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20250303_雪の記憶

3月3日(月)

仕事が終わらない。粛々とこなす系の仕事が多いので、ひたすら粛々とこなすしかない。嫌な仕事ではないが、いかんせん量が多い。ぜひAIに仕事を奪ってもらいたい。お礼にお菓子とかあげるので。

午後からは会議。会議の休憩時間に窓から外を眺めると、雪が降りだしていた。見とれてしまう美しさだった。そして私は山梨県に住んでいたときのことを思い出した。

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その日はとにかく仕事がうまくいかなかった。朝から設備トラブルが発生しドタバタと対応していたら、今度はまずいレベルの不良品が客先で発見されたと連絡が入ってしまった。とにかく最初にすべきは客先の在庫を全て返品してもらい、代品を至急発送することだ。もちろん、こちらの在庫品も確認する必要があるので、検査員を部屋にかき集めて再検査をしてもらった。

もろもろの計画の見直し、生産現場への展開、関係各所との調整を終えてクタクタになったあと、私も梱包作業をするため検査部屋に加わった。室内は非常にけだるい空気が充満していた。余計な仕事をやらされているという不満感を全員が最大限放ちながら検査をしている。元はといえば、検査の見落としで不良が流出している訳で、私のほうがむしろ被害者だ。しかしおばちゃんたちは絶妙に目線をすり替え、あくまで急に仕事をお願いされているスタンスを取っていた。すでに私は記録をたどっていて、どの人が検査しているときに不良流出したかあたりがついていた。しかし今それを伝えるとこの場が崩壊するので、何も言わず、このけだるい空気を維持した。

梱包を終えたものから出荷担当に引き渡す。戻る途中、そういえば今日は雪が降ると言っていたことを思い出した。工場は窓が少ない。道が止まるほどの大雪だった場合、配送がさらに遅れてしまい非常にまずいので、外に出て深呼吸がてら確認しようと思った。

外の世界はあまりにも美しかった。思わず呼吸を忘れてしまうほど。見渡す限りが白く覆われ、普段は視界を圧迫している山々との境界をなくしていた。降り注ぐ雪は見ているだけで軽さを伝えてくる。あまりに静かで、美しい空間がそこにあった。地元が全然雪の降らない場所だったので、こんな景色は見たことがなかった。ずっと眺めていると、あるときから急に世界がスローモーションになり、落ちてくる雪の粒が鮮明に見え始めた。あの感覚は今でも覚えている。

幸い道が止まるほどではないようだったので、検査部屋に戻ることにした。梱包作業に移っても、先ほどの光景が頭にこびりついて離れることはなかった。呆けた状態で作業をしていたせいか、入り数を間違えてしまい、箱を開けてもう一度数えなおしたりした。それを見ていたおばちゃんから、大丈夫かと野次が飛ぶ。これで先ほどの癒しが吹っ飛んだ。

何とか再検査が終わり、事務所に戻る。すると机の上に、小さなお菓子が何個か並んでいた。検査員さんからのお疲れ様の品ということだった。お菓子なんかでお礼になるかよ。




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