今週のお題「山」
今週のはてなブログのお題はズバリ「山」。
1.「ゆるふわ」な孤高を愉しむ
これまで幾度となく触れてきたとおり、私の趣味のひとつは登山。始めたのは2018年の秋頃。気がつけば、もう8年近く続いており、時には人生の指針となってきた大切な存在。
私の登山スタイルは、いわゆる「本格派」ではない。真夏を除いて月に1回、関西圏の低山を中心に気分転換と運動を兼ねてふらりと歩く「ゆるふわ低山ハイカー」である。特に、お気に入りは、山頂から青い海を見下ろせるルート。青い海と空が溶け合う景色を目にすると、それだけで来てよかったと思える。視界いっぱいに広がる水平線は、日々の仕事で凝り固まった思考をゆっくりとほぐしてくれる。例えば、デスクの上では出てこなかった発想やアイデアが、尾根道では不思議と浮かぶこともある。これだから登山はやめられない。
2. 実は出張講師=ハイカー?
出張の折にも、隙あらば山へ向かう。それも私の登山スタイル。
かつて前職時代、全拠点で下請法(現:取適法)勉強会を実施するべく、出張講師というミッションが急遽発生。普通なら「移動が大変な出張」で終わるところだが、私は違う。「しめしめ、これはチャンス!」とばかりに営業所付近の山をリサーチ。私が作成した研修資料より登山マップの方を熱心に眺めていたのは今となっては懐かしい思い出(笑)。
キャリーケースにはモバイルPCや勉強会資料と一緒に、ちゃっかりトレッキングシューズとポールを忍ばせるという用意周到ぶりを発揮。このギャップこそが、私のライフワークバランスの象徴かもしれない。
登山の良いところは、一人で楽しめる趣味という点だ。誰にも気兼ねすることなく、自分のペースで進むことができる。しんどければ、好きなだけ休めばいいし、気分がのらなければ途中で引き返してもいい。大自然の中に一人で足を踏み入れて、様々な事を考えながら風景を眺めて足を進める。そして頂上から頭を空っぽにして絶景を楽しむ。これぞ「孤高の趣味」。
2.我が人生の「グレートトラバース」
登山はしばしば人生に例えられる。ありきたりな比喩ではあるが、私はこの例えを嫌いではない。誰でも経験はあるだろうけど、人生には要所要所で難所がある。就職・転職・恋愛・結婚・・・。急登もあれば、岩場もある。視界が開けず、先が見えないこともある。しかし、それらを越えた先には、これまで「見えなかった景色」が広がる。

2013年からNHKで不定期で放送された番組に「グレートトラバース」というドキュメンタリーがある。プロアドベンチャーレーサーの田中陽希氏が、公共交通機関を一切使わず、徒歩とカヤックのみで日本の名山を「ひと筆書き」で踏破する壮大(かつ、かなり無茶ぶり)なドキュメンタリープロジェクト。2014年の「百名山」から始まり、二百名山、三百名山と、計500座以上を7年かけて踏破する前人未到の挑戦記録で、人気を集めたのは記憶に新しい。タイトルは山を横断移動する意味の「トラバース」に日本の山々をめぐるという壮大さを込めて命名されたとか。
私は、これまでの人生で複数回の転職を行ってきた。だがそれは、遭難ではなく現在の会社から次の会社へのトラバースそのもの。一つの頂(キャリア)を目指して登っていても、時には「このルートの先は崖かもしれない」「自分の目指す景色はここじゃない」と気づくことがある。そんな時、私は別の峰(会社)へとトラバースして、一歩一歩頂き(キャリア)を目指してきた。そして、新しい峰に立ったとき、かつての山では決して見ることのできなかった絶景―――職位、責任、報酬、やりがい―――が目の前に広がる。
※グレートトラバース3のオープニングテーマ曲より。登山中に脳内再生される名曲!
このように私は、人生の局面において「転職というトラバース」を繰り返して人生を軌道修正してきた。こうして振り返ってみれば、これで良かったのだとしみじみと思う。
もちろん、山頂に立ったと思えば、さらに高い峰が見えてくるのが人生の厄介なところ。だが、次の目標があるからこそ、足を前に出せる。「人生という名の登山」は、まだまだ道半ば。次の尾根を越えた先にどんな景色が待っているのかは私自身にも分からない。しかし、これまでの経験から断言できることが一つ。
それは、「一歩ずつでも歩き続ければ、必ず景色は変わる」ということ。
人生という名の長い長い山歩き。 先の道のりはまだまだ見通せない。だからこそ、これからも自分のペースを崩さず、私だけのトラバース(人生戦略)によって時にはルートを変えながら、まだ見ぬ絶景を探して一歩ずつ進んでいきたい。