余談
波に呑まれていた。
スマホにはひっきりなしに通知が来て、はてなブログのダッシュボードをリロードするたびPVが増えていく。
バズった。
(映画館に)来た、観た、書いた。コンテンツを消費してその感想を留めておくという、ちょうど1年ほどブログを開設して続けてきたそれは、今回が何も特別ということではなかった。実際、投稿直後はほとんど無風であった。
翌朝いわゆるニチアサタイムに、これまた特別ではなくいつもやっている再掲をしたところ、「小林靖子」に刺さる人たちが大勢いたのだろう、また、刀剣乱舞側からすれば「刀剣乱舞としてではなく物語として面白い」という外部の(実際は筆者は審神者でもあったのだけれど)、男性の意見を探していたのだろう、RTもいいねも観たことの無い数字になり、検索流入もあって1日で今まで1年間コツコツやってきたPVを塗り替えてしまった。
ここでしっかり立ち回りをしていればそれから5年、今では立派な「有識者」になっていたのかもしれないが、そんなことが出来る人間は15日の感想記事を23日深夜に書いていないのである(すみません)。
初めての体験はもちろん嬉しかったけれど、情報の渦に飲み込まれそうにもなった。どうやら褒められてはいるらしいが、一体ここからどうしたものか――。
そうしているうちに同じように渦でガボガボやっている青年がいた。
彼の名はログさん。名字はまだない。
この「刀剣乱舞? っていうのはよくわかんないけど小林靖子脚本には全幅の信頼を置いているので観に行ったら面白かったぜ」という「ご新規さん」として5正点の記事は公開初日という天の時・鑑賞後すぐに感想を書ける状態にある地の利・良質な記事を探し求めていた審神者諸賢たちとの人の和を得て瞬く間に拡散していったと思われる(筆者は自分の記事が書き終わるまでTwitterをあまり見ないようにしていたので詳細は不明だが、帰宅後記事を書こうとしたら既にこの記事と結騎さんの記事ははてなブログTOPにあり、どちらも同じサムネだったのでそこは被らないようにしようと考えたことは今でも覚えている)
筆者がもがき続けている間、「あ、ここ足つくわ」と気づいたログさんはすっくと立ちあがり、以下の記事を書いた。
か……かっこよすぎる……「なにって……いつも通りルーティンでニチアサ記事を書いただけだが?」というムーヴ。筆者が1週間後ようやく人心地ついて書いた次の記事が「同じ脚本の劇場版オーズを見てください」だったことを考えるとその差は歴然である。と思いきや、ツイッターではこう。
#映画刀剣乱舞 の記事がバズった責任を取って、先程アプリ版「刀剣乱舞」初めてみました。選んだ国の中で唯一の顔見知りな山姥切くんで行きます。「偽物なんかじゃない......!」ってちょっと桐生戦兎感(特撮脳) pic.twitter.com/o2OJHKehTk
— 柚樹ログ (@exloyrog) 2019年1月20日
ま…またバズっている……! オタクは初心者が沼にハマるのを見るのが大好きということを見越したあまりにも優等生なムーヴ……! 以降度々驚かされる「フッ軽」ぶりは既にこのころから全開だったわけである。
更に翌日、以下の記事が投稿された。
筆者の記事を褒めてくれていたので大変有難かった。筆者はまんまとログさんをフォローさせていただいたのだった。
この時ログさんは人生で人間が最も自由だと言われる内定後の大学四年生。その時間とフッ軽ぶりを存分に見せつけていたが、就職後はさすがに少し控えめになっていった。数多のブロガー・ツイッタラーのように社会人になることで極端につまらなくなったり更新頻度が減ったりしてしまったらどうしよう……と思っていたらばっちり東京エンドゲームに参加していた。
多分、結騎さんはブロクリ2024周りにおけるパロットモンみたいなもんで見た人はブロガーになるんだと思います。
そんなログさんが社会人になるにつれて比重が大きくなっていったのは特撮よりはアイドル、とりわけハロプロのようであった。
あのバズから約1年後、無念の記事は今読んでも胸を打つ。この後のコロナ禍の本格化による無観客での終幕――アイズワンをそのように見送った筆者にとっても決して他人ごとではないここからのこぶし記事は心身に余裕がないと見られない魂が乗った記事だ。
それでもログさんはハロプロアイドルを応援し続け、精力的に記事を上げていくが、とりわけ筆者が心惹かれたのはこの記事であった。
こんなすげえ楽しそうなログさんを久しぶりに見たな、と思ったし、そうさせるアイドル――アンジュルムにも興味が湧いた。こうして筆者はログさんのおかげでアンジュルムと出会い直すことが出来たのである。
アンジュルム以外にこのころスペースでプレゼンされた段原瑠々さんも筆者はひっそりとずっと応援していたりする。
また、2022年からはハロオタ諸賢向けのアドベントカレンダーを主催されており、今年も瞬く間に埋まった人気企画である。筆者が技術系以外のアドベントカレンダーを知ったきっかけでもあって、いわばブロクリ2024の原初の父と言えるかもしれない。認知してください。
SHOWBOY、お笑い、音楽――それ以外にもログさんを構成する要素は数多いが、とりわけフェミニズムや反差別に対する姿勢は筆者がログさんを尊敬する友人として見る理由の1つである。
上記で講演された和田彩花さんはアンジュルムの元リーダーでもあり、応援するアイドルグループから受ける影響としてもっともよい種類のものだと感じた。
多趣味多才であるけれど根が優しくてコンテンツを「切る」ことが難しく、いつもコンテンツと取っ組み合っている印象がある。また大波に乗るログさんを見る日は近いかもしれないが、おっさんからすれば心身を大切にしてほしい。そして、「仮面ライダーガヴ」の感想を語り合いたいものだ。
本題
余談が、ながくなった。
そんなログさんと初めてツイッターでリプライを交わしたのは「ベボベは今3人」という衝撃の事実をログさんがさらっと言われたからであった。ギター湯浅がいないなんて……じゃあ誰がダンスを……?
てなわけでログさん(と、そのブログ)を構成する要素として欠かせないのが音楽だろう。なにしろログさんと言えば高校の学園祭で当日出られなくなったバンドの代わりに急遽結成した1日限りのバンドでステージに立つという誰もが一度は思い浮かべたシチュエーションを現実に行ったお人……多分言っていないだけで授業中に後者に現れたテロリストも人知れず殲滅している可能性がある。
本当は前編にも言及したいし紹介してくれた曲は全部良いのだけど特に筆者も思い出深いものをいくつか。
「DocumentaLy」、大学時代に聴いたなあ~~。サカナクションはこれまたS先輩が「PVが面白いバンド」としてネイティブダンサーやアルクアラウンドを教えてくださって、初めて触れた「新曲」が「アイデンティティ」で、ますます引き込まれたのを覚えている。もちろん「『バッハの旋律を夜に聴いたせいです』」にもガツンとやられた(2つともちゃんと変なMV)「モノクロトウキョー」だけやたら聴いている時期もあった。「新宝島」以降タイミングもあって離れてしまったが、郷愁だけではなく新しいサカナクション、今のサカナクションに触れたくなったし、長いので飛ばしがちだった「目が明く藍色」をちゃんと聴きたくなった。
ペトロールズは「OSCA」の音源を高校時代に友人に聴かせてもらって、東京事変のイメージしかなかったので一つの曲の表現の仕方の面白さを教えてもらった。
娘が物心ついてからは「はのうた」に大変助けられている。今日も娘は「ショッショッツティーッショッ」の動きがやたらと機敏だ。今MV見るとちょっと泣きそうになるな。急逝された河村さんの魂安らかなることを祈ります。
jazzはなんか好き、なのだが全く詳しくなく、ちょっとリラックスしたいときなどアレクサに「jazzをかけて」というくらいだったが今度からは「Have You Heardをかけて」ということができそうである。Swingというのが実際jazzにおいてどのような状態を指すのか筆者はよくわからないが、聴いていて筆者にはそれがあるように感じられ、霊肉を揺らすとはこういう感じなのだろうか、とも思った。
今回紹介されたコンテンツ――実際は2年も前の話なのだけど、本来この下書きが世に出るタイミングからしたら「2年後」の出来事だったはずで、下書きを仕上げることの面白さを感じる――にも触れられている愛聴しているPodcast「柚樹ログの話がしたいよ」の更新も待ち望んでいる。M-1の感想とか聞いてみたいものである。
他にも月評のようなその月に触れたコンテンツのレビューがまとまった「かるちゃーのおふとん」、「ハロメンと私」「週刊 絆-ネクサス-」など、続きを待ち望んでいるログさんの企画は数多あるので、気が向いたら是非書いていただきたい。
でも一番好きなのはログさんの日記かもしれない。スッと出る言葉のチョイスが面白い。今回、久々に購読リストに更新通知があって嬉しかった。またこの喜びを味わいたいものである。(現在アドカレの感想記事で大変奮闘されているが。共に頑張りましょう)