3月11日のこのブログの続き
それでは歴史家・磯田道史氏は作家・司馬遼太郎さんの遺作とも云える「この国のかたち」を、現在地からどう読み解いたか、その文章を元に私なりに以下に要約してみる。
・「この国のかたち」は(他の作品も含めて)司馬さんが敗戦時抱いた「なんとおろかな国にうまれたかとおもった」「むかしは、そうではなかったのではないか」という問いへの答えであった。
・「なぜこんなおろかな国になってしまったのか」という問いは「なぜ日本は19~20世紀にかけて世界を巻き込んでいった技術革命・軍事革命への対応を誤ったのか」という問いに云い換えられる。
・日本は化学を中心にした技術革命、陸海2次元から空を入れた3次元総力戦への軍事革命、石炭から石油へのエネルギー転換など20世紀初頭に起こったことを見過ごし対応を怠り誤った。
・現在私たちはAI 革命という産業革命以来といわれる時代の入り口にいる分子・原子を超え量子レベルのサイエンスが社会を変える時代で、AI革命は国際秩序も大きく変わる。ここで対応を誤れば敗戦に匹敵する不幸がもたらされかねない。
・この革命期で大切なことを「この国のかたち」が教えてくれる。それは合理主義に貫かれた「リアリズム」の大切さである。それは自分と周囲の世界に、冷静なまなざしと知性を向け、現実を正確に認識する姿勢である。
・司馬さんはリアリズムが失われた原因に日本人に内在する「のぼせやすい」ことをあげている。こののぼせやすさに「長いものに巻かれろ」の精神が加わると暴走と失敗が始まってしまう。
・人間の脳の働きを情(感情や欲求)・意(沸き起こった欲を満たす意思決定を行い行動する)・知(その意を実現するための手段や方法)に分けると、AI 革命で知の価値が下がり(AI で代替され)情と意の価値が相対的に上がる。
・あらゆる分野でAI 革命への対応を考える必要があるが「この国のかたち」はそのためのヒントを沢山与えてくれる。
◉現在アメリカ合衆国では既にホワイトカラー(知的生産活動を行う労働者)と呼ばれる職種の賃金が停滞し、反面ブルーカラー(現場で身体や技術を使う労働者)の賃金が上昇してホワイトからブルーへ職種転換をする若者が増えているとの情報が有る。この背景のひとつにはAI 革命が有るのかも知れない。
◉今日の一句
楠公の社(やしろ)ぬかづく藤の花
◉近くのスーパー店先の鉢植え
・ハナキンポウゲ

・プリムラ



・ビオラ、パンジー

