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半世紀前の日本の学生運動、のこと・メモ&雑感

ふっと振り返れば、半世紀前の日本の学生運動だって似たようなものだったと思う。
煽動する能力に長けたトップと、それに盲従する烏合の衆と。
ただの烏合の衆だったからこそ、年月を経てあの騒動をマイナス面から総括できる人は一人も出てきていない。

「親パレスチナの高校生たちは、自分たちがなぜデモをしているのかさえわかっていない。ただ流行っているから行っているだけ。彼らにガザはどこにあると地図を見せても、彼らはガザの場所を指さすこともできないだろう」とマディ・セイディ氏

 学外の活動家が講堂を占拠し、学生たちの晴れの場である卒業式を妨害。ついには警官が突入して排除&逮捕。大学と学生は被害者なのに、なぜか「学生のデモを警察が排除」と報じるマスゴミ

 当時は高い理想をかかげて若気の至りで暴力を含む過激な活動に走ったけれど、就職して世帯持って子どもを成人まで育ててみたら当時とは心境が変わったとか自分の息子がもし同じ活動に走ったらどうするとか、いくらでも振り返ることはできるはずなのに、それを発言しないのかできないのか。

 ここで「半世紀前の日本の学生運動」と言われているのは、字義通りにひとまず解釈するなら、70年安保に向けてのいわゆる全共闘運動時代の学生運動ということになる。これがそのまますんなりと、60年安保当時の全学連にまで地続きにされてしまうのが、いまどきTwitterSNS世間というか何というか、なのだが。

 いや、言いたいことはよくわかる。わかるし、ことさら異を立てることでもないのかもしれない、とも思う。

 けれども、さはされど、ではあるのだ。

 「歴史的現在」という言い方が適切かどうかはわからないが、とりあえずそういう〈いま・ここ〉から地続きの「ほんの少し前のこと」(only yesterday) という時間軸に関する語り/語られ方というのは、いわゆる杓子定規かつ学術研究的な意味あいにおける「歴史」あるいは「歴史学」などの語彙の意味の重力圏内の縛りとはひとまず別の、〈いま・ここ〉に未だ生きて暮らしている生身の同時代が確実に「いる」限りにおいて、そしてその前提での「語り」がその個体、またはその個体も含めたある共同性の文脈において常に現在形で語り直され続ける可能性があり得る限りにおいて、決していわゆる「歴史」の側には回収されることのない、その程度に絶対的に〈いま・ここ〉の〈リアル〉の側に未だ「ある」――そういう種類の「現実」であるということなのだと思っている。

 その意味で、「半世紀前の日本の学生運動」というのも、未だそういう種類の「現実」であり、〈いま・ここ〉から地続きの「ほんの少し前のこと」でしかないのだし、まただからこそ――ここから先が本題なのだが、そのような現実に対する格別の斟酌や忖度、なにがしかの敬意、人として最低限の「教養」(humanities)的な留保や雅量をできる限り自覚的に制御しながら、口にし、語り、また言葉にして同じ〈いま・ここ〉の言語空間に放ってゆくべきだと信じる。

 まあ、ひらたくぶっちゃけて言えば、その時代をうっかり生きていたような世代がまだ眼前に生きているんだから、そういう事実については人として最低限の「教養」はわきまえておくべきだと思うぜ、ってことなのだが。別にあの「政治的に適切」がどうこうといった話ではないにせよ、でもどこかでその話にもつながらないわけでもないというあたりのしちめんどくささをはらんだお題ではある、ということも含めて。

『彼は早稲田で死んだ』を読むと、1970年代前半までの大学キャンパスは暴力と恐怖が支配する無法地帯にしか見えない。先鋭化し内ゲバを繰り返した運動がその後のアレルギーを生んだと考えると、上手にソフトランディングされていたら学生の政治活動が忌避されたり冷笑されずに済んだのかなとは思う。

 「学生運動」における国公立大と私立大の間の、その暴れっぷりやこじれっぷりなども含めてのありようの違いについて、といったあたりもまた、いまひとつきちんと言語化されていない領域の問いになるのかもしれない。たとえば、呉智英夫子の語るこのあたりの手ざわり、とか。
king-biscuit.hatenablog.com

 そして、同じその「学生運動」において、おんなさんがたはさて、どのような現実をどのように生きていたのか、というあたりのことも、ああ、ほんとにこれまたさらに言語化されぬまま、一部の胡乱な人がた(婉曲表現)による偏りまくった体験だのつづり方だのだけに紐付いた理解の水準だけで未だにかたづけられているように見えるのだけれども。


 




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