この間、ちょろっと神戸に行った。神戸は、なんて洒脱という言葉が似合う街なんだ!と僕は、たった3時間の滞在で打ち震えてしまった。なんか、もう、出会う人が皆洒脱なのである。
やはり神戸といえば中華だろうか
昼過ぎに神戸空港に到着した。ポートライナーに乗り込む。モノレールで移動するのだあと思ったのだけど、調べてみたところ、ポートライナーはモノレールではなく、AGTという輸送システムであるようだ。いくつかの駅をすぎ、次第に整った街の全景が見えてくる。港には底の赤いのっそりとした様子のフェリーがとまっている。空港、港、新幹線。人々がつどう交易の街、神戸だ。
ご飯を食べることにした。どんな経緯だったか忘れてしまったのだけど、Googleマップに行きたい店として登録されていた中華料理屋があったので行ってみることにした。神戸と言えば一般的に何を食べるとよいのだろうか。神戸ビーフはもちろん有名なわけだけど、めちゃくちゃ高そうだし、昼からステーキがっつり食べるのか?とも思う。中華街も有名だし、まあ中華を食べてみようではないか!ととりあえず、順徳へと向かってみることにした。

中華 順徳のラーメンをすする
僕は、神戸は二回目で、とはいっても前回来たときは、早朝のフェリーで到着し、漫喫で仮眠して、ボーっとした頭で、松屋かどこかで朝ごはんを食べただけという感じだったので、ほとんど神戸については初心者である。順徳は、中華料理屋なので、勝手に中華街にあるのだろうかと思って歩いていくと、そこは小さなビルがポコポコと立っているエリアで別に中華街でもなんでもない場所だった。

中華街のがっつり中心地に行くと、いかにも観光地という感じになってしまって、加えて人も多いだろうし、これくらい静かなところで食べる中華のほうが、落ち着いた気持ちで食べられてよいのかもしれないなと思い入ることにした。
ラーメン チャーハンセットを注文してみた。入る前は気が付かなかったのだけど、中から見るとモダンな印象のステンドグラスが大きく壁にはめ込まれていた。僕以外には、一人お客さんがいるだけで、大変静かな店内においてステンドグラスは妙な存在感を放っていた。

ラーメンと、小さなチャーハンがやってきた。

スープを飲む。さっぱりしていて、どんどんと飲みたくなってくる薄い旨味がいい感じである。麺は日本のラーメンというより、中国の麺だなという感じの柔らかめの麺だ。いい感じのバランスで、油彩の世界ではなく、水彩の世界で出てきそうなラーメンである。チャーシューはけっこう特徴的で、中華料理屋に出てきそうな、醤油だれに漬け込みましたよ!という感じではなく、香辛料の感じがある。

昼ご飯を食べ終えて、神戸の街を歩く。落ち着いた、しかし賑わいのある住みやすそうな都市だなあと思う。そういえば、いとこが住んでいるという噂を聞いたことがあるがいまこの街のどこかに歩いていたりするのだろうか。

にしむら珈琲店のアイスコーヒーのグラスが好き
アーケードを歩いて、にしむら珈琲店へ向かった。前回、神戸に来た時も寄ろうとしたのだけど、店の前に5人くらい並んでいてあきらめてしまった。今回は、普通に入ることができた。

にしむら珈琲店は、神戸のローカルチェーンの喫茶店なのだけど、内装はちょっと品のいいホテルのような趣がある。本店は1948年の創業だそうだ。秋といってもまだ少し暑いなあという季節なので、アイスコーヒーを注文した。

アイスコーヒーのグラスが、めちゃくちゃよかった。分厚くて、重くて、歴史刻んできたぜ!というような品があった。僕は、このグラスをしげしげと眺め、神戸は、なんかいちいちすべてがかっこいい気がする。いいな、神戸......と思った。コーヒー自体もとても美味しかった。

帰りがけ、グラスがかっこよかったので購入することにした。レジの男性は、このコップいいでしょ、たしか、創業時から変わってないんじゃないかなとニカっとほほえみグラスを包んでくれた。そのあと、ちょっと会話をして、あまりオープンに書く感じではないかなということもあったので、詳しくは書かないのだけど、たたずまいがかっこよくて、僕のにしむら珈琲店の記憶はこのおっちゃんになった。
賑わいの神戸を歩いていくと中華街に出た。この辺で中華料理を食べようと思ったら混んでいそうだなと思った。順徳に行ったのは正解だったかもしれない。

書店 1003へ
中華街を抜け、神戸の書店 1003に向かった。Googleマップを見て歩いてきたのだけど。店がどこにあるのかが、ぱっと分からなかった。きょろきょろとあたりを眺めていると、ビルの入り口に小さく看板が出ているのを見つけた。よく見てみるとGoogleマップの住所欄に部屋番号が書いてあった。まぬけである。

いいかんじの雑居ビルである。5階のようなので薄暗い階段をのぼっていく。

店内は明るく、開放感があった。モダンな感じの内装でかっこいい。本を見つくろう。会計の時に、少し店主の方と話をした。僕は、神戸ってなんかおしゃれでいい所ですね......とかそんなことをしゃべった。目立つところに自分の本を置いていただいていた。ありがたい!ZINEもいろいろ取り扱っているようで、ツイッターでフォローしている方の作っているZINEがあったので購入した。古本も取り扱いされていて、興味深い本がたくさんあって、面白かった。

神戸発祥のカクテル ソル・クバーノを飲む
行ってみたかったバーが15時からオープンのようだったので、店を出るとちょうどいい時間だった。少し歩いてバスに乗り込む。すこしレトロな感じで、観光バスのようである。なんと、バスに乗務員のかたがいて、制服を着て、次は~と実際に案内をしているのである。令和にこんなバスがあるんだなと驚いた。
目的はSAVOY KITANOZAKAというバーである。ソル・クバーノという全国的に飲まれているカクテルの発祥の地とのことで行ってみたいなと思っていたのだ。15時からやっているというのがいいな。休日の昼過ぎに飲む酒は尊い。エレベーターに乗り込んだ。

店内は薄暗い。15時を少し過ぎたくらいの時間に入店したのだけど、すでに先客が数名いた。人気店なのだなあ。一番すみの席に案内された。やや緊張しながら、ソル・クバーノでと告げた。バーテンダーは、はいと答えて去っていった。
隣の人たちもソル・クバーノを注文していた。やはり有名なようだ。何かの師弟関係なのか、うっす、そうっすよね、おっすという言葉がやたらと聞こえてきた。テーブルにはライトの明かりが落ちていて影の中にぼんやりとした光の円ができている。円だなあと思っていると、ソル・クバーノがやってきた。
グラスはたっぷりカクテルが満ちていて、ふたをするように輪切りのグレープフルーツが載っていて、中央には、ストローが刺さっていた。

こちら、半分飲んだところで、フルーツ食べやす用にカットしますので、教えてくださいねとバーテンダーは告げて去っていった。ごくごくと飲む。ラムベースでグレープフルーツジュースとトニックで割っているらしい。めちゃくちゃ飲みやすくて、猛然と飲んでしまう。そんな僕を横目で見ていたバーテンダーはすっと前にやってくると、そろそろフルーツカットいたしますと言って、グレープフルーツを持ち去っていった。
薄切りのグレープフルーツは綺麗に切られ、皿に盛り付けられ帰ってきた。暗い店内で、グレープフルーツはしっとりと光っていた。神戸で愛されるカクテルというのがわかる気がした。

ひとり、人生について考える昼間のひと時ということであればこれは何とも文学的な色の出てくる大人の時間なわけなのだけど、僕の頭の中は、ホテルも予約せずに、ふらっと来たら、万博と中国、韓国の連休でホテルがほとんどあいておらず、空いてても4万円などという世俗的な困難が頭をしめていたのだった。(泊まらずにそそくさと帰宅した)
ついこの間本が出たよ! いろんな旅行記が入っているよ。見てみてね!