で) バチバチに火花を散らす様には「ローラがこの早さで帰ってくるのはスターズ!の後味を無下にしかねない」というツッコミも笑顔で引っ込んでくれた。「お祭り作品」はこうでなくっちゃあね……!
(ここで原作をリスペクトされすぎてローラに出番がなかったら、それはお祭り作品として「違う」と思ってしまうし、最終回で「これらの出来事が各作品の歴史と “繋がっているかどうか” 」をぼかす=視聴者の解釈に委ねる描写も用意されていた以上、ここは彼女の帰還を素直に喜びたいところ)

 

ところが、本エピソードにおいてはもう一つドデカい爆弾が用意されていた。

 

Future jewel

Future jewel

  • るか/せな
  • J-Pop
  • ¥255

 

待ってました、ゆめとあかりのデュエットによる新規楽曲『Future jewel』!! 

この二人は、『スターズ!』第69話でのやり取りはもちろん「あかりと白鳥ひめの歌唱担当 (ボーカルキャスト) が同じ遠藤瑠香氏」という特別な縁を持つ間柄。オンパレード!においてもこの関係が拾われてほしいとは思っていたけれど、「あいね、みお、らきの後輩主人公ズに後押しされ、フレンズを組んで新曲を歌う」だなんて、そんな至れり尽くせりなクロスオーバーが見れるとまでは流石に予想できなかった……! 

かくしてお出しされる新曲『Future jewel』は、宝石という「磨かれることで未来に輝く、凸凹な石ころ」をモチーフにしている点に、あかりとゆめ (=あかりGenerationとスターズ!) への深い理解が感じられるアツく爽やかな楽曲。「些細な変化の積み重ねで明日に届く」「それぞれの個性」というアイカツ!イズムに満ちた歌詞やギチギチに詰め込まれた文脈もあって涙なしには聴けないし、この第11話を観たその日のイベント『キラッキラ!』で早速聴けたものだから感謝感激雨あられだった。ありがとうアイカツオンパレード……!!(2回目)

 

https://fod.fujitv.co.jp/title/b4e6/b4e6110049/

 

『オンパレード!』後半 - リミッターの外れたスーパーアイカツ!大戦

 

3つのアイカツ!世界が統合されたオンパレード!後半では、前述のような粋なクロスオーバー演出はやや減ってしまうけれど、その分 (前半との差別化、という意味合いもあってか)「クロスオーバーをやれるだけやる」という文字通りのスーパーお祭り作品が展開されていくことになる。

 

第12話 ハピラキ☆クリスマス

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第12話『ハピラキ☆クリスマス』では、アイカツ!シリーズ恒例の『We wish you a merry Christmas』をいちご、セイラ、ゆめ、あいね、みおたちが同時歌唱、同曲のステージがなかったあかりGeneration組とネオ・ヴィーナスアーク組についてはステージ風景が作画で描き起こされることで、前代未聞の「5校同時ステージ」というとんでもないステージが実現していた。個人的には「かえで&小春」のマジシャンコンビが観れたのも嬉しいポイント。

 

第13話 らきとツバサのドレス

  • 逢来りん
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第13話『らきとツバサのドレス』では、らきに「想いを込めることで衣装がドレスになる」という言葉を託すメッセンジャーとして真昼が活躍。スターズ!2年目でやや不遇だった彼女にスポットが当たるのはそれだけでも嬉しかったし、「らきを導く過程で自らもドレスの原点 (お絵描きコーデ) に向き合った真昼が、夜空と共に姉妹のオリジン=『Summer Tears Diary』をもう一度歌う」という秀逸なシナリオには、驚きを通り越してもはや感無量。スターズ!第15話『月と太陽』や、第91話『ハッスル♪アイドル修行☆』など、真昼主役回をいくつも手掛けられた森江美咲氏の手腕が発揮された名編だった。ありがとうアイカツオンパレード……!!(3回目)

 

第14話 スマイル♪にゃんばーワン

  • 逢来りん
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第14話『スマイル♪にゃんばーワン』では、アニマるでお馴染みゆずっとリリィやエマらに加え、なんと堂島ニーナが「動物組」として登場。日向エマVSフェレッ太、ハルカ☆ルカ×夏樹みくるといった「何そのクロスオーバー!?」案件が多発した挙句、遂には如月ツバサ不在で番組に出演するホーちゃんという異常事態が爆誕。この作品が何かのリミッターを振り切った音がして面白かったけれど、ホーちゃん一家が穏やかに過ごせているのかどうかだけが心配だ……。

 

第17話 ゴシック☆ウォーズ

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待望のゴシック組集合回こと第17話 『ゴシック☆ウォーズ』では、「ユリカ×リリィ×アリシア」VS「スミレ×白百合姉妹」という夢みたいな画が展開。某サイヤ人の王子を思わせる「ユリカと真剣に戦いたいから敢えて白百合姉妹側につくスミレ」という文脈がとても熱かっただけに、劇中劇でなくストーリーで観たかった……というのは欲張りすぎか。ところで、後から知ったのだけれど『Dreaming bird ~リリィ&ユリカ&アリシア ver. ~』って何!?!?!?

 

第18話 君のエントランス

  • 逢来りん
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らきのプレミアムドレス獲得回である第18話『君のEntrance』では、 そら、ひめ、小春のデザイナーアイドル組が集結。「小春と蜂谷千春、ひめとあかりの共演」だの「ボヘミアンスカイのドレスでステージに立った直後にヒカリと写真を撮り待ち受けにしようする蘭」だのオタク指数の高い画がわんさか出てくる傍ら、「留学しているかぐやちゃんに新しいイメージの私を見せたかったから」とレインボーベリーパルフェとのコラボを引き受けるさくやは『フレンズ!』の後日談として満点だったし、小春がそんなさくやに「ドレスで力添えする」構図がとても美しかった……! それと瀬名あか。

 

正義のキモチ

正義のキモチ

  • あいね・みお from BEST FRIENDS!/せな
  • J-Pop
  • ¥255

 

他にも、第16話『ぽわ☆フワ♪ドリーミン』では、ゆめ、あいね、みおによるまさかのヒーローソング『正義のキモチ』が、

 

ダイヤモンドハッピー

ダイヤモンドハッピー

  • あいね・みお from BEST FRIENDS! & わか
  • サウンドトラック
  • ¥255

 

第22話『全員集合!オンパレード!』では、ダイヤモンド繋がりでいちご×ピュアパレットの『ダイヤモンドハッピーが、

 

スタートライン!

スタートライン!

 

そして、第23話『スターズ!オンパレード!』(初めてサブタイトルに「スターズ」の単語が冠されることの感動よ……!)では、なんとひめ&美月という「最強の月」タッグによる『スタートライン!』が披露される……など、本作後半は「多種多様」という一言では収まりきらない、文字通り豪華絢爛なクロスオーバーを次々に披露してみせた。ありがとう、アイカツオンパレード……!!(4回目)

 

第1話 ノエルドリーム

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更に、本放送終了後に展開されたWEBアニメでもその「お祭り」は継続。こちらでは、ドリームアカデミー入学後のノエルとクイーン就任後のあかりを中心にした『アイカツ!』アフターストーリーを軸に、最終的に「あかり、ノエル、ひめ、レイ、カレン」というとんでもないメンバーによる新曲『In bloom 』を披露するという、ストーリー・ファンサービス共に3話尺とは思えない満足度の高い内容になっていた。「当時モノ」にしか見えないノエルのドレスアップバンクやアイキャッチは一体何……!?

 

In bloom

In bloom

  • あやね, るか, りえ & カレン from BEST FRIENDS!
  • J-Pop
  • ¥255

 

『オンパレード!』の取り零し

 

ここまで10000字ほど使っても語り尽くせないほど充実した『オンパレード!』のクロスオーバー。そのボリュームや豪華さ、満足感は間違いなく自分がこれまで出会ってきた作品の中でもトップクラスで、アニメ作品だからこそ「当時の舞台やキャラクターの見た目をそのまま使える」というのもクロスオーバー作品として大きな強みになっていた。 

しかし、裏を返せば、それだけ「原作との乖離が目立ってしまう」ということでもある。細かい差異は「お祭り作品だししょうがない」で済ませられるのだけれど、第3話冒頭で「S4の席にみおが座っている」ことに触れない真昼たちや、第6話、アクシデントでS4のライブに躍り出てしまったらきを一方的に責め立てるツバサや、衣装が破けるアクシデントに対応できないひめたち、良し悪しを「パーフェクトか否か」で判断するエルザ……などは(自分が、特に『スターズ!』への思い入れが強いこともあってか)見ていて首を傾げてしまったところ。 

(他にも「友達の大切さをピュアパレットに説かれるゆめとあかり」だったり、らきの企画にステージを貸し与えるぽわプリだったり、ストーリーの都合で行動に違和感が生まれているキャラクターが多かった印象。ストーリーに合わせて動かせるキャラが全員レジェンドキャラという異様な状態なので、どこかで無理が出てしまうのは仕方ないといえば仕方ないのだけれど……)

 

第6話 キラめく四ツ星

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また、仮にキャラクターの再現に問題がなくても、「できるだけ多くのステージやクロスオーバーを見せる」という作風の代償として、ファンサービスのための舞台装置に終始するシナリオも少なくなかった/各話の物語が淡白になりがちだったのも惜しい点。映画のように尺の余裕がない作品ならともかく、本作はTV2クール。自分のような「クロスオーバーそれ自体で喜べる」オタクでもない限り、本作に「肩透かし」という印象を持ってしまう視聴者も少なくなかったかもしれない。  

(とはいえ、本作の豪勢なクロスオーバーが実現したのは間違いなくこの作風のおかげであり、キャストの都合に鑑みても『オンパレード!』としてはおそらくこれが最適解。物語を重視したらここまで自由な展開はできなかっただろうし、作り手としても悩ましい二者択一だったのではないだろうか)

 

……しかし、本作に「物語がなかった」かと言われるとそんなことはない。むしろ、本作が豪華なクロスオーバーの傍らで紡いでいった物語=主人公・姫石らきの歩みこそが、本作を考える上での肝と呼べる部分だろう。

 

 

「姫石らき」とは何者だったのか

 

本作を見る前から、自分の中にはうっすらと「姫石らきはネガティブな評価を受けがちなキャラクター」という先入観があった。多分、SNSの投稿やYouTubeのコメントのようなものが自覚のないまま脳裏に刷り込まれていった結果なんじゃないかと思う。 

しかし、同様の先入観があった『アイカツフレンズ!』にしっかりとした魅力があった(ネガティブな評価に頷けてしまう点もあったけれど)ように、作品やキャラクターの評価はあくまで受け手それぞれが決めるもの。自分の中にある刷り込みを頭の片隅に追いやり、フラットな目線を心がけて本作を視聴して――ちょっとだけ、らきが受けている評価に頷けてしまった。  

好奇心旺盛で口癖は「わたしはラッキー!みんなはハッピー!」。しかし、それ故にやや空気を読めないところがあり、自分の恵まれた境遇も「ラッキー」で片付けてしまいがち……。これらは、特に「レジェンドアイドルとコラボする作品の主人公」としては致命的で、特に序盤の彼女の行動にはシリーズファンであればあるほど眉をひそめてしまったのではないだろうか。 

そんなことを思っている中で、自分が「これはマズいぞ」と思わず身を固めてしまったのが第8話『作っちゃお!ラッキードレス』の展開だ。

 

第8話 作っちゃお!ラッキードレス

  • 逢来りん
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らきの夢は、自分だけのプレミアムレアドレスを作ること。その夢へ至る過程として、らきは様々なアイドルのドレスに興味を持ち、インスピレーションを受けて自身のデザインに取り入れていく。ところが、第8話でらきが作ったドレス= パステルフィンピスケスコーデは、いちごのうお座ドレス=マーメイドピスケスコーデにインスピレーションを受けた――という一言では済まされないくらいに「似た」ドレス。

デザイナーでもあるみおに指摘を受けたり、一方でエンジェリーシュガーのデザイナー・天羽あすかに「影響を受けることも大切、どんどん受けちゃいなさい」と助言を受けたり……などのフォローはあったが、もし彼女が、このままアイドル・デザイナーの努力の結晶=歴代プレミアムレアドレスをモチーフにしたデザインを続けていくのなら、相応の成長(=納得できる落としどころ)が求められてしまう。未熟な彼女が、ただでさえ短い尺で本当にそこまで辿り着けるのか……? という心配はもちろん、自ずと「らきがネガティブな評価を受けている理由」が察せられてしまって、この時は内心頭を抱えずにはいられなかった。

 

アコガレカスタマイズ☆

アコガレカスタマイズ☆

  • わか
  • J-Pop
  • ¥255

 

しかし、そんならきの姿を見ていると、なんだか「他人事とは思えない」感覚もあった。最初は単なる共感性羞恥かとも思ったけれど、すぐにそれは違うと思い至った。なぜなら、自分にもらきと同じ……もといそれ未満の「 “既存の作品にインスピレーションを受けた” と言って、その模倣めいた作品を作り、オリジナルと言い張る」という時期があったからだ。  

そこで、はたと気付いた。ひょっとして、姫石らきは単なる「等身大のキャラクター」ではなく、現実の「アイカツ!に触れて育った子ども」をモチーフにしたキャラクターなのでは、と。

 

第9話 乗っちゃお!ビッグウェーブ

  • 逢来りん
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創作の始まりとして誰かの作品を模倣してしまい、それを惜しげもなく当人に見せてしまう=それを疑いなくオリジナルだと思ってしまうのは、それが実際の「アイドルに憧れて、自分もドレスをデザインしたい」と発起する子どものリアルだから。  

彼女が未熟な存在でありながら、歴代アイドルと何人も出会い、時にはあっさりと共演までやってのけてしまうのはアイカツ!筐体をプレイする子ども」もそうだから。  

(「ラッキー」には、それをアニメにした結果生まれる歪みを捩じ伏せる/最低限の都合を付ける意味合いもあるのかもしれない)

 

……つまり『アイカツオンパレード!』とは、単なるクロスオーバー作品ではなく「アイカツ!シリーズと、それをプレイしてきた子どもたち」という歴史をアニメに落とし込んだもの。アイカツ!が幕を下ろすに当たって「このコンテンツは、筐体を通じて共に育ってくれた子どもたちがいてくれたからこそ」という歴史をシリーズに刻み込むための作品だったのではないだろうか。  

最初は自分も「流石にオタクの深読みがすぎるか」と思っていたのだけれど、そんな自分にこの説を半ば確信させたのが、第16話『輝きのらき』におけるこの台詞。

 

「この国の子どもたちにとって、あなたはここにいるアイドルの誰よりも身近な存在。だからきっと、あなたが舞台の上でお姫様になれたら……ステージの上で輝くところを見せられたら、子どもたちに笑顔を、夢や希望を与えられる。それはらきさん、あなたにしかできないことです」

-「アイカツオンパレード!」 第16話『輝きのらき』より

 

第13話で「想いを込めることで衣装がドレスになる」と学び、第15話で「ファンの大切さ」を知り、「誰に、何を伝えるためにステージに立つのか」を意識したこの第16話では、ジュエリングドレスモチーフのドレスを「目的」ではなく、子どもたちを笑顔にするために必要な「手段」としてデザインするなど、らきは一歩一歩確実な成長を遂げていき、第18話『君のエントランス』では、「みんなへの感謝」を胸に自分だけのプレミアムレアドレス=リルリボンストーリーコーデを完成させてみせた。 

しかし、彼女はどれだけ成長してもその本質=「子どもに誰より身近な存在」というアイデンティティーを違えることはなかった。それはきっと、らきが「アイカツ!と共に育った子ども」そのものだったからなのだろうし、本作のクライマックス=アイカツオンパレード!が「彼女自身がアイドルとして大成してステージに立つ」機会ではなく「歴代アイドルが輝く舞台をプロデュースし、その経験で大きく成長する」機会として描かれたことには、字面以上の特別な文脈を感じずにはいられないのだ。

 

第22話 全員集合!オンパレード!

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「離れていても、同じ光の中を歩いていく」

 

先輩アイドルの背中に学んだらきは、やがて先輩のドレスではなく「ファンの笑顔」を見るようになった。先輩の力を借りるのではなく、不恰好でも「自分自身の力で何かを成す」大切さを知った。そうして真にアイドルとしての一歩を踏み出したらきの姿は、作り手から子どもたちへのアイカツ!を糧に、自分自身の一歩を踏み出してほしい」という願いであるように思えた。 

そんな彼女に、いちごたちは語る。

 

「もっと先輩たちとアイカツして、もっともっとたくさんの人を笑顔にしたかったなぁ……!」
「私たちはずっと、らきちゃんのすぐ側にいる」
「そうそう、大丈夫。ひとりじゃないよ!」
「私たちはね、見えなくても空で輝いている星なんだよ! ね、あかりちゃん」
「そう! これからも私たちのアイカツは続いていく。夢は見るものじゃなくて、叶えるもの。だよね、ゆめちゃん!」
「ふふっ」
「約束しよう。私たちは離れていても、同じ光の中を歩いていくんだよ」

-「アイカツオンパレード!」 最終回『光る未来へ』より

 

アイカツ!シリーズは終わる。筐体という「扉」は無くなり、いちごたちと会うことは叶わなくなる。けれど、彼女たちはここではない世界でアイカツを続けていくし、らき (子どもたち) の中にも彼女たちの想いが確かに残された。

 

カードもともだち! (Version 2)

カードもともだち! (Version 2)

 

だから、アイカツ!は終わらない。コンテンツが終わっても、その輝きを引き継いだ子どもたちの歩みが新しいアイカツになる。 

アイカツ!』『アイカツスターズ!』『アイカツフレンズ!』それぞれの所作を重ね、その上で「扉の向こうへ飛び込んでいく」というらきのドレスアップは、そんな継承のメタファーであり、先輩たちからバトンをもらった証。 

扉が無くなっても、もしいつかアイカツのことを忘れることがあっても、貰ったバトンが胸の中にある限り、決してあなたはひとりじゃない/キラめくラインは絶えず紡がれていく。それが、アイカツ!シリーズが「姫石らき」を通して贈り届けようとした最後のメッセージだったのかもしれない。

 

SHINING LINE* ~いちご & あかり & ゆめ & あいね & みお & らき ver.~

SHINING LINE* ~いちご & あかり & ゆめ & あいね & みお & らき ver.~

  • らき・あいね・みお from BEST FRIENDS! /わか・るか・せな
  • アニメ
  • ¥255

 

あの日の「姫石らき」たち

 

それから5年、どういうわけかアイカツ!というコンテンツはピンピンしている。厳密には「自分がシリーズに飛び込んだ2022年辺りから急に元気になり始めていて、今となってはオンパレード!当時に (おそらく) あったであろうお通夜ムードはどこ吹く風だ。オンパレード!最終回に涙した数時間後に「じゃあ今週のデミカツ通信観るか……」と、当たり前のようにアイカツ!新作を享受し始めた自分の奇妙な行動も、そんなアイカツ!の現状を表すサンプルケースの一つかもしれない。 

なぜこんなにアイカツ!が盛り上がっているのか。何度か先輩ファン諸氏とそんな話をしてきたけれど、実際にその理由が観測されたのが、先日行われたあかりGeneration10周年記念イベント『キラッキラ!』だ。

 

 

自分は生憎オンライン視聴となったこちらのイベントだけれど、現地に参加した先輩ファン諸氏に曰く、このイベントには多くの「若い世代のファン」が見受けられたのだという。それはおそらく、自分のような後追いファンでも「当時既に大人だった」ファンでもなく「当時、筐体でアイカツしていた子どもたち」なのだろう。アイカツ!は「終わらなかった」のではない。あかりたちからバトンをもらった子どもたちが、かつての「姫石らき」たちが、コンテンツを繋ぎ止め、未来へと導いてくれたのだ。  

自分はアイカツ!に成人してから触れた新参者だけれど、こうして「バトンが繋がれる」様に何も思わないほど老いてはいない。大人として何ができるのか、このキラめくラインから何を学び、何をすべきなのか。それを探しに、残る二作品も心して見届けていきたい。

 

第1話 アイドルは突然に!

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