最近日本の半導体企業「ラピダス」の名前がマスコミに露出する頻度が増えてきた。
昨年9月にNHK スペシャルで放送され、まだ記憶に残っている「1兆円を託された男 半導体ニッポン復活への闘い」もまさにそのひとつでこれはRapidus(株)社長兼CEO・小池淳義氏の内外の奮闘ぶりを紹介したものだった。
また最近日経新聞の一面全体を使い「半導体復権 最後のチャンス」と題して同社会長・東哲郎氏のインタビューと関連記事が掲載されていた。
社名はラテン語で「速い」を意味するらしいが、現在の半導体が求められていることを思うと合点がいく名前である。
1980年代くらいまで世界をリードしていた日本の半導体企業は90年代から凋落し今や一部を除き見る影もない。私は同じ電気機器ながら畑が違う家電であったが、比較的近くでその推移をみてきた気がする。
(ただその中で、半導体に関連した素材や製造装置メーカーはまだ世界を牽引していて素晴らしい)
(現役の2000年代頃、当然海外製の半導体を使用していたが、不良品トラブルがあり調べていくと、その生産プロセスが各国にまたがる複雑さで驚いたことがある)
「半導体は産業のコメ(米)」という言葉があるようにほとんどの産業経済に不可欠のものとなり、近年では安全保障面からもクローズアップされている。
更にAIの登場で、最先端の微細化された半導体でないとAI の速度や経済性(省電力)に決定的な優劣が出ることが周知され、現在その覇権を握る、設計の米・エヌビディアと生産の台湾・TSMCのラインに対し、各国が国を挙げて巻き返しや取込みを図ろうと血眼になっている。
ラピダスは先に書いた会長や社長を含む日本の半導体専門家集団が設立再結集した会社で、ソニー、トヨタ、NTT、三菱東京UFJ銀など大手企業8社が出資、経済産業省が22年に支援を決め国策的な意味も持つようになっている。
24年秋には北海道千歳市に工場が完成、25年には試作ラインが稼働し、現状最先端の2ナノ半導体素子の動作を確認するまでに至っている。
27年は2ナノ品の量産開始目標時期とされ、また次世代最先端の1.4ナノ品の工場を着工するとのことである。
(ナノは半導体素子内の線幅を表し、1ナノメートルは10億分の1メートル)
◉私はかなり以前からこのラピダス関連の情報を注意してみているが、正直に言って当初は非常に懐疑的であった。
先に書いた東会長にインタビューした日経新聞記者のあとがきの一部を抜粋すると、
ラピダスにはまだ越えるべきハードルは多いものの、設立から3年で「成功するか」の議論が海外でも出ていることは期待の裏返しでもある。
現在AI 用途を始めとする先端半導体の需要は明らかに逼迫しており、予定通りラピダスが量産出来ると決定的なスタートダッシュになり得る。
余談は許さないが、この成否は企業の盛衰のみでなく、明らかに今後の日本の成長をも左右する面があり、継続してウオッチしようと思っている。
◉今日の一句
墓仕舞い抱(いだ)く骨壺冬日差す
◉近くの施設前、オオキバナカタバミ(大黄花片喰)


