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ブロクリ2024参加作品を読む:22日目(ぞひ丸さん「ガンダムSEED世代なのに一度も観たことなかった僕が劇場版キッカケにドハマりした話。」)

余談

フランスの作家アンドレ・ジッドは「私はいつも真の栄誉を隠し持つ人間を書きたいと思っている」という言葉を遺したという。筆者は今、ジッドと同じ時代にいることができなかったことを大いに嘆いている。

「彼を見よ」ジッドに筆者はそう言いたくて仕方がない。

「ぞひ丸さんを見よ。彼を書かれればよろしいでしょう」と。

無駄をそぎ落としたアイコンを見るだけでなぜか笑いがこみあげてくる、そんな不思議な能力を持つぞひ丸さんと出会ったのはやはり2021年頃、スペースがきっかけであった。

2021年8月8日――。

妻が筆者に決してなしえない大仕事を成し遂げてくれ、我が家に娘が爆誕したその翌日、後に世界を震撼させる学説もまた、爆誕していた。

「初期ティガ」である。

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この日生まれた説は燎原の火のように燃え上がり、杉の花粉のように飛散して、公式も反応するなど(開いた瞳孔)すさまじいムーブメント……いや「真実」となった(しないまばたき)

ハシゴを……外されている……!

ちょうどこの頃は(残念ながら今も無数に)蔓延る陰謀論に辟易としていたところに、「本当の陰謀論」がやってきて全身が粟立ったのを覚えている。凡百の陰謀論は見出しでまず疑問符がつき、読み進めていくうちに失笑が漏れ、最後には時間の浪費を後悔して終わるが、「初期ティガ」においてはいやいやまさか……からの「そうかな……そうかも……」への移行が自分でも驚きながら、しかし受け入れてしまいそうなことに戦慄させられる。ぞひ丸さんがこの文才と機略を正しい方向(?)に使ってくれるひとで本当に良かった。トム・ブラウンみちおが漫才の道を選んでくれたのと同じくらい、同時代の人間として感謝すべき出来事であろう。

そう、その界隈のでかい嘘というのは、その界隈に精通して細かい真実を並べ立てて補強できる人物でなければ、難しい。ぞひ丸さんはそれができる人なのである。ウルトラマンを愛する心と膨大なエピソードデーターベース、そして何よりもそこを拾う⁉ という余人の追随を許さぬ視点・観察力がなければ、一笑に付されるのみである。

ぞひ丸さんの鋭い眼は今日も真実を映している……。

多分……きっと……(目をそらしながら)

この後、コロナ禍が収まりを見せない中で公開されたシン・ウルトラマン。そこに至るまでの道のり、そして公開されてから自ら鑑賞されるまでは朗らかなぞひ丸さんが明らかに精神の均衡を崩している様が散見され、大いに心配したし、果たして筆者は1つのコンテンツに対してそこまで真摯に望むことができるだろうか、とも思った。

それだけに、鑑賞した後のお兄さんとの「パーフェクトな映画だったな!」というキャッキャぶりが微笑ましく、また安心したものだった。ぞひ丸さんのツイートにはちょいちょいご家族が出演されるが、そこから垣間見られる関係性、そして皆さんそれぞれに特撮観のようなものが感じられるのがとても好きである。

そんなぞひ丸さんのブロクリ2024読みました記事が遅れたのは前回も書いたような業務の未曽有の滞りの他にも理由があって、そのうちのひとつはちょうどこのぞひ丸さんの好対照性がよく表れるような出来事があったからである。

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1つは「平6ラジオスクワッド」である。既にこの企画にも寄稿してくださったかずひろさん、れんとさんと同い年の絆-ネクサス-で結ばれたぞひ丸さん(実はマンネ/最年少ポジション)はスペースの勃興より交流を深め、実際に対面されたりもしていた(が、実はまだ3人そろってはないらしい。これは……かずひろさんの披露宴で集結という展開なのか……⁉)。この3人が参加するとスペースは一気に華やぎ、スピーカーであっても聴衆であっても大変楽しい時間を過ごせるのだが、この度企画として3人でラジオ企画が始まった。

筆者も早速拝聴し、せんべいをかじりながらワイドショーに物申すおかんのようにコメントをしていったのだった。

何のラジオ???????

気になった方は是非ご一聴いただきたい。この後半で繰り出されるのがぞひ丸さん謹製の「謎のゲーム」である。聴いていて筆者などは全くわからないのだが絆-ネクサス-で結ばれたかずひろさん、れんとさんはかなり肉薄しており、「孫悟空はそりゃバケモンだけどベジータやピッコロだってめちゃくちゃ凄い」ということを改めて認識したような体験であった。

ぞひ丸さんの膨大な知識と稀有な着眼点がファニーな方向に化学反応を起こした結果と言えるだろう。

もう1つはその翌週同じく音声メディアの形で行われたこちらだ。

いつの日か筆者も出演するような人間になりたい憧れのメディア、オリジンタビュー。実はぞひ丸さんはオリジンタビューの常連であり、特に「キン肉マン編」は主催の光光太郎さんも認める神回であるのだが、現在のようにオリジンタビューがPodcast形式でアーカイブされる前のことであったため、残念ながら現在聴くことは出来ない。いつかシン・キン肉マン編を収録していただきたいところである。あれから本編も動きがあったし、アニメもやっているし。

キン肉マンといえば今ではとても言えない(いや当時だってだめだろうと思うのだが)出自を持つヒーローとして生まれたわけであるが、それだけでなくその物語は友情・努力・正義に彩られながらもとんでもないツッコミどころが平然とつづられている。この辺りもぞひ丸さんの稀有なセンスを育てた一端ではないかと筆者は睨んでいる。

さて本編。ぞひ丸さんの重層的なオリジンをいつもの緩やかな誘導で続々引き出していく光光太郎さんの手腕はもちろん、改めて「初期ティガ」のような陰謀論を語るためのウルトラ好きとしての筋肉がいかにムキムキであるかを改めて感じさせられた時間でもあった。へのつっぱりはいらんのである。

同様にぞひ丸さんが特にウルトラマンを語ったこれも伝説のスペースとしてセブン、さんとのスペースがあり、これも残念ながら録音が現存しない…と思う(あったらすごい嬉しいのでもし見つけたら教えてください)のだが、そこでも通底する超越者ウルトラマンがアリやセミのごとき人類との間で育まれる友情や今なお古びないストーリー、ウルトラマンや怪獣の造形への語りはしみじみと響き、またウルトラマンという作品がわずか39話しかないことに改めて驚かされもするのであった。しかしそこで「やられ」の美学、倒錯したフェティシズムに話が進んでいくことがまた「らしさ」でもあるのだが……。

正と奇を自在に操るぞひ丸さんの真価が発揮された2つの音声メディア出演だったと言えるだろう。

ぞひ丸さんの魅力は多面的でありまだまだ語ることは山のようにあるが、いつの間にか3,000字を超えてしまったのであと1つに絞らせていただくと、「プリキュア数寄者」としての側面がある。冒頭に紹介した「初期ティガ論」がそれ故の「発見」であったことは読者諸賢も既にご理解いただけているところであろう(正気を失った目)。

これはティガが引き寄せた奇跡だと思われていた……。恐らくはぞひ丸さん自身もそうだっただろう。

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そんな……(驚愕)

娘も1歳を迎え、プリキュアも嗜み始めた頃。先年より筆者自体のプリキュア解像度とでも言うようなものが上がっていたため、より納得度を持って読み進めることができた。もはや言い訳は不可避、円谷公式の声明も時間の問題かと思ったが未だ出る気配がない。円谷は扱っているコンテンツが何万年単位なのでやたら気が長いのが困る。ツブイマのFireTVアプリを出せ。

もちろん翌年は当然のように平六の熱いアシストを経てガイアとの関連性が解き明かされていた。ダニエル議長も納得である。

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しかし翌年、もちろん対象となるTDG三部作はすでになく、さすがにぞひ丸さんのウルトラ=プリキュアマトリクス記事も打ち止めかと思われた……。

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そ…

そうきたかァ~~~ッ

プリキュアの登場人物たちに温かくエールを送るぞひ丸さんの「メッセージ」シリーズ。そこにメフィラス星人を絡ませることで生まれるダイナミックかつぞひ丸さんらしさを失わず、更にわんプリが既存シリーズにない「ある展開」に踏み出したことへの氏だからできる最大限のエールになっている……見事なお手前であった。

そして折に触れぞひ丸さんが話されている、「特撮要素のある創作」を是非読んでみたいと思わせる内容でもあった。

またの機会があったら、ぞひ丸さんの文芸面についても語りたい。上梓を楽しみにしています。

本題

余談が、ながくなった。

いやほんとに……余談自体は描くことがだいたい固まっていたんだけれども年末からこちら公私ともにイレギュラーが重なりまくっており、まさかの2月に入ってしまうという体たらくである。

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ガンダムSEED∀ガンダムガンダムらしくないMS群の魅力を感じつつも、しかし、「ガンダムらしいMS」のガンプラを作りたいなあと思っていた筆者は新しいガンダムの報に喜んだものの、第一印象が「なんか(特に塗りが)えっちだな…」だったのを覚えている。

兄弟のお年玉を結集して購入したPS2で本体共に購入したのは「機動戦士ガンダム 連邦VSジオンDX」。勝利の時に自分が相手にとどめを刺したシーンのリプレイが入るというドチャクソにかっこいい演出に次世代機を感じながら、家庭版オリジナルのモードで1年戦争を体感し、その武骨さに急速に初代ガンダムに親しんでいき、インターネットの熱い個人HPで未だ冷めやらぬガンダム愛を感じたりもした。続く家庭版「ガンダムVSZガンダム」では続編のZガンダムまでカバー。おまけ的にZZガンダムも参戦し、友人や弟と連夜の対戦を繰り広げたものである。この頃はオンライン対戦のハードルが高く、そのため筆者は人の道を踏み外さずに済んだとも言えるだろう。

他方で「スパロボ」シリーズにはαはやってみたもののそこまでハマらず、アクションゲーム系に傾倒していくこととなった。

そんな中、SEEDは習い事と被ることもあって視聴できないことがほとんどで、当時黎明期であったインターネットに情報を頼ることになった。

でも、それがいけなかった。

あの頃のインターネットはよかった……という人がいるとすれば、それは人ではなくベンジョコオロギである。それか、インターネットの光さす場所、週刊少年ジャンプのHPやNTTの住所検索サービスを活用していた人なのだろう。

当時、インターネットにおいて売れていることはすなわち悪であった。テレビ、アイドル、アーティスト、マンガ、ゲーム……すべてのコンテンツにおいて「こんなものをありがたがっているやつはバカ、ここが変、あれがダメ、これがクソ……」といったテキストが呪詛のように何スクロールも書き連ねられていることが常であった。そして筆者もまた人生で最も愚かな時期「中学二年生」が近づいており、またそれまで父母の愛を受け、友人と温かい友情をはぐくんでいたものだから、その「毒」にてきめんにやられてしまった。

皆が言わない、隠している真実を自分は知っている、自分は物事を違う角度から見ている、自分は他人より優れた人間だ……書きながら今すぐ横の窓をぶち破って飛び降りたい衝動に駆られるが、そういったことを思ってしまっていたのである。

FF12はクソ! オレンジレンジはクソ! ワンピースはクソ! そして……ガンダムSEEDも!

回線の向こうの誰かの意見が自分のものだと錯覚した。自分が気づいたことだと錯誤させられた。過激な発言がカッコいいなんて思ってしまった。

折悪しくVSシリーズの続編が「連合VSZAFT」だったこともあり筆者のアンチSEEDは決定的になり、「見なくてもいい、クソだし」という箱に入れられた。

大学生になり、「ガンダム無双2」にてキラ・ヤマト東方不敗に理想主義の若者としてボコボコにされる様は筆者の留飲を大いに下げたものであった。

S先輩の「SEEDはまあいいんだよ……Destinyがなあ……」という飲み会での吐露に、ちゃんとリアルタイムで追ってきたガンダム好きの人の重い言葉だ……と居住まいを正したりもした。

その後、ガンダム無双がリブートした「真・ガンダム無双」がSEED無双というべき偏重ぶりであったこと、それがこけてシリーズそのものが終了したことにより、筆者のSEEDへの憎しみはますます強まっていった……。

ぞひ丸さんの記事を拝読するにあたり、恐ろしいことに20年以上ものそうした妄執を1度捨て去り、ガンダムSEED劇場版に向き合うことにした。

やっぱり塗りが、なんかえっちだな……と思ったりした。

視聴が終わり、記事に向き合うと、ぞひ丸さんの伝家の宝刀「出るわ、出るわ」によって緩和されているものの、我々や更に上の世代がぞひ丸さんたちの世代にまで負の遺産を残してしまったことが大変悔やまれたし、キャラ・スーンのノリがきつくてZZを視聴断念したことが思い起こされた。

ぞひ丸さんの文体、フォントいじり芸は「あの頃のインターネット」を彷彿とさせながらも、自らの意思と見識で綴られた文章であり、筆者は自らのインターネット黒歴史(実は∀ガンダム発祥のネットミーム)が浄化されるような心持であった。




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