この10月から放送がスタートした深夜アニメ「MFゴースト 2ndシーズン」を録画してから家族で鑑賞している。
1.継承される伝説と、進化したレース設定
本作はレース漫画の金字塔である「頭文字D」の続編漫画をアニメ化したもの。「頭文字D」は昔レンタルDVDで見たり、配信で劇場三部作をチェックするなどある程度のストーリーは知っている(余談だが、我が家の居間には、子供が制作したトヨタAE86のプラモデル模型を展示している)
物語の舞台は『頭文字D』から時が流れた近未来。前作の主人公・藤原拓海が主人公の師匠として名前が登場したり、かつてのライバルたちが渋い「壮年世代」として再登場したりと、旧作ファンをニヤリとさせる仕掛けが満載だ。
レース環境も進化している。峠道が舞台だった前作に対し、今作は民家のある公道を封鎖。ドローンが車を追尾し、全世界にライブ配信されるという洗練された設定に進化している。ちなみに、余談だが、レース中の近隣住民は買い物にも行けないのだろうか。法務的な視点で見ると「道路使用許可はどうなっているのか」「住民への補償は?」と、つい余計な心配をしてしまうけれど・・・。

2.拭えない「時代錯誤」な違和感
そんなハイテクな世界観の中で、どうしても拭えない「違和感」が一つ。それは、レースクイーンチーム「MFGエンジェルス」の描写。これだけ技術が進化しているにもかかわらず、摩訶不思議な点が一つ。以下の動画を見て欲しい。
彼女たちの衣装は、水着というよりはもはや下着に近い過激なもの。さらに驚くのはその役割。順位が変わるたびにアナログな掲示板までプラカードを替えに行き、その姿をカメラが舐めるように映し出す。極めつけは、優勝者が彼女たちを指名して頬にキスをさせるという演出……。
これには、一緒に観ている妻も黙っていない。 「設定が時代錯誤!」「今時ありえん!」「女性蔑視!」 と、画面に向かって悪態をつくのがもはや我が家のお約束の光景となりつつある。(そして、それをなだめるのが私の役割)。
3.コンプライアンスと「サービスシーン」の境界線
一応、法務部門マネジャーとしての視点で見ると、この運営体制はコンプライアンス的にかなり危ういのではないかとハラハラしてしまう。劇中の主催者は、フェミニスト団体から猛烈な抗議(パッシング)を受けているのは間違いない。

※視聴者が知らないところでフェミニスト団体から「あの衣装はけしからん!」というクレームを受けていたりして・・・
男性である私から見ても「このシーン、本当に必要かね?」と感じる部分が多い。 主人公が性能の劣る「トヨタ86」を駆り、圧倒的なテクニックでライバルを抜き去るカタルシス。その本筋が最高に面白いだけに、この余計な親父目線な演出がノイズになってしまうのは、実にもったいない気がする。「男ばかりのレースシーンに華を添える」という意図のサービスシーンなのだろうけど、これだけ「ハラスメント=人権侵害」という新常識がアップデートされつつある令和の時代ならば、本当の「華」の添え方は他にもあるはずでは・・・。
この「昭和的サービス精神」をどう評価するかも含めて、「MFゴースト」はなかなか考えさせられる作品である。