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幾世の鈴

少し前ですが、『あきない世傳金と銀』の特別巻(下)を読む。

幾世の鈴 あきない世傳 金と銀 特別巻(下) (ハルキ文庫 た 19-32)

昨年、特別巻(上)は読んでいた。

もちろん物語が良かったのは言うまでもなく、掛け値なし!

主人公幸とそれを取り巻く人々のその後の話。

これまでの十三巻と違って安心できるストーリーばかりでほんわかした。

息詰まるような展開はなし。

なので上巻は感想を書きそびれた。

 

『幾世の鈴』についてもあれこれ書くのはもういいなと思っていたがちょっとだけ。

ここでは幸は還暦。賢輔とは夫婦になっている。

NHKのドラマでご覧になった方はびっくりでしょう。あの小芝風花さんが還暦で、あの子供の賢輔と夫婦だなんて想像できます?(シーズン2が始まるそうですね)

第一巻から読み続けていたので時の流れを感じつつ、ふぅと息を吐くような気持ちになる。

特別巻は上下巻とも安心して平穏に読めます。

そしてここでもやっぱり菊栄さんのストーリー『菊日和』が一番好き。

新しい髪飾りについて模索する様子がいい。

女性の髪を飾るものには櫛(くし)、簪(かんざし)、笄(こうがい)、それに掛物と呼ばれる手絡、根掛、丈長(たけなが)の三種がある。

古代縮緬の鬼しぼの白無地を紅掛空色に染めたもので根掛をつくり売り出す。

ヒットする!!

 

菊栄はこの根掛ではまだ満足せず、生きてゆくのに欠かせないものではないが、そのひとらしくあるためには何より大事なもの、良き事の少ない生き辛い浮世にあって、わずかな彩になるようなもの、女ゆえに課せられる理不尽を軽やかに払い除けられるような品をと考え続ける。

 

この探求にしびれます。

なのに櫛と簪くらいしか形をイメージできないわたし。

江戸の髪結いの知識がもっとあれば・・と思いました。

 

この特別巻上下でこのシリーズはもうおしまいになるのだと思っていたら、巻末に五十鈴屋の後継者たちの物語を書くとの作者のお言葉があり!

『菊栄』にも後継者が登場するといいなぁと熱望するのでした。

 

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